初めての方へ 目次 エクササイズ&プラクティス集
テーマ別インデックス
特別シリーズ
社交ダンスを教えるということvol.6
共感を大切にしたレッスン
木を見て森を見ず!? ⑤
ダンスのレッスンで最も重要なのは、
“正しいことを言うこと”ではない。
重要なのは・・・
“共感”
なのだとジュンコ先生。
では、前回の例1・例2を、
もし“共感を大切にしたレッスン”にしたならば、
どうなるか見てみよう。
「スリー・アレマーナのリードが上手くいかない」
と悩んでいたある男性A氏、
個人レッスンでコーチャーに申し出た。
「グループレッスンで、
スリー・アレマーナを習ったので、
パーティで試したいのですが、
どうも上手く行かないのです」
(例3)
コーチャーD子の場合
「では、いつも、
どんなふうになさっているのかを知りたいので、
一緒に踊ってみていただけますか?」
と申し出るD子。
「パーティで試されているような気分で、
踊ってみてくださいね。
途中、いつでも良いですから、
スリー・アレマーナをリードしてみていただけますか?」
そして、音楽、スタート。
コーチャーであるD子とルンバを踊ってみるA氏。
スリー・アレマーナも仕掛けている様子。
(スリー・アレマーナを)3回ほどトライの後、
D子はA氏の
情報を得ることができる
① 腕・手がかなりリキンでいる
② スリー・アレマーナだけではなく、
女性の動きをあまり把握していない様子
ベーシック・フィガーでのリードもあやふやだ
③ いつもある一定のシーンで
スリー・アレマーナのリードをする
(おそらくはグループレッスンでの
アマルガメーションどおり)
④ ただし、音楽(カウント)は外れていないし、
スリー・アレマーナの足型も一応合っている
ことを確認したD子は、
今度は、音楽はかけずに、
ゆっくりと踊ることを提案
やはり(スリー・アレマーナを)
3回くらいトライの後、D子は尋ねる。
「いかがでしたか?
普段どおりにできましたか?」
A氏は苦笑しながら
「いやぁ、先生がちゃんと受けて下さるモンで、
いつもはこんな風には行きませんよ」
D子は、
「ワタシはAさんがリードされた結果を
再現しようとしていただけですよ(笑)
スリー・アレマーナを踊らせたいという気持ちは、
ちゃんと伝わってきますわ」
A氏
「いやぁ、自分でどうなっているのか、
よくわかりません。
音楽がかかると、余計にあせってしまいます。
それに・・・」
ここでD子、
いつもはスリー・アレマーナの
どこがやりにくいかなどの
情報を引き出すために
しばらくA氏から
話を聴くことに。
A氏は日頃の不満と不安を打ち明けた。
D子
「そうだったのですね。
よくわかりました。
では、まず、
スリー・アレマーナの箇所だけを取り出して、
もう一度、踊ってみましょうか?
リードの仕方が分からないということでしたから、
女性との関係がより分かるように、
ゆっくり、踊ってみましょうね」
そして、
「スリー・アレマーナって、
こんな風に相手とコミュニケーションをとりながら
踊っている」
という感覚をA氏に“直接体験”してもらうために、
ワザと、自分のカラダの中、
床への重みetc.でA氏のカラダそのものと
“会話”を持とうと試みながら、
ゆっくり踊るD子。
時折、D子はカウントを言い、
それにあわせて踊るように(カラダで)誘う。
カウントにも強弱を持たせながら、
女性との係わり合いを強調。
A氏が、自分のステップの一歩一歩と、
女性の動きとの繋がりが感じられるまで、
根気よく続けてみる。
しばらくして、
ようやく二人の動きが合ってきた・・・
果たして、
A氏
「イヤぁ、スリー・アレマーナって、
こんな感じのモンだったんですね。
女性のことなんて、全く知らずに
僕は自分の足型バッカリを必死で追いかけていました」
自分のどこがおかしかったのかが分かってきた様子だ。
D子はうなずきながら聴いている。
「スリー・アレマーナは特に、
女性と自分のステップとどう繋がりがあるのかが
体感できないと、
見えてこないフィガーなんですよね」
A氏
「ソウ、全然見えていませんでした(笑)
僕と踊ると、女性の手が硬くなって、
握り締めてくるわけがようやく分かってきました」
女性との関連に興味を持ち始めたA氏、
「先生、コレは何も、
スリー・アレマーナに限ったことではないですね。
僕は全然、
女性の動きが見えてなかったように思います」
D子は、
女性からの情報をより正確に得るためには
どうしらいいかを提案
「手・腕のリキミを取ってみましょうか。
すると、ホラ、
女性の手の感覚が変わったのが分かりますか?」
A氏
「ハイ。重みを感じます。
ヘェ、こんな感覚は初めてです。
いやぁ、今までどうやっていたんだろう?」
スリー・アレマーナの中で
女性とのつながりを体感したA氏。
「面白くなってきました!」
A氏のダンスは、
新たな段階に踏み出そうとしていた・・・。
続く 第844話へ
Real Junko Voice
「もう一つの学連物語」
vol.32 ~ 抵抗勢力に負けない ~
なぜなら・・・の後にワタシはこう言葉を続けます。
「“先生”だからよ、しかも“社交ダンス”の」
ヒデ君は、一瞬、不思議そうな表情です。
でも、しばらくしてこう言ってくれました。
「後に続く生徒サンたちが、
勇気を持って自分のやりたい表現ができるように、
手本を示すってこと?」
ワタシはうなずきます。
「だから、最後には絶対成功しないとダメなんだけどね(笑)
好きに表現して、それで大失敗してそのまま終わり、
ナンテなってしまったら、
誰もマネしようとは思わないでしょ」
これは「基本的に、人生も、ダンスも、一緒」
という発想からきています。
自由自在に、自分を思い切り表現したい
そして、最高の良い自分を体験したい
人生においてもダンスにおいても、誰もが願っていることでしょう。
その願いに向かって、実際、行動に移そうとしたとします。
でも、次の瞬間、理性がこう言うのです。
「オマエにはそんなことは無理だよ。
悪いことは言わない、やめておいたほうが良い。
なぜなら・・・」
過去の失敗体験が頭をもたげることもあるでしょうし、
“親”の慎重さが説き伏せにかかることもあるでしょう。
“世間”の常識が猛然、反対してくるかもしれません。
家族・配偶者・恋人・・
ダンスなら一緒に組んでいる相手に迷惑がかかるぞ、
みっともない格好になるぞ、みんなから笑われるぞ・・さまざまな声。
冒険・挑戦をやめさせようとする、抵抗勢力です。
こうなると、面倒くさくなって、
「そんなリスクを背負ってまで、やらなくてもイイか」
などと、ココロを止めてしまう、そんなケースが非常に多いと思われます。
「みんなが本当はやりたいだろうな、でも、いざとなったら
あきらめるだろうなと、思うような体験ほど、
あえて挑戦したきたように思う。
ソレを成功させれば、後に続く人たちの励みになるでしょ?
『アァ、ワタシもやってみよう』
とマネしてくれるかも知れないでしょ?
しり込みしている人への後押しにもなる、と思ってね」
ニコニコ話すワタシに、ヒデ君は少し引いていますが。
「ジュンコ先生、ダンスのレッスンの時にも、
よく『勇気を持って』という言葉をつかっているもんな。
ダンスって、
その気持ちを大切にしなアカン時、意外と多いワナ」
ヒデ君、グループレッスンでのスロー・フォックストロット、
スタートの時をイメージしているようです。
さて、話は “その人”への2度目の電話のほうに向かいます。
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社交ダンスを教えるということvol.6
共感を大切にしたレッスン
木を見て森を見ず!? ⑤
ダンスのレッスンで最も重要なのは、
“正しいことを言うこと”ではない。
重要なのは・・・
“共感”
なのだとジュンコ先生。
では、前回の例1・例2を、
もし“共感を大切にしたレッスン”にしたならば、
どうなるか見てみよう。
「スリー・アレマーナのリードが上手くいかない」
と悩んでいたある男性A氏、
個人レッスンでコーチャーに申し出た。
「グループレッスンで、
スリー・アレマーナを習ったので、
パーティで試したいのですが、
どうも上手く行かないのです」
(例3)
コーチャーD子の場合
「では、いつも、
どんなふうになさっているのかを知りたいので、
一緒に踊ってみていただけますか?」
と申し出るD子。
「パーティで試されているような気分で、
踊ってみてくださいね。
途中、いつでも良いですから、
スリー・アレマーナをリードしてみていただけますか?」
そして、音楽、スタート。
コーチャーであるD子とルンバを踊ってみるA氏。
スリー・アレマーナも仕掛けている様子。
(スリー・アレマーナを)3回ほどトライの後、
D子はA氏の
情報を得ることができる
① 腕・手がかなりリキンでいる
② スリー・アレマーナだけではなく、
女性の動きをあまり把握していない様子
ベーシック・フィガーでのリードもあやふやだ
③ いつもある一定のシーンで
スリー・アレマーナのリードをする
(おそらくはグループレッスンでの
アマルガメーションどおり)
④ ただし、音楽(カウント)は外れていないし、
スリー・アレマーナの足型も一応合っている
ことを確認したD子は、
今度は、音楽はかけずに、
ゆっくりと踊ることを提案
やはり(スリー・アレマーナを)
3回くらいトライの後、D子は尋ねる。
「いかがでしたか?
普段どおりにできましたか?」
A氏は苦笑しながら
「いやぁ、先生がちゃんと受けて下さるモンで、
いつもはこんな風には行きませんよ」
D子は、
「ワタシはAさんがリードされた結果を
再現しようとしていただけですよ(笑)
スリー・アレマーナを踊らせたいという気持ちは、
ちゃんと伝わってきますわ」
A氏
「いやぁ、自分でどうなっているのか、
よくわかりません。
音楽がかかると、余計にあせってしまいます。
それに・・・」
ここでD子、
いつもはスリー・アレマーナの
どこがやりにくいかなどの
情報を引き出すために
しばらくA氏から
話を聴くことに。
A氏は日頃の不満と不安を打ち明けた。
D子
「そうだったのですね。
よくわかりました。
では、まず、
スリー・アレマーナの箇所だけを取り出して、
もう一度、踊ってみましょうか?
リードの仕方が分からないということでしたから、
女性との関係がより分かるように、
ゆっくり、踊ってみましょうね」
そして、
「スリー・アレマーナって、
こんな風に相手とコミュニケーションをとりながら
踊っている」
という感覚をA氏に“直接体験”してもらうために、
ワザと、自分のカラダの中、
床への重みetc.でA氏のカラダそのものと
“会話”を持とうと試みながら、
ゆっくり踊るD子。
時折、D子はカウントを言い、
それにあわせて踊るように(カラダで)誘う。
カウントにも強弱を持たせながら、
女性との係わり合いを強調。
A氏が、自分のステップの一歩一歩と、
女性の動きとの繋がりが感じられるまで、
根気よく続けてみる。
しばらくして、
ようやく二人の動きが合ってきた・・・
果たして、
A氏
「イヤぁ、スリー・アレマーナって、
こんな感じのモンだったんですね。
女性のことなんて、全く知らずに
僕は自分の足型バッカリを必死で追いかけていました」
自分のどこがおかしかったのかが分かってきた様子だ。
D子はうなずきながら聴いている。
「スリー・アレマーナは特に、
女性と自分のステップとどう繋がりがあるのかが
体感できないと、
見えてこないフィガーなんですよね」
A氏
「ソウ、全然見えていませんでした(笑)
僕と踊ると、女性の手が硬くなって、
握り締めてくるわけがようやく分かってきました」
女性との関連に興味を持ち始めたA氏、
「先生、コレは何も、
スリー・アレマーナに限ったことではないですね。
僕は全然、
女性の動きが見えてなかったように思います」
D子は、
女性からの情報をより正確に得るためには
どうしらいいかを提案
「手・腕のリキミを取ってみましょうか。
すると、ホラ、
女性の手の感覚が変わったのが分かりますか?」
A氏
「ハイ。重みを感じます。
ヘェ、こんな感覚は初めてです。
いやぁ、今までどうやっていたんだろう?」
スリー・アレマーナの中で
女性とのつながりを体感したA氏。
「面白くなってきました!」
A氏のダンスは、
新たな段階に踏み出そうとしていた・・・。
続く 第844話へ
Real Junko Voice
「もう一つの学連物語」
vol.32 ~ 抵抗勢力に負けない ~
なぜなら・・・の後にワタシはこう言葉を続けます。
「“先生”だからよ、しかも“社交ダンス”の」
ヒデ君は、一瞬、不思議そうな表情です。
でも、しばらくしてこう言ってくれました。
「後に続く生徒サンたちが、
勇気を持って自分のやりたい表現ができるように、
手本を示すってこと?」
ワタシはうなずきます。
「だから、最後には絶対成功しないとダメなんだけどね(笑)
好きに表現して、それで大失敗してそのまま終わり、
ナンテなってしまったら、
誰もマネしようとは思わないでしょ」
これは「基本的に、人生も、ダンスも、一緒」
という発想からきています。
自由自在に、自分を思い切り表現したい
そして、最高の良い自分を体験したい
人生においてもダンスにおいても、誰もが願っていることでしょう。
その願いに向かって、実際、行動に移そうとしたとします。
でも、次の瞬間、理性がこう言うのです。
「オマエにはそんなことは無理だよ。
悪いことは言わない、やめておいたほうが良い。
なぜなら・・・」
過去の失敗体験が頭をもたげることもあるでしょうし、
“親”の慎重さが説き伏せにかかることもあるでしょう。
“世間”の常識が猛然、反対してくるかもしれません。
家族・配偶者・恋人・・
ダンスなら一緒に組んでいる相手に迷惑がかかるぞ、
みっともない格好になるぞ、みんなから笑われるぞ・・さまざまな声。
冒険・挑戦をやめさせようとする、抵抗勢力です。
こうなると、面倒くさくなって、
「そんなリスクを背負ってまで、やらなくてもイイか」
などと、ココロを止めてしまう、そんなケースが非常に多いと思われます。
「みんなが本当はやりたいだろうな、でも、いざとなったら
あきらめるだろうなと、思うような体験ほど、
あえて挑戦したきたように思う。
ソレを成功させれば、後に続く人たちの励みになるでしょ?
『アァ、ワタシもやってみよう』
とマネしてくれるかも知れないでしょ?
しり込みしている人への後押しにもなる、と思ってね」
ニコニコ話すワタシに、ヒデ君は少し引いていますが。
「ジュンコ先生、ダンスのレッスンの時にも、
よく『勇気を持って』という言葉をつかっているもんな。
ダンスって、
その気持ちを大切にしなアカン時、意外と多いワナ」
ヒデ君、グループレッスンでのスロー・フォックストロット、
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