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チョット中休み エッセイvol.14 

大ピンチ!病に伏す・・・

~なりたい自分へのプレリュード※ ②~

※前奏曲・事件や物事の始まり


ソレは競技会当日10日前のこと、
ヒデ君が声を上げた。
「アレッ!? 珍しいな。
ユーちゃん、来れないって」


練習時間直前に、
メールが届いたんだ。
「腰痛で・・・って
・・・大丈夫かいな?」



腰痛?
私は、

イヤァな予感がしたんだな。

腰痛って、
いわゆる単なる腰の痛み、
ではないだろうって思ったんだ。
だってユーちゃんだったら、
ギックリ腰で、
全く動けないなんて状態以外は、
どないしてでも(はってでも!?)
やって来るはずだから。
内科的なものだろうか、いや、婦人科?

ワタクシ、
自分が色んな病気を
一通りやって来ているだけに、
想像は勝手に膨らむばかり。
で、ユーちゃん携帯に様子伺いのコール。
すると、
なんと会社を休んで寝ているそうなんだ。
みぞおち~わき腹の辺りに意味不明の痛みが、
前日より続いているらしい。


ウ~ン・・・

やばいナァ・・・



一人暮らし、
家族は遠く山口県、というユーちゃん。
心細いだろうなぁ。
「明日にでも病院に行ってみます」
力のない、声だった。
何かあったら気兼ねなく連絡すること!
ってな、約束を交わし電話を切った後も、
すごく気にかかる。

で、その夜、携帯に
「大丈夫?」
メールを入れるが、連絡はなかった・・・



「昨夜、入院しました」
次の朝、飛び込んできたメールに
ヒデ君ともども、もう、ビックリだ。
痛んでいたんは腎臓!?
腎盂炎(じんうえん)で、
高熱を出しての

緊急入院だったんだ。


点滴につながれたユーちゃん、
開口一番の言葉は、
「ダンスに関係ないところで、良かった」
筋肉とか骨とかじゃなくて、
って意味だろうけどね。
モトモトカラダが強く病気知らずのユーちゃんは、
もう10年以上、熱が出たコトもなかったんで、
(高熱に)気が付かなかったんデスって!?

今も若干の痛みと熱は続いているそう・・・
点滴しまくりの、
とにかく安静第1状態なんだな。
(かつて生徒さんで
同じ病気になった方がいるんだけど、
1ヶ月の静養を余儀なくされたという)


「サマー・パーティは無理ヤロウナァ
(4日後に控えていた)
下手したら、競技会も・・・」

ヒデ君はしょげている。


でも、自分が競技会に
出られないからって言うんではなく
ダンス大好きユーちゃんが、
「踊れないって、つらいヤロウな。
しかもこの一番大切な時期に・・・」

という思いやりからだけどね。


でも、当のユーちゃんは、
競技会に出ないなんて

選択はナイ!!

ってくらい強気なんだ。
あわよくば、パーティだって・・・ 
高熱でムッチャ熱いカラダをしながらも、
競技会の時の服装、
どうしようかとか、
(社会人コンペなんで華美なモノはNG)
マァ、とにかく、
話す内容はダンスのことばかり。
「先生の顔を見ると
免疫力が上がります♥」

という、うれしい言葉にも引かれ(笑)
折を見ては、連日病室を訪れながら、
わたしのなかでも、いつしか
競技に出れないという選択は、
なくなって行ったんだ。

小さなパソコンと
ブラックプールのラテン戦のDVDを持ち込んで、
「コレみて、
イメージトレーニングをしていたら良いよ」
そして、退院できたソノ足で、
ダンスショップに
コンペ用の服を見に行こうと約束だ。

ヒデ君にも
「ユーちゃん、出てきたら、
支えて踊ってあげないとダメだろうから。
しっかりシャドウしておかないとね」
と、アドバイス。
この暑いさなかの競技会、しかも初体験。
ウーン、心配したらキリがないけれど、
何があっても大丈夫・・・・なだけの、
アル意味、覚悟と準備は必要だろう、
などと思っていると、


ヒデ君、
「コンペ当日、
ユーちゃんの体力持つかナァ、
ってくらいに
(回数)踊れれば良いけどな」


予選敗退だったら、
チョットしか踊れないってこと・・・
アハハな弱気も、
マァ、致し方ないよね。

「競技会なんて、
どんなモンか想像もつかへん」

ヒデ君なんだもの。


さてさて、
驚異的な回復力を見せた、ユーちゃん
サマー・パーティの時は、
強引に“外出許可”をゲット。
生徒さんたちを驚かせたものの、
病院からの脱出(退院)は予定より遅れ、
競技会の3日前になっちゃたんだ。


マァ、この若干の遅れも、幸い。
なぜって、
今度はヒデ君が病気・・・!?
と言っても、

“心の病”

実はサマー・パーティの後、
例のタンゴ・デモのショックから
立ち直れずにいたんだな。

「ユーちゃんは、
カラダが病気だけど、心は健康。
オレは、
カラダは良いけど、心が病気」

な状態がずっと続いていたんだな。

一時期は、
「カラダが踊るのを嫌がってる。
ものすごく、足が痛い」

ナァンテ言って、
フロアーにへたりこんでしまう始末。


つまりは、
自分を

表現するのを怖がってるんだ。

で、こんなことを言い出して・・・

「競技会に出たいって思ったのは、
しょせん、エエカッコしたいって
思ったからヤロな。
オレ、目立ちたがり屋やモンな」


「でも、
タンゴであんな風になってから、
エエカッコシィの自分が
オレへんようになってしまったんや」



エエカッコすることが、
競技会への原動力になっていた、ヒデ君、
動力がなくなっちゃったことで、
競技会への意欲、なくなっちゃた!?


「ユーちゃんに悪いナァ。
でも、踊る気になれヘン。
どうしよう!?」




さぁ、競技会3日前、

危機再来!?



      続く 第567話へ



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