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チョット中休み エッセイvol.95 

ビデオは回っていた

~初・夏祭り・成功(2)~


それは夏祭りの翌日のこと。
ヒデ君と2人、自宅マンションで、
パーティのビデオをチェックしていた。
パーティ最後の

“追悼式”のシーンになった。

“追悼・パソドブレ・デモンストレーション”
感動しながら鑑賞。

と、ヒデ君は言った。
「ビデオ撮影は、ここまで。
後は、録れていないはずや」

ビデオ・テープが足りなかったという。
デモの後は、
ヒデ君作・追悼ムービーの鑑賞、
そして、ヒデ君とワタシの挨拶・・という順番。
ヒデ君の“計算”では、
追悼ムービー上映中に、テープはなくなり、
その時点で録画できなくなるはずだった。
ビデオ撮りをお願いしていた方に、
「ONのままにしておいてください。
テープがなくなり次第、
自動でOFFになりますから」

と、告げたと言う。

撮影者のいなくなったビデオは、
置き撮り状態になり、
しばらくは、ある一定方向を撮影し続けていた。
が、ほどなく、OFFになったようだった。
ヒデ君が挨拶に立つ前、
ビデオの方をチラリ見ると、
緑のランプ(OFF)になっていたそうな・・・


ワタシはだめ押しをした。
「じゃぁ、ワタシらの挨拶は、
録画されていないのね?」


「うん。
Hさんの“お母さん”に、
追悼ムービーと一緒に送ろうかなと思っていたけど。
まぁ、仕方がナイ。
(ワタシの方に向き直り)
録れていないのは、残念?」


「ううん!」

写真・画像その他モロモロ苦手なワタシ的には、
少しほっとしたのだった。

ソンナコンナな会話をかわしてから、
ワタシはお風呂に入った。


で、出てくると、
ん?
ヒデ君の様子がおかしい。


「すごいモン、観た」


心なしか、顔が青ざめている!?
ひょっとして・・・と思った。

ワタシは、聞いた。
「Hさんが、映っていた・・・とか?」


「そう・・・」


「うそ!?」


「冗談。
映ってはいない。
でもな、H さん、
一緒におってくれたんやと思う」


ヒデ君、少し間を置いてから、
「ビデオ、ずーっと回っていたんや。
オレの挨拶も、ジュンコ先生の挨拶も、
ちゃんと、録れてる」


「え?なんで?
テープ、終わっていたのと違うの?」


「なんでか、わかれへんねん。
挨拶するジュンコ先生の、
ちょうど後ろから、録れてる。
(顔は映っていない)
白い服着て、長い髪を垂らしていたやろ?
オレ、観ていたら、鳥肌立ってきたんや」


ホントウだ。
自分の姿ながら、
なんだかコワくなってきた。


ヒデ君が、声をはさんだ。
「ここから、もっとヤバイで。
オレが、ジュンコ先生からマイクを受け取って、
『では、これで追悼式を終了いたします』
と、言うた途端に、
テープが終わっているんや」


映像を観た。

『では、これで追悼式を終了いたします
プッ・・・』


ゾワッ
皮膚に電気が走った。


「こんなタイミングで
切れるなんてスゴすぎるヤロ」


涙が、ダダッとあふれた。
Hさん、だ。
絶対、Hさんだ。


ヒデ君も、涙声になって、
「Hさん “お母さん”に、
オレらの挨拶のシーン、
観て欲しかったんやないかな。
イヤ、オレの“送りたい”って気持ちを
わかってくれていたのかな」

で、ビデオを回し続けてくれた!?
そして、目的を果たし終え、
スイッチを切った・・・


「Hさん、自分の追悼式、
どんな気持ちで観ていたんヤロ」
「(追悼ビデオの中の)
踊っている姿を観て、照れていたかも(笑)」

しばし、Hさんの話で盛り上がる・・・


プロローグ完
次回、追悼式の報告をいたします。


       続く第2770話へ





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