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特別シリーズ 
社交ダンスが教えてくれたこと 人間美学そして哲学vol.7 

インナー・コーチャー・ガイダンスの

具体例2


最高のコーチャーは自分自身!? 24


第753話の続き

転機は突然訪れた。
友人に誘われて参加した、
とあるスタジオの3周年記念パーティ。
それは、スタジオ内で開催された
大変フレンドリーなもので、
ソコで40歳半ばくらいの男性教師、
田村氏(仮名)と踊る機会を得たのだ。

雅子は驚いた。
「なんて柔らかいホールドの方だろう。
空気に包まれているようだ」


束縛を受けないホールドの感触は、
初めて体験するものだった。
踊り終わった後、
腰は全く痛みを訴えなかった。

「この方に習いたい」
雅子はソウ

直感し、

早速レッスンを予約した。

レッスン第1回目にして雅子は、
自分の目指すホールドの

方向性を見出すことになる。


田村氏は言った。
「カラダを固めてはいけません。
もっともっと
力を抜いたほうがいいですよ」


そして、自分の背中に触れさせた。

「今触れているのが、肩甲骨。
あなたはホールドをするとき、
肩甲骨をぐっと後ろに引いて固めています。
コレだと動きがとても制限されます。
男性とも顔が近くなる。
いいですか、
肩甲骨はフワァ~と
(左右に)広げるような感じで・・・」



雅子は田村氏の肩甲骨が
グーッと動くのを手のひらで感じていた。
「すごい!
こんなに動くモノなんですか?」



すると、田村氏は、
ニコニコしながら振り返り
「誰の肩甲骨も
動くように作られているものなのです」



そして、田村氏は1冊の本を持ってきた。
「骨格筋ハンドブック」
というタイトルの解剖学の本だった。
そして上半身の骨格が載っているページを開き、
「腕を動かすには、
胸や背中を使うのです。
ホールドも腕ではなく、
胸や背中を使って作るのですよ」

肩甲骨や鎖骨を指しながら説明を始めたのだ。

雅子は目からうろこだった。

「自分のカラダの仕組みを少し知るだけでも、
ダンスの時のカラダの使い方に
無理がなくなるのです」

という田村氏の言葉が胸にしみた。


雅子は教えてもらったエクササイズ
(肩甲骨・胸骨)を毎日、
お風呂上りに欠かさずやるようになった。
「自分のカラダというか、
人体に興味が出てきたの」

思いつくままにストレッチもするようにした。

そのうち、雅子は、
面白いことに気がついてきた。

「毎日同じプログラムで
(ストレッチとエクササイズを)
やっているのに、
毎回、受け取る感覚が違うの。
風邪の引き始めかな?というときは、
カラダが硬く感じたり・・とかね」


そのようなことを
田村氏に報告すると彼はこう答えた。

「そう、感じること、
味わうことが大切なのですよ。
自分自身の感覚を観察してやるのです。
カラダの微妙な変化に気がついてあげる、
そして、今、
もっとも適切な運動を選び出してあげる、
そういう鍛錬のためもあって
(ストレッチやエクササイズを)
スルのであって、
ただ単にがんばってするだけではないのです」



雅子は田村氏のアドバイスどおり、
観察しながら取り組むようになった。
するとさらに面白いことに気がついたのだ。

「自分の

カラダが教えてくれる

ようになってきたのよ。
『もっと、ココをコウやってみたらどうかな』
って。
だから、エクササイズの種類、
やり方や回数が、徐々に変化してきたわ。
どんなモノが今の私に必要か、
ネット検索してピンときたものを試したの。
その結果、
今は以前とは違うプログラムにとり組んでいる。
それに、どうも私は、
すぐにリキム癖があるみたいで、
ストレッチやエクササイズをやっていても、
気がつくと
呼吸を止めてがんばっている
ってことに気がついてね、
あぁ、コレを

直さなきゃダメだって感じたの」


雅子は、自主的に
自分のカラダに対して取り組み始めたのだ。


田村氏は、雅子のほんの少しの変化にも
すぐに気がついてくれた。

「ずい分、要らない力が抜けてきましたね。
特に、ホールドが軽くなりました。
一つ聞きたいのですが、
ホールドをするとき“呼吸”を感じるのですが、
ソレは意識的しているのですか?」



雅子は答えた。
「ハイ。
今まで、ぐっと息を詰めていたことに
気がついたものですから。
落ち着くためにも、
呼吸を感じるように努めています」



田村氏は雅子を褒めた。
雅子はうれしかった。
雅子の田村氏への信頼は増した。
もちろん、自分のカラダや感覚を
信用できるようになってきたのも喜びだった。


ある日、雅子は久しぶりにパーティに参加。
そこで更なる自分の変化に気がついたのだ。

「昔のダンス仲間に出会って、
踊ったんだけど、彼、変な顔をして
『なんだか、
フニャフニャして踊りにくいなぁ。
もっと、ホールドにテンションがないと、
リードが伝わらないよ』
なんて言い出して」


以前の雅子だったら、
言われたことを気にしてひどく落ち込んだだろう。
しかし、今回は違っていた。

「彼には、今の私がなぜ
そういうホールドをしているのか、
理解できないだろうと思ったわ。
私のほうこそ、
彼のホールドはもうキツクって
今はあんまり踊りたくないって感じだった」



同じ会場でサークルの先輩だった
例の男性(第753話参照)にも出会った。
彼の発言は興味深いものだった。

「いやぁ、また初心の頃の
柔らかかったキミに戻ったねぇ。
知らない間に上達したね、
ビックリしたよ」



雅子は、自分のカラダの変化とともに、
ココロの変化にも気がついた。

「けなされても落ち込まないし、
反対に、褒められても有頂天にならない。
なんだか

自然な落ち着いた気分

でいられる自分になれて、
それが、うれしかったわ」



成長を遂げた雅子に、更なる出来事が・・・。



      続く 第755話へ



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