2009.10.12 (第993話)チョット中休み エッセイvol.22 ~オレが競技を辞めた理由~
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チョット中休み エッセイvol.22
オレが競技を辞めた理由
~オレにとっての“三方良しホールド”②~
ヒデ君がアル社会人コンペのラテン戦で優勝したって話は、
以前にもチョコッとだけ紹介したよね。
(第783話参照)
準優勝を飾ったデビュー戦から3ヵ月後のことだった。
主催がデビュー戦の時と同じで、
一回り大きなコンペであるソレには、
かなりのベテラン・実力者組、小学生チビッコ組・・
多彩なカップルがエントリーしていたんだ。
もち、デビュー戦の時の優勝組もいたわね。
そんな中、大奮闘の末、念願の初優勝。
やったね!パチパチパチ・・・
前回デビュー戦で“メッタ切り”されたため、
(第573話参照)
チョイ心配していた「審査員講評」でもすこぶる快調。
最も酷評を賜った、とアル審査員からも、
「短期間で見違えるように成長したね。
今回はオール1位をつけました」
お褒めの言葉をいただき、めでたしめでたし。
終了後、ソノ審査員とガッチリ握手
「これからもがんばって。
期待しているよ。」
熱きエールをいただいたのに。
ヒデ君の
“これから”は絶たれた・・・
っていうか、
「オレ、競技、もうエエワ」
の、いきなりの引退宣言。
周りの、
「なんでぇ!? デビューしたばっかりなのに」
「残念やわぁ」
「プロ主催のコンペ、いっぱいあるから、
登録選手になって活躍して欲しいわ」
などなどの声にも、全くひるまず
「いや、オレにとって、
適材適所※やない」
と、キッパリ。
※その人の適性や能力に応じて、
それにふさわしい地位・仕事に就かせること
モチ、コレには反論も多く、
「いやぁヒデ君、競技選手、
向いてる(似合ってる)と思うよ」
「まだ若いのに、もったいない」
ソンナコンナの声に対し、
ヒデ君は言う。
「競技会は楽しかったし、2回しか出てへんけど、
『エエモンやな』って思ったよ。
ハマルというか、
夢中になる人の気持ちも理解できたよ。
それに、色んな意味で、
(競技選手に)向いているのは、
自分でもわかるんや。
でも・・・オレの“仕事”やない」
さて、
ヒデ君の“先生”かつ“奥さん”であり
常に至近距離で見守り続けてきたワタクシとしましては、
なぜ、
「競技、もう、エエワ」
に至ったのかは、痛いほど良くわかるってモン。
もちろん
「オレの“仕事”やない」
の深い意味も。
じゃ、どう分かったかの内容を言葉にすれば、
こんな感じかな。
「ヒデ君は、
次に向かうために必要な“体験”を終了した」
そして、
ソノ体験から学び得た数々の知恵を携え(たずさえ)
「ヒデ君の魂は、
すでに次なる何かを探し始めている」
言い換えれば、
「ワタシが競技選手として十年以上かかってたどりついた
“しかるべき地点”に、
ヒデ君はもう到着しちゃったンやねぇ」
ってこと。
でも、あえてワタシは質問してみる。
しかも、何度も。
「ねぇ、ナンデ、競技、辞めたの?」
この問いに対し、発言を繰り返すことで、
ヒデ君自身が自分の気持ちを整理、理解し、
さらなる潜在的な意識にまで
たどりつけるのではと思ったからだ。
果たして、毎回質問を受けるたび、
ヒデ君は真剣な面持ちで答えを探しに行く。
で、決まって口に上ってくる内容を、
ワタシとの対話の中で挙げてみよう。
「ねぇ、ナンデ、競技、辞めたの?」
「“三方良し”じゃないってことや、
オレの場合」
「“三方良し”って、
“三方良しホールド”の“三方良し”と、
同じ意味?」
「そうや。
このまま競技を続けて、
もし、大きな大会で優勝しても、
“オレ自身が喜んで、パートナーも喜んで、
周りの人からもココロからの祝福を受ける”
ようには、ならんってこと」
「前回、準優勝したときは、
自分も楽しかったし、
パートナーとも喜びを分かち合えたと思う。
何より、周りがメッチャ喜んでくれたヤロ?
アレが、ゴッツうれしかった」
「ジュンコ先生の生徒サンも、
アル意味、大騒ぎで祝福してくれた。
ソラ、自分と同じこと習ってる“仲間”が、
競技の世界で認められたんやからな。
オレらが、
ジュンコ・メソッドを証明した!みたいな・・・」
「まさか、競技会で通用するとは、
思っていなかったって人もいたかもね。
“水生生物”が踊っているような、
グニャグニャ・パフォーマンスが(笑)」
「それに、(コンペ会場で)
優勝したカップルからも、
声をかけてもらったんや。
『また、ゼヒ会いましょう』って。
でも・・・」
「でも?
優勝した2回目のコンペでは、
みんな喜んでくれなかったってこと?」
「いや、そういうわけでもないねんけど、
色んな想いが出てきたのは感じたよ。
コンペ会場では冷たい視線も感じたし・・。
前回は、色んな知らん人からいっぱい、
『おめでとう』って言うてもらったのに」
「悲しかった?」
「うーん・・・でも、気持ちは分かるよ。
だってなぁ、ソラ、アカンワ」
「ナニが?」
「オレらみたいなモンが、出たら(出場したら)。
それから、ホラ、アノ
(小学生の)チビッコカップルも。
アンナン、出たら、目立つに決まってるし、
ラテンなんて、
カッコウだけで優位に決まってるヤン」
「メッチャ、違和感もったで。
学生は学生同士、
オレらやオレら世代で、
コンペやるんやったら、分かるけど。
50代、60代、70代の人たちが、
夢を持ってがんばってハル場所に、
ポッと出た新人が派手なダンス踊って・・・
そら、周りのモンはオモロないでしょ!?
なーんか、
みんなの楽しみを奪ったような気持ちやった」
「じゃぁ、優勝が決まったときの気分は?」
「うれしくなかった。
優勝目指してあんなにがんばったのに・・・。
でも、ホッとはしたよ。
責任は果たしたみたいな。
途中で、
『チビッコに負けるん違うか?』って、
思ったりしたからな(笑)」
「親がプロの2世サンやから、
上手かったものね」
「ちっちゃいし、
一緒に踊ったらメッチャ気になるで。
ジャイブの時、(チビッコカップルが)
オレらのすぐ前を踊ってたヤロ?
視界に入らへんから、
何回か、蹴飛ばしそうになったわ(笑)」
「なるほどね・・・。
ねぇ、さっきの“三方良し”の話に戻るけど、
パートナーとのことね、
『オレの場合、パートナーとも真に喜び合えない』
・・・とか、言っていたでしょ?」
「ソコ、ソコ!
オレ、ホンマ、エエ勉強したわ」
ヒデ君の話は続き・・・
続く第994話へ
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ヒデ君がアル社会人コンペのラテン戦で優勝したって話は、
以前にもチョコッとだけ紹介したよね。
(第783話参照)
準優勝を飾ったデビュー戦から3ヵ月後のことだった。
主催がデビュー戦の時と同じで、
一回り大きなコンペであるソレには、
かなりのベテラン・実力者組、小学生チビッコ組・・
多彩なカップルがエントリーしていたんだ。
もち、デビュー戦の時の優勝組もいたわね。
そんな中、大奮闘の末、念願の初優勝。
やったね!パチパチパチ・・・
前回デビュー戦で“メッタ切り”されたため、
(第573話参照)
チョイ心配していた「審査員講評」でもすこぶる快調。
最も酷評を賜った、とアル審査員からも、
「短期間で見違えるように成長したね。
今回はオール1位をつけました」
お褒めの言葉をいただき、めでたしめでたし。
終了後、ソノ審査員とガッチリ握手
「これからもがんばって。
期待しているよ。」
熱きエールをいただいたのに。
ヒデ君の
“これから”は絶たれた・・・
っていうか、
「オレ、競技、もうエエワ」
の、いきなりの引退宣言。
周りの、
「なんでぇ!? デビューしたばっかりなのに」
「残念やわぁ」
「プロ主催のコンペ、いっぱいあるから、
登録選手になって活躍して欲しいわ」
などなどの声にも、全くひるまず
「いや、オレにとって、
適材適所※やない」
と、キッパリ。
※その人の適性や能力に応じて、
それにふさわしい地位・仕事に就かせること
モチ、コレには反論も多く、
「いやぁヒデ君、競技選手、
向いてる(似合ってる)と思うよ」
「まだ若いのに、もったいない」
ソンナコンナの声に対し、
ヒデ君は言う。
「競技会は楽しかったし、2回しか出てへんけど、
『エエモンやな』って思ったよ。
ハマルというか、
夢中になる人の気持ちも理解できたよ。
それに、色んな意味で、
(競技選手に)向いているのは、
自分でもわかるんや。
でも・・・オレの“仕事”やない」
さて、
ヒデ君の“先生”かつ“奥さん”であり
常に至近距離で見守り続けてきたワタクシとしましては、
なぜ、
「競技、もう、エエワ」
に至ったのかは、痛いほど良くわかるってモン。
もちろん
「オレの“仕事”やない」
の深い意味も。
じゃ、どう分かったかの内容を言葉にすれば、
こんな感じかな。
「ヒデ君は、
次に向かうために必要な“体験”を終了した」
そして、
ソノ体験から学び得た数々の知恵を携え(たずさえ)
「ヒデ君の魂は、
すでに次なる何かを探し始めている」
言い換えれば、
「ワタシが競技選手として十年以上かかってたどりついた
“しかるべき地点”に、
ヒデ君はもう到着しちゃったンやねぇ」
ってこと。
でも、あえてワタシは質問してみる。
しかも、何度も。
「ねぇ、ナンデ、競技、辞めたの?」
この問いに対し、発言を繰り返すことで、
ヒデ君自身が自分の気持ちを整理、理解し、
さらなる潜在的な意識にまで
たどりつけるのではと思ったからだ。
果たして、毎回質問を受けるたび、
ヒデ君は真剣な面持ちで答えを探しに行く。
で、決まって口に上ってくる内容を、
ワタシとの対話の中で挙げてみよう。
「ねぇ、ナンデ、競技、辞めたの?」
「“三方良し”じゃないってことや、
オレの場合」
「“三方良し”って、
“三方良しホールド”の“三方良し”と、
同じ意味?」
「そうや。
このまま競技を続けて、
もし、大きな大会で優勝しても、
“オレ自身が喜んで、パートナーも喜んで、
周りの人からもココロからの祝福を受ける”
ようには、ならんってこと」
「前回、準優勝したときは、
自分も楽しかったし、
パートナーとも喜びを分かち合えたと思う。
何より、周りがメッチャ喜んでくれたヤロ?
アレが、ゴッツうれしかった」
「ジュンコ先生の生徒サンも、
アル意味、大騒ぎで祝福してくれた。
ソラ、自分と同じこと習ってる“仲間”が、
競技の世界で認められたんやからな。
オレらが、
ジュンコ・メソッドを証明した!みたいな・・・」
「まさか、競技会で通用するとは、
思っていなかったって人もいたかもね。
“水生生物”が踊っているような、
グニャグニャ・パフォーマンスが(笑)」
「それに、(コンペ会場で)
優勝したカップルからも、
声をかけてもらったんや。
『また、ゼヒ会いましょう』って。
でも・・・」
「でも?
優勝した2回目のコンペでは、
みんな喜んでくれなかったってこと?」
「いや、そういうわけでもないねんけど、
色んな想いが出てきたのは感じたよ。
コンペ会場では冷たい視線も感じたし・・。
前回は、色んな知らん人からいっぱい、
『おめでとう』って言うてもらったのに」
「悲しかった?」
「うーん・・・でも、気持ちは分かるよ。
だってなぁ、ソラ、アカンワ」
「ナニが?」
「オレらみたいなモンが、出たら(出場したら)。
それから、ホラ、アノ
(小学生の)チビッコカップルも。
アンナン、出たら、目立つに決まってるし、
ラテンなんて、
カッコウだけで優位に決まってるヤン」
「メッチャ、違和感もったで。
学生は学生同士、
オレらやオレら世代で、
コンペやるんやったら、分かるけど。
50代、60代、70代の人たちが、
夢を持ってがんばってハル場所に、
ポッと出た新人が派手なダンス踊って・・・
そら、周りのモンはオモロないでしょ!?
なーんか、
みんなの楽しみを奪ったような気持ちやった」
「じゃぁ、優勝が決まったときの気分は?」
「うれしくなかった。
優勝目指してあんなにがんばったのに・・・。
でも、ホッとはしたよ。
責任は果たしたみたいな。
途中で、
『チビッコに負けるん違うか?』って、
思ったりしたからな(笑)」
「親がプロの2世サンやから、
上手かったものね」
「ちっちゃいし、
一緒に踊ったらメッチャ気になるで。
ジャイブの時、(チビッコカップルが)
オレらのすぐ前を踊ってたヤロ?
視界に入らへんから、
何回か、蹴飛ばしそうになったわ(笑)」
「なるほどね・・・。
ねぇ、さっきの“三方良し”の話に戻るけど、
パートナーとのことね、
『オレの場合、パートナーとも真に喜び合えない』
・・・とか、言っていたでしょ?」
「ソコ、ソコ!
オレ、ホンマ、エエ勉強したわ」
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