2008.05.29 (第492話)社交ダンスを教えるということ vol.4 キョーレツ夫婦のカップルレッスン
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特別シリーズ
社交ダンスを教えるということ vol.4
キョーレツ夫婦のカップルレッスン
~カップルレッスン修行 ⑤~
始めは、
「夫婦なのに、どうして?」
と思っていたが、
そのうち、
「夫婦だから、アァなっちゃうんだ」
で、
「夫婦ならではのケンカなんだ」
そう気が付いてきた、私。
(結婚経験のナイ私には、
最初理解できんかった!?)
それほどまでにO氏とE美さんのケンカは、
一種独特でスゴイモノだったんだ。
O氏とE美さんはいつも、
レッスンの30分以上前にスタジオに現れて、
アップを始めるんだけど、
そのときから決まって
小競り合いが勃発するんだ。
その様子はモウまるで、
オウチの中での痴話げんか。
まぁ、当の二人にとっては、
オウチもスタジオも変わんないんだろうけどね。
で、ドンなんかって言うと・・・
人目もはばからず、
結構大きな声、
(ケンカの)内容がキツイ、
相手のココロをシッカと見抜いた
心理戦からなる“口撃戦”
オマケに、それらが、日常茶飯事、
イベント化しているフィーリング・・
といった感じよね。
それにしても、
ケンカ中の二人の出す雰囲気がデスよ、
なんとも気になるモノなんだな。
ものすごく憎しみあっているようで、
それでいて、なんだかコッケイで、
ソコまで言い合えるのは
“愛があるからでしょ?”とか、
まぁ、周囲にいるものの
色んな気持ちを触発してくるんだもの。
お二人のレッスンの前後に当たった生徒さんなど、
同じ空間に過ごすみんなは
いっつもソー言うモンを見せられるわけで、
たまったもんやないでしょ、と思いきや
みんな結構、
興味深そうな目で観察、なんよ。
まぁ、自分たちのことに
置き換えて見ているんだろうけどね。
「見たくないけど、気になって見ちゃう・・・」
ってなもんだわね。
さらにすごいのは、
レッスン本番になっても
そのまんまの状態が続くところなんだ。
オーバーヒート状態になると、
ワタクシ、先生の存在なんてナイのも同然
お二人だけのスペシャル空間に入り込んで、
飽きもせずに延々やりあう。
そして、
激しくぶつかり合いながらも、
相手のできていないところを鋭く指摘、
で、
“自分のことは棚にあげ”
お互いをレッスンし始めるんだ。
例えば、
E美
「だからぁ、
アンタのリードが早いから、
私がバランスをくずスンよ。
まだ、女性は、
体重乗ってないでしょ」
(ルンバ、アレマーナの女性の回転のところの話)
「ちょっと、やってみてよ」
(実際回転のところを二人で試してみて)
(大きな声で)
そーやん!
今のんやったら、エエねん」
O氏
「え~、オレ、何も変えてないで。
さっきからズーッとこうやってるよ。
オマエが勝手に変わったんヤロ。
しっかりとウォークしたから、
バランスとれたんや。
自分でやったことも覚えてヘンノンか!?」
E美
「またそんな、
人のこと老化現象みたいに言うて、
失礼やわ!
アンタこそ、
そんな意固地にならんでもええヤン。
自分がやったこと、認めぇや。
ホンマ、イヤナ性格・・・」
O氏
「性格悪いノンはお互いや。
オレはずっーとちゃんと同じことやってるよ。
何度も言うようやけど、
オマエが変えたんヤロ?」
E美
「それは違う!
変えたんはアンタや。
今はちゃんと、
女性の様子を見ながらフォローしてくれたヤロ?
男性は、1回リードしたら、
それに女性がちゃんと応えてるかどうか、
確かめながら
フォローしなあかんねんで
・・・ねぇ、センセ」
と、時折思い出したかのように、
私の方に視線が向けられる、
なんて始末。
フゥ~。
モウ、二人で、
好きにやってください!
ってことで、
「終わりマス」って言いたいことだけど、
まさかソレではアカンやろ。
レッスン代もらってるんだし、
何かしてあげないと・・・
なんてミョーナ責任感を持たされてしまい、
「そうですね、
でも、今のところは、
女性のルンバウォークが大切で。
もっとコウ一歩一歩
体重の乗りをはっきりと・・・」
などと、
トンチンカンなイランことを言ってしまっては、
墓穴を掘っちゃう。
ナンで、墓穴なんかというと、
O氏
「ソウヤロ、オマエ、
ちゃんと体重乗ったん感じてる?
ええカッコして、
ピヤーって回ろうとしてんやないの!?」
E美
「ええカッコしてって・・・
そういう、引っかかる言い方、
やめてくれる?
テクニックないのに、
カッコだけつけようとしているみたいヤンか」
そう、余計に二人の気持ちを
あおることになっちゃうんだ。
そして、
こんな風に“発展”してしまうコトも
O氏
「ねぇ、先生、彼女のアレマーナ
(に、対する意識)がそもそもおかしいんでしょ?
回ろう、回ろうとしてますもんね」
E美
「違いますって。
私が体重乗せる前に、
回そうとしてるのは、ドッチやノン!?
ねぇ、センセ」
つまりは、二人のうち
どちらが正しくて、
どちらが間違っているのか
白or黒の決断を、
先生である私に迫ってくるんだ。
今の私だったら、
ニコニコ微笑みながら二人を見守り、
二人の言い合いの中で、
矛盾している点を見抜き、
ソコをクローズアップ。
O氏が正しいとも、E美が正しいとも
直接的な発言はせず、
二人が目指す
最高のアレマーナって
モンに焦点を当て
第3案的なレッスン展開に持ち込む
んだろうけどね、
レッスンテクニックも、
実際のダンスのテクニックも
人生経験もゼンゼン足りない、
当時の私には無理ってモン。
どうにかこうにか言いくるめて、
あ~その場しのぎもいいとこ。
根はマジメなお二人、
一生懸命に耳を傾けてはくれるのだが、
モウ、次の瞬間には
(先生の意見など、
あってもなくても同じって感じで)
O氏もE美さんもまた、
新たなお互いの問題を探しに、
二人のスペシャル空間に舞い戻り・・・
気が付いたら、なにやら言いアッている。
ハァ~
ワタクシ、
レッスンの主導権を全くお二人にとられ、
先生のカタナシ状態だ。
このカップルは、ある意味特別で、
ご夫婦関係のカップルが
すべてこんなじゃないだろうが、
ナーンかね、それでも、
夫婦でダンスをやっていくという難しさの一端は
すごく感じ取ることができたんよね。
他人同士も難しいし
夫婦は夫婦で難しい
ゆえに、
ダンスにおける
パートナーシップは超難しい・・・
今から思えば、
よくまぁ来てくれてはったなぁって
チョイ不思議に思うほどの
O氏&E美夫妻のカップルレッスンは
それでも毎週続いてはいた。
私は相当なストレスを感じながらも、
一回一回のレッスンを大切に
ガンバルしか方法がなく・・・
そんな時、だった・・・
またまたあるカップルが目の前に登場!?
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始めは、
「夫婦なのに、どうして?」
と思っていたが、
そのうち、
「夫婦だから、アァなっちゃうんだ」
で、
「夫婦ならではのケンカなんだ」
そう気が付いてきた、私。
(結婚経験のナイ私には、
最初理解できんかった!?)
それほどまでにO氏とE美さんのケンカは、
一種独特でスゴイモノだったんだ。
O氏とE美さんはいつも、
レッスンの30分以上前にスタジオに現れて、
アップを始めるんだけど、
そのときから決まって
小競り合いが勃発するんだ。
その様子はモウまるで、
オウチの中での痴話げんか。
まぁ、当の二人にとっては、
オウチもスタジオも変わんないんだろうけどね。
で、ドンなんかって言うと・・・
人目もはばからず、
結構大きな声、
(ケンカの)内容がキツイ、
相手のココロをシッカと見抜いた
心理戦からなる“口撃戦”
オマケに、それらが、日常茶飯事、
イベント化しているフィーリング・・
といった感じよね。
それにしても、
ケンカ中の二人の出す雰囲気がデスよ、
なんとも気になるモノなんだな。
ものすごく憎しみあっているようで、
それでいて、なんだかコッケイで、
ソコまで言い合えるのは
“愛があるからでしょ?”とか、
まぁ、周囲にいるものの
色んな気持ちを触発してくるんだもの。
お二人のレッスンの前後に当たった生徒さんなど、
同じ空間に過ごすみんなは
いっつもソー言うモンを見せられるわけで、
たまったもんやないでしょ、と思いきや
みんな結構、
興味深そうな目で観察、なんよ。
まぁ、自分たちのことに
置き換えて見ているんだろうけどね。
「見たくないけど、気になって見ちゃう・・・」
ってなもんだわね。
さらにすごいのは、
レッスン本番になっても
そのまんまの状態が続くところなんだ。
オーバーヒート状態になると、
ワタクシ、先生の存在なんてナイのも同然
お二人だけのスペシャル空間に入り込んで、
飽きもせずに延々やりあう。
そして、
激しくぶつかり合いながらも、
相手のできていないところを鋭く指摘、
で、
“自分のことは棚にあげ”
お互いをレッスンし始めるんだ。
例えば、
E美
「だからぁ、
アンタのリードが早いから、
私がバランスをくずスンよ。
まだ、女性は、
体重乗ってないでしょ」
(ルンバ、アレマーナの女性の回転のところの話)
「ちょっと、やってみてよ」
(実際回転のところを二人で試してみて)
(大きな声で)
そーやん!
今のんやったら、エエねん」
O氏
「え~、オレ、何も変えてないで。
さっきからズーッとこうやってるよ。
オマエが勝手に変わったんヤロ。
しっかりとウォークしたから、
バランスとれたんや。
自分でやったことも覚えてヘンノンか!?」
E美
「またそんな、
人のこと老化現象みたいに言うて、
失礼やわ!
アンタこそ、
そんな意固地にならんでもええヤン。
自分がやったこと、認めぇや。
ホンマ、イヤナ性格・・・」
O氏
「性格悪いノンはお互いや。
オレはずっーとちゃんと同じことやってるよ。
何度も言うようやけど、
オマエが変えたんヤロ?」
E美
「それは違う!
変えたんはアンタや。
今はちゃんと、
女性の様子を見ながらフォローしてくれたヤロ?
男性は、1回リードしたら、
それに女性がちゃんと応えてるかどうか、
確かめながら
フォローしなあかんねんで
・・・ねぇ、センセ」
と、時折思い出したかのように、
私の方に視線が向けられる、
なんて始末。
フゥ~。
モウ、二人で、
好きにやってください!
ってことで、
「終わりマス」って言いたいことだけど、
まさかソレではアカンやろ。
レッスン代もらってるんだし、
何かしてあげないと・・・
なんてミョーナ責任感を持たされてしまい、
「そうですね、
でも、今のところは、
女性のルンバウォークが大切で。
もっとコウ一歩一歩
体重の乗りをはっきりと・・・」
などと、
トンチンカンなイランことを言ってしまっては、
墓穴を掘っちゃう。
ナンで、墓穴なんかというと、
O氏
「ソウヤロ、オマエ、
ちゃんと体重乗ったん感じてる?
ええカッコして、
ピヤーって回ろうとしてんやないの!?」
E美
「ええカッコしてって・・・
そういう、引っかかる言い方、
やめてくれる?
テクニックないのに、
カッコだけつけようとしているみたいヤンか」
そう、余計に二人の気持ちを
あおることになっちゃうんだ。
そして、
こんな風に“発展”してしまうコトも
O氏
「ねぇ、先生、彼女のアレマーナ
(に、対する意識)がそもそもおかしいんでしょ?
回ろう、回ろうとしてますもんね」
E美
「違いますって。
私が体重乗せる前に、
回そうとしてるのは、ドッチやノン!?
ねぇ、センセ」
つまりは、二人のうち
どちらが正しくて、
どちらが間違っているのか
白or黒の決断を、
先生である私に迫ってくるんだ。
今の私だったら、
ニコニコ微笑みながら二人を見守り、
二人の言い合いの中で、
矛盾している点を見抜き、
ソコをクローズアップ。
O氏が正しいとも、E美が正しいとも
直接的な発言はせず、
二人が目指す
最高のアレマーナって
モンに焦点を当て
第3案的なレッスン展開に持ち込む
んだろうけどね、
レッスンテクニックも、
実際のダンスのテクニックも
人生経験もゼンゼン足りない、
当時の私には無理ってモン。
どうにかこうにか言いくるめて、
あ~その場しのぎもいいとこ。
根はマジメなお二人、
一生懸命に耳を傾けてはくれるのだが、
モウ、次の瞬間には
(先生の意見など、
あってもなくても同じって感じで)
O氏もE美さんもまた、
新たなお互いの問題を探しに、
二人のスペシャル空間に舞い戻り・・・
気が付いたら、なにやら言いアッている。
ハァ~
ワタクシ、
レッスンの主導権を全くお二人にとられ、
先生のカタナシ状態だ。
このカップルは、ある意味特別で、
ご夫婦関係のカップルが
すべてこんなじゃないだろうが、
ナーンかね、それでも、
夫婦でダンスをやっていくという難しさの一端は
すごく感じ取ることができたんよね。
他人同士も難しいし
夫婦は夫婦で難しい
ゆえに、
ダンスにおける
パートナーシップは超難しい・・・
今から思えば、
よくまぁ来てくれてはったなぁって
チョイ不思議に思うほどの
O氏&E美夫妻のカップルレッスンは
それでも毎週続いてはいた。
私は相当なストレスを感じながらも、
一回一回のレッスンを大切に
ガンバルしか方法がなく・・・
そんな時、だった・・・
またまたあるカップルが目の前に登場!?
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