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チョット中休み エッセイvol.13 

タンゴ路線シフト

~タンゴに罪はない ③~


そういえばね、私、
学習発表直後の
“審査員代表の講評”の
「9組目に踊った女性同士のカップルは、
見ていてホッとできてとても良かった」

というコメントを聞いたとき、

「あ・・・なるほど。
そうクルのね」
って、とっても、
懐かしい気持ちというか、
フムフム納得って感じになったんだな。

なぜか 

“癒し系・タンゴ”路線は、

チョイ前まで、ジュンコ先生の
タンゴ・レッスンの主流であったからなんだ。

そのジュンコ先生流
“癒し系・タンゴ”って、
具体的にはどんなんだったかというと
(ブログでもいくつか紹介済みだけど)


その1

スピード・パワー・キレより、
ゆっくり・微弱な力で・
ユッタリなタンゴを奨励

なぜなら、
力任せの、雑な、
タンゴを踊る人があまりにも多かったから。


その2

タンゴ・ホールド、
タンゴ・ポジション、
フットワークなどのタンゴの特殊性に
力点をおかず、
できるだけナチュラルな組み方、動き、
足さばきを目指すことを指示

なぜなら
ものすごくリキム、あるいは、
癖のアル動きになっちゃう人、
続出だったからだ。


その3

音楽性を重視。
ただ、ここでも
タンゴ特有のスタッカートに行く前に、
全部つながったユッタリタイミングを奨励

理由、動きが
ブツブツ切れる人が多かったため。

ってな感じで、世間的に言う
「これぞ、
イングリッシュ・スタイルタンゴ!」
とは、かけ離れた方向性に、
わざと生徒さんたちを導くようにしていたんだな。


しかし、最近は、
安全・安心な
“癒し系・タンゴ”を基盤にしつつも、
難解だけど、
ソレもまた楽し・・・と、
イングリッシュスタイルの良さも加味、
スピード・パワー・キレも
独特のあのフットワークも
スタッカートも

“すべてOK・タンゴ”路線に

シフトしつつあったんだよな。
なぜなら、
自分で言うのもなんだけど
先生側の教える際のテクニックなり、
知識レベルなりが以前よりも向上したから。
つまり、
どの路線をたどっても、
最終的な着地点まで、
生徒サンを導いてゆける自信がついてきたから。
もっと言うなら
“癒し系・タンゴ”から入らないと、
“パワフル・タンゴ”は無理・危ない、
などといった、
こだわりを外すことができたからなんだな。



さてさて、
タンゴ・デモでメッチャ熱演をしたものの、
ギャラリーからなんだか嫌われ、
ハジカレちゃったかな?
と落ち込むヒデ君の
「俺なりに、
ジュンコ先生のダンスは外していない・・・
で、熱演できたと思っていたんや。
だって、ジュンコ先生は熱演も、
推奨してるでしょ?」

の、言葉に、私はこう返したんだ。


「もちろん!!
熱演は大賛成!!
思いっきり自分を表現させてあげることに
臆病になってはダメ。
ドンドンやれば良いって言う意見は、
ちっとも変わっていないよ。
だって、

ダンスは“解放”だもの。
(第438話参照)

どうであれ・・・」

「今回のあなたのデモは、
そういう意味では
『ホンマ、よくできました!!』
の賛美に値するよ」


ヒデ君の顔に少し明るさが戻った。


「でね、もっと、
テクニックがあれば、
みんなも認めてくれたと思うのよ。
『ヒデ君、
すごくカッコよかったよ』って。
それどころか、ビックリした思うよ。
『ジュンコ先生流儀でやっていても、
世間からずれたタンゴにならず、
正統派でパワフル、
スケールのデカイ、
イングリッシュスタイル・タンゴが、
可能なのかって、
夢を持ったと思うのよ。
だって、みんな、
私にタンゴを習うと
まずは、無駄な力を解かれ、
今まで必死になって作ってきた
“カタチ”を壊されてしまうんだもの。
ジュンコ先生は、
ただ単に
『力を抜いてね、
ハイ、リラックスしてね・・・』
の癒し系・タンゴを教えているのではなく、
あぁいう、
“パワフル・タンゴ”もOKなんだって、
みんな楽しくなったと思うのよ」



じっと聞き入っていた、
ヒデ君、ポツリと言ったんだ。

「テクニック不足か。
ソラそうやワナ。
やッパリ、スタンダード、
特にタンゴは難しかった・・・ということや」




「ウン、その通り。
それにね
私が、(生徒の)みんなに薦めたいのは
“癒し系・タンゴ”オンリーでもなければ、
かといって
“パワフル・タンゴ”一辺倒でもない。
では、何かわかるかな?」



ヒデ君、元気に
「世界チャンピオンのようなタンゴ。
今だと、ミルコ組。
カラダの使い方とか、
ホンマ、
すごく理にかなってるんヤロウな。
自分もやってみて、改めて思ったわ。
あいつら(世界のトップに人たち)
メチャメチャ上手いんやなぁって…」




「ちょっと待って。
私が、(生徒の)
みんなに薦めたいタンゴは、
って話やったんよ」



「だから、
世界チャンピオンのような・・
あれ?違うの?」




私は微笑みながら言った。
「チャンピオンはチャンピオンでも、
目指すのは、ミルコ組ではない」

「つまり、
ヒデ君にはヒデ君に似合う、
タンゴ路線ってものがあると思うの。
ミルコたち、
世界一流ダンサーのタンゴは、
そのヒントにはなるけれどね」


「結局、私が、
みんなに薦めたいのは

『なりたい自分』よ。

自分として納得の行く、
自分に最適なタンゴよ。
それぞれ全員が
“チャンピオン”になって欲しいと思うんだ」



ヒデ君、
フンフンうなずきながら聞きている。

「ナンバーワンではなく、
オンリーワン、言うことやな?」




「そう! いい?
今回のタンゴでも、
大切なのは、
人の評価ではなくて、自分の評価よ。
自分で自分のダンスを見て、
『もうコレで十分!』っていうなら、
ソレはそれでいいのよ」



すると
「全然、アカン!!
直したいところいっぱいあるわ。
顔の表情だけやなく、
アゴの出たところ、
変に上下動のアル、
カクカクした動き。
あ、ホールドも、
全然、上がっていない・・・
もう、みんなや」




「そうやね
あなたは、この発表が終わったら、
カラダに優しい
“癒し系・タンゴ”を勉強しないとね、
と思っていたのよ。
みんなとは順番がサカサマだけど、
アナタには先に
“リラックスをして、力をぬいて・・・”
ってあまり言わなかったのは
わけがあるのよ。
って、なぜか、自分でわかる?」



「ウン・・・なんとなく。
オレ、力をぬこうとしたら、
ホンマ、マルキリ、脱力になってしまう。
で、かえって、いきなり力んだり・・・
“ちょうど良い加減”
ってのがデケヘンネン」




「そうよね。
微調整・修正といった、
細やかな作業が難しいのよね。
そういう作業は、

“真に正しく

無駄な力の抜けたカラダ”


でないとできないの。
で、その“真に正しく
無駄な力の抜けたカラダ”感覚を
鍛えていくためには、
目いっぱい、とか、
思い切りを知らないと、ダメなのよ。
中途半端が一番悪い」



「じゃぁ、
今回の目いっぱいの熱演は、
良かったんや」




「そうよ。
だから、次は、
自分のカラダをもっといたわりつつ踊る、
“癒し系・タンゴ”を勉強すること。
それから、
もう一つ、
その“真に正しく無駄な力の抜けたカラダ”
感覚を手に入れて、
ヒデ君にとって
最もなりたい自分のヒデ君で踊るには、
徹底して直さなければいけないところがあるわ。
今回のタンゴ・デモを見て
『あ、コレはソロソロ、
ホンキで直さないとやばいな』
って思ったんよ。
さぁ、こっちのほうが
難しいかも知れないけれど、
できるかナァ」



「エッ、何?」

ヒデ君、一体何をいいだすのだろう?
ッテ感じで顔を曇らせて・・・



      続く 第557話へ



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