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「今日のテーマはラテンの
アーム・アクションについてよ」
ジュンコ先生がソウ切り出すと、
カナちゃんがうれしそうに声を上げた。
「やったぁ~!
私、憧れているんです。
上手な人って、
腕や手の動きがとってもキレイじゃないですか!?
流れるように止まらない・・・
あんなナチュラルなアームアクション、
どうやったらできるようになるんだろうって思ってたんです」
「そうね、上級者ほど
自然な流れの中で腕や手を使っているわね。
でも、今カナちゃんが言ったのは、
相手と組んでいない、
自由に使える手
フリーアームのことね」
「ソウです。
フリーアームのことです。
え・・?
今日のレクチャーの“アーム・アクション”って、
フリーアームのことではないんですか?」
ジュンコ先生は、ニッコリしてコウ答えた。
「カナちゃんのように、
美しいフリーアームを使えるようになりたい
と願う人はとても多いわ。
そんな人ほど、実は、
もう一方の腕・手の使い方の勉強が必要なのよ」
「もう一方の腕・手・・・?」
「そう コンタクトアームよ。
コンタクトはご存知のように“接触”という意味、
相手と触れ合っているほうの腕・手のことね」
「先生、でも、コンタクトアームと
フリーアームは役割が全然違うのではないですか?
だから別々に習得しないといけないと思っていたのですが・・・」
ベテランの紀子さんだ。
「いい質問ね。
では、紀子さん、
フリーアームの役割って何かしら?
わかるものを上げてみて」
「そうですね、
“シルエットを整える”
それから、やじろべえのように
“動きのバランスをとる”・・・他にもあるのかしら?」
「回転系のステップのときなどに腕・手の動きを利用すると、
加速を生むの、だから
“ステップにスピードを付ける”
これも役割のひとつね。
では、紀子さん、
コンタクトアームの役割は?」
「これは相手との関わり、
つまりコネクションだけですよね。
・・・ではないのですか?」
ジュンコ先生は笑いながら答えた。
「実はね、コンタクトアームも
フリーアームの役割は、
まずは一緒と見るほうがいい
コンタクトアームにも
シルエット機能・バランス機能・スピード機能はあるのよ。
いくらフリーアームを使ってシルエットを整えようとしても、
相手とつながっている手の動きに配慮がなかったら、
シルエットも台無しになってしまうわ」
「そういえば、ルンバのファンポジションのとき、
握っている方の手を不用意に上げてしまったら、
シルエットは崩れるし、バランスも悪くなるし、
女性を呼び戻すためのスピードも生まれませんな・・」
と平田さん。
「そのとおりなのよ。
それに、フリーアームにもコネクション機能はあるの。
今、お話に出たファンポジションのときも、
フリーアームである男性の右手・女性の左手は、
目には見えないけれども“気持ちやエネルギー”でつながっている。
ブチッと切れてはいないのよ。(第108話)
ソウでないと、見た目もヨソヨソしくてキレイではないわ」
ジュンコ先生はそう言ってから、
まとめるわよ、と前置きし、
アーム・アクションの機能と役割
① シルエット
② バランス
③ スピード
④ コネクション
コンタクトアームとフリーアームは、
最終的にはその時々の状況によって
使い分けていくようになるでしょうけれど、
本来の
機能、役割は
一緒であると捉えたほうが、
成長が早いのよ。
なぜならどちらも、
伸筋の連動である
呼吸筋、インナーマッスルのネットワークで行う
足のステップとつながっている
床からの反作用エネルギーを使う
からね。
そういう意味においては、
コンタクトアームとフリーアームはともに成長を遂げるべきであって、
片方だけ・・・って言うのはNGね」
「では、先生、コンタクトアームと
フリーアームが一緒というなら、
フリーアームから先に勉強したっていいんじゃないですか?
フリーアームがうまく使えるようになると、
コンタクトアームも上手になるってことなんでしょ?」
競技会に出る準備を進めている、ハナコさんだ。
競技選手にとっては、フリーアームの習得は必須条件、
少々あせっているようだが。
「理屈では確かにそうね。
でも、ハナコさんは
フリーアームについて誰かから習ったことはあるかしら?」
「ハイ、あります。
カップルレッスンを受けていたとき、
私のリーダーが、
ルンバの右の手がダラッとなるのが気になって質問したんです。
するとその先生はフリーアームについて
『手はボディの中から動かすものだ。
君はまだボディの運動ができていないから、できなくても当然だ』
みたいなことを言われました。
『あせらなくてイイ。そのうち自然とできるようになる。
わからないうちは横においておきなさい』とも」
「ソウでしょうね。
その先生が言われたとおりではあるわ。
確かにフリーアームはボディとの連動で動かすため、
一朝一夕にはいかないわね。
でも、これはフリーアームだけではな
コンタクトアームにもいえることよ」
ジュンコ先生は少し間を置いてから、こう言った。
ダンスの外側のテクニックは、
すべて内側からやってくるものだからね。
スタンダードのホールドも、
ネックアクションも、ソウだったでしょ?
だからどれひとつのテクニックをとっても想像以上に“深い”。
完全なる習得にはそれ相当の時間がかかる・・・
ということは、みんなもう気付いているわね」
それぞれ、うなずきながら聞いている。
「だからこそ、
より本質に近いテクニックを優先的に勉強するべきだと思うのね。
すぐには結果の出ないものであっても、
結局は“急がば回れ”になるからね」
そういう観点でアームアクションについてみてみると・・・
コンタクトアームの勉強を優先する!!
と、後からGOODな
フリーアームもついてくるって!?
次回に続く
続く 第133話へ
いつも 応援クリック ありがとうございます。
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とても励みになっています。(ジュンコ)
「今日のテーマはラテンの
アーム・アクションについてよ」
ジュンコ先生がソウ切り出すと、
カナちゃんがうれしそうに声を上げた。
「やったぁ~!
私、憧れているんです。
上手な人って、
腕や手の動きがとってもキレイじゃないですか!?
流れるように止まらない・・・
あんなナチュラルなアームアクション、
どうやったらできるようになるんだろうって思ってたんです」
「そうね、上級者ほど
自然な流れの中で腕や手を使っているわね。
でも、今カナちゃんが言ったのは、
相手と組んでいない、
自由に使える手
フリーアームのことね」
「ソウです。
フリーアームのことです。
え・・?
今日のレクチャーの“アーム・アクション”って、
フリーアームのことではないんですか?」
ジュンコ先生は、ニッコリしてコウ答えた。
「カナちゃんのように、
美しいフリーアームを使えるようになりたい
と願う人はとても多いわ。
そんな人ほど、実は、
もう一方の腕・手の使い方の勉強が必要なのよ」
「もう一方の腕・手・・・?」
「そう コンタクトアームよ。
コンタクトはご存知のように“接触”という意味、
相手と触れ合っているほうの腕・手のことね」
「先生、でも、コンタクトアームと
フリーアームは役割が全然違うのではないですか?
だから別々に習得しないといけないと思っていたのですが・・・」
ベテランの紀子さんだ。
「いい質問ね。
では、紀子さん、
フリーアームの役割って何かしら?
わかるものを上げてみて」
「そうですね、
“シルエットを整える”
それから、やじろべえのように
“動きのバランスをとる”・・・他にもあるのかしら?」
「回転系のステップのときなどに腕・手の動きを利用すると、
加速を生むの、だから
“ステップにスピードを付ける”
これも役割のひとつね。
では、紀子さん、
コンタクトアームの役割は?」
「これは相手との関わり、
つまりコネクションだけですよね。
・・・ではないのですか?」
ジュンコ先生は笑いながら答えた。
「実はね、コンタクトアームも
フリーアームの役割は、
まずは一緒と見るほうがいい
コンタクトアームにも
シルエット機能・バランス機能・スピード機能はあるのよ。
いくらフリーアームを使ってシルエットを整えようとしても、
相手とつながっている手の動きに配慮がなかったら、
シルエットも台無しになってしまうわ」
「そういえば、ルンバのファンポジションのとき、
握っている方の手を不用意に上げてしまったら、
シルエットは崩れるし、バランスも悪くなるし、
女性を呼び戻すためのスピードも生まれませんな・・」
と平田さん。
「そのとおりなのよ。
それに、フリーアームにもコネクション機能はあるの。
今、お話に出たファンポジションのときも、
フリーアームである男性の右手・女性の左手は、
目には見えないけれども“気持ちやエネルギー”でつながっている。
ブチッと切れてはいないのよ。(第108話)
ソウでないと、見た目もヨソヨソしくてキレイではないわ」
ジュンコ先生はそう言ってから、
まとめるわよ、と前置きし、
アーム・アクションの機能と役割
① シルエット
② バランス
③ スピード
④ コネクション
コンタクトアームとフリーアームは、
最終的にはその時々の状況によって
使い分けていくようになるでしょうけれど、
本来の
機能、役割は
一緒であると捉えたほうが、
成長が早いのよ。
なぜならどちらも、
伸筋の連動である
呼吸筋、インナーマッスルのネットワークで行う
足のステップとつながっている
床からの反作用エネルギーを使う
からね。
そういう意味においては、
コンタクトアームとフリーアームはともに成長を遂げるべきであって、
片方だけ・・・って言うのはNGね」
「では、先生、コンタクトアームと
フリーアームが一緒というなら、
フリーアームから先に勉強したっていいんじゃないですか?
フリーアームがうまく使えるようになると、
コンタクトアームも上手になるってことなんでしょ?」
競技会に出る準備を進めている、ハナコさんだ。
競技選手にとっては、フリーアームの習得は必須条件、
少々あせっているようだが。
「理屈では確かにそうね。
でも、ハナコさんは
フリーアームについて誰かから習ったことはあるかしら?」
「ハイ、あります。
カップルレッスンを受けていたとき、
私のリーダーが、
ルンバの右の手がダラッとなるのが気になって質問したんです。
するとその先生はフリーアームについて
『手はボディの中から動かすものだ。
君はまだボディの運動ができていないから、できなくても当然だ』
みたいなことを言われました。
『あせらなくてイイ。そのうち自然とできるようになる。
わからないうちは横においておきなさい』とも」
「ソウでしょうね。
その先生が言われたとおりではあるわ。
確かにフリーアームはボディとの連動で動かすため、
一朝一夕にはいかないわね。
でも、これはフリーアームだけではな
コンタクトアームにもいえることよ」
ジュンコ先生は少し間を置いてから、こう言った。
ダンスの外側のテクニックは、
すべて内側からやってくるものだからね。
スタンダードのホールドも、
ネックアクションも、ソウだったでしょ?
だからどれひとつのテクニックをとっても想像以上に“深い”。
完全なる習得にはそれ相当の時間がかかる・・・
ということは、みんなもう気付いているわね」
それぞれ、うなずきながら聞いている。
「だからこそ、
より本質に近いテクニックを優先的に勉強するべきだと思うのね。
すぐには結果の出ないものであっても、
結局は“急がば回れ”になるからね」
そういう観点でアームアクションについてみてみると・・・
コンタクトアームの勉強を優先する!!
と、後からGOODな
フリーアームもついてくるって!?
次回に続く
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