fc2ブログ
目次へ

エクササイズ&プラクティス集へ




チョット中休み エッセイvol.12 

骨で作る究極のホールド!?

~タンゴでダンゴになりたくない!! ⑧~


「まず、右手から作るわよ」

怪訝そうな表情のヒデ君にお構いなく、
「右手の力を全部抜いて
こんなふうにブラーンってさせて」
と、私は言い、
第61話プラクティス
「完全にリキみのない手・腕感覚」と同じように、
右足体重で立ったまま、
カラダを楽に右に傾け
そして、
“右肩からぶら下がった腕が、
重力にひっぱられ、
まっすぐ下に下りるに任せている様子”

やってみせたんだ。


ソレを見たヒデ君、モノマネ開始。
「オレ、こういうの得意やで」
面白がって、
腕をブラブラしている。


「次ね。
左手で右手のヒジのところを下から持って、
上に上げていくの。
ただし、
右手は全く力を抜いたままよ。
左手を使って右手を上に上げていくの」


「フン、脱力した
右手の重みを感じるワナ」



「OK、そうね。
で、次に、ヒジを曲げ、
右ホールドのカッコウにして、
空中にポカンって浮かす・・・」


「え、浮かすって、コンナン?」


ヒデ君は私の真似をして、
ヒジが直角に曲がった、
右ホールドの
“カタチ”を肩よりやや高いところに
浮かしたような感じにしながら、
不思議そうな顔をしている。


「それでいいわ。
同じような感じで、左ホールドも作って・・・
そうやって、
空中衣文賭け(えもんかけ)みたいな、
ホールドを作るのよ」



ヒデ君、言われるままに、
作ってはみたものの、
「コレでエエの?
ホンマにぃ??
ホールドって言うより、
ただ、腕で
“ワク”を作っただけって感じやで」

と、解せない様子なんだ。


「いいの、

“ワク”でいいの。

で、シッカリヒジをとんがらせておくの。
肩甲骨から腕を浮かせているわけだから、
そんなにしんどくはないでしょ?」


「うん・・・まぁ」


「ジャ、そのままで、
両ひじを、
開けたり、閉めたりしてみて」



ヒデ君、指示通り
ヒジをカパカパやってみせる。



「OK、
次は両手のひらに注目。
両手の平は、常に、
向かい合っている感じが良いのよ。
こうやって・・・」


私は、両手の平を胸の前であわせ、
そしてまた、ホールドの形の位置に・・・
を数回繰り返し
「両手の平の間に、
納豆のネバネバがあるような感じ」
と、言ったのが、ヒデ君にヒット。


「納豆のネバネバってイウのが、
すごくイメージつかみやすいわ」



「今夜、
お風呂の湯船に入って
カラダを湯に沈めたとき、
このホールドをポカって
水面に浮かして作って練習してね」



サァテ、皆さん、
今、ヒデ君が試みている
“衣文賭け(えもんかけ)のような”で
“腕で作ったワクのような”
ホールドのフィーリング、
そして、
ソレを作る意味がわかっていただけるだろうか?
ソレはあたかも、

“降参(コウサン)”って
両手を挙げたとこから作ったみたいなホールド“
で、

“ボディから切り離された感のある

ホールド”
だけど

ナンデ、コレを作ることが

イングリッシュ・スタイル・

男性ホールド究極の秘密
であり、

“ものすごくソフトなままで、
見た目もGOODなホールド”
(第545話参照)
なんだろうか???



答え・・・
ソレは、

“骨で作ったホールド”だから。



「骨で作ったホールド?
なんじゃ、ソレ?」

な、ヒデ君とあなたに、
どういうことかを説明するね。


では今、
ココでホールド形成に参加している骨
および関節を紹介しよう。
肋骨の上にカポンとののっかっているだけの
まず“肩甲骨”
そして、
カラダ前面の“鎖骨”
この鎖骨と肋骨の接点“胸鎖(きょうさ)関節”
(第163話参照)
それから、“肩関節”
上腕にある“上腕骨”
“ヒジ関節”
そして
前腕にある2本の骨
“尺骨(しゃっこつ)”
“橈骨(とうこつ)”

“手首”
最後に手の中にある骨、指の骨だ。

これらの、いわば、
腕に関する骨・関節のみを使って、
作ったホールドなんだ。
え?筋肉も当然使ってるだろう、って?
実際にはそうかもしれないが、
できるだけ、
“筋肉使用感はナシ”で、
あるほうがGOOD
なんだ。
純粋に
“骨・関節使用感のみ”であればあるほど、
力みなく、
結果、腕の筋肉は、
足元~体幹からの
エネルギーを流せる導管としてのみの
働きをしてくれるんだな。

イングリッシュスタイルのホールドのカッコウって、
腕を上げ、ヒジをまげて作るわけだけれど、
腕を上げるにも最小限力で良いし、
ヒジを曲げるのも、筋肉ではなく、
関節が曲がりたい方向に曲がるに素直に従えば、
事足りるわけで、
コチラもリキム必要はないんだもの。


そう、まさに“骨組み”だけでOK!
後、この単なる“骨組み”に、
息吹を吹き込み、
カッコイイ・ワイドなホールドに仕上げていくのは、
さっき言ったような、
足元~体幹からの
エネルギーのなせる技なんだもの・・・・



さて、ヒデ君、鏡の前で
“衣文賭けホールド”やってみて、
まんざらではない様子だ。
「へぇ~、ちょっと、
ミルコのホールドに
近づけた感じがするわ」


以前なら
「ミルコのホールドみたいヤン!」
ってなっていただろうにね、
エラク謙虚・・って
可笑しくなりながら様子を見ていると、


右肩を押さえながら
「オレ、コレでもつらいわ。
長いことデケヘンわ。
ホールド、しんどいわ」

と、チョイ苦しそうなヒデ君。


そうだろうね、
実はヒデ君、
結構、
イングリッシュ・スタイルホールドには
難アリのカラダつきなんだよな。
だからこそ、無理やり筋肉で作った、
固めホールドは絶対にNO!なんだ。


「まだ完全に骨だけで
作れていないからね。
筋肉がやろうやろうとしてし力んでまうの。
だから、疲労する・・・
でも、徐々に、
骨と関節だけの操作感覚を覚えてけば、
力みをなくしていける思う。
そうすれば、
ラクにできるようになると思うよ」


「わかった」
と、ヒデ君神妙だ。

「でも、感触として、
この方向で正解やと思う。
見た目もキレイやし」



「そうやね。
でも、コレがサッとできたのも、
がんばってきた日頃があったからよ。
インナーマッスルを鍛えていたオカゲだし
肩甲骨辺りが肋骨との癒着が
ずいぶんなくなっているし
何より、肩甲骨の位置がだいぶ
ニュートラルバランスに戻っているから・・・
そうでないと、
肩がホンマに上がってしまって、
大変やと思う」


ソレを聞いてヒデ君、
子供のようにうれしそうな顔をし
でも
「長い道のりやナァ、
ホールド一つにしても」



「ナンの苦労もなく、
サッとできてしまう
恵まれたカラダの人もいるけどね。
少なくとも、
あなたも私もそうじゃないから(笑)
人よりは苦労するけど、
それもまた、絶対に後で活きるからね」



さぁ、ヒデ君、
ドコまで目指すミルコ・ホールド(!?)に
近づけるか!?

パーティデモまで残り僅か・・・



      続く 第547話へ



いつも 応援クリック ありがとうございます。
      ↓ ↓ ↓
   
人気blogランキングへ
とても励みになっています。(ジュンコ)