2008.05.25 (第488話)社交ダンスを教えるということ vol.4 ダンスのカップルって不思議!?
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特別シリーズ
社交ダンスを教えるということ vol.4
ダンスのカップルって不思議!?
~カップルレッスン修行 ①~
今から思えば、
ソラソーヤンって十分理解できるけど
新人教師だった頃の私にしたら
「へえ~!?そうナンすか?」
ってモンの一つに
「ダンスのカップルって、
ほとんどご夫婦だと思ってました」
というのがあるんだな。
初めてそのことを、お師匠サンに言ったとき、
「そんなわけナイがな。
ソウ(夫婦)じゃないケースなんて
いっぱいある」
とチョイ呆れ顔されちゃったけどね。
私は、
「フーンそうなんだ」では収まらない、
何かしらの
違和感を持ったものなんだ。
そんな私の心を感じ取ってか、
お師匠サンは言った。
「自分らかってそうヤロ?」
(自分たちだってソウだろ?)
大学卒業して間がナイ当時、
リーダーであったニヒル君とまだ結婚していなかった
「競技に出てるカップルでも、
夫婦やないのは、いっぱいオル」
ウ~ン、
学連みたく若いカップルで
「競技会目指して、ペアになってます」
ってのなら、
そりゃアリだとわかるんだけど。
だってね、たった今、
見学に来られ、
そのまま入会されたお二人なんて、
ダンス界事情ナンテ
知りマセーンという立場のモンからみれば、
フツーに
「仲の良さそうなご夫婦ね」
って感じなんだもん。
歳は・・・お二人とも、
そうね50チョイかな?
シックな感じの服装の好みまで
ぴったりでいい感じだ。
レッスンを見学しながら、時折小さな声で
何やら言葉をかけあっているその様子は、
ナカナカ熱心で
ダンス好きなご夫婦でんな~って雰囲気で。
「あんなカップル
(夫婦かな?って思わせるシックリくるカップル)
の人は、ギョーサンおるで。
別に珍しいコト、あらへん」
「競技会に出るためのカップルだけやなく、
ただ一緒に練習をして、
というカップルもたくさんおるな。
さっきの人らなんかは、そうヤロ」
と、コトもなげにお師匠サンは言う。
で、私がまだ
腑に落ちない顔をしているのを見るや
「大丈夫や。
それぞれに、ちゃんとした奥さんや、
ご主人もいたはるケースがほとんどや」
そして
「まぁ、色んなカップルがオル。
教えてみたらソノ辺も勉強になるヤロ」
誤解のないように言っておくと、
私は何も
「イヤァ、アノ人らどんな関係ヤロ?」
的に勘ぐるような、
やましい想像をしていたわけでも、
各自のご夫婦が
潜在的な危機的状況を迎えていて、
(もしそれぞれに配偶者がいるならの話)
そのストレス発散のために
ダンスなんてやっちゃっているの?!
ってな、発想からクル
違和感を持ったのでは、ナイ。
もっともっと単純に、
こんな風に感じたんだ・・・と思う。
そんな大変なこと
よくできるなぁ・・・
つまり
「夫婦や恋人とやってもしんどいこと
(カップルとして存続していくこと)を、
ワザワザ、好んで他人とやっていくなんて、
すごいン違うの?」
言うなりゃ、ズバリ
“パートナーシップ”
ってものに対する
不可思議さを感じたんだろうね。
だからといって
「夫婦のようにツーカーで、心底、
カラダも心も許し信じあえる相手でないと、
ダンスなんて、
極めれば極めようとすればするほどに、
大変なんじゃ?」
って、エラク突き詰めて考えていたわけではない。
ホンマ、単純に
夫婦・恋人・学連のような
スポーツ的発想のペア以外に、
“ダンスの時だけのカップル”
という関係性が、あったんだ!?
ッてことを知り、驚いたんだと思うんだ。
まぁイヤ、
新しい価値感ってヤツに目覚めたってこと。
ムムっ、
ダンスって思った以上に深そうだ・・・。
さっき帰られたばかりのカップルの
ラブラブとも、
ホンワカとも違う
独特のムードを思いだしながら、
「何年くらい、
カップルやってはるんかなぁ?」
などとボーっと考えていると
お師匠サンから声がかかった。
「さっきのカップル、
オマエさんがレッスンしてみるか?」
「え?どなたかの指名で来られたんじゃ?」
「イヤ、全くの一見(いちげん)さんや。
男性のほうが、
ココで習ってみたかったいうことで、
新しいパートナーを連れてきたらしいわ」
「新しいパートナー?」
「フン。
今までそれぞれが、
違う相手と練習をしていて、
二人ともがソノ相手と解消したらしい」
へぇ~サラに深そう、
ややこしそう、
面倒くさそうなお話・・・。
「ココのスタッフやったら、
誰でもエエからレッスン受けてみたい、
言うことやった」
ソレってたぶん、また、
お師匠サンのブランドの力によるモンだろう。
でも、そんなんやったら、
私なんかがレッスンすることで、
教室の顔、つぶしたらアカンヤンと、
気弱になってきて
「え、でも・・・」
と抵抗を見せるや
「さっき(カップルを)応対していた
Sちゃん(兄弟子さんのパートナーの名前)に
(レッスンを)やってもらおうと思ってたけど、
Sちゃん、予約がキツイ状況みたいやったから、
ちょうどエエワ」
オマエさんは、
まだまだヒマやろしと、
勝手に決め付けているようなんだけどね。
まぁ確かにソウだけど・・・
いつものように、
お師匠サンはこの辺はムチャゴーインなんだ。
さっさと受話器を持ってS先生に話をし、
「さっきのカップル、
ジュンコさんに、レッスンさせるわ・・・」
そして、承諾をもらうや、
サッパリした表情で
「あのカップルにも、
(私が担当することを)
ちゃんと話をしてあげるから、
1回目のレッスンの時に」
ナーンにも心配するなという、ムード。
もう、逃げられないってな雰囲気に、
私は、観念し
「あのぉ、いつですか?
1回目のレッスンって」
と聞くや、
「16日の夜8時・・・
アァ、ナンや、明日や」
って、なーんか
ワザとらしく驚いてますけど、
最初からわかってたん違いますノン!?
「オマエさん、時間大丈夫か?」
「ハァ・・・」
「良かった。
まぁ、まだ初心者っぽい感じやし、
(レッスン)やりやすそうな人たちやから、
やってみ。
なんでも勉強や」
「・・・」
「何や、まだ心配か?」
の問いに
「だって、ちゃんとした
カップルレッスンって、
やったことがナイし」
という言葉を飲み込んだ私。
厳密に言うと、
生まれて初めてのレッスンはご夫婦だったんだけどね
・・・あの初回撃沈のにがーい思い出。
(第272話参照)
それ以後は、初級の方の個人レッスンが多く、
しかもソノほとんどが女性なため
正真正銘のカップルレッスンは、
コレが初めてだったんだ。
ソンナコンナの思いに関係なく
翌日の夜8時はすぐにやってきてしまったんだ。
そのカップルは、ニコニコ顔でやってきた、
昨日と違って両手に大きなかばんを提げて。
あの中には、着替えやら、靴やら、
モロモロのレッスングッズが
たくさん入ってるんよねぇ、きっと。
ハァ~・・・
私はイヤーな緊張を始めていた。
お師匠サンが丁寧な口調で、
S先生から私への
担当教師のチェンジを申し渡したが
何も問題なくOKをいただく。
「まだまだ初心者ですが、
どうぞヨロシクお願いします」
深々と頭を下げられ恐縮だ。
少しだけ気が楽になった自分を感じての
レッスンスタート!だったんだが・・・。
思えばこのときが、
新人教師のカップルレッスン修行の
幕開けだったんだ。
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ダンスのカップルって不思議!?
~カップルレッスン修行 ①~
今から思えば、
ソラソーヤンって十分理解できるけど
新人教師だった頃の私にしたら
「へえ~!?そうナンすか?」
ってモンの一つに
「ダンスのカップルって、
ほとんどご夫婦だと思ってました」
というのがあるんだな。
初めてそのことを、お師匠サンに言ったとき、
「そんなわけナイがな。
ソウ(夫婦)じゃないケースなんて
いっぱいある」
とチョイ呆れ顔されちゃったけどね。
私は、
「フーンそうなんだ」では収まらない、
何かしらの
違和感を持ったものなんだ。
そんな私の心を感じ取ってか、
お師匠サンは言った。
「自分らかってそうヤロ?」
(自分たちだってソウだろ?)
大学卒業して間がナイ当時、
リーダーであったニヒル君とまだ結婚していなかった
「競技に出てるカップルでも、
夫婦やないのは、いっぱいオル」
ウ~ン、
学連みたく若いカップルで
「競技会目指して、ペアになってます」
ってのなら、
そりゃアリだとわかるんだけど。
だってね、たった今、
見学に来られ、
そのまま入会されたお二人なんて、
ダンス界事情ナンテ
知りマセーンという立場のモンからみれば、
フツーに
「仲の良さそうなご夫婦ね」
って感じなんだもん。
歳は・・・お二人とも、
そうね50チョイかな?
シックな感じの服装の好みまで
ぴったりでいい感じだ。
レッスンを見学しながら、時折小さな声で
何やら言葉をかけあっているその様子は、
ナカナカ熱心で
ダンス好きなご夫婦でんな~って雰囲気で。
「あんなカップル
(夫婦かな?って思わせるシックリくるカップル)
の人は、ギョーサンおるで。
別に珍しいコト、あらへん」
「競技会に出るためのカップルだけやなく、
ただ一緒に練習をして、
というカップルもたくさんおるな。
さっきの人らなんかは、そうヤロ」
と、コトもなげにお師匠サンは言う。
で、私がまだ
腑に落ちない顔をしているのを見るや
「大丈夫や。
それぞれに、ちゃんとした奥さんや、
ご主人もいたはるケースがほとんどや」
そして
「まぁ、色んなカップルがオル。
教えてみたらソノ辺も勉強になるヤロ」
誤解のないように言っておくと、
私は何も
「イヤァ、アノ人らどんな関係ヤロ?」
的に勘ぐるような、
やましい想像をしていたわけでも、
各自のご夫婦が
潜在的な危機的状況を迎えていて、
(もしそれぞれに配偶者がいるならの話)
そのストレス発散のために
ダンスなんてやっちゃっているの?!
ってな、発想からクル
違和感を持ったのでは、ナイ。
もっともっと単純に、
こんな風に感じたんだ・・・と思う。
そんな大変なこと
よくできるなぁ・・・
つまり
「夫婦や恋人とやってもしんどいこと
(カップルとして存続していくこと)を、
ワザワザ、好んで他人とやっていくなんて、
すごいン違うの?」
言うなりゃ、ズバリ
“パートナーシップ”
ってものに対する
不可思議さを感じたんだろうね。
だからといって
「夫婦のようにツーカーで、心底、
カラダも心も許し信じあえる相手でないと、
ダンスなんて、
極めれば極めようとすればするほどに、
大変なんじゃ?」
って、エラク突き詰めて考えていたわけではない。
ホンマ、単純に
夫婦・恋人・学連のような
スポーツ的発想のペア以外に、
“ダンスの時だけのカップル”
という関係性が、あったんだ!?
ッてことを知り、驚いたんだと思うんだ。
まぁイヤ、
新しい価値感ってヤツに目覚めたってこと。
ムムっ、
ダンスって思った以上に深そうだ・・・。
さっき帰られたばかりのカップルの
ラブラブとも、
ホンワカとも違う
独特のムードを思いだしながら、
「何年くらい、
カップルやってはるんかなぁ?」
などとボーっと考えていると
お師匠サンから声がかかった。
「さっきのカップル、
オマエさんがレッスンしてみるか?」
「え?どなたかの指名で来られたんじゃ?」
「イヤ、全くの一見(いちげん)さんや。
男性のほうが、
ココで習ってみたかったいうことで、
新しいパートナーを連れてきたらしいわ」
「新しいパートナー?」
「フン。
今までそれぞれが、
違う相手と練習をしていて、
二人ともがソノ相手と解消したらしい」
へぇ~サラに深そう、
ややこしそう、
面倒くさそうなお話・・・。
「ココのスタッフやったら、
誰でもエエからレッスン受けてみたい、
言うことやった」
ソレってたぶん、また、
お師匠サンのブランドの力によるモンだろう。
でも、そんなんやったら、
私なんかがレッスンすることで、
教室の顔、つぶしたらアカンヤンと、
気弱になってきて
「え、でも・・・」
と抵抗を見せるや
「さっき(カップルを)応対していた
Sちゃん(兄弟子さんのパートナーの名前)に
(レッスンを)やってもらおうと思ってたけど、
Sちゃん、予約がキツイ状況みたいやったから、
ちょうどエエワ」
オマエさんは、
まだまだヒマやろしと、
勝手に決め付けているようなんだけどね。
まぁ確かにソウだけど・・・
いつものように、
お師匠サンはこの辺はムチャゴーインなんだ。
さっさと受話器を持ってS先生に話をし、
「さっきのカップル、
ジュンコさんに、レッスンさせるわ・・・」
そして、承諾をもらうや、
サッパリした表情で
「あのカップルにも、
(私が担当することを)
ちゃんと話をしてあげるから、
1回目のレッスンの時に」
ナーンにも心配するなという、ムード。
もう、逃げられないってな雰囲気に、
私は、観念し
「あのぉ、いつですか?
1回目のレッスンって」
と聞くや、
「16日の夜8時・・・
アァ、ナンや、明日や」
って、なーんか
ワザとらしく驚いてますけど、
最初からわかってたん違いますノン!?
「オマエさん、時間大丈夫か?」
「ハァ・・・」
「良かった。
まぁ、まだ初心者っぽい感じやし、
(レッスン)やりやすそうな人たちやから、
やってみ。
なんでも勉強や」
「・・・」
「何や、まだ心配か?」
の問いに
「だって、ちゃんとした
カップルレッスンって、
やったことがナイし」
という言葉を飲み込んだ私。
厳密に言うと、
生まれて初めてのレッスンはご夫婦だったんだけどね
・・・あの初回撃沈のにがーい思い出。
(第272話参照)
それ以後は、初級の方の個人レッスンが多く、
しかもソノほとんどが女性なため
正真正銘のカップルレッスンは、
コレが初めてだったんだ。
ソンナコンナの思いに関係なく
翌日の夜8時はすぐにやってきてしまったんだ。
そのカップルは、ニコニコ顔でやってきた、
昨日と違って両手に大きなかばんを提げて。
あの中には、着替えやら、靴やら、
モロモロのレッスングッズが
たくさん入ってるんよねぇ、きっと。
ハァ~・・・
私はイヤーな緊張を始めていた。
お師匠サンが丁寧な口調で、
S先生から私への
担当教師のチェンジを申し渡したが
何も問題なくOKをいただく。
「まだまだ初心者ですが、
どうぞヨロシクお願いします」
深々と頭を下げられ恐縮だ。
少しだけ気が楽になった自分を感じての
レッスンスタート!だったんだが・・・。
思えばこのときが、
新人教師のカップルレッスン修行の
幕開けだったんだ。
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