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チョット中休み エッセイvol.12 

スタート恐怖症になりたくない!

~タンゴでダンゴになりたくない!! ②~


グループレッスンの女性と
上手く踊れないとしょげる、ヒデ君。
時に、1歩も動けなくなるコトも多いという。
そう、スタートから思うようにならないんだ。

「なぁ、
オレが弱いからかナァ・・・
どうやったら、
女性を扱うことができるんやろ?」

の問いに


私はわざと少し怖い顔をしながら
こう答えた。
「女性を扱おうなんて
思っていたらアカンよ」


と、ヒデ君
「え?」
と言うような顔をして私を見つめ返す。


「女性は扱うもんやないよ。
一緒に踊るものよ。
コレは、女性に限らずだけど、
相手から扱われるなんて、
いやなものじゃない!?
扱おう、
ナントカしようと思えば思うほど、
かえって思うようにはならないでしょ?」


「そらそうや・・・」
ヒデ君、
何か思い当たることがあったのか
さらに真剣な表情になってきたんだ。

で、
「ジュンコ先生は、スタートの時、
女性に対してどうしようと思っているの?」

と聞いてくる。


「ん? あぁ、

“エスコート”よ」

と何気に答えるや


「エスコート?」
ビックリしたような声をあげ、
そして苦笑。

「エスコートか・・・
そんな、
こう高尚な気持ちあらへんわ(笑)
オレがスタート切るぞ、
オレがナントカするぞ、
オレが・オレがしか思ってないわ」



私は気持ちわかるナァって思いながらも
こうキッパリ。
「ソレでは、絶対に
上手いスタートができないよ」

で、
「スタートは女性がバック(後退)だから、
先に下がってもらえないと、
前進のもの、
この場合は男性だけど・・・は
絶対に上手いスタートが切れないのヨ。
だから、お先にどうぞって感じで、
エスコートするの」


すると、ヒデ君ちょっと考えてから
私の前に立ちホールドをし
「でもな、こんな感じで、
前に立たれたら、
どないして
エスコートすればええのん!?」

と言いながら、
スゴイ女性を演じ始めるんだ。
骨盤を広げ、太ももをこすりつけ、
で、左手をぐっと右手の下に差込み持ち上げ、
後ろにふんぞり返り、
しかも、ジーッとしたまま動く気配はナシ。


「あぁ、こういう人、いるよね」

私はそう言い、
でもいつものように、
コトモナゲにスタートを切り、
ウォーク、リンク、
クローズド・プロムナードにまで踊る・・・


すると、ヒデ君
「あれ?ナンデ?
何でそんな風に
平気でいられるの?」


で、
「ちょっと、もう一回やって」
と言いながら、
さっきよりもヒドイ女性・・・
ものすごくカラダを力ませた女性を演じつつ、
ドンと私の前に
邪魔するように立ちはだかる。


でも、私がさっきと同じように、
やって見せると、

「スゴイナァ。
うつってくるわ。
こっちまで力が抜けてくる」


そして、
「確かに
エスコートされているようや・・・」


で、チョイ不思議そうな表情をし、
「なんか、
合気道の時を思い出したわ。
すごく、スゴイ抵抗していても、
組むとなんか無抵抗にさせられて、
気が付けば、
相手のペースにはまってる・・・」



「アァ、そうそう、
そんな感じにしようとはしているよ。
絶対に

相手の“戦意”には

乗っていかない
わ(笑)

まぁ、ダンスの場合は、
戦意を持ってる人はいないんだけど、
踊ろう!組もう!とする気持ちが
空回りってコトが多いよね。
だから、まずは最初の段階で、
相手の“悪いところ”に
焦点を合わせないように、
そこで抵抗しあわないように気をつけてる
よ」


「え、どういう言うこと?」


「ガーッと力まれても、
こっちは力まないで超リラックス。
カラダ前面を不当に押し付けたり
擦り寄ったりしてこられても、
自分はソコから気を離す
・・・ように心がけているわ。
でも、逃げないで、正面から迎える。
逃げたら、
もっと追ってこられるから(笑)」


ヒデ君、ポカンとして聞きながら
「わぁ、武道のマスターみたいや。
ええな、そういうの」


で、
「なぁ、いったいどうしてるのん?
オレもそんなん
デキルようになりたい!」



「いいよ。
でも、もう一回踊るから、
私が何をしているのか探ってみてよ」


ってコトで、ヒデ君、
またまた女性役となり・・・


「さぁ、何したかわかるかな?」


「ウ~ン。
たぶん、
ものすごく力抜けてますね?」

なぜか、ヒデ君、
急に敬語を使いながらそう言い、

「合気道もソレは、
徹底していたからナァ、
ムッチャ力を抜くこと・・・
他には・・・なんや、ようわからんわ」



私は言った。
「実はそうなんよ。
アンマリ何をしているのか、
また、
されているのかってわからないはずなの。
だって、
相手に扱われたって思うほどにやったら、
もうやりすぎ・・・
即、失敗にむすびついていくからね(笑)」


「へぇ、だからか・・・
だから、

外から見ていてもわからない

ねんな」

と、DVDの中の
お師匠サンたちのことを思い出した模様。
で、改めて、

「でも、意識的にやってることは
やってるんでしょ?」



「もちろん」


「ウーン、その辺やな。
なぁ、教えてくれへん?
オレ、このままやったら、
スタートがトラウマになりそうや・・・」




どうも、アノ1年前の
ワルツ・デモのことを思い出した模様。
(第177話参照)



わたしは、真剣なヒデ君の顔を見ながら

「そうね。
一緒に踊りながら、やってみようか」



      続く 第541話へ



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