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社交ダンス的・プロトコールのススメvol.3 

パーソナル・スペース

~社交ダンサーのための“距離感”の教養 ③~


前回の続き。
相手とのちょうど良い距離感のことを、

パーソナル・スペース

と呼ぶわけだけど、コレって

カラダの距離感であると同時に、

ココロの距離感でもある


ということを、もう一度、よーく押さえておこう。
(第874話参照)

さらに言い換えれば、

「自分の周りにある、

他人に入られたくない空間」


ってモンでもある。

例えば、電車に乗って席に座るときって、
混んでいるときは別として、
適当な空間を置いて座るよね?
空いているのに、
となりの人とペッチャリ密着して座ったりしたら、
「ワッ、何するの!?」と、
とたんに“危険人物”扱いされちゃう!
つまり、 誰だって“赤の他人”とは、
あまり近づきたくないものなのよね。
その人がどんな人であるのか、ある程度把握できるまで、
むやみに近寄って欲しくないはず。
相手の情報がないままに、近づき過ぎてしまうと
それはそのまま“危険”に近づくことを意味し、

カラダの警戒警報が発令!

となっちゃうように、
どうも人体はできているみたいなんだな。
だから、
人は自分の周りに固有の空間を形成し、
自分を守ろうとする

・・・コレが、

パーソナル・スペースなんだよね。

実際、
パーソナル・スペースに誰かが勝手に侵入してきて
「あぁ、気分悪い」
とか
「疲れるナァ」
となった経験って、アナタにもあると思う。
そういえば、
満員電車や雑踏で嫌な気分になりやすいのも、
“他人に入られたくない空間”に
ジャンジャン色んな人が入ってくるからだろうね。

さて、一般的な話をしよう。
外交的な人は、
パーソナル・スペースが狭い人が多く

(他人との“ちょうど良い距離”が短い)
逆に、
内向的な人は広い
(他人との“ちょうど良い距離”が長い)
傾向にあるんだな。
また、前号の実験でみたように、
相手によって変わるものでもある。
例えば、アナタにとって
Aという人との間にできる
パーソナル・スペースは1メートル
Bという人との間にできる
パーソナル・スペースは2メートル
という風に。
モチロン、恋人や親しい友人、家族など、
親しい関係のものとのパーソナル・スペース
は狭く、
親しくない人との間にできる
パーソナル・スペースは広くなるわけ。

さらに面白いコトに、
ワタシたち日本人のパーソナル・スペースは、
他の欧米人やアジアの人達に比べ
大きい(広い)んだって。
ホラ、日本人ってボディランゲージ
(握手や肩を叩く、抱き合う、
相手の身体に軽く触れるなど)が、
下手だと言われているでしょ?
ソレも、
その(パーソナル・スペースが大きい)せい
と言われれば納得の行く話よね。

余談だけど、
日本人が長く握手の習慣を持たなかったのは、
武家の社会における考え方からくるものとか。
「手の内を見せる」ことが、
武士としては「ダメ!」なこと、
いわゆる“武士の恥”だったんだそうよ。
なぜか?
手の平の内側を見せることは、手の方向、
すなわち抜き打ちの“刀の方向性”を
見抜かれることになるからなんだそう。
・・・と、こうやって見てみると、

パーソナル・スペースという知識を

全く知らずして、

社交ダンスをやっているって、

なんだか危ないなと思わない?


なぜなら、
社交ダンスって、
自分のパーソナル・スペースに相手を招きいれ
あるいは
相手のパーソナル・スペースに侵入し、
という風に、
パーソナル・スペースってモンを当たり前のように

“いらっている”

行為なんだもの。

※いじる。さわる。ふれる

ということで、次回より、 
もうチョイ、社交ダンサーが知って、
身に付けておくべき

教養として、

パーソナル・スペースのお話を取り上げながら
個々のパーソナル・スペースを活かしつつ
より健全な社交ダンスに望むべく
・・・に展開していきますんで
よろしく!


     続く第874話へ





Real Junko Voice
(目次)

「もう一つの学連物語」
vol.62 ~ なつかしのスタジオ ~

お話は戻ります。
 
“父”からの呼び出しを受けたワタシは、
“なつかしのスタジオ”の扉の前にやってきました。

スタッフ勤務をしていた6年間、
毎日幾度となく通過していたこの扉。
ガラス仕様の重厚なモノです。
もう2度と手をかけることなどないだろうと思っていたのに・・・
ここを最後に出て行ってから
14年あまりの歳月が流れています。

バブル全盛の頃に作られたスタジオです。
マンションの1階。
道路側は、前面ガラス張りです。
50坪ほどの広々とした空間。
スタジオの隅には、バー・カウンターが設けられ、
レッスンの終わった生徒サンに
コーヒーやお茶・菓子がサービスされます。

スポーツ・センター的開放感と、
サロン的※“おもてなし感”の融合・・
今ではそれほど珍しくもなくなったスタイルかもしれませんが、
当時としては、
ソレまでの閉鎖的な“社交ダンス教習所”のイメージを
一新するかのような画期的なものでした。

なにやら念じるような気持ちで扉を開けます。
と、目の前に数組のレッスン風景が飛び込んできました。
平日のお昼過ぎ、
おば様方のレッスンが多い時間帯です。
果たして、若い男性スタッフが2人、
艶やかな女性を教えています。

「こんにちは・・・」
と会釈しながらも、
「誰の生徒サンだろう?」
不思議な空気が行き交うのを感じます。
私のことを知っている人など、当然誰もいないようです。

“父”もレッスン中でした。
ワタシを見つけるや、サッと右手を上げます。
瞬間、緊張と見知ったものに出会った安堵感に包まれます。

ワタシは邪魔にならないように、
周囲をグルリと歩き、カウンター横のイスに腰を下ろします。
生徒サンのスペースです。
そこでようやく人心地。

スタジオ内を見渡す余裕が生まれました。

そこで・・・

あっ・・・

ワタシの目にとんでもないものが飛び込んできたのです。

※洋風の客間。応接室



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