初めての方へ 目次 エクササイズ&プラクティス集
テーマ別インデックス Real Junko Voice目次
社交ダンス的・プロトコールのススメvol.3
チマタのパーティ体験・
俺の目を見ろ!
~社交ダンサーのための“距離感”の教養 ⑥~
「再現シーン・その2」
赤いポロシャツの襟を立てた男性が、
やおら※ワタシの前に立ち、手を差し伸べる。
※おもむろに。静かに。そっと。
さっきの男性より、ツカミは紳士的でOK・・・と思いきや
ラテンチックなまなざしで、ジーッと見つめながら
「ダンスは、初めて?」
思わず
「ハァ・・・少しだけ」
すると、
「大丈夫、教えてあげる。
すぐに上手くなるよ」
と言ながら、手をギュッと握る。
と、かかった音楽が、珍しいことに“ウインナワルツ”。
ワタシに
「初めて?」
と確かめるや、腕力任せのシッカリ・ホールドを作り、
その中にワタシをはめ込みにかかる。
「そう、ジッとして。
そのまま、上を見て、ソウそう、いいよ。
それで、足を交互に動かす」
腕の遠心力を利かせた、
強引ナチュラル・ターンが始まった。
ワワワ、目が回る。
思わず、顔を下げようとすると
「下を見るな!」
さっきの紳士的態度はドコへやら、耳元で怖い声。
「ハイ」
素直に従うワタシ。
いきなりリバースターンに切り替える。
ダメだ、気分が悪い。
力を抜こうとすると、
「腕を上げて、視線はうえ!」
なぜか命令形。
短めの曲に救われる。
解放されてもまだ目がグルグルだ。
回復しない間に、ルンバがかかってしまった。
男性は、ワタシの両手を取って、まん前に立ち、
「ルンバは、初めて?」
「ハイ・・・」
もう、どうにでもなれという気分になってきた。
男性はルンバが一番の得意だという。
「ルンバは、男女の愛のダンスなんだ。
なぁに、コレもすぐに踊れるようになるよ」
そして、いきなり、来た。
「オレの目を見ろ」
男性は大きく目玉を見開いている。
吹き出しそうになったが、こらえた。
「じっと、見て。ソウ、ソウ」
目ン玉が乾きそう。
まぶたが重い。
「ズーッと、オレの目を見ていて。
それだけで踊れるから」
そんなワケないでしょ!?
とは、い・え・な・い。
男性、腕で、引っ張りまわし始める。
スポットターン。
「ダメだ!」
目をそらしたというのだ。
やり直し。
「回るギリギリまで、オレを見て」
と、さらに目をひん剥く。
「ソウだ、ね、回りやすいだろう」
ニンマリしている。
ロープスピニング
やっと、視線から解放かと思いきや、
すぐに、
オープニングアウト・トウ・ライト・アンド・レフトをしかける。
鼻息がかかるほど顔が近くなる。
ハナの穴を膨らまし、陶酔した表情だ。
やっと終了。
「イヤァ、上手いネェ」
すべて、
自分のリードで踊らせたと思っているようだ。
続く第877話へ
Real Junko Voice
(目次)
「もう一つの学連物語」
vol.65 ~ 教師&審査員試験への誘い ~
なんと、
「教師試験を受けろ」と言うのです。
教師の免許にもランクがあります。
ワタシは下から2つ目のランクにとどまっていました。
それも、スタジオ勤務時代に得たものです。
ということは、ざっと考えても、
16年以上もの間、
教師試験という世界観からは遠のいていたことになります。
何をイマサラ・・・?
ワタシは“父”の真意が分かりませんでした。
競技のランク、
例えばA級・B級にはそれなりの“重み”があるとは思いますが、
正直なところ、
教師免許のランクにどのような価値があるのかさえ知りません。
スタジオに居た頃は “両親”の言いなりで、
特に疑問も持ったことはありませんでしたが。
と、“父”は追い討ちをかけるように、
とんでもないことを言い始めたのです。
「オマエさんは嫌がるかも知れんけど、
競技会の“審査員”になって欲しいんや」
つまりは、
審査員になるためには、ソレ用の試験があり、
その試験を受ける資格を得るために、ワンランク上の教師免許がいる、
ということなのです。
ワタシは、当然、断りにかかります。
審査員なんて無理です。
ワタシが誰を審査できるというのです?
確かにA級にはなったし、
西部日本のファイナリストなど、ソコソコの成績は取りましたが、
ソレはカタチだけの話であって、
自分のダンスの力量とは一致していたようには感じないこと。
それに何より、
競技生活など15年も前に終わっています。
スタジオを離れてから、特に競技志向のレッスンはやっていないし、
カラダ作りや、
コミュニケーションなどの路線でやってきたわけで・・・
と、一気に話し始めたワタシをソッと制するように、
“父”は言いました。
「そういうことは、どうでもエエ」
ここから、不思議な話が始まります。
まだ、ワタシには十分“箔”(はく) ※が、あること、
活躍した時代のことを、協会の仲間は忘れていないこと、
審査員として“復帰”したら、みんなが喜んで迎えるであろうこと。
そんなはずはナイ
と、ワタシは信じられません。
すると
「オマエさんは自分の価値を分かっていない」
ワタシは言い返します。
ソウかもしれないが、
競技会の審査員としての価値はないということだけは、
よくわかると。
全く話が絡まなくなってきました。
そういえば、スタジオ勤務時代もこんなだったナァ。
“父”は苦笑を始めます。
言い出したら“親”の言うことを聞かん“娘”
程なく、スタジオを後にしたワタシの気分は重く・・・
※人が重んじるように外面的に付加されたもの。値打ち
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チマタのパーティ体験・
俺の目を見ろ!
~社交ダンサーのための“距離感”の教養 ⑥~
「再現シーン・その2」
赤いポロシャツの襟を立てた男性が、
やおら※ワタシの前に立ち、手を差し伸べる。
※おもむろに。静かに。そっと。
さっきの男性より、ツカミは紳士的でOK・・・と思いきや
ラテンチックなまなざしで、ジーッと見つめながら
「ダンスは、初めて?」
思わず
「ハァ・・・少しだけ」
すると、
「大丈夫、教えてあげる。
すぐに上手くなるよ」
と言ながら、手をギュッと握る。
と、かかった音楽が、珍しいことに“ウインナワルツ”。
ワタシに
「初めて?」
と確かめるや、腕力任せのシッカリ・ホールドを作り、
その中にワタシをはめ込みにかかる。
「そう、ジッとして。
そのまま、上を見て、ソウそう、いいよ。
それで、足を交互に動かす」
腕の遠心力を利かせた、
強引ナチュラル・ターンが始まった。
ワワワ、目が回る。
思わず、顔を下げようとすると
「下を見るな!」
さっきの紳士的態度はドコへやら、耳元で怖い声。
「ハイ」
素直に従うワタシ。
いきなりリバースターンに切り替える。
ダメだ、気分が悪い。
力を抜こうとすると、
「腕を上げて、視線はうえ!」
なぜか命令形。
短めの曲に救われる。
解放されてもまだ目がグルグルだ。
回復しない間に、ルンバがかかってしまった。
男性は、ワタシの両手を取って、まん前に立ち、
「ルンバは、初めて?」
「ハイ・・・」
もう、どうにでもなれという気分になってきた。
男性はルンバが一番の得意だという。
「ルンバは、男女の愛のダンスなんだ。
なぁに、コレもすぐに踊れるようになるよ」
そして、いきなり、来た。
「オレの目を見ろ」
男性は大きく目玉を見開いている。
吹き出しそうになったが、こらえた。
「じっと、見て。ソウ、ソウ」
目ン玉が乾きそう。
まぶたが重い。
「ズーッと、オレの目を見ていて。
それだけで踊れるから」
そんなワケないでしょ!?
とは、い・え・な・い。
男性、腕で、引っ張りまわし始める。
スポットターン。
「ダメだ!」
目をそらしたというのだ。
やり直し。
「回るギリギリまで、オレを見て」
と、さらに目をひん剥く。
「ソウだ、ね、回りやすいだろう」
ニンマリしている。
ロープスピニング
やっと、視線から解放かと思いきや、
すぐに、
オープニングアウト・トウ・ライト・アンド・レフトをしかける。
鼻息がかかるほど顔が近くなる。
ハナの穴を膨らまし、陶酔した表情だ。
やっと終了。
「イヤァ、上手いネェ」
すべて、
自分のリードで踊らせたと思っているようだ。
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vol.65 ~ 教師&審査員試験への誘い ~
なんと、
「教師試験を受けろ」と言うのです。
教師の免許にもランクがあります。
ワタシは下から2つ目のランクにとどまっていました。
それも、スタジオ勤務時代に得たものです。
ということは、ざっと考えても、
16年以上もの間、
教師試験という世界観からは遠のいていたことになります。
何をイマサラ・・・?
ワタシは“父”の真意が分かりませんでした。
競技のランク、
例えばA級・B級にはそれなりの“重み”があるとは思いますが、
正直なところ、
教師免許のランクにどのような価値があるのかさえ知りません。
スタジオに居た頃は “両親”の言いなりで、
特に疑問も持ったことはありませんでしたが。
と、“父”は追い討ちをかけるように、
とんでもないことを言い始めたのです。
「オマエさんは嫌がるかも知れんけど、
競技会の“審査員”になって欲しいんや」
つまりは、
審査員になるためには、ソレ用の試験があり、
その試験を受ける資格を得るために、ワンランク上の教師免許がいる、
ということなのです。
ワタシは、当然、断りにかかります。
審査員なんて無理です。
ワタシが誰を審査できるというのです?
確かにA級にはなったし、
西部日本のファイナリストなど、ソコソコの成績は取りましたが、
ソレはカタチだけの話であって、
自分のダンスの力量とは一致していたようには感じないこと。
それに何より、
競技生活など15年も前に終わっています。
スタジオを離れてから、特に競技志向のレッスンはやっていないし、
カラダ作りや、
コミュニケーションなどの路線でやってきたわけで・・・
と、一気に話し始めたワタシをソッと制するように、
“父”は言いました。
「そういうことは、どうでもエエ」
ここから、不思議な話が始まります。
まだ、ワタシには十分“箔”(はく) ※が、あること、
活躍した時代のことを、協会の仲間は忘れていないこと、
審査員として“復帰”したら、みんなが喜んで迎えるであろうこと。
そんなはずはナイ
と、ワタシは信じられません。
すると
「オマエさんは自分の価値を分かっていない」
ワタシは言い返します。
ソウかもしれないが、
競技会の審査員としての価値はないということだけは、
よくわかると。
全く話が絡まなくなってきました。
そういえば、スタジオ勤務時代もこんなだったナァ。
“父”は苦笑を始めます。
言い出したら“親”の言うことを聞かん“娘”
程なく、スタジオを後にしたワタシの気分は重く・・・
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