2010.05.12 (第1205話)社交ダンスを教えるということ vol.9 ~ムムム!?な競技会観戦より~
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社交ダンスを始めるということ 第31話へ
特別シリーズ
社交ダンスを教えるということvol.9
ムムム!?な競技会観戦より
泰然自若(1)
もうチョイ、エッセイ続けさせて・・・
久しぶりの“教えるということシリーズ”
でも、タイトル見てぇ、
“泰然自若”
なんて読むか、知ってます?
で、意味は?
それにしても、なんで、こんなタイトルなの?
モロモロに付いては、また後ほどということで。
まずは、
“競技会観戦より”をどうぞ。
久しぶりに競技会を観戦した。
場所は、大阪の某体育館、ダンス競技会のメッカだ。
スタンダード・オープン戦。
昔から開催されている権威アル、競技会だ。
アマの予選からずーっと見ていた。
“観戦目的”は色々あった。
が、“自然に”任せることにした。
目に飛び込んでくるものを、
そのまんま、観察しようと心がけた。
と、
ワタシの“フォーカス”は、フロアーの端へと移動。
神妙な表情の、審査員たちが目に入った。
現役の頃、一緒に“戦っていた”先生方が、
みんな審査員になっている。
お、“あの子”も、審査員になったのか!?
友人を見つけたのだ。
なんだか、愉快。
ふと、もしも・・・を、想像した。
ワタシが、もしも、
ここで審査をしなければいけない
立場だったら・・・
黒のロングドレスを来て、
ショールをはおり、ボードを持って・・・
おっと、ダメだ、ダメだ、到底、無理。
自分が審査をするイメージが、わいてこない。
競技という特殊な場で、
選手を査定する “目”は、持ち合わせていないからだろう。
が、あえて、想像してみた。
ワタシだったら・・・
“知り合い”がフロアーに登場、
(生徒サンやワークショップで、
お会いした方々がその対象になるだろう)
ソレを発見するや、
「お~、出場していたのね!?」
なんて、うれしくなるだろうね。
で、まず、忘れないうちにチェックを入れる(笑)
それから、他の選手をささっと見て、
ゼネラル・インプレッション(全体的印象)の良いカップルに、
チェックを入れておいて、
“知り合い”の奮闘ぶりを観戦。
「なかなか調子がいいな~」
などと、しばらく、目で追ってから、
現実に戻り、
ピック・アップ数が、間違っていないかどうかを確かめる。
「アカン!!ひと組足りない」
なんて、なったときは、目の前を偶然通り過ぎた、
カップルの背番号にチェック・・・
こりゃ、ダメだ、
やっぱ、審査員、失格。
さて、競技の進行にともない、
敗退し、着替え、帰り支度の選手の方が多くなってきた。
ワタシは考えた。
「ほとんどの選手が“負ける”側になっちゃうんだよな」
そう、
“勝ち組”は、ほんのホンの数組。
しかも“常連サン”だろう。
衣装を着替え、メークを落としつつ、
自分たちが残れなかったフロアーで、
まだ踊り続けるライバルたちを見やりながら、
「あんまり踊れなかったけど・・・
今日の競技会も楽しかったぁ」
「ホント!競技、出るたびに思うわ。
ダンスやっていて良かったって・・・」
「勉強になるものな。
また、がんばろう!!」
そんな、清々しい気分のカップルが、どれほどいるだろう?
イヤ、果たして、いるのだろうか?
競技会における、この辺りの“むなしさ”は独特だ。
「なぜ、負けたのか?」
に関してが、不明解な場合はなおさら、だろう。
「なぜ、チェックが入らないんだろう?
自分たちでは、良く踊れたと思うのに」
「あのカップルは残ったのに、
なぜ、我々は残らなかったのか?」
ソンナコンナな、やりきれない思いが重なることで、
自分自身のダンスへのあきらめ、
不信につながっていく可能性は高い。
「まぁ(負けるのは)いつものことよ。
仕方ないわ、実力だから」
「これ以上は、もう、上手くならないかもねぇ」
「いやぁ、根本的に、
ダンスに向いていないんじゃないかしら?」
どうしようもなく、ココロに湧いてくる
自分自身のダンスへのあきらめ、不信
ワタシも、そう、だったよなぁ。
ふと思い出す。
ロンドン留学後、
勝てなくなった頃がもっとも“悲惨”だったなぁ。
絶対、落としちゃダメよ、な試合を落としてから、
“負け組”に転落してしまった、アノ頃だ。
ワールド
(昔のキャバレー後のホール 競技会がよく行なわれていた)
の薄暗いボックス席で(着替えの場所となっていた)
そそくさとドレスを脱いだ後は、
メークを落とす気持ちにもなれず、
ただ、リーダーの帰り支度完了を、じーっと待つ。
一言の会話もナシ。
落ち込むワタシに、リーダーからのいたわりの言葉もない。
“勝ち組”のダンスを見届けることなく、会場を後にする。
「ダンス?そんなもん、いつだって辞めれるよ」
暗い想いを、ココロの中にためていっていた、アノ当時。
あぁ、もう20年近くも前のことなのに、鮮明な記憶だ。
と、現実に引き戻される。
フロアーでは、勝ち組の争いが続いている。
準決勝
この辺りになると、心なしか、審査員も真剣・ホンキモード!?
さっき、
「お久しぶりです!」
てな、挨拶をかわした“審査員”の目つきも変わったようだ。
ワタシが、
「競技会、楽しませてもらってます」
と言った時、疲れた表情で、
「(こっちは)全然、楽しくないよ」
その言葉が気がかりだったので、少々ホッとした。
そして、決勝。
うれしいだろうな。
ココまでくれば、競技会も、楽しいだろうな。
その気持ちも、味わったことは、アル。
勝ち抜いて、ようやく、たどりついた決勝のフロアーは、
そりゃもう、格別、だった。
表彰式まで見届けて、
満腹になって帰路についたワタシだったが、
さて・・・
今日の観戦の意義はナンなのか?
ソレは、
教師としての泰然自若を学ぶこと。
そのためには、実態を知ること。
ココで言う実態とは、言うまでもなく、
競技会というものの実態だ。
なぁんて、
エラソウに言っても、すべてのことは分からないし、
分かることなど、当然、不可能だろう。
でも、ソレで良いと思った。
今の自分に感じとれる範囲だけで良い。
“競技会”の様々な側面を感じ、
選手とココロを共にする体験が必要なのだ。
目的は、レッスン・・・。
続く第1206話へ
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でも、タイトル見てぇ、
“泰然自若”
なんて読むか、知ってます?
で、意味は?
それにしても、なんで、こんなタイトルなの?
モロモロに付いては、また後ほどということで。
まずは、
“競技会観戦より”をどうぞ。
久しぶりに競技会を観戦した。
場所は、大阪の某体育館、ダンス競技会のメッカだ。
スタンダード・オープン戦。
昔から開催されている権威アル、競技会だ。
アマの予選からずーっと見ていた。
“観戦目的”は色々あった。
が、“自然に”任せることにした。
目に飛び込んでくるものを、
そのまんま、観察しようと心がけた。
と、
ワタシの“フォーカス”は、フロアーの端へと移動。
神妙な表情の、審査員たちが目に入った。
現役の頃、一緒に“戦っていた”先生方が、
みんな審査員になっている。
お、“あの子”も、審査員になったのか!?
友人を見つけたのだ。
なんだか、愉快。
ふと、もしも・・・を、想像した。
ワタシが、もしも、
ここで審査をしなければいけない
立場だったら・・・
黒のロングドレスを来て、
ショールをはおり、ボードを持って・・・
おっと、ダメだ、ダメだ、到底、無理。
自分が審査をするイメージが、わいてこない。
競技という特殊な場で、
選手を査定する “目”は、持ち合わせていないからだろう。
が、あえて、想像してみた。
ワタシだったら・・・
“知り合い”がフロアーに登場、
(生徒サンやワークショップで、
お会いした方々がその対象になるだろう)
ソレを発見するや、
「お~、出場していたのね!?」
なんて、うれしくなるだろうね。
で、まず、忘れないうちにチェックを入れる(笑)
それから、他の選手をささっと見て、
ゼネラル・インプレッション(全体的印象)の良いカップルに、
チェックを入れておいて、
“知り合い”の奮闘ぶりを観戦。
「なかなか調子がいいな~」
などと、しばらく、目で追ってから、
現実に戻り、
ピック・アップ数が、間違っていないかどうかを確かめる。
「アカン!!ひと組足りない」
なんて、なったときは、目の前を偶然通り過ぎた、
カップルの背番号にチェック・・・
こりゃ、ダメだ、
やっぱ、審査員、失格。
さて、競技の進行にともない、
敗退し、着替え、帰り支度の選手の方が多くなってきた。
ワタシは考えた。
「ほとんどの選手が“負ける”側になっちゃうんだよな」
そう、
“勝ち組”は、ほんのホンの数組。
しかも“常連サン”だろう。
衣装を着替え、メークを落としつつ、
自分たちが残れなかったフロアーで、
まだ踊り続けるライバルたちを見やりながら、
「あんまり踊れなかったけど・・・
今日の競技会も楽しかったぁ」
「ホント!競技、出るたびに思うわ。
ダンスやっていて良かったって・・・」
「勉強になるものな。
また、がんばろう!!」
そんな、清々しい気分のカップルが、どれほどいるだろう?
イヤ、果たして、いるのだろうか?
競技会における、この辺りの“むなしさ”は独特だ。
「なぜ、負けたのか?」
に関してが、不明解な場合はなおさら、だろう。
「なぜ、チェックが入らないんだろう?
自分たちでは、良く踊れたと思うのに」
「あのカップルは残ったのに、
なぜ、我々は残らなかったのか?」
ソンナコンナな、やりきれない思いが重なることで、
自分自身のダンスへのあきらめ、
不信につながっていく可能性は高い。
「まぁ(負けるのは)いつものことよ。
仕方ないわ、実力だから」
「これ以上は、もう、上手くならないかもねぇ」
「いやぁ、根本的に、
ダンスに向いていないんじゃないかしら?」
どうしようもなく、ココロに湧いてくる
自分自身のダンスへのあきらめ、不信
ワタシも、そう、だったよなぁ。
ふと思い出す。
ロンドン留学後、
勝てなくなった頃がもっとも“悲惨”だったなぁ。
絶対、落としちゃダメよ、な試合を落としてから、
“負け組”に転落してしまった、アノ頃だ。
ワールド
(昔のキャバレー後のホール 競技会がよく行なわれていた)
の薄暗いボックス席で(着替えの場所となっていた)
そそくさとドレスを脱いだ後は、
メークを落とす気持ちにもなれず、
ただ、リーダーの帰り支度完了を、じーっと待つ。
一言の会話もナシ。
落ち込むワタシに、リーダーからのいたわりの言葉もない。
“勝ち組”のダンスを見届けることなく、会場を後にする。
「ダンス?そんなもん、いつだって辞めれるよ」
暗い想いを、ココロの中にためていっていた、アノ当時。
あぁ、もう20年近くも前のことなのに、鮮明な記憶だ。
と、現実に引き戻される。
フロアーでは、勝ち組の争いが続いている。
準決勝
この辺りになると、心なしか、審査員も真剣・ホンキモード!?
さっき、
「お久しぶりです!」
てな、挨拶をかわした“審査員”の目つきも変わったようだ。
ワタシが、
「競技会、楽しませてもらってます」
と言った時、疲れた表情で、
「(こっちは)全然、楽しくないよ」
その言葉が気がかりだったので、少々ホッとした。
そして、決勝。
うれしいだろうな。
ココまでくれば、競技会も、楽しいだろうな。
その気持ちも、味わったことは、アル。
勝ち抜いて、ようやく、たどりついた決勝のフロアーは、
そりゃもう、格別、だった。
表彰式まで見届けて、
満腹になって帰路についたワタシだったが、
さて・・・
今日の観戦の意義はナンなのか?
ソレは、
教師としての泰然自若を学ぶこと。
そのためには、実態を知ること。
ココで言う実態とは、言うまでもなく、
競技会というものの実態だ。
なぁんて、
エラソウに言っても、すべてのことは分からないし、
分かることなど、当然、不可能だろう。
でも、ソレで良いと思った。
今の自分に感じとれる範囲だけで良い。
“競技会”の様々な側面を感じ、
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