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和夫35歳 真理30歳
ダンス歴はともに3年ちょっと。
ダンスを始めた動機をそれぞれに聞いてみよう。

和夫「会社の同僚から『お前、腹、出てきたな』と言われて。
自分でも運動不足を感じていたから、ヤバイ!ってね。
そいつがダンスをやっていて、
『結構いい運動になるゾ』なんて言うもんで始めたんだ。
でも、やっぱり最初は恥ずかしかったよ。
このオレがダンスなんて!?って感じもあったしネ。
第一女性に触れるんなんて・・・もうドキドキしたよ。
でも、それにも慣れてきた頃、
『お?カラダ締まってきたかな?』って手ごたえを感じて。
コレ、筋トレよりひょっとしたらイイかも?・・・
そう思って続けているんだ」

真理「テレビの番組を見て、素敵だなぁって。
でもまぁ私には無縁な世界と思っていたんだけど。
偶然仕事である地元ダンスサークルの取材に行ってビックリ!
(私、フリーのコピーライターです)
私よりずっと高年齢な人が華麗にダンスをしているのを見て、
スゴイなぁって思ったわ。
みんな熱心なのよねぇ。
ひたむきに取り組む姿を見て、興味を持ってしまったのよ。
自分もやってみたら“踊る人”の気持ちがわかるかしら?
そう思ってちょっとかじってみるつもりが、みごとハマっちゃった!」

二人はサークルで知り合い、カップルになった。
組み始めてまだ1カ月ソコソコという、初々しさだ。
お互い、わからないところを次に持ち越すのが嫌いなタイプ。
レッスンで習ったところの教え合いをするうちに、
「一緒に練習してみようか・・・?」自然とそうなった。

「自然じゃないよ。
僕からの猛然アタック(笑)
彼女のダンスのセンスに一目惚れしたんだ」

「それはこっちのセリフよ。
カズ(和夫のこと)は、素直なダンスで踊りやすいの」

ウーン、なかなかいいムードだ。
このの始まりのようなトキメキフィーリングが、
今後、どのように変化をしていくのかも見モノだが・・・。


サークルでは、
それまでメンバーの一員だった、
アマチュアの競技選手のカップルが指導に当たっていたのだが、
突然のカップル解消でサークルもやめることに。
で、代わりにやってきたのが、プロの女の先生だった。
サークルの年長者の古い知り合いらしいが・・・。


「まだ少ししか受けていないから良くわからないけど、
ジュンコ先生のレッスンって、
今まで習ってきたこととなんか違うから、ちょっとまだ変な感じ。
カラダが迷っているみたい。カズはどう?」

「同じだよ。
でも、何が正しいなんて僕らにはまだわからないからサ、
習ったことをとりあえず、
真面目に練習してみるとイイんじゃないかなと思っているけど」

「ソレ、同感ね」


今日の練習のテーマは、先日習ったばかりの「ホールド」だ。


「すぐに一緒に組まないで、
まずそれぞれ各自で、
相手と組むイメージをしながらホールドの練習をしてみてね。
自分のカラダの変化がよーく感じられるように・・・」


先生に言われた通り、
二人は思い思いの場所に散らばってホールドの練習をスタートした。

「最終的には、
各自の中でホールドしていく順番も決まっていくものなんだけど、
まずは一応のライン(方向性)とチェックするべき点を書いたものを渡すから、
それに従ってやってみて」

と、先生がプリントを渡してくれた。

「読みながらこの通りやろうとしても、
たぶん意味がわからないところがいっぱい出てくると思うから、
次回、質問を受け付けるわね」


さぁ、プリントを片手に二人とも真剣な面持ちだ。



ジュンコ先生のプリント


プラクティス

ホールドの作り方 

リラックスして立つ・・・
アバラの骨、肩の力を抜く

片足に体重を乗せ(男性は左、女性は右が分かり良い)
その足で床を感じる
・・・
床からの反作用を受け、お腹にパワーが上がってくる感じ

男性の左手と、女性の右手が組むために上がり始める・・・
ワキの下が開き、手が浮き始める感じがする(呼吸筋の操作)

お互いに手が取れる高さまで(みぞおち辺りでOK)
手を上げ続ける
・・・
床を下に感じた分だけ手が上がり、
カラダの中を後ろに引きこんだ分だけ手が前にいくのを感じる。
肋間筋の全方向への広がりを感じ始める。
(体幹部インナーマッスル・呼吸筋の操作)

男性の右サイドと女性の中心、
または右サイドが感じられるところに立つ
・・・
特に触れ合おうとしなくてOK。
この段階までで、どれくらいしっかり、
自分のカラダの体幹部の操作がなされているかが大切。
それができていれば、後の⑥⑦⑧⑨は決まってくる。
なお、女性のみ男性にない操作があるため後の※に記載。

⑥男性の右腕(手首とヒジの間)と女性の左腕(ヒジとワキの間)が接触。

⑦男性の右上腕に、女性は左手を軽く乗せる。

⑧男性は右手で、女性の肩甲骨の下あたりに軽く触れる。

もう一度お互い、床を感じ、
その反作用で、ホールドに必要なインナーマッスル群・呼吸筋を活性化、
そのパワーを両手、アウターボディ(外の筋肉)に伝え、
相手と感じあう
・・・
この最後のモーションによって、ワンピース感覚になり、
ホールドは広がりを生む


※⑤の女性の操作
左右の肩甲骨のありかを感じてみる。
右肩甲骨を背骨に向かって斜め下にコンプレッション
(圧力をかける感覚=右菱形筋を使う)し、
左肩甲骨を左やや前方にずらす。
左胸辺りの肋間筋の広がりを感じながら、
斜め上に左手を差し出していく感じ。
(このときも手は自ら上げようとはしないことが大切)



「一緒にやってみようか?」どちらともなく声をかけ、
二人でのホールド練習が始まった。 

「ごめん、オレ、②からもう意味がわからないや。
床からの反作用って感じが・・・」

「ア、一緒いっしょ!
だから後は書いてあるのを、ただそのままやっているって感じ。
先生に質問しようよ、今度・・・」

「うん、そうだね。でも、もう一回やってみよう」

ひっついては離れ、またひっついて・・熱心な二人の、
ホールド練習は繰り返し続くのだった。

                             

      続く 第69話へ



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