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チョット中休み エッセイvol.13 

ダンスに出る日頃の在り方

~タンゴに罪はない ⑤~


「かつてヒデ君が、
何かアクションを起こすときの判断基準って

“エエカッコできるかどうか”

だったんでしょ?
つまり、ソレをすることで、
自分がエエカッコできるから、やる
で、エエカッコできなさそうなものは、
やらない・・・そうね?」
という、わたしの言葉に・・・



ヒデ君、
「そうや。
趣味だった、ビリヤードもサッカーも、
みんなから
『カッコイイね、素敵ですね』
って言ってもらえるからやってタンや」

と、あっさり認め

「でも、ダンスは違うよ。
なんでって、まだ、
(ダンスで)
エエカッコするドコロやないヤロ。
なんとか、こなしていくのに必死で」

なんて言う。



私は、少々イジワルな感じで、

「ソウかナァ~。
私、思うに、
中身や実力が全然伴ってなくても、
ダンスの中で
『サァ表現するぞ』ってなった時、
アナタはとっさに
『エエカッコしてやろう』
とか
『どうや?オレ、カッコイイやろ』
って言うような

威圧的な世界に行っちゃう

ようなんだけど、
気が付いているかナァ」



すると、ヒデ君、
ギョッとしたような顔で黙り込んでしまい・・・



でも、私はお構いナシに話を続ける。

「今回のタンゴなんて、
そのエエカッコしいのあなたが
すごく出ているよ。
顔の表情や出ている気配だけ取り上げたら、
とても新人に見えないわ」

「ねぇ、
『オレ結構いけてるわ』ナンテ、
思いながら踊ってたんじゃないの?」



すると、
ジーッと黙って聞いていたヒデ君、
こんなことを言い出したんだ。

「そうや・・・。
熱演すれば、
何とかなると思っていた」




「え?何とかなるって、何が?」



「(熱演すれば)
みんなの支持が得られるハズ、
と、高をくくってたんや」

そう、言い終えてから、ヒデ君

「わ~嫌な感覚、
思い出してきたわ」

「ミルコになったつもりで、
『これで、どうや!』ッテ感じで、
熱演していたモンナ」

「だから、自分がみんなから
相手にされていないってわかったとき、
マジ、ショックでめまいがしたモン」




そういえば、
パートナーのユーちゃんも、
ヒデ君のタンゴ・デモに
ハッキリとキビシー評価をくれたんだよな。

「顔の表情がイキッテル」
「唇の片方が持ち上がって、
ほくそ笑んでいる一瞬があって、
イヤだった」


ようそこまで、
見てるナァっッテ感じでもあるけどね。



私は沈んでいく、
ヒデ君を見ながら、
ウーン、
かわいそうだとは思ったけれど、
ココで、
話を止めるわけにはいかなかったんだ。
どうしても、
伝えなければならないことがあったんだな。


「それにね
『エエカッコしてやろう』
以外にまだ、あるのよ。
タンゴの“熱演中”に出てきていた、
ヒデ君の潜在的な感情・・・」



「え?」



「多分、タンゴという種目の持つ、
特有のエネルギーが、
あなたの持つ攻撃性を呼び覚ましたというか、
引っ張り出してしまったのね」



「攻撃性・・・?」



「そう。
強すぎるネック・アクション、
リンク・アクション、
プロムナード・アクション・・も
ソコ(攻撃性)から
生まれているように思ったのよ」


ヒデ君が潜在的に持っている攻撃性とは、
平たく言えば、
“自分の力ではどうしようもないこと
(なさそうなこと)”に対する
一種の怒りみたいなものなんだ。
自意識が高く、
ナニゴトに対しても
自己の主張もシッカリとあり、
オマケに正義感も強いヒデ君は、
普段、ヨーク、
いろんなものに対して

“怒って”いる

例えば、
車を運転中、
携帯電話で話しながらムッチャ危ない操作で、
ふら~と飛び出してくる、
自転車操作のお兄さんに、
喫茶店で、
横柄な接客をするウェイトレスに。
ソンナコンナの日常のなんでもない怒りが 
“人間とは、どうしてこうなのか”
ってな難題につながり
フツフツと湧き上がる
大きな怒りに転じるコトも。
とにかく、ヒデ君、言うに

「家を出てから会社に行く、
数分間の間に“腹たつわ~”
って感じることを勘定してみたら、
軽く10個以上あった」


そうやって生まれた
怒りの感情エネルギーの一つひとつは
小さなものであっても、
集まれば、
そうとう大きなものになっちゃうし、
いったんは表面化することなく終わっても、
一度生まれてしまった感情エネルギーは、
消えることなく、
必ずや表出するチャンスを
狙っていたりするものなんだな。



「ってことは、オレ、
タンゴの中に、知らず知らず、
日頃の怒りをぶつけていたってこと?」




「そうね。
でもソレは、アル意味、
悪いことではなく、
むしろイイコトなのよ。
マァ言えば、
ダンスの中で
発散しているわけだから健全よね。
上手く行けば、

ダンスの正しい使い方

ってものにもなるわ。
でも、もっとちゃんとした
ダンステクニック・・・
この場合はタンゴね、が付けば、
もっと、上手に

感情処理ができるようになる

でしょうね。
でも、今は、
テクニックが身についていない分
気分だけで踊っちゃうから、
攻撃性が前面に出たような
タンゴの表現になっちゃって
見ている人は、息が詰まっちゃう」



ヒデ君はじっと聞き入っていたが、 
「一緒に踊っていた人にも、
迷惑かけていたんやろな」

としょげ始め、

で、
「ギャラリーはオレのタンゴを見て、
アドレナリン※を放出させていたわけか」

※交感神経が興奮した状態、
「闘争か逃走か」のホルモンと呼ばれている


そんな中、癒し系・タンゴが
どんなにかありがたかったか、
かもしれないのだ。



「オレ、どうしていったら、
エエのん?
表現するのが、
もう、イヤになってまうわ、
そんなん聞いたら」


ヒデ君、ソファーにネッコロがって、
意気消沈だ。



そりゃそうよね。
すっごくわかるけど、
ここんとこ直したら、すごく良くなる・・・
っていうか、
ダンスを通して学ぶべき最高に難しいけど
最高に収穫の
アルモンじゃないかなって思うわけ。


「まずは、ダンスの表現の中に出てきた、

自分を受けとめてあげる

ことからね。
そして、それをただただ嫌悪し、
ダンスのテクニックで
覆い隠してしまおうとしないこと。
メッキはしょせんメッキでしかないからね」


「自分で見て、
あぁ、イヤだな、
ヘンだなというカッコウ、
表現があれば
どんな気持ちでソレをしているのかを

観察する習慣をつける

で、変化をもたらすべきは、
意識・気持ちのほうね」

「そうすれば、
ダンスを手段として、
すごく根っこから人として
成長・進化できるし、
もちろんダンス自体も
上達しないわけがない・・・」



じっと聞き入っていた、
ヒデ君、神妙な顔でいった。

「わかった、やる。
そのために、ダンス、
やってんねんから」


で、
「けど、キツイナァ。
こんな気持ちで、
1週間後のアレは、
自信、全くないわ・・・」




さぁて、
1週間後のアレって一体何なのか
実はですねぇ~
このとき、
ヒデ君、アル世界への

衝撃デビュー

を控えていたのであります!!
の、お話、
その結果報告は後日、アップいたしますね。


今回のタンゴ・デモ話の続きとして
お楽しみください。



      続く 第559話へ



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