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特別シリーズ 
社交ダンスを教えるということ vol.4 

レッスンで仲良し崩壊!?

~カップルレッスン修行 ②~



新人教師による
初めてのカップルレッスンだったにも関わらず、
「なんだか思ったより上手くいくなぁ。
カップルレッスンって
(個人レッスンより)楽しくっていいカモ!」

てな、有意義な時間が過ごせたのは、
モチお二人のオカゲだったと思っている。

男性Y氏、女性K子さんのお二人は、
同じサークルに所属し、
カップルを組んでの練習を始めて3ヶ月。
ダンス歴はY氏4年、K子さん2年と、
まだ

初心者かな?といったところ。


さて、このお二人のレッスンが
ナゼ上手くいったのか?についてだけど
コレにはいくつかの要因があったんだ
・・・を、ザッと説明しよう。


その1

レッスン目標がハッキリあった

「(レッスンは)ナニをやっていきましょうか?」
の問いに、
非常に明快な答えが返ってきたんだな。
「実はルンバのデモをカッコよく踊りたいのです」
披露予定は、
お二人が所属するサークル主催のパーティで。
約2ヶ月後のことだ。
ベーシック中心で
組まれたルーティンはすでにアリ。
(サークルの先輩が組んでくれたとか。
コチラが組まなくてよいためラッキー)
こういう具体的な目標を掲げてのレッスンは、
士気が高まり、
非常にやりやすいんだな。
で、
「ルンバらしい表現ができるように、
教えていただきたい」

ってことで、学連出身のワタクシ、
競技ダンスの中でサンザンやってきた、
自分なりの“なりきりパワー”を伝授。
「ルンバは男女の愛の表現で・・・」
的なラブラブムードの演出は、
チョイ得意だもんねぇ。
それに、こういうノンって、
みんな照れながらも興味のアル部分でしょ?
で、お二人にもとってもウケタわけ。
時折笑いアリの、
活気あふれるレッスンの1時間は、
アッという間だった。


その2

二人のダンスレベルが伯仲し

ラテン的なセンスも

なかなかなモンだった


踊りの雰囲気が垢抜けているせいか、
お二人とも年齢よりウンと若く見え(失礼!)
ムードもいい!
ヤッパ、
みるみる上手くなっていくレッスンって、
受ける側も教える側も楽しいモンね。
特に男性であるY氏のほうが、
「ラテン、好きでしてねぇ~」
で、勘の良い、
いわゆるカラダでピンとクル人だったため、
非常に助かったんだ。
いくら「カッコよく踊りたい!」って言っても、
思うようにカラダがゼンゼン動かない
・・・だと、面白くないしね。
まだこちら側に教えるテクニックがないモンで余計に、
あせりマクリのレッスン必至だったと思うんだ。


その3

二人がとっても仲良しだった

Y氏、K子さんともに、
以前のパートナーには不満アリで解消、 
Y氏
「スゴクわがままな人でしたね」
K子
「自分勝手でわたしのことを
気遣ってくれない方だったわ」

で、共通の友人の紹介でお二人は出会い、
お互いに
「あぁ、この人なら、いいカモ」
と思い、実際に踊ってみて
その相性の良さを確かめあったって言うんだな。
ナーンか、
恋の始まりに似てるよーな
感じがしないわけでもないが・・・
まぁ、
仲良くニコニコムードでのレッスンは、
こちら側としてはうれしいモン。


ソンナコンナで
お二人のレッスンは順調に進み、
目標だった

パーティデモも成功!

・・・って、
それなら何にも問題ないじゃない?
カップルレッスン修行なんて、
どういうことよ!?

そうなんよ。
そのまんまだったら、
ベリーナイス!
ハッピーハッピーだったんだけどねぇ。
実はココからナンすよ、
ホントウの修行が始まったのは。


ルンバのデモが終わり、
お二人に次なる目標は、と聞くや
「今度はタンゴを踊りたい」
ときたんだな。
ルンバデモで気を良くしての
発言だったと思うしね。

それに、
「ダンスが楽しくなってきました。
スタンダードは二人とも
あまり得意ではないんですが、
本格的に習いたいです」


わたしは二つ返事でモチOK。

「タンゴのデモ用のルーティンも、
サークルで組んでもらったのを持っています」

で、さっそく踊ってもらったところ
「あぁ、Y氏って、
スタンダードはあまり得意でなさそうね」

とか
「K子さんも、スタンダードになったら、
男性にマルキリついていってるだけヤン」

が少々気になったものの、
まぁ、前回のルンバ同様、
目標もちゃんとあることだし、
お二人の仲良しフィーリングで
乗り越えていけるヤロウって思ったのが、


あぁ・・・

甘かった・・・



「ん? 様子がヘンだな」
に、気が付いたのは
タンゴのデモ用レッスンになって、
まだ3回目くらいの頃だったんだ。
いつもは、
レッスン時間より少し早めにスタジオ入りして、
フロアーの端っこで、
熱心に二人で練習をする姿を見かけたモンなのに、
二人とも、着替えが終わると
アラ?椅子に腰掛けたまんま。
しかも、なにやら、
お互いソッポを向いたまんまの

険悪ムード!?

まさか、け・ん・か?

レッスンが始まると、
さすがに笑顔を取り戻したものの、
それでもヤッパ様子は変だ。
で、私はさり気なく尋ねてみたんだ。
「お二人で練習をやっていて、
何か、やりにくいところがありますか?
お互いに、
もっとこうして欲しいなぁなんてところ、
あります?」


すると、
二人の顔色が、サッと変わった。
何かイヤナシーンでも思い出したかのように、
表情がこわばる・・・


しばらくたって、
言いにくそうにY氏が苦笑しながら
「僕がどうも、
彼女をひっぱりまわすみたいで。
イヤ、自分では
全く気が付いていないんですが」

と言う。

ふと見ると、
K子さんは、
ナントカして欲しいというような目で、
先生である私をジーッと見つめているではないか。

Y氏は続ける。
「僕からしたら、
彼女が自分でどうも動いてくれないので・・・
つい、何とかしたくなってくるんです」


非常に控えめな言い方だが、
「僕が彼女を引っ張りまわしてしまうのは、
動かない彼女のほうが悪い」

といっているように聞こえないでも、ナイ。


今のような、
インナーマッスルを使って
・・・などといった知識もを持ち合わせておらず
経験も少ない私であったが、
ドウにかコウにか、Y氏をレッスン。
K子さんは少し離れたところから、
その様子を見守りながら、
ジーッと事態が変わるのを待っている。


やりにくいなぁ・・

なんだか・・・



Y氏のホールドと動きを直し、
K子さんと組んでもらう。
すると、
「あ、コレならいいわ」
「私、バランスを崩さないで立っていられる」

と、K子さん。

私は、ほっとした。
でも、K子さんから
「ね、やっぱりあなたの方が、
悪かったんでしょ?
私ではなく・・・」

というフィーリングが
伝わってくるのがとっても気になったけどね。

次にK子さんにも、
口頭で
「もっと自分で動いていいのよ」
とアドバイス。
それには素直に従ったK子さん。

すると、
「アァ、そうやってくれると、
踊りやすい。
ホールドも楽です」

すかさず、Y氏からのコメント。

良かった・・・。

しかし、
二人に笑顔が戻りかけたのもつかのま。

「先生、ここの5ステップでも、
Yさんスゴク引っ張るんです。
私の動きが足りないんですか?」

と、迫ってくる。

ヤレヤレドレドレと、
Y氏と組んで少し直す。
「ね、ホラ、あなたが悪かったでしょ?」
ってな感じの、K子さん・・・



ものすごく苦しい時間だった。



その頃、
男性役がまだまだできていなかった私は、
K子さんの問題、
「相手に依存しながらついていっている」
を、同じ女性として、
ものすごーく感じながらも
的確にカラダで持ってアドバイスができなかった
・・・それが大問題だったんだな。

それで、
どうしてもレッスンがY氏に偏ってしまう。
ってことは、悪いのはK氏で、
Y氏が直れば問題ナシなわけであり、
K子さんは、
それで、余計に何もしなくなり
・・・の悪循環になってきてしまっていたんだ。

ソンナコンナがわかりながらも、
テクニック不足のどうしようもない自分に
私は気持ちが落ちこむ一方だった。


それから数回にわたって、
イヤァなパターンのレッスンが繰り広げられ
・・・になっちゃったんだが。

で、ソレはどんなパターンかって言うと、
お二人のお互いに対する
“言い分”を私が代わりに聞く。
で、いつもたいていその内容は一緒。
Y氏→K子「もっと自分で踊って欲しい」
K子→Y氏「力んで引っ張りまわさないで欲しい」
私は大半の時間を、
Y氏のホールドと動きの改良に努め、
(確かにカレのホールドは堅く、
その分動きもリキミからギクシャクしていた)
良くなったかどうかを、
K子さんに確認してもらう。

レッスン中にコレを何度か繰り返し、終了。
Y氏にとったら「二人の女性がグルになって、
アーダのコーダのと、
自分の自覚のないところに、文句を言ってくる」
・・・みたいなもん。

そりゃぁ、楽しくないでしょ?
な、レッスンよね・・・・


この二人

上手くいかないんじゃないかなぁ・・・



・・・フッと思った。
あんなに仲良しだったのに。


で、
ある日のレッスン、
決定的なシーンに出くわしてしまったんだ・・・



      続く 第490話へ



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