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エクササイズ＆プラクティス集へ
ジュンコ先生のグループレッスン。
課題のアマルガメーションを各自で練習中だ。
例のジャズ・ミュージックがずっと流れている。
みんなも（音楽に）ずい分慣れてきた様子だが。
競技志向のハナコさんから声が上がった。
「少しは音楽を感じて
踊れるようになってきたのかなと
自分では思ってるのですが・・・」
「ソレは良かったわね」
とジュンコ先生。
「でも、
どんなカッコウをして踊ってるのかが、
すごく気になるんです」
みんなは、
ハナコさんの話に耳を傾け始め、
と、美意識は人一倍のケイコさん
「ハナコさんは競技会に出ているから、
余計にソウでしょうね。
やっぱりキレイなシルエットでないと、
いくら音楽を大切にしていたって
勝てないですものね」
すると、トシ子さん
「ハナコさん、
キレイに踊っていらっしゃいましたよ。
さっき、チラッと拝見したのですが」
励ますように言うが、
ハナコさんは、
「ソウかしら・・・」
と、あんまり信じていない様子だ。
すると、陽気な田島さんが
ニコニコしながらハナコさんに近付き、
手を取った。
みんなにダンスを観てもらいましょうという風だ。
果たして、
田島さんとハナコさんはホールドをし、
スローを踊り始めた。
♪♪♪♪♪♪♪♪
拍手が起こった。
「ハナコさん、
いい感じですよぉ、ホントに。
首がスーッと長くて、
ホールドもキレイですぅ」
カナちゃんが感嘆している。
ケイコさんも
「失礼ですが、
以前よりずっとナチュラルな感じで、
私も良いと思います」
ところが、
当人のハナコさんはポカンとした表情だ。
でも次の瞬間、ほおを赤らめ
「田島さんが、耳元で
『ハナコさんは音楽鑑賞していてください。
僕に任せて』
と言ってくださって。
だから、私はただ、
音楽を感じようとしていただけで・・・」
と言うや、
ノリタケ君が少々おどけながら
「田島さん、カッコイイ！
オレもそう言えるようになりたい」
みんな爆笑だ。
田島さんも額に汗をひからせながらニコニコ
「そんなことバラさなくても」
といった感じで頭をかいている。
ジュンコ先生が口を開いた。
「私も非常に自然なシルエットで
踊れていたと思うんだけど。
ハナコさん自身の感覚はどうだったのかしら？」
すると、ハナコさん、
面白いことを言い出した。
「自分では、
いつもレッスンで言われているように、
気持ち良く音楽を聴いて、
自分のカラダの中の動きも感じていたように思います。
でも、
あんまり“楽”すぎて
コレでいいハズがないのに
って感じです。
いつもは『ヒジを張って、頭を高く』って、
アチコチいっぱい気をつけてがんばっていましたから」
ジュンコ先生はうなずきながら聞いていたが、
みんなの方に向き直り
コンナ質問を
「見た目はすごくキレイだけど、
（一緒に）
踊ったら踊りにくいと
一緒に踊った相手から思われる人と、
見た目はあまり良くないけれど、
（一緒に）
踊ったら音楽性が豊かでとても踊りやすいと、
一緒に踊った相手から思われる人、
どちらかしか選べないとしたら、
どっちの人になりたい？」
カナちゃんは
「ワァ～難しい選択だわぁ。
ビジュアルは絶対外せないモンなァ」
平田さんは
「私は後者ですな。
男は“仕事”ができないと
評価の対象外ですからな（笑）」
坂田さんも
「僕も・・・。
まずは踊り自体で勝負です」
ところが、ヨシコさんは
「ワタシ、
キレイな方がいいカモ。
まずはソレを押さえておいてからでないと、
ダンスの努力もしにくいような」
ハナコさん、
ケイコさんもソウソウといった感じで
うなずいている。
と、千恵子さんが
まじめな表情でこんなことを言い出した。
「でも、踊っているときって、
自分では自分の姿は見えませんよね？
キレイに踊っているのかどうなのかって分からない。
ならば、ワタシは後者を選びます」
真理も
「コレまでの
ジュンコ先生のレッスンを聞いていると、
音楽をよく聴きながら踊っていると、
そのうちにビジュアルも
キレイになれるんじゃないかしらと思ったので。
その将来性にかけて（笑）後者を選びます」
ジュンコ先生は微笑みながら聞いていたが、
「もう一つココに選択肢を設けたとする、
『見た目がすごく良くて、
音楽性が豊かで踊りやすいという評価がもらえる人』
そうしたら、全員、
そんな人になれることを選ぶわよね？」
みんな、うなずいている。
「そのためには
視覚重視の
シルエット・ダンス姿勢を卒業し、
聴覚＆触覚重視の
シルエット・ダンス姿勢にシフト
しないとね」
みんな？？？な表情だが・・・
次回へ
続く 第773話へ
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例のジャズ・ミュージックがずっと流れている。
みんなも（音楽に）ずい分慣れてきた様子だが。
競技志向のハナコさんから声が上がった。
「少しは音楽を感じて
踊れるようになってきたのかなと
自分では思ってるのですが・・・」
「ソレは良かったわね」
とジュンコ先生。
「でも、
どんなカッコウをして踊ってるのかが、
すごく気になるんです」
みんなは、
ハナコさんの話に耳を傾け始め、
と、美意識は人一倍のケイコさん
「ハナコさんは競技会に出ているから、
余計にソウでしょうね。
やっぱりキレイなシルエットでないと、
いくら音楽を大切にしていたって
勝てないですものね」
すると、トシ子さん
「ハナコさん、
キレイに踊っていらっしゃいましたよ。
さっき、チラッと拝見したのですが」
励ますように言うが、
ハナコさんは、
「ソウかしら・・・」
と、あんまり信じていない様子だ。
すると、陽気な田島さんが
ニコニコしながらハナコさんに近付き、
手を取った。
みんなにダンスを観てもらいましょうという風だ。
果たして、
田島さんとハナコさんはホールドをし、
スローを踊り始めた。
♪♪♪♪♪♪♪♪
拍手が起こった。
「ハナコさん、
いい感じですよぉ、ホントに。
首がスーッと長くて、
ホールドもキレイですぅ」
カナちゃんが感嘆している。
ケイコさんも
「失礼ですが、
以前よりずっとナチュラルな感じで、
私も良いと思います」
ところが、
当人のハナコさんはポカンとした表情だ。
でも次の瞬間、ほおを赤らめ
「田島さんが、耳元で
『ハナコさんは音楽鑑賞していてください。
僕に任せて』
と言ってくださって。
だから、私はただ、
音楽を感じようとしていただけで・・・」
と言うや、
ノリタケ君が少々おどけながら
「田島さん、カッコイイ！
オレもそう言えるようになりたい」
みんな爆笑だ。
田島さんも額に汗をひからせながらニコニコ
「そんなことバラさなくても」
といった感じで頭をかいている。
ジュンコ先生が口を開いた。
「私も非常に自然なシルエットで
踊れていたと思うんだけど。
ハナコさん自身の感覚はどうだったのかしら？」
すると、ハナコさん、
面白いことを言い出した。
「自分では、
いつもレッスンで言われているように、
気持ち良く音楽を聴いて、
自分のカラダの中の動きも感じていたように思います。
でも、
あんまり“楽”すぎて
コレでいいハズがないのに
って感じです。
いつもは『ヒジを張って、頭を高く』って、
アチコチいっぱい気をつけてがんばっていましたから」
ジュンコ先生はうなずきながら聞いていたが、
みんなの方に向き直り
コンナ質問を
「見た目はすごくキレイだけど、
（一緒に）
踊ったら踊りにくいと
一緒に踊った相手から思われる人と、
見た目はあまり良くないけれど、
（一緒に）
踊ったら音楽性が豊かでとても踊りやすいと、
一緒に踊った相手から思われる人、
どちらかしか選べないとしたら、
どっちの人になりたい？」
カナちゃんは
「ワァ～難しい選択だわぁ。
ビジュアルは絶対外せないモンなァ」
平田さんは
「私は後者ですな。
男は“仕事”ができないと
評価の対象外ですからな（笑）」
坂田さんも
「僕も・・・。
まずは踊り自体で勝負です」
ところが、ヨシコさんは
「ワタシ、
キレイな方がいいカモ。
まずはソレを押さえておいてからでないと、
ダンスの努力もしにくいような」
ハナコさん、
ケイコさんもソウソウといった感じで
うなずいている。
と、千恵子さんが
まじめな表情でこんなことを言い出した。
「でも、踊っているときって、
自分では自分の姿は見えませんよね？
キレイに踊っているのかどうなのかって分からない。
ならば、ワタシは後者を選びます」
真理も
「コレまでの
ジュンコ先生のレッスンを聞いていると、
音楽をよく聴きながら踊っていると、
そのうちにビジュアルも
キレイになれるんじゃないかしらと思ったので。
その将来性にかけて（笑）後者を選びます」
ジュンコ先生は微笑みながら聞いていたが、
「もう一つココに選択肢を設けたとする、
『見た目がすごく良くて、
音楽性が豊かで踊りやすいという評価がもらえる人』
そうしたら、全員、
そんな人になれることを選ぶわよね？」
みんな、うなずいている。
「そのためには
視覚重視の
シルエット・ダンス姿勢を卒業し、
聴覚＆触覚重視の
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しないとね」
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