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チョット中休み エッセイvol.12 

あぁ、なぜ、実力が出せないの?

~タンゴでダンゴになりたくない!! ⑥~


「参考になるタンゴ、見つけたんや」
ヒデ君は今夜もエラク熱心に
パソコンの画面の中の、
そのカップルのダンスに見入っている。

「オレ、この人の踊り、好きやワァ」
無料閲覧できる動画の中で見つけたという、
そのカップルとは、
なんと、
マーカス・ヒルトン&カレン・ヒルトン組… 


「アノ学連物語のマーカスさんが
ファンやったっていう?
へぇ~。
そんな有名な人なん?」

と、ヒデ君。


そりゃぁ、そうよねぇ。
チョイ昔のチャンピオンだもん、
(1990年代を代表するグレイト・ダンサー)
ヒデ君知る由もなく、のはずだよね。

でも、ヒデ君、
自らのお師匠サンに決定の理由は、
「コレ、(マーカスが)やってるの、
ベーシックばっかりヤロ?
ややこしいモン(フィガー)が入っていなくて、 
オレが今やっているモン(フィガー)は、
いっぱい入ってる」

と、見やすい画面であったこと。

それに、ヒデ君にとって
「モノマネがしやすい」
「なんか、
フィーリングがつかみやすいんや」

で、あったそうな。
実際、この頃のダンスは、
今のミルコ・ホーキンスあたりのダンスよりも
動きがシンプルで、
ある意味、やっていることが
わかりやすいのかもしれないモンね。


毎晩のように、画面を見ながら、
あーかな?こーかな?と、自主練習。
そう、シャドーの楽しさが
わかってきた模様なんだ。
リビング・駐車場・トコロかまわず、
ウォーク・リンク・プロムナード・・
いやぁ、ヒデ君、

やる気完全復活よね。


そのうち、
「オレ、(マーカスの)
アノ動きやりたい!」

と、言い出した動きは、何かというと
“ネック・アクション”よ。

「へぇ~男性も、やってエエンヤ」
と、さっそくモノマネして、
スパッスパッと何度も首を振る・・・

で、
「ナァ、どう? カッコエエ?」
なんて、私の前でやって見せるけど、
「力んでやったら、首筋痛めるよ」
の、アドバイスにとどめ、
見守ることにしたんだな。


グループ・レッスンの女性たちとも
ドーニカコーニカ踊れるようになってきて、
「なんか、タンゴ、
オモロなってきたわ」

となった頃、
お待ちかね・・・
サマーパーティの

デモ用パートナー発表!!

今回のリーパー発表は、
いつもよりもやや早めだったんだけど
それは
タンゴは
“相手と組む”ってことが難しい種目のため、
早めにカップル練習にはいってもらったほうが、
GOODなパフォーマンスに仕上がりやすい
という先生側の思いからだ。


さてさて、ヒデ君のパートナーは
・・・なんと3名!?
3名って多くない?なんだけど、
コレはいろいろな事情が重なってのこと。
しかも、その3名、
それぞれに個性豊かな方々でありまして・・・
を、カルーク紹介ね。
っていっても、ウチ二人は、
去年のクリパのチャチャチャデモでも組んでるんよね。


お一人目は、映画「Shall we ダンス?」の
渡辺えり子さんを一回り大きくしたような(!?)
メッチャパワフル・ダンサーのベテラン女性。
「本番は赤いドレスを着るわよ!」
と早くも盛り上がってる様子・・・に
ヒデ君チョイ引き気味だけどね。

で、二人目は 
クリパでカップルMVPに輝いた時の、
同い年の彼女。
タンゴ音楽好きのお母さんの影響で、
ラ・クンパルシータを
聞いて育ったという変り種だ。
が、もちろん、
タンゴダンスを習うのは今回が初めて
・・・なのは、ヒデ君と同じ。
タンゴ初心者同士のフレッシュ・カップルだ。

最後は、上記彼女の、なんと、お母さん!!
今回のデモは、
大好きなタンゴってことで、
すごく楽しみにされているご様子。
ただ、ヒデ君とはかなりの身長差がアリ・・・
ソレをものともせず、
GOODなパフォーマンスができるか?
がポイントだ。


さぁ、本番間近、お相手も決まり、
イングリッシュ・スタイルの
タンゴ・ホールドで本格的に組んで、
思い切って踊りましょ♪♪ なこの時期になって、
ヒデ君、
トアル大きな問題が勃発してきたんだな。
とはいっても、
こうなることは、
もうずいぶん前からわかっていたことなんだけどね・・・
ホンキでその問題を解決に向けて
取り組む時期が
ようやくやって来ましたねってことなんだ。

え?何のことかって?のまえに、
ヒデ君のこんな“悲痛な声”をどーぞ。

「オレは、3人のパートナーみんな
それぞれとシッカリ踊りたいし、
もちろん、
ソレが最大の目標だけど、
ヤッパ、一番 “オレ自身”が
表現して踊れるのは
同年代の彼女と踊るとき
・・・だと思っていたんだ。
なぜって、背も合うし、
年齢も考え方も合うし、
オマケに二人ともダンス歴も
ほとんど同じ初心者だからイラン気を遣わない。
まぁ、二人ともそれなりに若いから、
練習をすればするほど上手になるハズだし、
とタカをくくってたんだけど・・・
なぜか、一番、上手くいかないんや。
練習で上手くいっても、
発表のとき、もう全然アカン
なんでや?っていうくらいに、
お互いの力が出されへんネン」


発表って言うのは
グループ・レッスンのときに、
リハーサルって感じで一組づつ踊ってもらうこと。
そう、そのときの
二人のダンスは、
なぜか、いつもダダずべりなんだ。


先日なんかは、
ヒデ君、ヨーシ!とばかり気合を入れなおし、
「オレ、思い切って踊ってみるわ!」
と、勢いよく発進したものの、
最初のリンクで、

ワッ!滑ったぁ~!?の撃沈

ギャラリー苦笑い・・・
の中、続けられなくなり、
最初からやり直し。
が、音楽を外し、ナーンか最後まで
モタモタしたまんま、エンディング・・・
二人とも、
あおーい顔して踊ってましたモンね。

他の二人のパートナーとは、
だんだん発表のたびに
良くなっていっているのにね。

「『まだ1年しか経っていないんやから、
よくできているほうよ』
とかって、
他の人から言われると、
まぁ、そうやナァってわかるんやけど
でも、ナーンか違うねん。
オレも彼女ももっと
自分にはできるはずやって思ってるから」

と、ヒデ君。

そう、彼女もまれに見る
ナチュラルな筋肉の持ち主。
つまり素材がすごくいいんだ。
その上やる気もあるし・・・なんだけどね。


「ホンキで踊ろう!って時に、
オレの良さも彼女の良さも、
ちっとも活かされへんって、
何でやろう?」

グッタリ落ち込みながら、
本格的に(!?)悩み始めた、
ヒデ君が私に聞いてくる。
私は上記“勃発してきた潜在的問題”を
念頭に置きながら、
逆にヒデ君に尋ねたんだ。


「何を意識して踊ってるの?
彼女と踊るとき」


するとヒデ君、
チョイ得意げに、
「今はなぁ、
1に、ムーブ(カラダを動かすこと)
とにかく動きたいって思っているんや。
2に、フットワーク。
マーカスやミルコをみても、
フットワークがすごくきれいやから
メッチャ練習したんや。
3に、キレ。
スパスパって切れ味。
4に、ネックアクション・・」


そう言いながら、うれしそうに、
タンゴウォーク
(ちゃんとタンゴポジションも
取れるようになってきて、
フットワークも
いつの間にやら正しくできるようになってる)
リンク(豪快でスピーディを狙っている?
もちろん、
鋭い目つきでのネックアクションも)
を、私の前で
さも“見せ付けるように”やって見せるんだ。



私はソレを尻目にやや冷ややかに言った。

「彼女と踊るときに意識していることって、
それだけ?」



すると、
とってつけたように
「あ、イヤ、
5に、音楽
6に、相手・・・かな?」 




私が少々あきれた顔で、
何も言わないでいると、



「ん?この優先順位だと、
ヤバイ?」

とキョトン。

「だって、
オレが表現したいネンモン!」


「他の二人の時は、
ベテランさんやし、
気を遣ってるから、
彼女の時は『お互い思い切り踊ろう』って、
二人でそう言い合って・・・」




私は言った。
「で、結果、
二人とも思い切り踊れている? 
自分を表現できているの?」



「あ、イヤ・・・
ソレがデケヘンネン」

とヒデ君。



私は可笑しくなってきた。
で、ホントウにフフフって
笑ってしまったんだ。



すると
「ジュンコ先生、何が可笑しいの?」
チョイ怪訝そうな声のヒデ君。



で、私が
「彼女と踊っている時のヒデ君って、
こんなんよ・・・」
と、私はヒデ君を真似て
ウォーク・リンクを見せると


「え~!!ホールド、
そんなん!?」



私は、右肩を上げ、
左腕をズリ落とし、ヒジもダラリ。


「それに、
そんな 突っ込んでる?」




そう、いかにもッテ感じの
タンゴウォークをしながら、
突撃!って感じで踊って見せたんだ。



「わ~ホンマぁ? 
ココまで来てそんなひどいのん・・・
どうしよう!?」



へたり込みそうにびっくり&がっかりするヒデ君に
私はこう聞いたんだ。


「踊ってるとき、
彼女のこと、感じてる?」



ヒデ君、一瞬、

ギクッとなった様子で・・・



      続く 第545話へ



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