初めての方へ 目次 エクササイズ&プラクティス集
テーマ別インデックス Real Junko Voice目次
読者限定ワークショップ
小太りでいかめしい表情の男性、
首から肩のラインからして、
いかにもベテランそうな雰囲気だ。
誘うように右手を差し出したものの、特にエスコートはナシ。
「私についていらっしゃい」
とばかり、悠然とフロアーを歩いていく。
途中で「グフッ」と咳払い。
ワタシはといえば、
さながら“社長”の後ろをついて歩く “秘書”のごとく、
静かなアクションだ。
種目は、スロー・フォックストロット。
こんな混んだフロアーで
どうやって踊るのか??
チョイ、不安、そして若干、楽しみだ。
両手を広げ、ワタシを招く。
この辺りの雰囲気はOKだ。
オォ~みぞおち辺りに、ビビッとくるボディコンタクト。
イイじゃない!
と感じた瞬間、右手でググーッと締めてきた。
良くも悪くも、
コレで男性とかなりハードな一体感は生まれたわけだ。
コレがこの男性の“スタイル”なのだろう。
ワタシは、外は思い切り脱力、インナーマッスルは全開に。
「ヨーシ」
と、男性も満足な雰囲気。
スタート。
上手い“ドライビング”。
よくもまぁ、こんな大勢の中で、
こんなスピードでスイスイ踊れるものね・・・
って感じなのだ。
ただし、音楽性はこの際、無視。
バリエーションも仕掛けてくる。
そのたびに、右手の締め付けは強まるが、
上級者のテクニックでは、アル。
終了。
男性が言った。
「イヤァ、ビックリしたよ」
想像していた以上に
ワタシがついてきたもので驚いているのだろうか。
いかめしい表情が崩れ、目が少し笑っている。
ジルバがかかった。
当たり前のように、サッと組み、踊りだす。
コレも自分のスタイルがあるようだ。
一方的かといえば、ムチャクチャ一方的
押し付けかといえば、メッチャ押し付け
の、強いリードが始まった。
かなりキツイコネクション
小太りのカラダを小刻みに揺さぶりながら、
段々スピードに乗っていく。
そのためか、リードも段々キツクなる。
我流でクセのある動きではアルが、
非常にこなれた踊りであることも確かだ。
周りで、ヒトが見ている気配。
男性はますます、激しいリード。
終了。
男性の額には汗がいっぱいだ。
少し疲れたワタシは
「ありがとうございました」と引き下がろうとしたが
男性は懇願した。
「頼む、もう一曲」
タンゴだった。
男性の得意種目であることは、
ホールドに入った瞬間に感じられた。
静かなるウォーク。
素早いリンク。
かなりのテクニックだ。
が、惜しいことに、
ホールドが硬い
もはや羽交い絞め状態だ。
それで、混雑した中を縦横無尽に駆け巡るわけだから、
女性がとんでもなく柔らかく対処しないと、
少々“危険”だ。
技もジャンジャン。
ナチュラル・フォーラウエイからスピン連続・・
コントラチェック、スウィブル、
スパニッシュ・ドラッグ・・
はぁ~やっと終わった。
男性は何か言いたそうにしていたが、
そそくさとお礼を言い、その場を離れた。
今日はこの辺で“お開き”を決定し、
荷物をサッサとまとめて退散だ。
ところが、受付で呼び止められ・・・
続く第979話へ
Real Junko Voice
(目次)
「もう一つの学連物語」
vol.147 ~トラウマ ~
ソロ試験のチェックの合間に、
カップル試験用のチェックを受けることにしました。
見た目では、合格をもらったものの、
体感では、どうでしょう。
自信がありません。
どんな注意を受けるのか・・・
ソレを異常なまでに恐れている自分がいるのです。
コレもまた、
カップルで競技用のレッスンを受けていた頃の“トラウマ”です。
当時、例えばこんな風でした。
ワルツのレッスン。
師匠と組んでスタート。
と、もうソコからアクシデント。
全く踊りが合わないのです。
自分が“ものすごく根本的なところで、変なことをやっている”
とは、感じるのですが、
もちろん、ドコが悪いのかまでは分かりません。
師匠と組んだ感触がナイまま、
ダンスはカタチだけつながっていきます。
ナチュラル・ターンからオーバーターン・ターニングロック、
ランニング・ウィーブ・・
アァ、もうだめ、ついていけません。
師匠は一言
「動かんなぁ」
がんばってついていこうとすると、
「なに、足でバタバタやってるんや!?」
「おまえさんのダンスには“薄氷の上で踊るような静けさ”がナイ」
意味がわかりません。
他にも、
「まっすぐ立てていない」
「重みがない」
「床の上にいない」・・
注意はたくさん受けるのですが、
どういうことなのか、言葉の意味が理解できないのです。
でも
「あの、『床の上にいない』って、
もっと具体的に、どうなっていることなのですか?」
などとは、恐ろしくて聞けません。
かといって、分かったフリもできず・・・。
最終的にはいつもこういう言葉で締めくくれていました。
「ホンマ、おまえさんは、困ったやっちゃ(やつや)」
さて、カップル試験用のチェックが、始まり・・・
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とばかり、悠然とフロアーを歩いていく。
途中で「グフッ」と咳払い。
ワタシはといえば、
さながら“社長”の後ろをついて歩く “秘書”のごとく、
静かなアクションだ。
種目は、スロー・フォックストロット。
こんな混んだフロアーで
どうやって踊るのか??
チョイ、不安、そして若干、楽しみだ。
両手を広げ、ワタシを招く。
この辺りの雰囲気はOKだ。
オォ~みぞおち辺りに、ビビッとくるボディコンタクト。
イイじゃない!
と感じた瞬間、右手でググーッと締めてきた。
良くも悪くも、
コレで男性とかなりハードな一体感は生まれたわけだ。
コレがこの男性の“スタイル”なのだろう。
ワタシは、外は思い切り脱力、インナーマッスルは全開に。
「ヨーシ」
と、男性も満足な雰囲気。
スタート。
上手い“ドライビング”。
よくもまぁ、こんな大勢の中で、
こんなスピードでスイスイ踊れるものね・・・
って感じなのだ。
ただし、音楽性はこの際、無視。
バリエーションも仕掛けてくる。
そのたびに、右手の締め付けは強まるが、
上級者のテクニックでは、アル。
終了。
男性が言った。
「イヤァ、ビックリしたよ」
想像していた以上に
ワタシがついてきたもので驚いているのだろうか。
いかめしい表情が崩れ、目が少し笑っている。
ジルバがかかった。
当たり前のように、サッと組み、踊りだす。
コレも自分のスタイルがあるようだ。
一方的かといえば、ムチャクチャ一方的
押し付けかといえば、メッチャ押し付け
の、強いリードが始まった。
かなりキツイコネクション
小太りのカラダを小刻みに揺さぶりながら、
段々スピードに乗っていく。
そのためか、リードも段々キツクなる。
我流でクセのある動きではアルが、
非常にこなれた踊りであることも確かだ。
周りで、ヒトが見ている気配。
男性はますます、激しいリード。
終了。
男性の額には汗がいっぱいだ。
少し疲れたワタシは
「ありがとうございました」と引き下がろうとしたが
男性は懇願した。
「頼む、もう一曲」
タンゴだった。
男性の得意種目であることは、
ホールドに入った瞬間に感じられた。
静かなるウォーク。
素早いリンク。
かなりのテクニックだ。
が、惜しいことに、
ホールドが硬い
もはや羽交い絞め状態だ。
それで、混雑した中を縦横無尽に駆け巡るわけだから、
女性がとんでもなく柔らかく対処しないと、
少々“危険”だ。
技もジャンジャン。
ナチュラル・フォーラウエイからスピン連続・・
コントラチェック、スウィブル、
スパニッシュ・ドラッグ・・
はぁ~やっと終わった。
男性は何か言いたそうにしていたが、
そそくさとお礼を言い、その場を離れた。
今日はこの辺で“お開き”を決定し、
荷物をサッサとまとめて退散だ。
ところが、受付で呼び止められ・・・
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ソロ試験のチェックの合間に、
カップル試験用のチェックを受けることにしました。
見た目では、合格をもらったものの、
体感では、どうでしょう。
自信がありません。
どんな注意を受けるのか・・・
ソレを異常なまでに恐れている自分がいるのです。
コレもまた、
カップルで競技用のレッスンを受けていた頃の“トラウマ”です。
当時、例えばこんな風でした。
ワルツのレッスン。
師匠と組んでスタート。
と、もうソコからアクシデント。
全く踊りが合わないのです。
自分が“ものすごく根本的なところで、変なことをやっている”
とは、感じるのですが、
もちろん、ドコが悪いのかまでは分かりません。
師匠と組んだ感触がナイまま、
ダンスはカタチだけつながっていきます。
ナチュラル・ターンからオーバーターン・ターニングロック、
ランニング・ウィーブ・・
アァ、もうだめ、ついていけません。
師匠は一言
「動かんなぁ」
がんばってついていこうとすると、
「なに、足でバタバタやってるんや!?」
「おまえさんのダンスには“薄氷の上で踊るような静けさ”がナイ」
意味がわかりません。
他にも、
「まっすぐ立てていない」
「重みがない」
「床の上にいない」・・
注意はたくさん受けるのですが、
どういうことなのか、言葉の意味が理解できないのです。
でも
「あの、『床の上にいない』って、
もっと具体的に、どうなっていることなのですか?」
などとは、恐ろしくて聞けません。
かといって、分かったフリもできず・・・。
最終的にはいつもこういう言葉で締めくくれていました。
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さて、カップル試験用のチェックが、始まり・・・
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