2010.11.03 (第1380話)社交ダンスが教えてくれたこと vol.8 タメ口の奥にある優しさ
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社交ダンスが教えてくれたこと 人間美学そして哲学vol.8
タメ口の奥にある優しさ
一視同仁のココロへの旅(12)
その男性は、非常に風変わりな感じの方だった。
ワタシの古くからの生徒サンの紹介だったもんで、
レッスンを受ける気になったものの、
最初出会った時、
「あの律儀・生真面目な〇〇サンの、
ホントウに友人、なの!?」
ビックリしたんだ。
ナニに驚いたのかって、まず、年齢不詳。
非常に若くも見えるし(30代?)見ようによっては、
その反対にも(60代?)
また、服装も。
ダンス用かなぁな、真っ青のシャツ。
結構、派手。
まぁ、それは良いとして、
???は、言葉。
敬語ではなく、今で言う「タメ語」なんだ。
しかも、おもいっきり。
いきなり、ワタシの鼻先を指差して、
「自分、どこのスタジオにおったん?(いたのですか?)」
タイミングを狂わされてしまったワタシ、
思わず、
師匠の名前を出しちゃうや、
「ふーん、その人、有名か?」
てな、具合。
ワタシの方が、メッチャ敬語になってしまって、
「あのぉ、
なにのレッスンを、オウケになりたいのですか?」
すると、
「なんでもええねん。(なんでもいいです)
自分が、決めて」
と、言ったくせに、
「あぁ、ほんなら、クイックで。
今、サークルで習っているヤツ、それ、教えて」
と言いながら、
何と、シャドウを始めたんだ。
ホールドがエラく高い位置にあって、
目ん玉は上を向いている。
で、動きは、ナンヤ、むちゃくちゃだ。
はぁ~ダメだぁ・・
嫌だなぁ。
で、渋々踊ってみると、
ん?
不思議・・・
カラダはソフトで結構いい感じなのだ。
ホールドも見た目ほど固くはない。
が、強引。
ただただ、ステップを押し付けてくる。
習った通りを、勝手に踊っている、それだけだ。
一通り踊った後、
ワタシは男性の顔をまっすぐに見ながら、
正直に聞いたんだ。
「何か困っていることはあるのですか?」
眉毛がピクリ、動いた。
ワタシは一気に話した。
もし、困っていることがあれば、レッスンします。
でも、なければ、何も直すところはありません。
いや、いっぱい直さなければならないが、
見ようによっては、別に問題ないのです。
ステップも間違っていないし、
ちゃんと踊れても、います。
ワタシに望むことは、アルのですか?
ワタシのレッスンは必要ですか?
じーっと黙って聞いていた男性、
子供のようにシュンとして、こう言ったんだ。
「なんや、変やから・・・。
基礎を教えて・・・下さい」
ワタシは、一番、気になったことを伝えた。
アナタは、一人ではないのですよ。
女性が一緒に踊っているのですよ。
それを感じてみてください。
で、もう一度、一緒に踊った。
男性は、
ワタシを引っ張り回さなくなっていた。
週に1回レッスンをするようになった。
男性のダンスは、みるみる変わっていった。
内面の優しさが出てきたのだ。
タメ口は続いていたが、いつの間にかワタシのことを、
「自分」
と呼ばず
「先生」
というようになっていた。
ある日のレッスン後、
その男性は、
今まで見たことのないような恥じらいのある表情で、
ワタシに向かってこう言った。
「先生、
家内が、先生にお礼したいって。
一回、ウチに食事にけぇへんか?」
か、家内?
奥さん、いたんだ・・・
ワタシのその男性を見る目が、また、変わった。
続く第1381話へ
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「あの律儀・生真面目な〇〇サンの、
ホントウに友人、なの!?」
ビックリしたんだ。
ナニに驚いたのかって、まず、年齢不詳。
非常に若くも見えるし(30代?)見ようによっては、
その反対にも(60代?)
また、服装も。
ダンス用かなぁな、真っ青のシャツ。
結構、派手。
まぁ、それは良いとして、
???は、言葉。
敬語ではなく、今で言う「タメ語」なんだ。
しかも、おもいっきり。
いきなり、ワタシの鼻先を指差して、
「自分、どこのスタジオにおったん?(いたのですか?)」
タイミングを狂わされてしまったワタシ、
思わず、
師匠の名前を出しちゃうや、
「ふーん、その人、有名か?」
てな、具合。
ワタシの方が、メッチャ敬語になってしまって、
「あのぉ、
なにのレッスンを、オウケになりたいのですか?」
すると、
「なんでもええねん。(なんでもいいです)
自分が、決めて」
と、言ったくせに、
「あぁ、ほんなら、クイックで。
今、サークルで習っているヤツ、それ、教えて」
と言いながら、
何と、シャドウを始めたんだ。
ホールドがエラく高い位置にあって、
目ん玉は上を向いている。
で、動きは、ナンヤ、むちゃくちゃだ。
はぁ~ダメだぁ・・
嫌だなぁ。
で、渋々踊ってみると、
ん?
不思議・・・
カラダはソフトで結構いい感じなのだ。
ホールドも見た目ほど固くはない。
が、強引。
ただただ、ステップを押し付けてくる。
習った通りを、勝手に踊っている、それだけだ。
一通り踊った後、
ワタシは男性の顔をまっすぐに見ながら、
正直に聞いたんだ。
「何か困っていることはあるのですか?」
眉毛がピクリ、動いた。
ワタシは一気に話した。
もし、困っていることがあれば、レッスンします。
でも、なければ、何も直すところはありません。
いや、いっぱい直さなければならないが、
見ようによっては、別に問題ないのです。
ステップも間違っていないし、
ちゃんと踊れても、います。
ワタシに望むことは、アルのですか?
ワタシのレッスンは必要ですか?
じーっと黙って聞いていた男性、
子供のようにシュンとして、こう言ったんだ。
「なんや、変やから・・・。
基礎を教えて・・・下さい」
ワタシは、一番、気になったことを伝えた。
アナタは、一人ではないのですよ。
女性が一緒に踊っているのですよ。
それを感じてみてください。
で、もう一度、一緒に踊った。
男性は、
ワタシを引っ張り回さなくなっていた。
週に1回レッスンをするようになった。
男性のダンスは、みるみる変わっていった。
内面の優しさが出てきたのだ。
タメ口は続いていたが、いつの間にかワタシのことを、
「自分」
と呼ばず
「先生」
というようになっていた。
ある日のレッスン後、
その男性は、
今まで見たことのないような恥じらいのある表情で、
ワタシに向かってこう言った。
「先生、
家内が、先生にお礼したいって。
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か、家内?
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