2008.09.26 (第612話)チョット中休み エッセイvol.15 ~スタンダード上達への優先順位 ②~
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チョット中休み エッセイvol.15
フォックストロットの薦め
~スタンダード上達への優先順位②~
しばらくして、ヒデ君
「思い出した、
フォックストロットや!」
と、声を上げ
私が、にっこりうなずくや、
「あぁ、アレはいいよ。
オレ、好きや、アノ種目」
そして
「フーン、あれが、
スタンダードの基礎中の基礎・・・
そういや、ジュンコ先生、
ブログにも書いていたな」
(第238話参照)
と言い出したんだ。
私は問うた。
「そういえば、ヒデ君はなんで、
(フォックストロットのこと)
好きなの?」
「そら、アレは、
誰と踊っても楽しいからや」
「ってことは、
他の種目はソウではないの?」
「ウーン、
色んな楽しさがあるけど、
フォックストロットの楽しさって、
ちょっと他のモンとは
ちゃうネン(違うんだ)」
で、ヒデ君、
とっても興味深いことを話し始めたんだな。
「フォックストロットって、
女の人とちゃんと組んで(ホールドして)
踊るから、
相手のことって気になりソウやけど、
実際踊ってみたら、
あんまり(女性のことが気に)なれヘンねん。
ワルツとかタンゴってすごく気になるのに・・・。
(音楽の)
テンポが適当に速めなんと、
音楽に合わせて、
好きに、カラダ揺らして踊れる
からかナァ?」
で
「今は、
月1のビギナー向けパーティで
踊るくらいやけど、
やっぱり、
誰と踊っても楽しめる。
みんなそれぞれ、
カラダの揺らし方が違うけど、
ソレもオモロイし、
たまに
相手と上手いこと揺れが合ったときは、
メッチャ、踊ってる!
って気がするし」
「それに、前、
70歳以上の人たちを集めて
パーティしたときにも思ってんけど、
テンポが速めやから、大変かなと思ったら、
みんな
『コレは楽しいダンスやねぇ』
って言うていたし、
実際、(オレと)組んだ女性も、
結構な年配の人やのに
フォックストロットになったら、
カラダが弾んでる
ような感じがしたで。
アノ種目は、なんかわからんけど、
よう(良く)できてるわ・・・
オレ、ソウ思う」
いいぞ、いいぞ、ヒデ君、
フォックストロットの良さを
すごく理解してるじゃない!?
と、告げるや
「な、オレ、
ええとこついてるヤロ?」
と調子に乗り出したヒデ君、
コンナ話を引き続き・・・
「あ、でもな。
オモロイコト思い出した」
「以前1回だけ、
すっごいベテランいう人と、
フォックストロット踊ったとき、
メッチャ、ヘンな気がしてん」
「え?どんな感じ?」
「なんか、
“板”と踊ってるみたいな感じ。
全然揺れヘン。
いつもと違う感覚に、
オレ、アセッたわ(笑)
その女性もつまらなそうな感じやったわ、
オレと、一緒に踊ってて」
「実際にその女性が
つまらなかったかどうかは、
わかんないけどね、
フォックストロットで、
そういうことはよくあるのよ。
特に、ビギナーの頃に
カラダを固めて
ホールド・ポイズをつくっちゃった人には、
難しいモンなのよ、この種目って」
と、私。
「第一、さっき、
あなたが言ったような
『音楽に合わせて好きにカラダを揺らす』
なんてしたら、
絶対ダメダッて思っている人が多いんだもの」
そう、カラダを固めて
ホールド&ポイズを作っている人には、
とてもじゃないけど、
フォックストロットは、踊れない。
「イヤァ、難しいですねぇ~」
な種目になっちゃうんだな。
でもね、
いくら、他のスタンダードが
見た目にキレイに踊れていても、
コレってすごい問題なんだ。
なぜって、
スタンダード種目の
「最重要基礎テクニック」が
実は全く育っていない
ことになっちゃうから。
え?スタンダード種目の
「最重要基礎テクニック」ってなんですかって?
実はコレが超難しいことなんだけどね、
ワタクシ思うに、
「至近距離で相手と組んでも、
また、美しいカタチを持つにいたっても
身体を固めずホールドも柔らかいままに、
リズムを伴ったボディで踊り続けること」
言い換えれば、
「ホールドなどの外側のカタチに惑わされずに
自分で音楽の揺れを生み続け
組んでいる相手と
その“揺れ”の共有ができること」だ。
チョイそのプロセスをみてみると・・・
まずは一人ひとりのボディから、
音楽による揺れが生まれる
・・・ソレがダンスの
“初動”(最初に起こす行動や動作)だ。
やがて、
音楽の深みを表現するにいたり、
メリハリや強弱の変化も自在になり・・・
自分ひとりソウなるだけでも、楽しいモンだけど、
ソンナコンナなモン同士が係わり合い、
その音楽による揺れを共有できちゃった日には
ウーン、コレってとっても気持ちいいねぇ~
楽しいねぇ~
なんよね。
前出のヒデ君の言葉を借りれば、
「メッチャ、踊ってる!って気がする」
となるわけ。
人にはソノ人なりの
特有の揺れ=音楽表現があるから、
それを感じあうのがまた、
面白いものなんだ。
・・・ってな、純粋な“遊び”が
どうしてもスタンダードでは
やりにくくなっちゃうのは、
ラテンよりもはっきりとした
カタチを持たなきゃいけないと、
思っちゃうせいだろうね。
ヒデ君が言った。
「じゃぁ、今日(のレッスン)は
フォックストロットから、やるの?」
「そうよ」
「みんな、
(グループレッスンの)
他の人はやったことアル?」
「ない・・・
ほとんど、ないわ」
「みんな、
中上級者やから、
かえって難しいかもしれへんわな」
「がんばって
カラダで先導してあげてね」
「任せとけって・・・
といいたいけどね。
どうなるかは、ワカラン(笑)
で、フォックストロットの次は?」
ヒデ君、
チョイ心配そうに聞いてくるんで、
私は、今回のレッスン計画の
大体の流れを話すことにしたんだ。
「スタンダードがうまくなる、
優先順位にのっとって、
レッスンを進めてみようと思ってるわ」
以下は、
ヒデ君に話した内容のあらましだ。
スタンダードがうまくなる優先順位
優先順位1
肩甲骨辺りをユルマせる
カラダの中を動かす、締める
などのカラダの動きの基礎を
ルンバで
(コレは、前回に第一段階、
半年かけて終了済)
優先順位2
音楽によって生まれる、
カラダの主要3方向のスイング=揺れ
(詳しくは次回)
と、
相手とのかかわりの基礎感覚を
フォックストロットで
優先順位3
みぞおちから脚感覚で、
ステップを作っていく。
男女それぞれが自立を果たしつつ、
シッカリ踊る感覚を、
クィックステップで。
優先順位4
音楽に乗って、
みぞおちから脚感覚でステップを作っていく。
自らスイングを起こす。
スタンダードの基礎知識を
カラダで感じていくことを
(CBM・CBMP・
サイドリード・フットワーク・
内回り・外回り・・)
スロー・フォックストロットで
「へぇ~なんか、
オモロそうやな」
と興味を持ち始めヒデ君だったが、
「スタンダードがうまくなる、
優先順位
いうたら、
ワルツ・タンゴの方が先
みたいな気がしててんけど。
クィックステップとか
スロー・フォックストロットってよりも」
と、不思議そうな顔をするんだ。
「あぁ、それにはね、
意味があるのよ。
こっちの方が、いいのよ。
それはなぜか、
実際の授業が始まったらわかるわ」
次回へ
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チョット中休み エッセイvol.15
フォックストロットの薦め
~スタンダード上達への優先順位②~
しばらくして、ヒデ君
「思い出した、
フォックストロットや!」
と、声を上げ
私が、にっこりうなずくや、
「あぁ、アレはいいよ。
オレ、好きや、アノ種目」
そして
「フーン、あれが、
スタンダードの基礎中の基礎・・・
そういや、ジュンコ先生、
ブログにも書いていたな」
(第238話参照)
と言い出したんだ。
私は問うた。
「そういえば、ヒデ君はなんで、
(フォックストロットのこと)
好きなの?」
「そら、アレは、
誰と踊っても楽しいからや」
「ってことは、
他の種目はソウではないの?」
「ウーン、
色んな楽しさがあるけど、
フォックストロットの楽しさって、
ちょっと他のモンとは
ちゃうネン(違うんだ)」
で、ヒデ君、
とっても興味深いことを話し始めたんだな。
「フォックストロットって、
女の人とちゃんと組んで(ホールドして)
踊るから、
相手のことって気になりソウやけど、
実際踊ってみたら、
あんまり(女性のことが気に)なれヘンねん。
ワルツとかタンゴってすごく気になるのに・・・。
(音楽の)
テンポが適当に速めなんと、
音楽に合わせて、
好きに、カラダ揺らして踊れる
からかナァ?」
で
「今は、
月1のビギナー向けパーティで
踊るくらいやけど、
やっぱり、
誰と踊っても楽しめる。
みんなそれぞれ、
カラダの揺らし方が違うけど、
ソレもオモロイし、
たまに
相手と上手いこと揺れが合ったときは、
メッチャ、踊ってる!
って気がするし」
「それに、前、
70歳以上の人たちを集めて
パーティしたときにも思ってんけど、
テンポが速めやから、大変かなと思ったら、
みんな
『コレは楽しいダンスやねぇ』
って言うていたし、
実際、(オレと)組んだ女性も、
結構な年配の人やのに
フォックストロットになったら、
カラダが弾んでる
ような感じがしたで。
アノ種目は、なんかわからんけど、
よう(良く)できてるわ・・・
オレ、ソウ思う」
いいぞ、いいぞ、ヒデ君、
フォックストロットの良さを
すごく理解してるじゃない!?
と、告げるや
「な、オレ、
ええとこついてるヤロ?」
と調子に乗り出したヒデ君、
コンナ話を引き続き・・・
「あ、でもな。
オモロイコト思い出した」
「以前1回だけ、
すっごいベテランいう人と、
フォックストロット踊ったとき、
メッチャ、ヘンな気がしてん」
「え?どんな感じ?」
「なんか、
“板”と踊ってるみたいな感じ。
全然揺れヘン。
いつもと違う感覚に、
オレ、アセッたわ(笑)
その女性もつまらなそうな感じやったわ、
オレと、一緒に踊ってて」
「実際にその女性が
つまらなかったかどうかは、
わかんないけどね、
フォックストロットで、
そういうことはよくあるのよ。
特に、ビギナーの頃に
カラダを固めて
ホールド・ポイズをつくっちゃった人には、
難しいモンなのよ、この種目って」
と、私。
「第一、さっき、
あなたが言ったような
『音楽に合わせて好きにカラダを揺らす』
なんてしたら、
絶対ダメダッて思っている人が多いんだもの」
そう、カラダを固めて
ホールド&ポイズを作っている人には、
とてもじゃないけど、
フォックストロットは、踊れない。
「イヤァ、難しいですねぇ~」
な種目になっちゃうんだな。
でもね、
いくら、他のスタンダードが
見た目にキレイに踊れていても、
コレってすごい問題なんだ。
なぜって、
スタンダード種目の
「最重要基礎テクニック」が
実は全く育っていない
ことになっちゃうから。
え?スタンダード種目の
「最重要基礎テクニック」ってなんですかって?
実はコレが超難しいことなんだけどね、
ワタクシ思うに、
「至近距離で相手と組んでも、
また、美しいカタチを持つにいたっても
身体を固めずホールドも柔らかいままに、
リズムを伴ったボディで踊り続けること」
言い換えれば、
「ホールドなどの外側のカタチに惑わされずに
自分で音楽の揺れを生み続け
組んでいる相手と
その“揺れ”の共有ができること」だ。
チョイそのプロセスをみてみると・・・
まずは一人ひとりのボディから、
音楽による揺れが生まれる
・・・ソレがダンスの
“初動”(最初に起こす行動や動作)だ。
やがて、
音楽の深みを表現するにいたり、
メリハリや強弱の変化も自在になり・・・
自分ひとりソウなるだけでも、楽しいモンだけど、
ソンナコンナなモン同士が係わり合い、
その音楽による揺れを共有できちゃった日には
ウーン、コレってとっても気持ちいいねぇ~
楽しいねぇ~
なんよね。
前出のヒデ君の言葉を借りれば、
「メッチャ、踊ってる!って気がする」
となるわけ。
人にはソノ人なりの
特有の揺れ=音楽表現があるから、
それを感じあうのがまた、
面白いものなんだ。
・・・ってな、純粋な“遊び”が
どうしてもスタンダードでは
やりにくくなっちゃうのは、
ラテンよりもはっきりとした
カタチを持たなきゃいけないと、
思っちゃうせいだろうね。
ヒデ君が言った。
「じゃぁ、今日(のレッスン)は
フォックストロットから、やるの?」
「そうよ」
「みんな、
(グループレッスンの)
他の人はやったことアル?」
「ない・・・
ほとんど、ないわ」
「みんな、
中上級者やから、
かえって難しいかもしれへんわな」
「がんばって
カラダで先導してあげてね」
「任せとけって・・・
といいたいけどね。
どうなるかは、ワカラン(笑)
で、フォックストロットの次は?」
ヒデ君、
チョイ心配そうに聞いてくるんで、
私は、今回のレッスン計画の
大体の流れを話すことにしたんだ。
「スタンダードがうまくなる、
優先順位にのっとって、
レッスンを進めてみようと思ってるわ」
以下は、
ヒデ君に話した内容のあらましだ。
スタンダードがうまくなる優先順位
優先順位1
肩甲骨辺りをユルマせる
カラダの中を動かす、締める
などのカラダの動きの基礎を
ルンバで
(コレは、前回に第一段階、
半年かけて終了済)
優先順位2
音楽によって生まれる、
カラダの主要3方向のスイング=揺れ
(詳しくは次回)
と、
相手とのかかわりの基礎感覚を
フォックストロットで
優先順位3
みぞおちから脚感覚で、
ステップを作っていく。
男女それぞれが自立を果たしつつ、
シッカリ踊る感覚を、
クィックステップで。
優先順位4
音楽に乗って、
みぞおちから脚感覚でステップを作っていく。
自らスイングを起こす。
スタンダードの基礎知識を
カラダで感じていくことを
(CBM・CBMP・
サイドリード・フットワーク・
内回り・外回り・・)
スロー・フォックストロットで
「へぇ~なんか、
オモロそうやな」
と興味を持ち始めヒデ君だったが、
「スタンダードがうまくなる、
優先順位
いうたら、
ワルツ・タンゴの方が先
みたいな気がしててんけど。
クィックステップとか
スロー・フォックストロットってよりも」
と、不思議そうな顔をするんだ。
「あぁ、それにはね、
意味があるのよ。
こっちの方が、いいのよ。
それはなぜか、
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