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特別シリーズ 
社交ダンスを教えるということvol.6 

ダンス・レッスンで最重要なのは!?

木を見て森を見ず!? ④


ダンスのレッスンで何が一番重要か?
をお話する前に、次の2つのレッスン例を観ていただこう。
で、あなたも一緒に考えてみて欲しいのです、
“ダンスのレッスンで何が一番重要か?”

「スリー・アレマーナのリードが上手くいかない」
と悩んでいたある男性A氏、
個人レッスンでコーチャーに申し出た。
「グループレッスンで、
スリー・アレマーナを習ったので、
パーティで試したいのですが、
どうも上手く行かないのです」



(例1)

コーチャーB子の場合

「では、どんな感じかワタシと踊ってみてください」
コーチャーであるB子と、
スリー・アレマーナを一緒に踊ってみるA氏。

B子は、
「あ~ッ、コレじゃ無理。
一緒に踊る女性がこけてしまいます」

そして、怒涛のごとく
“気になるところ”を指摘し始めたんだ。
「(リードする左)手を動かしすぎて、
女性がぶれてしまう」
「コネクションができていない」
「8ビートでリードするほうが良い」などなど。

その一つひとつに改善を試みるが、
ナカナカすぐにはできない、A氏。

挙句の果て、B子は、
「ひょっとしてぇ、
女性が何してるかチットモ知らないでしょ? 
そんなの、ダメ」
なんて、なぜか“タメ口”

A氏、汗はいっぱいかいて色々奮闘したものの、
「難しいですなぁ」
で、全くの自信喪失だ。

B子は最後に一言
「もともと難しいフィガーなんだからぁ、
後はがんばって練習あるのみ!」


(例2)

コーチャーC美の場合

「では、どんな感じか一度、
ワタシと踊ってみていただけますか?」
コーチャーであるC美と
スリー・アレマーナを一緒に踊ってみるA氏。

C美は、
「そうですねぇ。
今、踊った感じから言うと・・・
ものすごく腕がリキンでいますね。
ソレと、女性がどちらに回転しているか、
とか、あんまりご存知ないのでは、
と思うのですが」

A氏は言う。
「女性のこと? イヤァ全く分かりません。
腕に力が入っていることも、気がついていません」

C美は、
「それではいけません。
腕がリキンでいたら、
女性からの体重移動などの情報が入らないのです。
ダンスに腕や手のリキミは大敵です」
「それに、女性の動きを全く知らなくて、
一体、何をリードできるというのでしょう!?
ひょっとしたら、
スリー・アレマーナどころか、
アレマーナのリードもできていないのでは
ないでしょうか?」
理路整然とした感じで言う。

A氏は
「イヤァ、恥ずかしながら、
そうかも知れません」

レッスンは、
いかに腕のリキミを抜くか、ということと、
アレマーナのリードにシフト。

A氏は、
「基礎が全くできていないってことですね」
と意気消沈。

C美が励ますように言った。
「基礎と言うのが、一番、難しいですからね」
急がば回れですよ。がんばりましょう」



さてさて、
前号まで読み進めてくださったあなたなら、
「例1・2ともコレではダメ!なレッスン例ですね」
と、分かるはず。
そして、
「例1はいわゆる
“木を見て森を見ず”のレッスンでしょ?
でも、例2はコレではダメだろうって感じるんだけど、
どうしてダメなのかは、はっきりわからない」
と言う方、多いかもね。


ジュンコ先生が言う。
「では、A氏の気持ちになって考えて見ましょうか?
A氏レッスンにおけるニーズは何だったのかしら?」



「えーと、
『グループレッスンで、スリー・アレマーナを習ったので、
パーティで試したいが
上手く行かないから何とかして欲しい』でしたね 」


ジュンコ先生
「ソウね。
例2のC美コーチャーは、
そのニーズには応えたかしら?」



「イエ」


ジュンコ先生
「じゃぁ、何のレッスンをしたのかしら?」



「いかに腕の力を抜くか、ということと、
アレマーナのリードのレッスン・・・
スリー・アレマーナではありません」


ジュンコ先生
「ソウね。
ニースがずれているわね」



「でも、C美コーチャーのほうが、
より本質的なレッスンだったんじゃないですか?
スリー・アレマーナの前に、
アレマーナができるようになること、
それに、腕のリキミをとることも」


ジュンコ先生
「さぁ、そこが問題ね。
もう一度、
A氏の気持ちになって考えて見ましょうか?
A氏はアレマーナではなく、
スリー・アレマーナのリードが、
できるようになりたかったわけでしょ?
そのためのアドバイスが欲しかった・・・
でも、コーチャーにアッサリ、
『アレマーナのリードもできていないし、
こんなにリキンだ腕では、無理』
って、感じになっちゃったわけでしょ?
なんだか気の毒ね」



「・・・」


ジュンコ先生
「何度も言うようだけど、
ダンスのレッスンで最も重要なのは
“正しいことを言うこと”ではない
重要なのは・・・

“共感”なのよ」


      続く 第843話へ





Real Junko Voice

「もう一つの学連物語」
vol.31 ~ 感情の赴くままに ~
 
「結局ね、ワタシが“その人”に電話したのは、
コレは1回目も2回目もそうなんだけど
“勇気を持って自分がやりたいことを表現”する、
そういう試練だったとも思うの」

ヒデ君の「ようワカランナァ」といった雰囲気を感じ取りながらも、
ワタシは話を続けます。
「離婚したのに『寄りを戻したい』とワザワザ会いに行ったのも、
ソウだし、
もっといえば、離婚したこと自体もそう」

すると、ヒデ君はコンナコトを言い出します。
「ジュンコ先生“その人”との離婚の後に、
もう1回離婚体験、あるんやモンナァ。
バツ2・・・。
別れるってくっつくより、勇気が要るやろうに、
ホンマ、ようやってきたよなぁ」

結婚していなかった“彼女”と別れるという体験だけでも、
多大なエネルギーを要したのに、といったところでしょうか。
ワタシは笑いながら答えます。
「そうね。50年弱しか生きていないけど、
色んな体験を深―くやってきたという感じはあるよね。
おばあちゃんが言ってくれた
『ジュンコの好きにさせちゃりーな(させてあげなさい)』って言葉どおり、
常に“自分の好きに生きる選択”をやってきたからだと思う。
気持ちに素直にというか、
自分の感情が訴えるがままに動いてきたって、感じよね。
『これはやってみよう』と思いついたことは、理性で止めることなく、
実際に行動に移してきた」

理性で止めることなく、といったところに、ヒデ君は反応します。
「ジュンコ先生のさまざまな体験話って、
よう聞くけど(よく聞くけど)、
ムッチャ“イタイ体験”もいっぱいしてきてるやん(笑)
確かに理性を通したり、世間体を気にしてたら、
デケヘンようなモンもいっぱいあるわなぁ。

「世間体をすごく気にしながら生きていた両親を観ていたせい、
その“反動”みたいなものも大きいと思う。
両親は“冒険”とか“挑戦”とか“変化”よりも、
“安定”“安全”を善しとしていた。
でも、それだと、限られた体験しかできなくなる。
自分がやってきた体験がすべてになってしまって、
それ以外の体験をしてきた人を奇異な目で見たり、
理解できないって片付けちゃったり。
それって、残念だと思うのよね」

ヒデ君はうなずきます。

「“勇気を持って自分がやりたいことを表現”すれば、
結果、上手くいくときもあれば、ソウでないときもある。
だって、“結果”は、選べないでしょ?
もし上手くいかなくっても
『アァ、失敗した』で終わっちゃうのではなくて、
どこがまずかったのかを見直して、
もっと良いやり方を考えて、挑戦する。
すると、失敗が単なる失敗ではなくなるのね。
失敗ではなくて、
もっと良いやり方を知らなかっただけだったんだと思えるようになるの。
それに、こういうことを繰り返していると、だんだん分かってくる。
本当に、心底、自分がやりたいと思っている表現なのか、
イヤ、実はそこまでではないか、が。
ハナからやる必要のない体験というのもあるし、
世間や理性が止めようが、
あえて自分の成長のためにやらなきゃいけない体験もある。
その区別もだんだんできるようになってくる。
ワタシにとっては、そういう考え方、
生き方ができるかどうかの試練だったと思うのよ]

「なぜなら・・・」



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