2008.09.22 (第608話)社交ダンスを教えるということ vol.5 優先順位⑩
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特別シリーズ
社交ダンスを教えるということvol.5
優先順位は生徒さんのもの?
優先順位 ⑩
“本場の社交ダンス・テクニック”の
ノウハウを習得し、
「コレこそが、社交用・競技用として
枝分かれする前の基礎、
つまり、踊る基盤、土台だ!」
とばかり、意気揚々に
ビギナーから
中上級者にまで教え始めたジュンコに、
現ジュンコ先生から、
「ちょっと、待った!」
の声がかかったゾ。
ジュンコ先生
「せっかくいいノウハウを手に入れても、
使い方を間違っちゃダメじゃない!?」
ジュンコ
「間違っているって???
ソレはないと思うけど…。
だって、ビギナーさんなんて、
すごく短期間でナチュラルなダンスが
踊れるようになってきて、
教えている私のほうが
ビックリしているくらいなんだから」
ジュンコ先生
「ビギナー向けにはいいのよ、
何も問題ないわ。
全く先入観を持ち合わせていないからね」
ジュンコ
「じゃぁ、ひょっとして、
既存の生徒さんのレッスンに
取り入れていることがダメなの?」
ジュンコ先生
「取り入れるのは、イイコトよ。
問題はその取り入れ方ね。
昨日の花村さんのレッスンでも、
(第598話参照)
スロー・フォックストロットのレッスンを
お願いされているのに、
途中からずっとフォックストロット
(第238話参照)
をさせていたでしょ?」
ジュンコ
「だって、フォックストロットは
スロー・フォックストロットの
立派な基礎になるじゃない!?
花村さん、
ラテンならボディを使うことができるのに、
スタンダードになると固まっちゃうから、
ホールドを崩して、
カラダの内部を揺すって踊って良い
フォックストロットのレッスンに
切り替えたのよ」
ジュンコ先生
「確かにジュンコさんの言うとおり、
フォックストロットは
スロー・フォックストロットの基礎、
いえ、
スタンダード全般の基礎になるわね。
楽なホールドで踊れるから、
男性の右手と女性の背中との
コミュニケーションの練習になるし、
音楽に合わせてカラダの中からの
スイングを起こす練習にもなる」
ジュンコ
「でしょ?
それなのに一体、
どこが悪いの?」
ジュンコ先生
「花村さんの様子は
ドウだったのかしら?」
ジュンコ
「『へぇ~、
そんなダンスがあるんですか?』
って感じ。
私の言わんとすることは、
わかってくれたと思う」
ジュンコ先生
「花村さんご夫妻、
フォックストロットは、
ちゃんと踊れたの?」
ジュンコ
「ウーン、難しそうだった。
わざとカラダを揺らそうとしたら、
なんか、ちぐはぐになったりして。
でも、お二人だけだと変になっちゃうけど、
わたしがそれぞれと踊ることで、
フィーリングは伝えることができたと思う」
ジュンコ先生
「先生とだったら踊れる
・・・ソレは当たり前ね。
ご夫婦一緒に
レッスンを受けているんだから、
お二人で踊れるようにならないと
意味ナイでしょ?」
ジュンコ
「・・・」
ジュンコ先生
「それに、花村さんに
教えてみてわかったことだとは思うけれど、
フォックストロットの動きって、
中上級者にはかえって難しいモノなのよ。
つまり、
スロー・フォックストロットが難しいから、
フォックストロットで簡単にするはずが、
反対に難しいモノを
また増やしてしまったことになる。
コレではダメでしょ?」
ジュンコ
「でも、ジュンコ先生のいう、
優先順位なら、
フォックストロットが先で、
スロー・フォックストロットが
後になるハズでしょ?
だって、海外じゃ、
フォックストロットが基礎中の基礎だもん。
花村さん、今のまんま、
フォックストロットもできないのに、
スロー・フォックストロットなんてやっていても
上手くならないんじゃないの?」
ジュンコ先生
「いいえ、違うのよ、
ジュンコさん。
多くの中上級者にとって、
その優先順位は
絶対上手くいくとは限らないわ」
ジュンコ
「え?
ってことは、
この場合、教える優先順位は
スロー・フォックストロットが
先でフォックストロットが後なの?」
ジュンコ先生
「というより、今回の件では、
花村さんの依頼どおりに
スロー・フォックストロットを
レッスンすればいいのであって、
フォックストロットは必要ないの。
いくら、ジュンコさんの中では
『フォックストロットをやった方が、
この人たち絶対に上手くなるのにな』
と言う思いがあったり、
また、実際にソウであってもよ」
ジュンコ
「そう・・・なの?」
ジュンコ先生
「ええ。
なぜなら、
優先順位は生徒さんのモノでもあるからよ。
生徒さんが
『コレを習いたい、教えて欲しい』
というものが、今、まさに
ソノ人にとっての優先順位
なのよ」
ジュンコ
「じゃぁ、先生は、
『そんなことからやっても無理、
上手くはならない』
って思っても、
OKを出さなきゃならないの?」
ジュンコ先生
「基本的にはソウよ」
ジュンコ
「じゃぁ、聞きますけど、
もしある生徒さんが
満足に歩くコトもできないのに、
『ワルツのバリバリの
バリエーションを教えて欲しい』
って言い出したらどうするの?
その通りにしたほうがいいと?」
ジュンコ先生
「ソウよ。
その方の言い分をまず、聞き入れて、
要望にちゃんと応える・・・
そうすると、
なぜ、ソノ人が、
ソレを習いたかったのか、
理由も見えてくるでしょ。
先生側が、正しいと思っている
優先順位に切り替えるためにも、
そういう情報が必要だからね。
変化させるのはその後から、
徐々に、で十分よ」
さぁ、今回のテーマも佳境に・・・・
次回につづく
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“本場の社交ダンス・テクニック”の
ノウハウを習得し、
「コレこそが、社交用・競技用として
枝分かれする前の基礎、
つまり、踊る基盤、土台だ!」
とばかり、意気揚々に
ビギナーから
中上級者にまで教え始めたジュンコに、
現ジュンコ先生から、
「ちょっと、待った!」
の声がかかったゾ。
ジュンコ先生
「せっかくいいノウハウを手に入れても、
使い方を間違っちゃダメじゃない!?」
ジュンコ
「間違っているって???
ソレはないと思うけど…。
だって、ビギナーさんなんて、
すごく短期間でナチュラルなダンスが
踊れるようになってきて、
教えている私のほうが
ビックリしているくらいなんだから」
ジュンコ先生
「ビギナー向けにはいいのよ、
何も問題ないわ。
全く先入観を持ち合わせていないからね」
ジュンコ
「じゃぁ、ひょっとして、
既存の生徒さんのレッスンに
取り入れていることがダメなの?」
ジュンコ先生
「取り入れるのは、イイコトよ。
問題はその取り入れ方ね。
昨日の花村さんのレッスンでも、
(第598話参照)
スロー・フォックストロットのレッスンを
お願いされているのに、
途中からずっとフォックストロット
(第238話参照)
をさせていたでしょ?」
ジュンコ
「だって、フォックストロットは
スロー・フォックストロットの
立派な基礎になるじゃない!?
花村さん、
ラテンならボディを使うことができるのに、
スタンダードになると固まっちゃうから、
ホールドを崩して、
カラダの内部を揺すって踊って良い
フォックストロットのレッスンに
切り替えたのよ」
ジュンコ先生
「確かにジュンコさんの言うとおり、
フォックストロットは
スロー・フォックストロットの基礎、
いえ、
スタンダード全般の基礎になるわね。
楽なホールドで踊れるから、
男性の右手と女性の背中との
コミュニケーションの練習になるし、
音楽に合わせてカラダの中からの
スイングを起こす練習にもなる」
ジュンコ
「でしょ?
それなのに一体、
どこが悪いの?」
ジュンコ先生
「花村さんの様子は
ドウだったのかしら?」
ジュンコ
「『へぇ~、
そんなダンスがあるんですか?』
って感じ。
私の言わんとすることは、
わかってくれたと思う」
ジュンコ先生
「花村さんご夫妻、
フォックストロットは、
ちゃんと踊れたの?」
ジュンコ
「ウーン、難しそうだった。
わざとカラダを揺らそうとしたら、
なんか、ちぐはぐになったりして。
でも、お二人だけだと変になっちゃうけど、
わたしがそれぞれと踊ることで、
フィーリングは伝えることができたと思う」
ジュンコ先生
「先生とだったら踊れる
・・・ソレは当たり前ね。
ご夫婦一緒に
レッスンを受けているんだから、
お二人で踊れるようにならないと
意味ナイでしょ?」
ジュンコ
「・・・」
ジュンコ先生
「それに、花村さんに
教えてみてわかったことだとは思うけれど、
フォックストロットの動きって、
中上級者にはかえって難しいモノなのよ。
つまり、
スロー・フォックストロットが難しいから、
フォックストロットで簡単にするはずが、
反対に難しいモノを
また増やしてしまったことになる。
コレではダメでしょ?」
ジュンコ
「でも、ジュンコ先生のいう、
優先順位なら、
フォックストロットが先で、
スロー・フォックストロットが
後になるハズでしょ?
だって、海外じゃ、
フォックストロットが基礎中の基礎だもん。
花村さん、今のまんま、
フォックストロットもできないのに、
スロー・フォックストロットなんてやっていても
上手くならないんじゃないの?」
ジュンコ先生
「いいえ、違うのよ、
ジュンコさん。
多くの中上級者にとって、
その優先順位は
絶対上手くいくとは限らないわ」
ジュンコ
「え?
ってことは、
この場合、教える優先順位は
スロー・フォックストロットが
先でフォックストロットが後なの?」
ジュンコ先生
「というより、今回の件では、
花村さんの依頼どおりに
スロー・フォックストロットを
レッスンすればいいのであって、
フォックストロットは必要ないの。
いくら、ジュンコさんの中では
『フォックストロットをやった方が、
この人たち絶対に上手くなるのにな』
と言う思いがあったり、
また、実際にソウであってもよ」
ジュンコ
「そう・・・なの?」
ジュンコ先生
「ええ。
なぜなら、
優先順位は生徒さんのモノでもあるからよ。
生徒さんが
『コレを習いたい、教えて欲しい』
というものが、今、まさに
ソノ人にとっての優先順位
なのよ」
ジュンコ
「じゃぁ、先生は、
『そんなことからやっても無理、
上手くはならない』
って思っても、
OKを出さなきゃならないの?」
ジュンコ先生
「基本的にはソウよ」
ジュンコ
「じゃぁ、聞きますけど、
もしある生徒さんが
満足に歩くコトもできないのに、
『ワルツのバリバリの
バリエーションを教えて欲しい』
って言い出したらどうするの?
その通りにしたほうがいいと?」
ジュンコ先生
「ソウよ。
その方の言い分をまず、聞き入れて、
要望にちゃんと応える・・・
そうすると、
なぜ、ソノ人が、
ソレを習いたかったのか、
理由も見えてくるでしょ。
先生側が、正しいと思っている
優先順位に切り替えるためにも、
そういう情報が必要だからね。
変化させるのはその後から、
徐々に、で十分よ」
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