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チョット中休み エッセイvol.95 

追悼式

~初・夏祭り・成功(3)~


Hさんの追悼式は、
男女4人のユニットによる
追悼パソドブレ・デモンストレーションから始まった。

演舞の前に、
出演者である男性の方からいただいた
手紙をヒデ君が読み上げたのだが、
それによると、
2月の練習会の帰り、
「次の“夏祭り”ぐらいに、
パソドブレのデモができたらいいな」

と言った提案が、Hさんの方からあり、
その時、一緒にいた“仲間”も、
「そうだね」と思ったと言う。
これが、今回のデモのきっかけとなったのだそうだ。
Hさんと一緒に踊ることは叶わなかったが、
新しく参加して下さる方を得て、
実現となったわけだ。

ラテン専科で、
パソドブレが本格スタートしたのは、1月。
2月と言えば、まだ始まって間がないため、
パソ・ビギナーだった
Hさんは大変!だったかもしれない頃。
それなのに
「デモの話が出ていた」
と知って、驚いたし、うれしかった。
楽しい!と思って下さっていたのだろうか・・
「パソ、上手くなりたいなぁ」
と、言っていたHさん。
あぁ、懐かしい声が、聴こえてきそうだ。

想いのこもった手紙・・・
読み上げるヒデ君は、泣いていた。
「出演者の緊張を考えると、
ヤバイ、アカンと思ったけど、
どうしようもなかった」


ワタシも同じだった。

先ほどまでの“祭”とはうって変わった、
重みのある厳かな空気が会場に満ちていった。
そんな中、デモは、静かにスタートを切った。

「Espana Cani」

見事だった。
ハイライトでは、悲鳴に近い声援が飛んだ。
終了時のスタンディング・オベーション。
拍手は、なかなか鳴り止まなかった。
Hさんへの“追悼”の想いで、
会場が1つになった・・・
それも、もちろんあるだろう。
が、ソレ以上に、
踊りとしても、素晴らしいものだった。

出演者されたある方によると、
「背中の辺りにHさんが居て、
ずっと一緒に踊ってくれている感じがした」

気合いが最後まで途切れなかったという。
確かに、そう。
1つ1つの動き、ソコから生まれるシェイプ
・・・すべてに、気が満ちていた。

ベーシックを上手く組み合わせた構成
4人のキャラクターにピッタリの、赤&黒の衣装
細部の飾り、裏地の赤にまでこだわった
“マタドール・ハット”
隅々にまで、気配りが成されたデモに、
ワタシは感動した。
パソは、基本、戦いの踊りであるが、
今回表現されたものは、調和であり、愛だった。
ココに到るまでに“仲間”たちが過ごしたであろう
さまざまなシーンが浮かんでくるようだった。
“より良い作品”にする為の、切磋琢磨・・・
チームワークの良さを、
ソコココに感じとることが出来た。
チームの一員として、Hさんはずっと一緒に、
時間を過ごしたのかも知れない・・・

今まで、数多くの、
パソドブレのデモ(プロデモも含めて)を観て来たが、
これほど、心にシミタ・デモは、初めて。
一生、忘れることはないだろう。

デモ終了後、
ヒデ君作・追悼ムービーの上映となった。
“仲間”から提供していただいた
写真・映像・・・社会人コンペ、デモの練習風景
や、コチラのビデオに偶然残っていた映像を、
組み合わせたものだ。

ヒデ君談
「(ムービーの)90%は、1日でできたけど
残りの10%は1ヶ月以上かかった」


試行錯誤の結果、
ムービーの始まりをゴロっと換えた。
当初
「退職慰労会の時の、
スーツ姿のHさん、笑顔の写真」
が、スタートだったのだが、
ワタシとヒデ君が、
Hさんの思い出を語り合うというという、
シーンに換えたのだ。

撮影は車の中。
深夜近く、スタジオスグ近くの橋の上で、
車を止めてロケを行った。
車内は暗いため、
ワタシの顔もハッキリとしない。
ウインドウ越しに、道行く人々が映っていて、
背景に動きもあるため、
観ていても飽きない・・
などなどを計算にいれつつ、
ヒデ君自身が携帯で撮影したものだ。

テーマは、

「最後のレッスン」

その日のユニプラは平日の夜。
人数が少なく、
しかも男性が女性よりも1人多かった。
滅多にないことだが、ワタシが女性の方に入った。

Hさんと踊ったのは、ルンバ。
ワークショップで、
Hさんと初めて踊ったのも、ルンバだった。
非常に優れた感性を持っている方だな、と感じた。
「チカラを抜くこと、音楽を感じること」
の大切さを伝えたことを今でも覚えている。

さて、“ユニプラ・ルンバ”を、
パートナーワークしながら踊ったのだが、
上達されていることに、驚いた。
種目が、タンゴに変ったところで
これも、滅多にないことなのだが
「ココからは、順番通りではなく、
自由に組みましょう」
と、指示を出した。

偶然、また、Hさんと踊った。
「リンクがワカラナイ」
と言うHさんにカラダで伝えながら、
「アドバイスがすぐに活かすことができるボディに驚き、
スタンダードも、この先、ドンドン上達されるだろうな」

と感じた。
今までで、一番、Hさんと長い時間、一緒に踊った。
そして、
「上手くなりましたね」
と、伝えることができた。
これが、最後のレッスンになった。

さて、
ムービーの中のHさんは、温かく、
穏やかで、ちょっとユーモラスな、
みんなの良く知るHさんだった。
それだけに、
たまらない気持ちになった仲間もいただろう。
最後には、
Hさんが第1回ワークショップ後に送ってくださったメールで、
締めくくられていた。
(第2611話参照)

以下は、上映後のヒデ君挨拶の原文。
ムービーに託したヒデ君の想いを、
感じとっていただけたら、幸いです。

「今から4ヶ月前、
Hさんさんが突然この世を去りました。
その事実をこの会場で号泣しながらみんなへ伝えました。
あんなに苦しかったことはありません。

でも伝えた後は不思議と心がすっと軽くなりました。

不謹慎かもしれませんが、
嬉しい気持ちもありました。

仲間やねんなぁ、
つながっているんやなぁって・・・
Hさんは大きなメッセージを残してくれました。

『仲良く、讃え合いながら、一緒に上手くなっていこう。
音楽とカラダをゆるめることを大切にすれば、
僕らはまだまだ進化できる』

(ボクは)
どんな人もメッセージを持って
生まれて来ているんやと思います。
今回のことで、それを確信しました。
こうやって、縁があるってことは、
持って生まれたメッセージも似ているんやと思います。

ダンス界を変えようなんて、
大それたことは思っていません。
でも、社交ダンスという素晴らしい手段で
世の中へ発信して行きたいことは沢山あります。

あの世でHさんは見守ってくれています。
皆様、これからもどうぞよろしくお願いします。

最後に制作にあたり、
写真や動画を提供いただきました方々、
出演していただきました皆様ありがとうございました。
近いうちに浜田さんのご両親に、
このDVDを届けます」


       続く第2771話へ






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