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チョット中休み エッセイvol.13 

失敗!?タンゴ・デモ

~タンゴに罪はない ①~


ルンバ・シリーズの途中ではありますが、
※ほとぼりが冷めないうちに、
(※高ぶった感情や興奮などのなごり)
緊急報告させてもらっていいかナァ。


何かって、
サマーパーティですよ。
つまりは、
ヒデ君の

“初・タンゴ・デモ”ですよ。

ドウだったのかナァの結果は、
直接、本人に聞いてみようかな。


ヒデ君、どう?上手くいった?
直前まで、苦しんでたけど、
何とか、なったんでしょ?
成功、した?


「・・・」


アレレ、ヒデ君
どうしてなんにも言ってくれないの?
それに、いつもなら
撮影してもらっていた、
ビデオの編集にすぐに取り掛かっているのに、
自分のダンスシーン、チョイ、見たきり
今回はまだ、なーんにもしていない。
次回のグループレッスンの時までに、
みんなに渡すDVD、
作成しなきゃなんないのに。

ねぇ、元気ないわねぇ。
ひょっとして、ダメ、だったの?
え?パーティの日、
明け方4時くらいまで、
ジュンコ先生と話していたって?
で、その後も、
全然、眠れなかったって!?
悔しくて、
恥ずかしくて・・
アラ・・・ヤッパ、
上手くいかなかったんだ。
それにしても、なんか、
フツーの凹みようではないくらいに、

凹んでますけど。

(ブログを読んでいる、
ヒデ君・パパ、ヒデ君・ママ、ソロソロ
心配になってこられたんじゃないかしら)



ようやく口を開いた、ヒデ君、
その暗く沈んだつぶやきを聞いてみよう。

「マジ、きついなぁ・・」

「外に出て行きたくない、
誰とも会いたくない心境や」

「オレ、ホンマに、
ダンス、やめたくなったわ」



オオッと、そんなに!?
一体、どんな失敗、やらかしたの?


「イヤ、失敗はしていない。
ステップは完璧やったし、
思い切り踊った。
熱演・・・したよ」



そう、確かにヒデ君タンゴは
「今まで見た中で、一番良かった」
「今の時点では、
アレが最高だったと思う。
アレ以上は、ナイでしょ」
(ジュンコ談)
なんよ。


それに、モトモトルックスの良いヒデ君、
「新人なんだし、格好だけでも、
きちっとしないとダメよ。
一緒に踊る方々にも、
見てくれる人たちにも
“礼”をつくす意味もあるから」
という、
ジュンコ先生のアドバイスを素直に聞き入れ
真っ黒、丈、チョイ長めの
ダンス用ジャケットを購入。
その下は、黒にシルバーストライプのシャツ
シルバーグレーのネクタイ
ポケットには、真っ赤な、
ポケット・チーフ・・とすっごく良い感じ
激しいネックアクションでも乱れないよう、
前髪をかきあげシッカリセット・・
フムフム、
外見はビシッと決まっていたんだけどねぇ。


と、ヒデ君

「あ~もう、ソレ、イワンといて。
オレはカッコエエと思っていたのに、
踊る前、
ユーちゃん(ヒデ君のパートナー)に
『どう?』って聞いたら、
『マジシャンみたい・・・』
って言われたわな。
思えば、アノヘンから、
今日はどうも
上手くイカンなと思っていたんや」



どこまでも、落ち込むヒデ君だけど、
一体どこがそんなにダメだったのか、
良くわからないナァ・・・


では、そのヒント
(なぜ、ヒデ君が凹んでいるのかを探る)
となるシーンに移ろう。

以前にも書いたけれど、
このグループレッスンの学習発表では
当日のギャラリー全員が審査員になり、
カップルMVPと、
個人MVPがそれぞれ選出されるんだ。
(第345話参照) 
その集計結果発表は、
パーティの最後にあるんだけど、
実は、
学習発表直後の“審査員代表の講評”
(プロ資格を持つ女性3名、
アマ・サークルの指導者の男性2名による)
を聞くと、
ダイタイの今回の“ウケ”の流れが、
想定できるんだよな。
つまり、どのカップル・個人が
選出されるのかダイタイの予想がつくというわけ。


「オレ、
最初のHさんの講評を聞いて、
すぐに思ったわ。
『あ、コレは、
オレのほうに流れは来てへんな』と」



そうなんだ。
実はそのプロ資格を持つ女性、
審美眼もあるし、
自らもシッカリとしたダンスを踊る
長年の生徒さんなんだけど、
彼女、こう言ったんだ。

「勢い良く表現した後で、
(ブレテしまい)
焦点が定まらないダンスも見受けられた」

「その点、
9組目に踊った女性同士のカップルは、
見ていてホッとできてとても良かった」



発表したのは全部で10組。
ウチ、一組だけ
女性同士のカップルがあったんだな。
女性同士ならではの、
丁寧で優しいタンゴだった。
言うならば、

“癒し系・タンゴ”

かといって、単なる柔なタンゴではなく、
二人ともベテランの貫禄十分な
テクニカルなモノだったしね。
実は今回の学習発表のカップル構成、
生徒さんの自主性を尊重って感じで、
“この人と組みたい”って
言う申し出をわざと募ったんだ。
この女性同士のカップルも
その申し出によって出来上がったもの。
二人仲良くやってきて、
「私たち、一緒に踊りたいです
という姿は、少女のように愛らしく
また、お互いを信頼しきってのパフォーマンスは、
見ていて、ホント、
心地よいものだったんだ。
(このお二人とも、実はこの日、
もう1回ずつ女性役で男性と踊っている。
ウチお一人はご夫婦。
だからいつもは他の人と踊ることがなかったんだな)


さて、先のHさんの講評について、
ヒデ君は言う。

「“勢いはあるけど焦点の定まらない
ブレ・タンゴ”って、
オレのことやって、すぐにわかったわ。
だって、オレ、
メッチャ、思い切りやったモン」



女性を感じてエスコートする、
音楽の表現をする、
ホールドは楽に、
でもひじは落とさない・・
(第546話参照)

発表直前になっても、
一向に活路を見出せない問題にヒデ君は悩み、
結果出した自分なりの
“今回のダンスはコレで行こう”
は、
「女性をエスコートしつつも、
オレなりのタンゴの表現をやる!!」

つまり “癒し系・タンゴ”とは
マ逆の

“パワフル・タンゴ”路線を

突っ走ることに・・・。



で、採点結果・・・

“癒し系・タンゴ”の圧勝

カップルMVPはやはり
ベテラン女性カップルが獲得し、
個人MVPも、
そのカップルの男性役をやった女性と、
同票だったまだ新人の男性が選ばれたんだ。
その男性って以前に紹介した
ミキヒコさんなんだけど、
(第193194話参照)
最近、メキメキ上達してきた彼も、
どちらかといえば“癒し系”路線。


まぁ、ホントウの話、
学習発表は競技会ではナイし、
MVPがドウノコウノは、
生徒サンたちの励みになるための
“付録(ふろく)”“プレゼント”みたいなもので、
表彰されることを目指して
がんばるってモンでもないんだけど、
前回のチャチャチャで
カップルMVPをゲット、
個人MVPも手中にしたヒデ君は
内心、相当意識していたみたいで
採点用紙の集計が終わった
私のところにやってきて、

「ナァ、どうやった?」
って聞くんだな。


「あぁ、今回は、
(集計が)楽やったわ。
ダントツやったから」
とだけ、告げると、


女性カップルの勝利とわかったみたいで、
「やっぱりなぁ~」


で、
「ナァ、(個人で)
オレにはどのくらい入ってたん?」

と、聞いてくる。


「3票かなぁ」
そのまんま言うと、


「え・・・そんだけ・・・」


なぜか、
ショックを受けている模様、
つまりはもっと
支持されていると思っていたみたいんだな。


「オレのダンス、
見ていてあんまり、良くなかった?」

と、やや悲痛な面持ちで聞くんだ。


「ううん。
良かったと思うよ」
サラリ答えると


「どのヘンが?」


「詳しくは、
自分の目で確かめたら良いヤン。
ビデオで・・」


すると、予感がしたのか
「わ~、どうしよ?
また、
ヘンなことしてたんや」




で、その夜、
大画面に映し出された自分の映像に、
ヒデ君

卒倒寸前!?



あぁ・・・・



      続く 第555話へ



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