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特別シリーズ 
社交ダンスを教えるということvol.8 

真実を話す訓練

パートナーシップ違約行為⑤


ダンス雑誌の掲示板に載った、S子のプロフィール

身長158センチ
体重50キロ
年齢49歳
○○在住
スタンダードもラテンも好きです。
個人レッスンを受けて2年。踏暦は4年です。
ベーシックを綺麗に踊ることを目標にしています。
近い将来、競技会に出ることも希望。
相手に求める条件
身長は175センチ以上
細身 リードが優しく、乱暴な踊りをしない人
年齢は、45歳~55歳くらいらいまで。
週に1回は必ず練習可能な方。

この投稿がキッカケとなり、S子はT氏とめぐり合った。
「こんな思い通りの人に1回で出会えるなんて、
夢みたい・・・」


確かにT氏は、希望通りの男性だった。

52歳。
176センチで、全体にスラッとした感じ。
ダンス歴は6年。
カップルを組んだ経験はナシ。
リードは優しく、紳士的で、かなり上手い。
「最初に一緒に踊ったとき、
アァ、ナンテ心地良いんだろう!?って思ったの」


週1回の練習が待ち遠しくもあった。


ところが、3ヶ月くらい経った頃、ある問題が・・・。
ソレは“競技会を目指しての練習”に、
シフトした時点から見えてきたものだった。

T氏は言った。
「あなたは、ナニもしなくて良い。
僕についてくれば、ソレでOKだ

あくまでも紳士的な感じではあった。

しかし、S子が少しでも自分勝手なダンスをすると、
ヤンワリと注意をするまでになったのだ。
「最初に習った先生が、男性だった。
ずっと、シャドウを見てもらっていたんだよ。
そのときにすりこまれたんだ。
『ダンスは男性で決まる』
『男性は女性の動きにすべて責任を持って、
クリエイトしなければならない』
それが、僕の目指すダンスなんだ。
ソノ夢をかなえてくれるのが、S子さんだと思ったんだ」

だから、カップルになったという。

S子はソレを聞いたとき“違和感”を持った。

自分の目指すダンスとは違う・・・

確かにT氏に従って踊ると心地よく、安心ではあるが、
自分自身が踊っている・発散している感覚からは、
程遠いものも感じ始めていたのだ。

S子は悩み始めた。
そんな時、友人からショックなことを告げられた。
「あなた、踊っていて、
あんまり楽しそうに見えないわよ」


思い余ったS子は、
練習で踊る姿をビデオに撮ってみることにした。
「自分の姿に愕然としたわ。
カラダの線がボヤーッとして、すごく動きがトロイ。
全然、踊れていない!!」


ところが、
T氏はフンフンと笑いながら
「十分、キレイに踊れているじゃない。
あなたは首が長くてキレイだから、
立っているだけでサマになるよ」


S子は、ソレを聞いて初めて苛立ちの感情を覚えたのだ。
ソレって、ナニもするな、
立っているだけでいい・・・ってことでしょ!?

S子は、カップルとしては、
T氏とやって行けないと感じるようになった。
しかし、距離感をおいてのダンス仲間としてなら、
T氏はとても良い関係になれそうだとも思った。
めぐり会えたことも大切にしたい。
S子は決心を固めた。

「特定のカップルの解消、

そして、ダンス仲間への契約変更」


さて、ここから、
S子が取るべき“方法”を一緒に考えてみたいのよね。

T氏はS子の気持ちにテンで気付いていない。
もちろんこのまま“関係”を続けたいと思っているようだ。
いきなり解消を切り出したら、
驚き、傷つくかもしれない。
さぁ、困った、
あなたならどんな言葉でこの場を乗り切るだろう?

ここでまず大切なこと・・・
誤解を恐れずに言おう・・・それは、

「相手の身になるな」

つまり、かわいそうだなんていう同情はナシってこと。
誤解しないで欲しいのは、
コレこそが相手への誠意なんだよってことだ。
もうあなたの中ではっきりと答えが出ているのなら、
ずるずると関係を引き延ばすほうが、
相手にとっては“酷”であるからだ。
お互いもっと自分にぴったりな人との出会いが、
その後に控えているかもしれないんだもの。
でもだからといって
「カップルを解消して欲しい。     
あなたとは合わないわ。
ワタシ、もっと思い切り踊りたいのよ。
男性についていくだけなんて、
面白くも楽しくも、ないんですもの」

なんて、突然、ズバズバ言ったらどうだろうか?

「自分に素直になったら、
自然に言葉が出てきて・・・」

では、済まされない。
「これくらいハッキリ言わないと、
分かってもらえないかも」

そうかもしれないが、
もっともっと後であなたが人間的な成長を遂げた時、
「あー、なんて言い方しちゃったんだろう」
って、きっと後悔するだろうね。
じゃぁどうすればいいのか?

真実を告げながら、

相手への思いやりも忘れない


そんな言葉を自分の中から選択して誠意を持って話す。 
これしかない。

そんなの難しいって?
もちろん、コレも練習が必要だ。
自分の気持ちを言葉に乗せて表現する“練習”だ。
相手にヘンな期待感は持たせず、
切るところはスパッと切る。
無駄な言葉を話さない。
でも、相手への尊厳は忘れない。

あなたの人格の持つ底力が、

実は、試されるとき
なのだ。


     続く第1069話へ



※Real Junko Voiceはお休みです。



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