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チョット中休み エッセイvol.15 

下半身の自立の果て

~スタンダード上達への優先順位⑪~


ヒデ君のパートナー、
ユーちゃんは、
ホンマ、ダンスに対して直向き(ひたむき)だ。

「よう、アソコまで
ダンスに一途になれるよなぁ」

「毎日ずーっと、
ダンスのことばっかり、
考えてるんちゃうか」


女性の評価には意外と厳しい(?)
ヒデ君が、
「アノ努力には頭が下がる・・・
オレ、尊敬するわ」

と、くるんだもんな。


今もユーちゃん、
レッスン前のスロー・フォックストロットの
シャドウに余念がない。
そう、彼女は、女性では少ないタイプ・・・
モクモクとシャドウ練習ができる人なんだ。
それもただただステップをなぞっていたり、
力まかせに足を踏ん張っての
低いレベルのシャドウではなく、
(この点、学連時代の私とは
大いに違うところなのだが)
フィガーの方向とか
フットワークなどの知識の確認、
カラダの中の使い方などの
細かいテクニックの反復・・
自分で率先して練習メニューを決めて
取り組んでいる様子なんだな。
マァ、コレ(シャドウ練習)は
ヒデ君とのカップル練習の時間が
ほんの限られたものであるから、
仕方ないってモン!?と、
最初は思っていたけれど
イヤイヤ、
どうもソウばかりではないんだな。
彼女、ユーちゃんは、

ダンスが上手くなりたい!!

って思いを、
ホンキで実践できる人なんだ。
(多くの人が口では「上手くなりたい」
と言う割には、行動が伴わない、
にもかかわらず、だ)
また、シャドウ練習への意気込みは、

「男性に依存して
ただただ踊るのはつまらない」

「自分自身、チャンと分かって、
上手くなりたい」

と言う、彼女の自立心の
表れでもあるんだろう。


ソンナ彼女だからこそ、
たった1年半そこらで、
驚異的にダンスが上達したんヤロねぇ~
の、優等生ユーちゃんが、
実は、今、ピ・ン・チなんだ。
チョイ大げさに言えば、
ダンスを始めて以来の、

困難な局面を迎えてるんだよな。



さて、先生の姿を見つけるや
シャドウ用にかけていたスローの曲を止め、
レッスン準備に入るユーちゃんに私は尋ねた。

「どう? 
スタンダードの調子は」


すると、
少々顔を赤らめながら苦笑するユーちゃん。
「正直、凹んでます・・・」

「上手く行きません・・・」



私はそんなユーちゃんの
ため息交じりのマジ声を聞きながら
昨日のカップルレッスン中での、
彼女の姿を思い出したんだ。
ヒデ君のホールドの中で、
顔を曇らせるユーちゃん。
つらそう、苦しそうで、
ムッチャ不安げ・・
大好きなラテンを踊っている時には、
絶対、見ることのない表情だ。

なぜ、ユーちゃんは
ソンナ表情になっちゃうのかって?
ソリャァ、
スタンダードが思うように踊れないからよ
もっと言えば、
ヒデ君とのパフォーマンスが、
気持ちよくかみ合わないからよね。
オマケに、
オニューのサテンシューズが踏まれて
(モチ、ヒデ君に)
汚れちゃうし・・・

でもね、
凹んでいるのはユーちゃんだけではない、
ヒデ君も同様なんだよな。

実は、昨夜、ヒデ君とそのこと
(なぜ、ユーちゃんと
スタンダードが上手く行かないのか)
について、
夜遅くまで話しあったんだよね。
で、
リビングで即席・実践アドバイスもした結果、
ヒデ君的には、
「そうか!それで、
ユーちゃんと踊られへんかったんか」

を、納得。
明日のカップル練習で試してみる!
ってことになっているんだ。

そのカップル練習って、
ユーちゃんの個人レッスンの後。
ってことで、
今から行う個人レッスンでは、
昨夜、ヒデ君に伝えたことと
おんなじことを
ユーちゃんにも伝授ってわけなんだ。


さて、ユーちゃん、
思いつめたように言ったんだ。
「スタンダードって難しいですね。
ルンバの時のようにナカナカいかない…」



私は、答えた。
「だって、ルンバの時は、
半年以上、
ルンバばっかり集中してやったでしょ?
(コレは、
デモンストレーションのためでもあった)
でも、いま、
スタンダードをチャンとやり始めて、
まだ2ヶ月にもならないのに、
ベーシックとはいえ4種目に
着手しちゃったわけなんだもん、
そりゃぁ、大変よ」


そうなんだ。
ヒデ君とユーちゃん、
自分たちの目標として、
“スタンダード4種目とも、
ルンバと同じくらいは、
踊れるようになること”

を掲げたわけで、
その優先順位として、レッスンでは
クイックステップ→
スロー・フォックストロットと
進んできているけど、
自分たちの練習では
タンゴ・ワルツも始めてる。
全種目、マッサラからだもん、
大変なのは当然でしょね。


私は続けた。
「それに・・・言っておくけれどね、
ルンバやチャチャチャにおいても、まだ、

二人は本格的に

組んで踊っていない
んだから」

「これから、
スタンダードでやっと“組む”という
勉強に入っていく
んだからね」


そう、ラテン種目に関しては、
まだ二人はある意味バラバラ、
各自で踊っているだけなんだ。
自由に思い切り、
でも自分の役割はシッカリ果たして
踊りましょってやってるに過ぎない。
でも、もちろんそれで良いわけ。
なぜって、
二人とも、ダンスのスタートが
“本場のダンスレッスン”だったもんで
(第607話参照)
超ベーシック的なリード&フォローやり取りは、
できないわけではないからね。
マァ、言えば、
簡単なパーティダンスは大丈夫なんだ。

だから、競技会で踊るような、
いわゆるイングリッシュスタイルに関しては、
“組む”ってことをアセル必要はない・・・
コレはジュンコ先生の
“レッスン・ポリシー”の大事な一端なんだ。

相手と無理やり“組む”前に、
自分のことを知って、
自分のカラダをある程度は扱えるようになって、
つまりは、

自分自身ともっと

組んで欲しいから
だ。

実際、自分のカラダに見ざめ、
自分のカラダを踊らせる楽しさを知っている人ほど、
人と組むという作業が上手だからでもある。
チョイ、厳しく言えば
お互い正しい自立を
できているもの同士のみが、
本格的に組む勉強ができる

と思っているからだ。


「ヒデ君にもユーちゃんにも、
まだ、相手と組むとはなんぞや?は
キッチリ教えていないのよ。
だから、スタンダードが難しいの」

「昨日のカップルレッスンでの
二人の様子を見て、
(クイックステップと
スローフォックストロットを踊る)
もうソロソロ
“組む”ことをやっていっていいかな?
と思ったのよ。
各自がある程度、

“下半身の自立”をして

踊れるようになったからね」


“下半身の自立”って、
言い換えれば、
みぞおちから下の自立
こと。
つまりは脚の部分よね。
ステップも間違わずに踊れるようになり、
自分の脚で、
ある程度の距離も出して、
踊れるようになったってこと。
グループレッスンでやっている
“相手を引っ張って踊るくらい”の
カラダの動きが
できつつあるってこと。

でも、ここからはチャンと
“組んで踊る”ことができないと、
各自のテクニックが
二人のダンスに全く活かされないばかりか、
かえってお互いの
邪魔になってしまうことになるんだな。
下手すりゃ、ユーちゃんが、
スタンダードのシャドウをやればやるほどに
勝手に踊る女性になっちゃって
ヒデ君
「もう~全然、踊られヘん!!」
になりかねないんだな。


「スタンダードで
“組む”ことを勉強すれば、
絶対、ラテンも良くなる。
組んで踊れるようになるわ」

ってことで、晴れて、
ユーちゃんにコレを教えることになったのだぁ~

“ホールド”



      続く 第622話へ



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