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特別シリーズ 
社交ダンスが教えてくれたこと 人間美学そして哲学vol.4 

なぜかダンスが上手くならない

・・・ボランティア精神


目指せ!?究極の自己チュウダンス ③


ダンスが上手くなりソーで
なぜかならないタイプの2番目
自分のことより、相手に尽くすタイプ

ある生徒さんを例に挙げてみてみよう。 
男性Aさん。
ボランティア(無償の奉仕活動)精神旺盛な、
とっても良い人だ。
ダンスにおいても、
一緒に踊る女性を楽しませてあげたいとガンバル。
汗をかきながら
一生懸命リードしているって感じなんだ。
外から見ている限りでは、
そんなにムードも悪くはナイ。

ところが、
「もっとリードが上手になりたい」
とレッスンを受けに来たAさんと
一緒に踊ってみてビックリ。
女性側からすれば、
楽しませてもらっているどころか、
「ハッキリ言って、
チョイ迷惑なんですけどぉ」
って人が多いんじゃない!?
という感じなんだ。

なぜか?
まず、どの種目においても、

女性にいろんなフィガーを

ジャンジャン仕掛けてくる

音楽をユッタリ感じて・・・
なんてしてる間もないくらい、
めまぐるしく変化するんだ。
リードの感触も、
ウーン、ソレはやりすぎでしょ?
なんだよナァ。
よっぽど自主的に踊らない
女性とばっかり踊ってきたのか、
メッチャ、手取り足取り、
面倒をみてあげるってムードなんだ。
ソレでいて、
女性が本当に
「ココをこうやって欲しい」
という感覚からはズレている。
つまり的確なリードではないわけ。
カラダの中からやってくるリードでは決してないため、
心地よくも、ナイ。
ソレより何より、一番気になったのが
「僕が、あなたを動かしてあげますよぉ」
の気持ちが伝わってくること。

うーん、コレって、
あんましうれしくないもんなんだな。
ナゼって、

女性だって自分自身の

“ボディ”で踊りたい
んだもの。

必要以上はかまって欲しくないわけ。
それに、かまいすぎたら、
相手の依存心を引き出してしまいかねないよ。
お互い、自立した関係をつくってこその、
リード&フォローなのに・・・ね。

ただ不幸なことに、
Aさんは、ソンナコンナに全く気がついていない。
「きっと女性に喜んでもらえているだろう」
「コレだけ尽くしてるんだから、
楽しんでもらえているはずだ」

って、そりゃぁ錯覚ってモンでしょ?
を地でいってるんだな。

そして、チョイ怖いことに
「アレをやってあげよう、
コレをやってあげよう」

のダンスは同時に
「相手が喜んでくれないと、踊りがいがない」
「コレだけしてあげているのに、つまらない」

と見返りを求めるフィーリングも育ちやすいんだ・・・・。


さてさてAさん、ナゼ、
こんなダンスになってしまっているのか?
さっきもチョイ書いたけれど、
カラダの中を使っていない・・・というか
相手のことばかりに気を取られて、
自分自身のダンスが
ほとんどお留守になっているんだな。
インナーマッスル?そんなモン、あるの?
動いてるかどうかなんて、興味はないし、
ちっともわかんない、ってな感じ。
興味の対象は「相手へのリード」であり
「相手に楽しませ、喜んでもらうこと」であり
「自分を楽しませ、喜ばせて」ってことでは、
ないんだな。

Aさんいわく
「いやぁ、お相手の女性が喜んでくれることが、
私の喜びでしてね・・・」


うーん、ずれちゃってるんだよナァ。
ナンでズレるのかっていうと、
ズバリ、

自分を楽しませたり

喜ばせたりすることがないから

相手にしてあげるコトも

ドーしてもズレちゃう


ってことなんだ。
ダンスって、男性と女性、
リードとフォロー・・って立場は変わっても、
人のカラダとしては一緒ナワケ。
どうしてもらったら、
楽しいか、気持ちいいかというのも、
究極は同じだと思うのよね。
だから、自己の“快感開発”が遅れてる人は、ご用心。
相手にも、知らず知らず
「ね、楽しいでしょ?気持ちいいでしょ?」
っていいながら、相手からしたら
「オイオイ、それは違うでしょ!?」
ってなことを、やり続けている可能性は高いんよ。


さてさて、お次は女性Bさん
コチラ、
「相手の男性に楽しんでいただけるように、
一生懸命フォローします」

というタイプなんだな。
一緒に踊ってみると、なるほど、
「あなたについていきます」
って気持ちはすごく伝わってくる、
が、自分からは動こうとは、し・な・い。
例えば、
「ハイ、これからワルツを踊りますよ」
となって、ホールドしても、
「大丈夫かナァ?踊る気あるのかナァ」
と、男性からしたら不安になってくるくらい、
ジーッとしてる。
なんとか、スタートし踊り始めても
お人形さんと踊ってるみたいで
つまんなくなってくるんだな。
「それじゃ、楽しくないでしょ」
「もっと、自分を出していいのよ」
と言っても
「男性の方に迷惑がかかってはイヤなので」
ってな感じ。

私、その言葉を聞いて、
「アーラ、コレはエライことやナァ」
って思いましたモンね。
なぜって、迷惑がかかってはイヤと言いながら、
反対に、
相手さんにご迷惑なことばっかりデスやん!?
って感じなんだもん。
具体的に言えば、
まず、ホールドが硬い。
しっかりひじを張って
きれいにカタチは整っているが、
男性の腕に添わないため、すごく違和感があるし、
そのまんま動かないため、結局重く感じるんだ。
なぜかと探ってみれば
「だって、男性の腕に
重みを乗せてはいけないでしょ?」

ってんで、しっかりとひじを張って、
なんとワザと固めてるようなんだ。
他にも、おかしな顔の向き・・・も、そう。
エラク左を向くんだな。
「アンタなんか嫌いよ」
ってそっぽを向いているみたいで、
一緒に踊っていてすごく気になるんだ。
でも、本人に聞くと、
「顔が近いと(男性に)悪いと思って、
一生懸命、左を向いていました」

アララ・・・
そんでもって、
例えばジルバ・ルンバ・チャチャチャ
・・でリードを仕掛けると、
とにかく急いでタッタタッタ踊るんだ。
ナニをそんなにあわててるの?と聞くや
「リードが分かったら、
早く動いてあげないといけないと思っていました」


この方も上記男性Aさん同様、
「自分の楽しみ、喜び」をある意味放棄してまで、
相手のことに気を遣う。
デモ、やっぱりズレちゃんだな。
「あなたが楽しくないと、
男性も楽しくないのよ」
「女性ももっと踊っていいのよ、
自分でしっかり音楽を聴いて。
男性にとってもその方がいいのよ」
と、アドバイスしても
「でも、そんなことをして
相手に嫌われないでしょうか?」
「勝手に踊る、
嫌なヤツだって思われたくないんです」

ウーン、その気持ちは
すごくよく分かるけどネェ。

多くの女性が同じ気持ちを持っているかもしれない。
でも、ハッキリ言おう。
「自分の表現をして踊ったら
男性から嫌がられるかもしれない」
という“恐れ”を乗り越えていかないと、
あなたのダンスは自分のものではない。
いつまでたっても、相手のモノのままなんだ。



本当に、ココロから
相手に迷惑をかけたくない
相手を楽しませてあげたい
相手に喜んでもらいたい
と、願うなら、

あなたがもっとダンスを知って

自分自身のダンスを楽しむこと、

ダンスの中で自分自身を喜ばすこと・・・


それが何より重要なんだ。
すると、うれしいことに、
「あ、ホントウだ。
私はわたしの楽しみのためだけに踊っているのに、
目の前の相手も楽しんでくれている!」
って時が、必ずやってくるからね。


では次回
3. 自分を後回しにして、相手に譲る
タイプの人の、問題点を探ろう。



      続く 第447話へ



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