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ジュンコ先生はノリタケ君に言う。
(第646話続き)

フットワークに気を取られるあまりに、
動きが硬くなってギクシャクし、
スイングもかからない・・・
だから、余計に
フットワークを間違ってしまっていたのね」


ノリタケ君は、腑(ふ)に落ちたようだ。
うなずきながら、

過集中って言葉、ものすごく、

僕に当てはまると思います。
昔からソウなんですが、
ナニかに夢中になると
周りが全く見えなくなるんです。
ただ、ダンスをやる前までは、
それほど困ったことはなかったんですが(笑)
逆に、周りから
『ものすごい集中力がある』とか、
『よくがんばる人』とか
良い評価をもらったことの方が多かったので、
自分ではおかしいナとは思いながらも、
ひょっとして長所かな?
と錯覚していたようです」



ノリタケ君の言葉を聞いて、
ジュンコ先生は、
心の中でコンナ風に思っていた。

「やっぱり・・・そうでしょうね。
ノリタケ君、今まで主体的
自分のカラダについて
考えたことがなかったのね。
だから、

自分の感覚よりも

他人の評価(見た目)の方が

優先されてきた


ダンスでソノ部分を
改善していかないといけないわ。
自分のカラダをもっと正しく感じとり、
今にとっての

“ちょうど良い加減”

導き出せるようにならないと・・・」
 

そして、
フットワークは普段は
ソウではない人でも
過集中に陥りやすいテクニックなの。
でも、日頃から
“がんばりすぎる”人や“完璧主義”の人は
フットッワーク・ミスを起こすことが多いわね。
または、
フットワークをチャンとやろうと思うあまり、
他のテクニックがおろそかになる。
フットワークは、
カラダの動き全体の連係プレーから
結果生まれるものなのに、
足元だけに集中してしまって、
チカラや注意の配分が
上手く行かなくなってしまうのよね」


ノリタケ君
「ソノ通りです。
フットワークを気をつけて踊っているとき、
肩が凝ってきます(笑)
ものすごく力んでるんでしょうね」



ノリタケ君の友人である和夫は、
このやり取りを興味深く聞いていた。

「さっきジュンコ先生が言った

『完璧主義』

って、ノリタケそのものだもんな。
あいつ、昔から何でも完璧にやらないと
気がすまなかったもの。
クラスで何か“発表”をするときでも、
彼に任せておけば
完璧なまでの“準備”をする。
でも、完璧を目指すあまり、
目的を果たす前にヘトヘトに
疲れ果ててしまうコトも多かったよなぁ。
誠実でいいヤツなんだけど
『そんなに力まなくてもいいのに・・・』
って感じだった。
そういう性格みたいなものが、
ダンスに出るって面白いなぁ」


ジュンコ先生は続ける。
「ノリタケ君以外にも、
ダンスの中で過集中を体験している人は
多いと思うのよ」

ここで、みんなの方を向いて
「フットワーク以外でもいいわ。
どうかしら?
思い当たる人はいるかしら?」


すると千恵子さんが手を上げて
「わたし、
スローで男性をフォローして
踊ろうとしているとき、
音楽が全然入ってこないのです。
それで、音楽を感じなきゃと思ったら、
今度は、ステップを間違えて
・・・みたいな。
一度に2つ以上のことができない
って感じなんです。
これも、過集中ですよね」




ジュンコ先生は答える。
「そうね。
重要なのは、

(感じる)配分と

関連性を勉強する
ってことね。

相手を感じることで、
音楽もよく聴こえ、
そうなることで、
足元も良くなる
みたいな・・・」



するとトシ子さんが手を上げて
「そのためには、
リラックスが必要なのでしょうね?」




ジュンコ先生
「そうね。
でも、『リラックスしなくては』と思いすぎて
余計に硬くなる症状も過集中なのよ」
と言うと、



「難しいものですねぇ」
と、ハナコさん。

そして
「ワタシはダンスのレッスン中に
『ボーっとして』しまって、
リーダーにもよく怒られます。
すごく集中しようと思っているのに、
なぜか

何も考えられないような状態

になっちゃうんですけれど、
これは過集中の反対ですよね?」




すると、ジュンコ先生
「いいえ、
ソレも過集中の一種でしょうね。
一つのことに集中するために、

行動と思考が

両立していない現象
よ」

「過集中は何も、神経質な人、
敏感そうな人が陥るだけではないのよ。
見た感じ、おっとり、ユックリ
・・って言う人にも、あるわ」



カナちゃんが
「私、人より鈍いって思っていたけど、
いままでの話を聞いて
ひょっとしたら
“過集中”かもと思いました。
すごく、

かたよった意識で

がんばっていた


みたいなんですもの」



ジュンコ先生が、
ソレはどんな意識かと尋ねると、


「キレイに見えるように踊りたいっ!!
という意識です(笑)
だから、インナーマッスルのことを習っても、
やっぱり外側を固めていたんだと思います」




と、平田さんが手を上げて

動きが不自然になる時って、

どこかに集中しすぎている


んでしょうな。
だから、ダンスの中で
変だなと思ったときは、
自分が今何かに集中し過ぎていないか?
を、見直せばいいんでしょうな」




ジュンコ先生は微笑みながら
「平田さん、ありがとう。
ソノ通りなのよ。
ダンスをやっている人は、みんな

過集中予備軍

ソウ思って、
自分を観察する習慣がつけばいいわね」 

「実は、カラダの動き自体が鈍い人、
ドンクサイ人・・は、アンマリ存在せず、
今のアクションにふさわしくないことに
集中し過ぎているか、
または
正しいことをしていてもやり過ぎ
ているかが、とても多いのよ。
とにかく

『過度の集中』によって

カラダの自由が奪われている
の。

生まれつきや、才能のなさや、
仕方のないこと・・・ではなく、ね」



「正しいことでもやり過ぎるとダメ
・・・ウーン、僕は、
ソコをクリアしないと。
これは良いと思ったら、
一直線!ですから(笑)」

と、ノリタケ君が言う。



と、ジュンコ先生、
みんなの方に向き直り、こう言った。
「正しいことでもやり過ぎるとダメ、
の典型的な例があるわ。
フットワーク以外にもう一つ、

過集中に陥りやすいテクニック

がダンスの中にあるのよ。
しかも、
ソウとは全然気が付かずにね・・・」



      続く 第649話へ



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