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正直、
一番最初にソレ見を見たときは、
なんだか滑稽だなって思ったんだ。
まじめぇーなすましーた顔して、
一生懸命、首を振っている・・・。
痛くならないのかな?
アレって“表現”なんだろうか?

でも、世界のトップダンサーのソレを見て、
イメージは激変した。
シャシャシャッ!シャカーン!スパッ!シュッ!
なんというキレの良さ
カッコいい・・・
やってみたい・・・
それにしても、
なんであんなに速く、パワフルに、動かせるんだろう?
いったいどうやっているんだ?

・・・何って? 

タンゴのネックアクションのことですよ。



「さて、次は“速い”相対時間のコントロールに挑戦よ。
タンゴのPP
(第82話)とそれに伴う、
ネックアクションで勉強してみましょう」




真理は心の中で、ガッツポーズだ。
「うれしい!あの動きの秘密、知りたかったんだ」



「速い動き、キレあるアクションは、
見た目にカッコいいだけでなく、体感が魅力的ね」
ジュンコ先生はそう言って、


速く、パワフルな運動ほど、

最高にリラックスしていないとできない
のよ。

いかに全身の力を抜くか、それにかかってくるわ」



へぇ~そうなんだ。
私、力んでやるもんだと思っていたわ…と真理。



すべての筋肉が、
束縛から解き放たれた一瞬を狙って、

ズバッ!


だから、心地いいの。
自分のカラダから生み出せる“高速感覚”をぜひ体験してほしいわ」


ジュンコ先生は、
男女二人組になりホールドをして向かい合って立つよう指示を与えた。


「カラダの自由が利くようにタンゴ用のホールドではなく、
普通のホールドでいいからね。
では、まず、呼吸も何も意識しないで、
男性は女性をPPに誘導してみましょう。
しかもなるべく高速でね。
あ、ステップはナシね。
クローズドポジションからいきなりPPよ」



みんな戸惑っている様子だ。



「先生、手を使ってしまうんですけど・・・右肩が出るなぁ」
森田さん、なかなかうまく女性に伝わらない様子だ。



と、平田さんが口を開いて
「ステップがないとやりにくいですな。
プログレッシブ・リンクならできそうなんですが」

やはり、困っている様子。



「難しいでしょ? さぁではヒントね。

どんなリードでも床からのパワーを利用する(第69話)
これがまず鉄則だったわね。

ネックアクションもボディの運動から起こすもの、
で、外の筋肉を大ぶりするのではなく、

インナーマッスルの連動で行うアクションなの、

以上3つ、気をつけてもう一回トライしてみて」



でも、やっぱりうまくいかない。
女性の中には、
無理やりカラダをねじられて嫌がっている人もいるようだ。



「余りやりすぎると、カラダに良くないから(笑)
この辺で本題に入るわね」

呼吸のテクニックの登場のようだ。

「ゆっくりPPのときは、呼吸を吸ったわね。
今度は、いい?吐くの。
しかも

吸った感覚から一気に吐き下ろす・・・

イメージは、
居合(いあい・・・座った姿勢から瞬時に刀を抜き、敵を斬る剣技)」



みんな目をパチクリして聞いている。



「一番速い運動のためには、

重力方向に逆らわず

“落とす”垂直パワーを使う


これが最大ポイントよ。
つまり、床から頂いたエネルギーを上昇させ、
それを一気に下降させることで生まれるパワーね。
それをPPに開く動力に使うわけ」



・・・・・・



「ネックアクションという一瞬の動作にも実は全身の筋肉が参加し、
反応し、働いているの。
その働きが順番どおり、正確にできたときのみ、
美しく、キレのある運動として完結されるわけ。

その超人的なコントロールを一瞬でしてくれるのが呼吸
なのよ」



まだ、みんなはキョトンとしているふうだ。



「実際にやってみましょうか、ハイ、

吸った感覚から、一気に吐く!

ソウ、わからなかったら、何か音を口にしてみて。
シャッ!スパッ!シュッ!ハァッ!なんでもいいわ。
実際叫んでみるのよ」
平田さんが笑いだした。



「『シュッ!』って言ったら、
本当にやりやすいですわ。
気分いいですなぁ」



「先生…女性は?」
紀子さんが尋ねた。



「男性が、吸っている感覚があったら
『そろそろ次来るな』って感じるでしょ!?
そうしたら、
女性も、自分で『シュッ』とか『シャッ』として、フォローするのよ」



紀子さん、さっそく試して・・・
「アラ、いい感じ。
自分でもカッコよく踊れているみたいな気がします」



「先生、
PPになってからクローズ(閉じる)させる時は、
柔らかく吸えばいい
みたいですね」

和夫だった。



「そのとおりよ!“柔らかく”ってところに気がついたのもエライわ」


真理もうれしかった。


「速いって気持ちいい!
でも、次のゆっくりがあるから、そのメリハリがまたいいのよね」
と、思っていたら、ジュンコ先生がその解説をしてくれた。


高速体験の後のゆっくり体験


これこそが相対時間のコントロールが成功したものにしか理解できない、
楽しみ、タンゴの醍醐味よ。

次は、呼吸とルンバのレッスンに移るわね」



      続く 第84話へ



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