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チョット中休み エッセイvol.85 

架け橋

~アナタに出会えて良かった(6)~


「最後のお見送り」の後に続いた展開の“報告”の前に、
あらましを簡単に述べておこう。

車で火葬場に向かう。
最後の別れの、お焼香。
約2時間、火葬が終わるまでの時間を
“お母様”ご遺族の方々と共に過ごす。
“骨上げ”に参加。
Hさんの全身の骨が、
骨壺に納められていく様子を見届ける。
“お母さん”に声をかけていただき
“しばてんの里”にあるご実家に向かう。
(第2612話参照)
Hさんを偲びながら精進落としの料理をいただく。

ワタシは、この間中、何度も奇妙な感覚に陥った。
「自分は、今、ここで、
ナニをしているのだろう」
フッと、肉体の輪郭が、ゆらぎ、薄れる。
次の瞬間には、
時間、空間、そして自己認識が、定かではなくなるのだ。
ワタシという本体は別にあって、
もう1つのワタシである肉体が、
いろいろ体験している姿を、じーっと見下ろしている。
そして、ソノ本体は、知っている。
今、体験していることのすべて、
そして、
肉体を介して得ることのできる感覚、
感情のすべてが、
どんなにか貴重であるかということを。

ひょっとして、本体は、
亡くなったHさんと同じ世界にいる!?
なぜなら、
そこでは、Hさんを、
よりリアルに感じることができるからだ。
心と心が、直につながっているフィーリング・・・
思うに、
その世界と、肉体の世界を隔てているのは、
一枚の薄いカーテンのようだ。
認知の幅が広がりさえすれば、
誰でも行き来できるほどに、近い。
これは、単なるイマジネーションではなく、実感なのだ。

このような実感を味わっているのは、
ワタシだけではナイかもしれない。
現に、ヒデ君も、こんなことを言うようになった。
「集中すると、Hさんが見えそう。
“普通に”会えそうや」


“報告”に戻ろう。

火葬を待つ間、
「コーヒーでもご一緒に」
と、親族・控え室に誘っていただいた。
そこで、ヒデ君は“仲間”からの“送る言葉”を、
“お母さん”に手渡した。
お棺に入れた1枚1枚を何枚かにまとめ、
コピーしたものだ。
受け取られた“お母さん”は、やや驚きの面持ち。
「こんなことまで、
していただいて・・・」

そう言えば・・・と、この時、気がついた。
告別式場での受け付けで、親族であろう方に
“仲間”とワタシタチからの“御霊前”を手渡した際も、
一瞬、同じようなオドロキと戸惑いの空気が流れたのだ。
「“大阪”から!?
まぁ、それは、それは・・・」

「こんなことまで、してくださる」
ワケを図りかねているといった様子。
言い換えれば、
Hさんの死が、
“仲間”にとってどれほど大きなモノとなっているか、
さらには、
そういった“仲間”の存在さえ、
想像がつかないといった感じだったのだ。

コレは・・・しっかりと“役割”を果たさねばならない
(第2612話参照)
そう、思った。
伝えたい、いや、伝えなければいけない。
“お母さん”やご遺族の方々が、
Hさんについて、ご存知でナイことが、
想像していた以上にたくさんあるのでは
と、感じたからだ。

“お母さん”へ、コピーを手渡したのをきっかけに、
ヒデ君は “伝え”始めた。

まずは、自分たちの身元を名刺的にサッと告げた後、
Hさんと関わりのある内容に入っていった。
インターネット上のブログ(日記)を通して、
ダンスのレッスンを行なっていること
5年ほど前、ソレを通してHさんと出会ったこと
生徒サンとして、
教室に通っていただいていたこと
短期間で、非常に上達されたこと
“教室”のアイドル的存在であったこと
パーティでのデモンストレーションの出演
社会人コンペへの参加
さまざまなシーンでの活躍ぶり・・・
ヒデ君は、話しながら
パソコンを取り出し、
iPhoneを通してネットにつなぎ、探し始めた。
Hさんのダンスの時の写真や動画
今、手元にあるもので、
観ていただけるものはナイだろうか・・・

ふと、気がつくと、
ワタシタチの前に、ご遺族の方々がズラリ。
興味津々の表情で、話を聴き入っておられるではないか。

とある、ご夫人が声をあげた。
「残っているって!?・・・良かったねぇ」

“お母さん”は、うれしそうな顔をされた。

ということは・・・!?
残っていない、ようなのだ。
近年のHさんの情報が“お母さん”の手元に、
ほとんど、ナイということだ。

さらに驚くべきは、
Hさんが、ダンスをされていたことさえ知らない
親族の方がいらっしゃった、ことだ。
「○○ちゃんが、踊るなんて、信じられない!」
おとなしくて、はにかみ屋、口数も多くない・・
どうも、女性と一緒に踊る
イメージが湧かないといった感じだ。
さすがに“お母さん”は、
Hさんを通してモロモロご存知のようではあったが、
詳しいところまでは知る由もなく、の、ご様子。

ここで若干、Hさん側の情報を。
Hさんには、ご兄弟がなく、
おじさん、おばさんに当たる方は、すでに亡くなられている。
今回、参列されていたご遺族は若干名。
高齢の方も多く、
血縁関係としても、Hさんと、さほど近くはないようだ。
“お父さん”は、かなりのご高齢。
耳が遠く、すでに“意識”も難しい状態だ。
Hさんが他界されたことで、
“お母さん” は、お一人になってしまわれた感さえある。

“お母さん”83歳。
とても、若々しい。
小柄でいらっしゃるが、静かなるパワーを感じさせる。
ワタシが、知りたかった“源泉”が、見つかった想い。
「アナタに出会えて良かった」
(第2615話参照)

この辺りのお話は、もう少し、先に・・・

「あった」
ヒデ君、探していた動画を見つけたようだ。
時間にしてわずか30秒ほどのモノ。
だが、それは、
大変貴重な映像だった。


      続く第2617話へ





※Real Junko Voiceはお休みです。

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