2010.01.21 (第1094話)チョット中休み エッセイvol.26 ~短所が長所に変化した!?~
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チョット中休み エッセイvol.26
短所が長所に変化した!?
~短所を活かし、長所を伸ばす!?④~
かつて、
ワタクシのロンドンにおけるコーチャーの一人であった
偉大なるF氏が、こんな面白い話をしてくれたことがある。
それは、当時の超カリスマチャンピオン
ドニー・バーンス氏についてだった。
「彼のダンスは、
正確に言えば間違っているところがある」
というのだ。
「腰が抜けている。
今は改善されてきたが、昔はもっとそうだった」
F氏はそう言いながら、
「こんな風に・・・」
カラダのサイドにお尻を突き出してみせた。
ラテンダンスにおいての腰抜けなんて、アキマセンやん!?
ワタシラがやったら、
すごく注意されるのに、そう思っていると、
F氏はこう続けたのだ。
「だが、ドニーはずっとチャンピオンだった」
そして、
「“ドニー・バーンス”だから、それで良い。
許されるのだ」
えぇ~、なにそれぇ?
「何をしたってカッコいい、サマになる。
ドニーが世界のダンスの流行を生み出すんだ。
彼にはその力がある」
つまりは、
間違っていることでも、正解にしてしまう
ってこと?
ドニー・バーンズ、
あなたが、世界ラテンダンスの基準なのか?って話よね。
確かにドニー・バーンズのダンスはすごかった。
持てる力の120パーセント、フルで踊っていた感がある。
しかも長身。
魂をさらけ出すような感情表現。
圧倒的な存在感。
「良いか悪いか、合ってるか間違っているか、
そんなことどーでもエエやん!」
ドニーが踊るとそんな気にさせられる。
トアル別のコーチャーも、
競技会の審査のとき、
「あそこまで、すごいダンスを目の前で見せつけられると、
バツ(×)なものでも、
無理矢理マル(○)にしたくなりますよ」
なんて、コメントしていたもんな。
さて、どーして、
こんなエピソードをのっけから紹介したのかというと、
ジュンコ・メソッドの根っこにある精神と、
リンクする話だからなんだ。
ワタシは基本的に、
「ダンス?
あぁ、もう、何をやってもOKよ!
恐れることはない。
今できることを最大限、表現すれば良い」
の精神を貫いている。
「たとえ
腰が抜けていても、
全然立てていなくても、
カラダがつながっていなくても」
ソレは変わらない。
なぜか?
「今の状態に甘んじることなく、向上心が常にあり、
正しい仕組みに従って、努力を続けていれば、
自分の中での“気づき”があり、
自ら改善を試みていけるようになる。
その繰り返しの中で、ダンスは着実に上達していく」
ことを知っているからだ。
つまり、ダンスに“出来上がり”など、存在しない。
いつも“もっとできるはずだぞ!”という、
途中を歩いているからだ。
そして、こうも思っている。
「ダンス、特に社交ダンスは、
正しく踊ることが良い訳じゃない。
ソコにメッセージ性があり、
みんなとの共感が持てるかどうかだ」
ひょっとしたら、
当時のドニー・バーンズ氏も“腰抜け”の症状があり、
ソレを陰で矯正しつつも、
「踊るときは、思いきりいこうぜ!!」
ナァンて思いを励行していたのかもしれないのよね。
さて、お話を、ヒデ君ダンスに戻しまして。
腰抜けが“促進され”
アバラの開きも“助長され”
フットワークは“めちゃくちゃ”
床の上で踊らず、
ジャイブ&クィックを、ほとんど、カカトをつかずに踊る。
ってな風に
症状が悪化の一途をたどるヒデ君に対し、
ワタシはそれでも、
「何も注意をあたえない」
ことを選び続けた。
コレは、
やるだけのことはちゃんとやってあるから
(第1093話参照)
という意味でも、ある。
しかしソレ以外に、下記のような気持ちがあったんだ。
コレこそがメソッドの最大のポイントなのだが・・・
簡潔に言えば、
ワタクシ
ヒデ君を信用したんだ。
ヒデ君のカラダの持っている力を。
もっといえば、
人間本来が持っている “自然の力”というものを。
具体的には、
重力下で行われるインナーマッスルの復元力による、
ナチュラルな矯正。
ソレに期待しつつ、忍耐強く、待ちの体制に入ったのだ。
すると、ほどなくして、興味深い事態が訪れ始めたんだ。
なんとなんと、
ヒデ君のボディの
短所が見事に活かされてきた!!??
どういうことか、具体的にあげてみよう。
“腰抜け”状態のまま、
骨盤とアバラはインナーマッスルでつながり、
結果、
骨盤とアバラの間にGOODな“距離”ができ、
その部位に存在するインナーマッスルがさらに活性化。
吊り上げ筋が非常に使いやすくなってきたんだな。
さらに、超・前傾バランスで立てるようになり
特に反りの体制を作る、女性役が上手くなったんだ。
男性群から
「ヒデ君、踊りやすいなぁ~」
と好評に。
“アバラの開き”は、
ボディ(見かけ上)の美しさ・たくましさになり、
また、
動きやすくなったアバラ、一本一本の動きが、
軽妙なジャイブ・ダンスの
ボディリズムを刻むようになってきたのだ。
それに伴い、“腰抜け”は、
「よく動くねぇ~」
と、どよめきが上がるほどの、ヒップアクションに変貌。
おまけに、
しっかり立っていない足下が、
つり上げ筋の稼働により助長され、
クイック・ステップに(床に立てていないが故の)
驚くべきスイングがかかるようになってきたのだ。
そうこうしているうちに、
練習会で一緒に踊った女性からも評価が良くなってきた。
「思い切り踊らせてもらえるから、楽しい!」
さらに面白いことには、
ベテランの男性生徒さんが、ヒデ君のマネをし始めた!?
「ヒデ君のようなジャイブを踊りたい」
「どんなことをやっているのか教えて欲しい」
ですって!?
ヒデ君、
「なんでやねん?」
と困惑気味だったけどね。
ヒデ君ボディの短所は、こうして思いがけない変化を遂げ、
ソレが、
ダンスに対する普遍的考え方・・・
音楽を良く聴く、無駄な力を抜くetc.
と、
持ち前の長所・・・
思い切りの良さ、エンターティメント性と結びつき、
学習発表シーンでの、
アノみんなを絶句させたパフォーマンスが、
誕生することになったんだ。
パフォーマンスを言葉で表現してみよう。
吊り上げ筋使い放題で、
ジェットコースター状態のクイック・ステップ。
アバラの大演奏と、
プリプリヒップアクションのダイナミック・ジャイブ。
「良いか、悪いか
正解か、間違っているか」
の判断基準を超え、
みんなを圧倒し、魅了したというわけだ。
ワタシはヒデ君に言った。
「ヒデ君はねぇ
“叶(かのう)姉妹”みたいなもんやったんよ」
「か、叶姉妹??
・・・何やソレ!?」
続く第1095話へ
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偉大なるF氏が、こんな面白い話をしてくれたことがある。
それは、当時の超カリスマチャンピオン
ドニー・バーンス氏についてだった。
「彼のダンスは、
正確に言えば間違っているところがある」
というのだ。
「腰が抜けている。
今は改善されてきたが、昔はもっとそうだった」
F氏はそう言いながら、
「こんな風に・・・」
カラダのサイドにお尻を突き出してみせた。
ラテンダンスにおいての腰抜けなんて、アキマセンやん!?
ワタシラがやったら、
すごく注意されるのに、そう思っていると、
F氏はこう続けたのだ。
「だが、ドニーはずっとチャンピオンだった」
そして、
「“ドニー・バーンス”だから、それで良い。
許されるのだ」
えぇ~、なにそれぇ?
「何をしたってカッコいい、サマになる。
ドニーが世界のダンスの流行を生み出すんだ。
彼にはその力がある」
つまりは、
間違っていることでも、正解にしてしまう
ってこと?
ドニー・バーンズ、
あなたが、世界ラテンダンスの基準なのか?って話よね。
確かにドニー・バーンズのダンスはすごかった。
持てる力の120パーセント、フルで踊っていた感がある。
しかも長身。
魂をさらけ出すような感情表現。
圧倒的な存在感。
「良いか悪いか、合ってるか間違っているか、
そんなことどーでもエエやん!」
ドニーが踊るとそんな気にさせられる。
トアル別のコーチャーも、
競技会の審査のとき、
「あそこまで、すごいダンスを目の前で見せつけられると、
バツ(×)なものでも、
無理矢理マル(○)にしたくなりますよ」
なんて、コメントしていたもんな。
さて、どーして、
こんなエピソードをのっけから紹介したのかというと、
ジュンコ・メソッドの根っこにある精神と、
リンクする話だからなんだ。
ワタシは基本的に、
「ダンス?
あぁ、もう、何をやってもOKよ!
恐れることはない。
今できることを最大限、表現すれば良い」
の精神を貫いている。
「たとえ
腰が抜けていても、
全然立てていなくても、
カラダがつながっていなくても」
ソレは変わらない。
なぜか?
「今の状態に甘んじることなく、向上心が常にあり、
正しい仕組みに従って、努力を続けていれば、
自分の中での“気づき”があり、
自ら改善を試みていけるようになる。
その繰り返しの中で、ダンスは着実に上達していく」
ことを知っているからだ。
つまり、ダンスに“出来上がり”など、存在しない。
いつも“もっとできるはずだぞ!”という、
途中を歩いているからだ。
そして、こうも思っている。
「ダンス、特に社交ダンスは、
正しく踊ることが良い訳じゃない。
ソコにメッセージ性があり、
みんなとの共感が持てるかどうかだ」
ひょっとしたら、
当時のドニー・バーンズ氏も“腰抜け”の症状があり、
ソレを陰で矯正しつつも、
「踊るときは、思いきりいこうぜ!!」
ナァンて思いを励行していたのかもしれないのよね。
さて、お話を、ヒデ君ダンスに戻しまして。
腰抜けが“促進され”
アバラの開きも“助長され”
フットワークは“めちゃくちゃ”
床の上で踊らず、
ジャイブ&クィックを、ほとんど、カカトをつかずに踊る。
ってな風に
症状が悪化の一途をたどるヒデ君に対し、
ワタシはそれでも、
「何も注意をあたえない」
ことを選び続けた。
コレは、
やるだけのことはちゃんとやってあるから
(第1093話参照)
という意味でも、ある。
しかしソレ以外に、下記のような気持ちがあったんだ。
コレこそがメソッドの最大のポイントなのだが・・・
簡潔に言えば、
ワタクシ
ヒデ君を信用したんだ。
ヒデ君のカラダの持っている力を。
もっといえば、
人間本来が持っている “自然の力”というものを。
具体的には、
重力下で行われるインナーマッスルの復元力による、
ナチュラルな矯正。
ソレに期待しつつ、忍耐強く、待ちの体制に入ったのだ。
すると、ほどなくして、興味深い事態が訪れ始めたんだ。
なんとなんと、
ヒデ君のボディの
短所が見事に活かされてきた!!??
どういうことか、具体的にあげてみよう。
“腰抜け”状態のまま、
骨盤とアバラはインナーマッスルでつながり、
結果、
骨盤とアバラの間にGOODな“距離”ができ、
その部位に存在するインナーマッスルがさらに活性化。
吊り上げ筋が非常に使いやすくなってきたんだな。
さらに、超・前傾バランスで立てるようになり
特に反りの体制を作る、女性役が上手くなったんだ。
男性群から
「ヒデ君、踊りやすいなぁ~」
と好評に。
“アバラの開き”は、
ボディ(見かけ上)の美しさ・たくましさになり、
また、
動きやすくなったアバラ、一本一本の動きが、
軽妙なジャイブ・ダンスの
ボディリズムを刻むようになってきたのだ。
それに伴い、“腰抜け”は、
「よく動くねぇ~」
と、どよめきが上がるほどの、ヒップアクションに変貌。
おまけに、
しっかり立っていない足下が、
つり上げ筋の稼働により助長され、
クイック・ステップに(床に立てていないが故の)
驚くべきスイングがかかるようになってきたのだ。
そうこうしているうちに、
練習会で一緒に踊った女性からも評価が良くなってきた。
「思い切り踊らせてもらえるから、楽しい!」
さらに面白いことには、
ベテランの男性生徒さんが、ヒデ君のマネをし始めた!?
「ヒデ君のようなジャイブを踊りたい」
「どんなことをやっているのか教えて欲しい」
ですって!?
ヒデ君、
「なんでやねん?」
と困惑気味だったけどね。
ヒデ君ボディの短所は、こうして思いがけない変化を遂げ、
ソレが、
ダンスに対する普遍的考え方・・・
音楽を良く聴く、無駄な力を抜くetc.
と、
持ち前の長所・・・
思い切りの良さ、エンターティメント性と結びつき、
学習発表シーンでの、
アノみんなを絶句させたパフォーマンスが、
誕生することになったんだ。
パフォーマンスを言葉で表現してみよう。
吊り上げ筋使い放題で、
ジェットコースター状態のクイック・ステップ。
アバラの大演奏と、
プリプリヒップアクションのダイナミック・ジャイブ。
「良いか、悪いか
正解か、間違っているか」
の判断基準を超え、
みんなを圧倒し、魅了したというわけだ。
ワタシはヒデ君に言った。
「ヒデ君はねぇ
“叶(かのう)姉妹”みたいなもんやったんよ」
「か、叶姉妹??
・・・何やソレ!?」
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