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チョット中休み エッセイvol.18 

ダンスはいつだって楽しみたい!

~マイペースはアナタペース!? ③~


「ミキヒコさん、ゴッツイ、踊りやすいわぁ」
コレ、誰の声かと言うと・・・そう、ヒデ君。

“隠れ家的”ジュンコ先生スタジオは、
会社と同じビル内にあるため、
空き時間に時々三人一緒に練習をするんだな。
そのとき当たり前のように、
「んじゃ、ヒデ君が男性で
ミキヒコさんが女性で踊ってみようか」
なんて指示が出されるわけ。
ラテンは当然、スタンダードでもお構いナシだ。
最初は、
「え~っ!?」って感じだった二人。
女性役のシェイプは、ヘンテコリン。
ステップも、当然ままならない。
すべてが、見よう見マネもいいところだ。
それでも、ちゃんと相手とホールドをして踊るんだ。
「でかいナァ、やりにくいナァ。
全然でけへんわぁ」
 
ムッチャやりにくそうだったモンね。
「あのぉ、ズーッと足、
踏まれてるんですけど(笑)」

どうも、外から見ている以上にトラブル続出のようだ。

そんな、まるで“コント”をやっているような
トンデモ状態から、ナントカ脱出、
ようやく慣れてきた最近は、
女性役をすることで勉強になると、
好意的解釈ができるとこまでに二人は成長した。
「男性教師はみんな女性役ができるモノなのよ」

女性役が上手くなると、

男性も絶対、上手くなる


てな、ワタシに言葉に
「さもありなん=きっとそうであろう」の表情。

さて、
上記「踊りやすいわぁ」は、
グループレッスンでお勉強中のスロー・フォックストロットを
一緒に踊ったときのモンだ。
男性がミキヒコさんで、ヒデ君が女性役。
ヒデ君のお褒めの言葉に
ミキヒコさん
「えぇ~!?!?」
なんてのけぞりながらも、うれしそうだ。

ワタシは尋ねる。 
「どういうところが踊りやすいのかしら?」

ヒデ君
「すごく気分が楽や。
スタートのときから思い切って踊っタロ(踊ってみよう)
という気になる。
失敗しても、大丈夫、怒られへんって感じやから」


リーダーとしてシッカリしている、とか
リードが上手、とか、
ってなモンではないところが面白い。 

ヒデ君は続いて、
「オレは(男性の時)、
ミキヒコさんのような“気楽”って感じがないねん」

てな、自己分析を始めたんだ。

「スタートの時なんか特に、
アレやコレや色んなこと考えてしもて。
相手の女性も、
一緒になって迷ってるのがすごくわかる」


「この間のグループレッスンの時も、
○○さん(女性の名前)からズバリ言われたんや。
『ヒデ君と組んだら、緊張する』って」


あぁ、ソレは分かるな、とワタシは思ったんだ。
で、その女性が抱えている悩みって、
結構多くの女性が、
一緒に踊る相手の男性に対して抱いていることも、
数々のレッスンを通して知っている。
緊張と言う自覚が特にない人でも、
カラダがリラックス状態でない女性がとっても多いんだ。
ワタクシ思うに、スタートの時、

自分の力を、

100パーセント出せている女性は、

本当に少ない・・・。


「女性をやってみて思ったけど、ナンや大変やな。
男性やるほうがまだ、楽や」


「ハッキリではないけど、
女性ってコンナ気持ちで踊ってるんかな?
って感じられるようになってきた」


ヒデ君、その気持ちって大切よ。

さてさて、ミキヒコさんが知らずしらず(!?)実践している
“お気楽ダンス”からヒントを得た

「お互いの力を

十二分に引き出しあえる

コミュニケーションダンス」


へのアプローチを、
最後にまとめておこう。

① とにかく、自分のことに専念する
② スタートはアレコレ構えず、音楽に乗って思い切って
③ ホールドはできるだけ力を抜いて楽に
④ 踊っている間中、音楽を楽しむ心を忘れない
⑤ 笑顔で気分良く踊れることが目標


こうやって書き並べてみると、
「簡単そうで簡単にはいかないことバッカジャン!
色んなテクニックを習得して、
ようやくたどり着けるってモンでしょ」
と思うかも知れないけれど、
ときに、こういうことを、
わざとやってみることも良いかもしれないよ。
特に、行き詰っている競技会カップルなんかにオススメだ。
あ、もちろん、パーティダンスにもアリ。
ベタかも知んないけど、

「自分が気楽で楽しくないと、

相手も気楽で楽しくない」


それに“楽しく気楽”が
最高のパフォーマンスを生むキーだってこと、
再認識したほうがいいよねってことだ。


んじゃ、ミキヒコ・ラスト・メッセージ
「(僕は)テクニックなんかまだまだ。
でも、いつだって、ダンスは楽しみたい。
なぜなら、そのためにダンスはアルんだから・・・」


おわり



      続く 第835話へ





Real Junko Voice

「もう一つの学連物語」
vol.23 ~ カップル遭遇 ~
 
向かったのは、鎮守神社でした。

ここの深夜の静けさは特別です。
ザワザワと散らばった気を落ち着かせ、一つにまとめてくれます。
ワタシは拝殿(はいでん)で、
本殿(ほんでん)を見据えながらジーッと立ち尽くしています。

涙がツーと頬を伝い始めるのを感じています。
でも・・・不思議です。
ここで想いを聞いてもらって、
思い切り泣いてやろうと思ってやって来たくせに、
涙がそれ以上出て来ないのです。
3ヶ月前の“決別”の後は、
自分でも自分のことが哀れになるくらい、涙にくれたのに。

「大丈夫。コレで良かったんだ」

フト思いました。
根拠のない思いでしたが、実際の声に出してみました。
「大丈夫。コレで良かったんだ」
自分で自分の声を聞くと新鮮な思いになりました。

そのときです。
誰やら人の声がしたのです。

コチラにやってくる気配です。
深夜にどうして?
あれ、若い男女? 楽しそうに笑いあっているようにも感じます。
とっさにイヤだなと思いました。
こんな気持ちの時に、いちゃいちゃカップルに遭遇!?
あぁ、不運・・・。
と思いながらも、怪しまれないようにできるだけ普通の雰囲気で、
拝殿に立っていました。

姿が見えました。
まだ、二十歳前でしょうか、やはり若い男女です。
仲良く手をつないでいます。
私の姿を見ると、二人とも一瞬、ギクッとした様子。
深夜2時、誰もいないと思って来たのでしょう。
ワタシは自分から軽く会釈をしました。
すると、
「こんばんわ」
意外にも礼儀正しい挨拶が返ってきました。
その間も二人はシッカリ手をつなぎあったままでした。

財布を覗き込み、お賽銭を揃って投げ入れ、
スズを鳴らし、並んで祈っています。
静かな祈り。幸せそうな背中です。
二人の愛が上手くいきますように
・・・などと祈っているのでしょうか。

一礼して振り向きます。
また、すぐに手をつなぎます。

まだ帰りたくなかったワタシは、離れたところで、見ていました。
二人はこれからどうするのでしょう? 
しばらく、ここに居るのでしょうか。
こんな遅くに神社にやってきたわけですから、
“特別なこと”をしたくてやってきたのでは。イヤだな。 
広くない境内、ワタシのほうが退散しようかと思っていると、
あれ?このまま去っていく様子。
「さようなら」
これまた、気持ちの良い、今度は笑顔での挨拶です。
ワタシの前を通り過ぎ、カップルはいなくなりました。
ソノ雰囲気からして、“先客”がいたからではなく、
最初から、お参りだけのためにここにやってきたようです。

うらやましいとか、
ねたましいとかいう気持ちは起こってきませんでした。
むしろ、さわやか、でした。

他にも感情が芽生えてきました。
味わったことのない、良いフィーリング。
妙な気分でした。
ワタシは、その気持ちをたどり、
アル面白いことに気付いたのでした・・・



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