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特別シリーズ 
社交ダンスが教えてくれたこと 人間美学そして哲学vol.3 

ダンスでよみがえる感情

ダンスは感情体験で進化する ②


第410話の続き・・・
「難しいなぁ」や「楽しいな」は、
何もダンスをするときだけに味わう感情ではない。
また、それ以外にも、
私たちが日々遭遇している感情って、
いーっぱいあるしね。 
快・不快、好き・嫌い、喜び、怒り、悲しみ・・
ものすごく大きな感情もあるけど、
とらえどころのない小さな、あるいは薄い感情や
言葉にできないような、複雑な感情もあるだろう。
それらを意識するorしない、
大切に扱うor扱わないに関わらず、
(感情は)あなたという“存在”に
ひっきりなしに何かを語りかけてきているはずなんだ。
私たちは

人生のあらゆる体験を

感情という“彩(いろどり)”とともに

記憶している


そんな風に言っても決して言い過ぎではないだろうね。

つまり
「アンナことがあった」とか
「コンナことがあった」
という体験事実と感情とがセットになり 
A「あぁ、アレはとってもうれしい体験だったわ~」
とか
B「くそっ、コレは腹の立つ体験だぜ!」
という風に、
脳みそっていう装置に記憶しているってハナシ。
そんでもって、さらに重要なのは、
あらゆるシーンで引き起こされた感情は
常に
何らかの筋肉反応もを伴っていたということ・・・。
ココまでをまとめてみると

体験の記憶=事実+感情+筋肉反応 

って図式になるんだな。
例えば、
上記Aのうれしい感情には、
筋肉はほぐれるという反応が、
Bの怒りの感情には、
緊張して硬くなる筋肉反応があったはず。
で、興味深いことに
それぞれの体験記憶がよみがえったとき、
つまり、
Aの体験シーンを思い出したなら、
そのたびごとに、
うれしい感情とともにカラダがほぐれ、
同じく、Bの体験シーンを思い出すごとに、
腹の立つ感情とともにカラダも緊張をする
・・・を繰り返すっていうんだよ。
体験がどんなに古いものであろうと、
無意識の世界でソウなっちゃうんだから
すごい話だよね。
その結果・・・
「うれしいな」体験が多い人は、
(また、そのような記憶を思い出すことの多い人)
筋肉のほぐれる回数もそれだけ多く
実際、カラダのほぐれた感覚を
身に付けている人が、多い。
反対に、 
「腹が立つ」体験の多いは、
(また、そのような記憶を思い出すことが多い人)
筋肉の固まる回数もそれだけ多く
実際も固まった感覚主体の人が、多い・・・

え~、ホンマかいな!?って声があがりそうだけど
あながち“ウソォ~”な話でも
ナイんだよね、コレが。
ただし、ナマのカラダに与える影響って
色んな条件が絡み合ってのことだから、
単純には言い切れないところもあるけどね。
 

さらに
さぁ、ココからが注目!だよ。
その、

筋肉の中に潜在させている

深い感情は、

ダンスをすることによって表出する・・・


そう、

“刺激”を受け

“解放”されて出てくるんだ。

え、刺激って、何の刺激かって?
ソレは、例えばアレですよ、
前回このシリーズで取り上げた
“5つのつながり”
(第365話参照)

その中でも即効性のある刺激が

“音楽と相手”

だろうね。

音楽は、ただ聴いているだけでも
感情が誘発されるちゃうってモノでしょ?
「あぁ、コレ、いいネェ」
って音楽に出会えたら、
幸せモードに入ること、できるでしょ?
ココロの琴線がくすぐられ、ジーン
ウルウル涙したくなったり
勇気付けられ、元気になったり
って
音楽鑑賞だけでも
十分に素晴らしいものであるのに
ダンスとなれば、
ただ聴いているだけではない!!
音楽と共にカラダを動かすんだもん。
しかも、異性と一緒に・・・
そりゃぁ、ダイナミックに
感情が動くことができるわけなんよね。

「 “異性と踊っている”とは、
もう特別に意識しないわ。
当たり前になっちゃってるのかもしんないけど。
音楽も、外さないでおこうって気持ちのほうが強くて、
カウントばっかりとってるから。
感動なんてナイなぁ」
なんて言っているあなたにも、あったでしょ?
豊かな感情をいっぱい体験できた、初心の頃が。

本来
ダンスによる

潜在的感情解放現象

「今日からダンス初めまーす」の初心者

最もよく見られるものなんだ。

幸い、初心者をレッスンする機会に
結構恵まれている私、
その方たちの
“踊る前、踊る以後”の変化には、
いつも驚かされるちゃうよ。
踊るといっても、全く初めての彼、彼女たちに
ステップらしいステップはさせてはいないけどね。
ただ、男女が向かい合って手に手をとり、
音楽に合わせて揺れているだけ・・・
まぁ、そのシンプルさがかえって
感情に揺さぶりをかけるのであろうが、
とにかく、ダンシングの間中、
彼、彼女たちの潜在的感情解放は、
本人たちの意思とは全く関係なく
ドンドン推進されて(発展させていくこと)
いるようなんだな。
ソレはドコから分かるかというと、
まず、

顔の表情

ダンスを踊る前は硬い表情の彼らが
(ほとんど表情のナイ人もいるよ)
音楽をかけ、
手に手をとって踊り始めるやこぼれだす笑顔!
ホンマ、なんていい表情するんだろう!
って見ている側として思うわけ。
踊り終わった後は、
確実に表情が豊かになっている。
あ、それに、よく話すようにもなるよな。

次に、良く分かるのが、

気配

その人の周りに立ち込める空気が、一変するんだ。
どんより、重かった空気が、
明るく、そして軽くなる。
ビギナーの体験コースのときが顕著なんだけど、
みんなが踊り始めると
教室全体の空気が華やいだ、
活動的なものになるんだな。

そういえば
ある年齢30歳の彼女は、
生まれて初めてのダンス体験の後、
そのものズバリの感想を・・・

「楽しかった!!
自分が変わっていく予感です。
思いっきり解放されました」


「だって、主人と向かい合って
踊るだけでもドキドキなのに、
まして、他の男の人と触れ合うなんて
・・・すごい体験です。

(ご夫婦でグループレッスンに参加していた)
それに、音楽に合わせてカラダを動かすって、
気持ちいいですネェ。
カラダが、喜んでいるのが分かります」


実は、ダンスレッスン体験前、
私は彼女のカラダ(背中と手)に
少し触れる機会をもっていたんだ。
「ダンスってね、コウいうことをするのよ」
という感じで、
軽くホールドをしてステップを試していたんだね。
彼女の背中はおびえるように硬く、
手は冷たく、非常に力んでもいた。
で、レッスン後、
再び彼女のカラダに触れた時、
もう私はビックリしたよ。
その背中は、柔らかく
人の手に抱かれるのを拒否しないようになっていたし、
手も、温かくなじみ、
しなやかさを回復していたんだ。
そして何より変わっていたのは、
やはり表情と気配だった。
潔癖な生真面目すぎる感じの、
ややきつい空気が彼女の周りを取り巻いていたのが
ぐっと和らぎ、
その表情は女性らしい笑顔に包まれていた。
一緒に参加したご主人の言葉が、
そのすべてを言い表していような・・・。
「彼女に惚れ直しました(笑)」

多くの人が、
たった1回のダンシングで
何らかの内的な変化
をするものなんだな。
ソウ、ダンスで変化・変貌するのは、
実は内側からなんだ、
ってことを、初心者のレッスンをすることで、
何度も思い知らされてきた。
で、彼女のような
劇的変化を遂げる人も少なくはないからねぇ、
フーム・・・

恐るべし、ダンスの力!なんだけど、

この現象をもう一度言うと、
「筋肉の中に潜在させている深い感情は、
ダンスをすることによって表出する。
“刺激”を受け“解放”されて出てくる」
ってこと。

初心の頃はこの現象により、
「楽しい!!」
「ダンスっていいわネェ」
となることがほとんどだ。
潜在的感情にはポジティブなものも
ネガティブなものもあるが、
そのどちらであっても、
溜め込まれたものが
外へと発散される時には心地よく、楽しい

ものだからだ。

初心の頃のこの“解放”が
中級、上級になってもエンエン続くとなりゃぁ、
幸せ、めでたしダンシングなんだけどネェ。
そうは行かないもんねぇ。
ダンスによる感情体験には
良いものばかりではないんですよね。
つまり、楽しい楽しいだけではないって事。
で、お次はコレですよ。

ダンスは感情の

取り扱い方の勉強の場


をココロすべし・・・次回へ続く



      続く 第412話へ



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