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エクササイズ&プラクティス集へ
特別シリーズ
社交ダンスを教えるということ vol.4
プロフェッショナルなダンス教師とは?
~カップルレッスン修行 ⑧~
コレだけはハッキリ言える、
当時の私は、
すでにダンス教師免許は持っていたし、
生徒サンを教えてもいたが、
まだまだ
“プロフェッショナル”
ってモンではなかった・・・。
それじゃぁね、
新米教師のジュンコから
現ジュンコ先生に質問しよう。
「先生にとって
“プロフェッショナル”とは?」
(アララ、ナーンか
こんな番組ありますよねぇ?)
「そうね・・・例え話ナンだけど
映画なんかの撮影現場で、
女優さんが
『喉が渇いたわ、水、ちょうだい』
と言ったとする。
すると、アル程度
“プロフェッショナル”なスタッフは、
グズグズせず、サッと、
その女優さんの好みの
ミネラルウォーターなりを差し出すでしょう。
でも、もっと上級の
“真のプロフェッショナル”になると
何も頼まれないのに、頃合を見計らい、
そのミネラルウォーターを
『どうぞ』ってな感じで手渡すわけ。
すると、女優さんがこう言うの。
『アァ、私、喉が渇いていたんだわ、
水を見て思い出した・・・ありがとう』
私が、ダンス教師として目指すのは、
後者の“真のプロフェッショナル” ね・・・
ってどういうことかわかるかな?」
「ハァ、なんとなく」
「OK、こういうことよ。
つまり、
本人さえも気付いていない
真のニーズ(求めているもの)を探し出し、
『あなたが欲しかったのはコレでしょ?』と、
差し出すことのできる人
ってことね」
「んんん?
ナンか深そうなお話ですが、
今回のお題、
ダンスのカップルレッスンシーンに
置き換えたらどうなるんでしょう?」
「ダンスのレッスンでは、
ニーズ(求めているもの)は
“問題”となって現われるの。
例えば、
“音楽をしっかりとってルンバを踊りたい”
というニーズは
“どうしても、1がとれず、
しょっちゅう音楽を外してしまう”という
問題として表出する(表面に出てくる)
ココまでは、わかるかな?」
「ハイ、なんとか」
「で、その問題は、
当の本人たちが
“ココができない、問題だ”
と思っている点と、
ホントウにできていない点
“真の問題”が
ズレている場合が多いの。
表面的なモンだと思っていたことが、
かなり深いところから
やってくる問題であることが多いし。
もっと言うなら、
カップルレッスンの中に見え隠れする問題は、
実はダンスでの揉め事のようで、
ソウじゃない。
ダンスの揉め事として表面化してきただけで、
ホントウの問題は
もっともっと深い
二人の関係性の問題から
やってきてるものがほとんどね。
言い換えれば
カップル・ダンスの中で二人が直面する困難は、
何かの象徴的な意味を持っているってこと。
それが何であるかを、
お二人に代わって察知し、意味を見出し
(当の本人たちは気付いていないことがほとんど)
ダンスのレッスンの中で
方向性を与えていき
深いところからの改善に努める・・・
それが真のダンス教師の
プロフェッショナルの仕事じゃないかと思うわけ」
「ナンかすごそうなお話ですけど」
「ジュンコちゃんには
まだ少々難しいかもしれないわね。
でも“象徴的なものの見方を学んでいく”には、
ダンスのカップルレッスンは本当に勉強になるわ」
「タイトル通り、
カップルレッスン修行ですね・・・」
「ソウね。
“プロフェッショナルの仕事”の
具体例は後で見ていくけれどもね、
おおざっぱに言えば、
例えばご夫婦のワルツのレッスンで
“スピンターンが上手くいかない”原因が、
二人からの“申告”では
“男性が引っ張る”
(奥様の言い分)
“女性がしっかり床を踏んでいない”
(ご主人の言い分)
だとする。
ところが、レッスンが進むにつれ
“ご主人はセッカチで、気短。
それにいつも奥様は
一生懸命合わせついていこうとする、
アリ方が問題”
と判明。
ソコを見抜きつつも、直接には触れず、
それぞれのスピンターンの
タイミングの取りかたを改善。
(この場合、二人とも音楽はほとんど
耳に入っていないだろうからね)
ご主人は落ち着いて音楽を聴き、
(と同時に奥様の様子も感じることができるだろう)
奥様は、
(ご主人に振り回されずに)
自分で音楽をとる
という風に指導をすると、
『ソウソウ、私たち、
こういうスピンターンを踊りたかったんです。
音楽もとっても良く聴こえて楽しいです!』
となって、めでたしめでたし・・・・」
「ワぁー、
そういうのができたら良いですね。
スピンターンが解決するだけでなく、
二人が仲良くなって、
(レッスンから)帰って行かれる様子が
浮かんできます」
「ソウ、ホントウに解決するべきは
スピンターンではなく、
ソコに見え隠れする
二人の関係性なの。
二人の持ってる潜在的な問題は
(ご主人のセッカチ・気短に、
いつも奥様が合わせてシンドイ思いをする)
スピンターン意外の部分にも、
いーっぱい同じような問題として現れてくるはず。
表面に現れるたびに、
忍耐強く解決していくことで
根本的な改善につながるかもしれないわ。
ご主人にユッタリと
落ち着くフィーリングが生まれ、
奥様を感じる余裕ができたり、
奥さんも、ご主人のことを気遣いすぎることなく、
まずは自分のことをちゃんとするようになる・・・
みたいな感じかな」
「ナンかダンスは単なる手段で、
ダンスが上手くなることを利用して
夫婦の問題改善を促すって感じなのかな?」
「そうね。
それも、
お二人にはできるだけ
気づかれないようにというか、
ダンスに集中していただきながら、
知らない間に・・・がベストね。
それこそ、
“プロフェッショナルの仕事”
カップルレッスンの醍醐味ね。
説教じみたモンはNGよ」
「ウーン、
人生経験、いりそう・・・
それに、テクニックも相当いりますね」
「では、今回の3カップルのケースで
お勉強してみましょうか。
(第489~494話)
それぞれとても特徴的なカップルだったのよ、
ジュンコさんが四苦八苦したカップルの方たちは・・・。
ソコからまとめてみましょね。
学習項目を以下の3つのタイプに
分けることができるの。
ソレは、カップルレッスンの対象が、
他人同士orご夫婦という分け方ではなく
① 二人どちらも自立できていない
依存関係にあるタイプ
(例 第489・490話のY氏とK子さん)
② 二人どちらも自立はしているが
相乗効果を生むにいたっていないタイプ
(例 第491・492話のO氏とE美さん)
③ 片方のみが自立
もう片方は依存しているタイプ
(例 第493・494話のT氏と奥様)
となるの。
ダンスをやっているカップルの多くが
上記①②③のどれかに属するのではないかしら?
ということで、
①②③の題材になるカップルをそれぞれ想定し、
具体的に“プロフェッショナルの仕事”としての
カップルレッスンを見てきましょう」
続く 第496話へ
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コレだけはハッキリ言える、
当時の私は、
すでにダンス教師免許は持っていたし、
生徒サンを教えてもいたが、
まだまだ
“プロフェッショナル”
ってモンではなかった・・・。
それじゃぁね、
新米教師のジュンコから
現ジュンコ先生に質問しよう。
「先生にとって
“プロフェッショナル”とは?」
(アララ、ナーンか
こんな番組ありますよねぇ?)
「そうね・・・例え話ナンだけど
映画なんかの撮影現場で、
女優さんが
『喉が渇いたわ、水、ちょうだい』
と言ったとする。
すると、アル程度
“プロフェッショナル”なスタッフは、
グズグズせず、サッと、
その女優さんの好みの
ミネラルウォーターなりを差し出すでしょう。
でも、もっと上級の
“真のプロフェッショナル”になると
何も頼まれないのに、頃合を見計らい、
そのミネラルウォーターを
『どうぞ』ってな感じで手渡すわけ。
すると、女優さんがこう言うの。
『アァ、私、喉が渇いていたんだわ、
水を見て思い出した・・・ありがとう』
私が、ダンス教師として目指すのは、
後者の“真のプロフェッショナル” ね・・・
ってどういうことかわかるかな?」
「ハァ、なんとなく」
「OK、こういうことよ。
つまり、
本人さえも気付いていない
真のニーズ(求めているもの)を探し出し、
『あなたが欲しかったのはコレでしょ?』と、
差し出すことのできる人
ってことね」
「んんん?
ナンか深そうなお話ですが、
今回のお題、
ダンスのカップルレッスンシーンに
置き換えたらどうなるんでしょう?」
「ダンスのレッスンでは、
ニーズ(求めているもの)は
“問題”となって現われるの。
例えば、
“音楽をしっかりとってルンバを踊りたい”
というニーズは
“どうしても、1がとれず、
しょっちゅう音楽を外してしまう”という
問題として表出する(表面に出てくる)
ココまでは、わかるかな?」
「ハイ、なんとか」
「で、その問題は、
当の本人たちが
“ココができない、問題だ”
と思っている点と、
ホントウにできていない点
“真の問題”が
ズレている場合が多いの。
表面的なモンだと思っていたことが、
かなり深いところから
やってくる問題であることが多いし。
もっと言うなら、
カップルレッスンの中に見え隠れする問題は、
実はダンスでの揉め事のようで、
ソウじゃない。
ダンスの揉め事として表面化してきただけで、
ホントウの問題は
もっともっと深い
二人の関係性の問題から
やってきてるものがほとんどね。
言い換えれば
カップル・ダンスの中で二人が直面する困難は、
何かの象徴的な意味を持っているってこと。
それが何であるかを、
お二人に代わって察知し、意味を見出し
(当の本人たちは気付いていないことがほとんど)
ダンスのレッスンの中で
方向性を与えていき
深いところからの改善に努める・・・
それが真のダンス教師の
プロフェッショナルの仕事じゃないかと思うわけ」
「ナンかすごそうなお話ですけど」
「ジュンコちゃんには
まだ少々難しいかもしれないわね。
でも“象徴的なものの見方を学んでいく”には、
ダンスのカップルレッスンは本当に勉強になるわ」
「タイトル通り、
カップルレッスン修行ですね・・・」
「ソウね。
“プロフェッショナルの仕事”の
具体例は後で見ていくけれどもね、
おおざっぱに言えば、
例えばご夫婦のワルツのレッスンで
“スピンターンが上手くいかない”原因が、
二人からの“申告”では
“男性が引っ張る”
(奥様の言い分)
“女性がしっかり床を踏んでいない”
(ご主人の言い分)
だとする。
ところが、レッスンが進むにつれ
“ご主人はセッカチで、気短。
それにいつも奥様は
一生懸命合わせついていこうとする、
アリ方が問題”
と判明。
ソコを見抜きつつも、直接には触れず、
それぞれのスピンターンの
タイミングの取りかたを改善。
(この場合、二人とも音楽はほとんど
耳に入っていないだろうからね)
ご主人は落ち着いて音楽を聴き、
(と同時に奥様の様子も感じることができるだろう)
奥様は、
(ご主人に振り回されずに)
自分で音楽をとる
という風に指導をすると、
『ソウソウ、私たち、
こういうスピンターンを踊りたかったんです。
音楽もとっても良く聴こえて楽しいです!』
となって、めでたしめでたし・・・・」
「ワぁー、
そういうのができたら良いですね。
スピンターンが解決するだけでなく、
二人が仲良くなって、
(レッスンから)帰って行かれる様子が
浮かんできます」
「ソウ、ホントウに解決するべきは
スピンターンではなく、
ソコに見え隠れする
二人の関係性なの。
二人の持ってる潜在的な問題は
(ご主人のセッカチ・気短に、
いつも奥様が合わせてシンドイ思いをする)
スピンターン意外の部分にも、
いーっぱい同じような問題として現れてくるはず。
表面に現れるたびに、
忍耐強く解決していくことで
根本的な改善につながるかもしれないわ。
ご主人にユッタリと
落ち着くフィーリングが生まれ、
奥様を感じる余裕ができたり、
奥さんも、ご主人のことを気遣いすぎることなく、
まずは自分のことをちゃんとするようになる・・・
みたいな感じかな」
「ナンかダンスは単なる手段で、
ダンスが上手くなることを利用して
夫婦の問題改善を促すって感じなのかな?」
「そうね。
それも、
お二人にはできるだけ
気づかれないようにというか、
ダンスに集中していただきながら、
知らない間に・・・がベストね。
それこそ、
“プロフェッショナルの仕事”
カップルレッスンの醍醐味ね。
説教じみたモンはNGよ」
「ウーン、
人生経験、いりそう・・・
それに、テクニックも相当いりますね」
「では、今回の3カップルのケースで
お勉強してみましょうか。
(第489~494話)
それぞれとても特徴的なカップルだったのよ、
ジュンコさんが四苦八苦したカップルの方たちは・・・。
ソコからまとめてみましょね。
学習項目を以下の3つのタイプに
分けることができるの。
ソレは、カップルレッスンの対象が、
他人同士orご夫婦という分け方ではなく
① 二人どちらも自立できていない
依存関係にあるタイプ
(例 第489・490話のY氏とK子さん)
② 二人どちらも自立はしているが
相乗効果を生むにいたっていないタイプ
(例 第491・492話のO氏とE美さん)
③ 片方のみが自立
もう片方は依存しているタイプ
(例 第493・494話のT氏と奥様)
となるの。
ダンスをやっているカップルの多くが
上記①②③のどれかに属するのではないかしら?
ということで、
①②③の題材になるカップルをそれぞれ想定し、
具体的に“プロフェッショナルの仕事”としての
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