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特別シリーズ 
社交ダンスが教えてくれたこと 人間美学そして哲学vol.4 

なぜかダンスが上手くならない

・・・謙虚な人


目指せ!?究極の自己チュウダンス ②


生徒さんの中で、
「すごくダンスが上手くなりそうなのに、
なぜか、行き詰ってしまう」
って、タイプがあってね、
先生としては、先入観を持っちゃぁいけないから、
「あ、この方、また例のタイプかな?」
なんて、
統計学的分類はしないように努めているんだけど
やっぱり、伸び悩んじゃう・・・
って、どんなタイプかって分かります?

それはねぇ、例えば
自分に対してすごく謙虚で
「イヤァ、私なんてまだまだ、あきませんわ」
を、地で行くようなタイプ
や、
「コレ、やってあげましょう。
アレ、やってあげましょう」

と、自分のことはほっておいてでも、
相手に尽くしたいボランティアタイプ
さらに、
「私は結構ですから、あなたがどうぞ」
と、自分の気持ちを後回しにし、
相手にドンドン譲っちゃうタイプ。

マァ、まとめて言えば
世間一般的に

「アノ人、良い人やねェ」

って、タイプの人が、意外やイガイ
ある一定以上、
ダンスが上手くならないってことが多いんだ。


え!? 
ってことはアレですかい?
“嫌なヤツ”ほうが、
ダンスが上手くなるって先生は言いたいんですか?
例えば、
「どぉ?俺、上手くなっただろ!
この間の競技会で優勝したんだぜ!!」

って、自己顕示バリバリタイプや、
何をスルにも
「なんで、アンタの“ため”に
やってあげなきゃダメなのよ。
私は、自分のやりたいようにやるわよ」

超わがまま、身勝手タイプや
われ先、われ先と、道を肩で風を切って歩く
他人のことなんてどうでも良い、
自分さえ良ければ、ってタイプの人間のほうが
ダンスが上達する・・・って!?
そんナァ、バカな。


てな、反論があってしかるべき、なんだけど、
それに答えるとするならば、こう言うだろうね。

「いや、そういう人は前号(第444話)で話した、
“中途半端な自己チュウ”に
属する人たちみたいなモンであり、
ヤッパ、ダンスが上手くなるということは、ない」


それなら、
一体ドンナ人たちが、
ダンスが上手になっていくタイプなのか???
・・・とあわせて、
どうして世間一般的に「アノ人、良い人やねェ」
な人が、伸び悩んじゃうかについて考えてみよう。

上手くなりソーでならない
3タイプを整理するとこうなる。

1. 自分に対して非常に謙虚
2. 自分のことより、相手に尽くす
3. 自分を後回しにして、相手に譲る


実際、コウなっちゃうとき
それがどんなシーンでのお話なのか、
また、その度合いはどうかによって
変わってくることなんだけど、
おおざっぱに言っちゃえば
このタイプの人たちの多くは、
自分をあるがままに見ていない
つまり、
自分のことが良くわかっていない
・・・そんな感じがするんだな。
それゆえ、
自分を喜ばしてあげることや
自分の期待に応えてあげることに、
あんまし意欲がなく、
また、その勇気がナイ
って感じもする。
いや、自分を喜ばしたり、
期待に応えるなんてことに、
それほどの
必要性も持っていない

だから、改めてソレ
(自分を喜ばしたり、期待に応えたりしているか?)
と問われたところで、
どうやってすれば良いのか、分からない
・・・って感じじゃないかナァ。


では、ひとつひとつチョイ詳しく見ていこう。
まず、
1の“自分に対して非常に謙虚”
な生徒さんのレッスン中
「○○さん、ずい分、上手くなりましたねぇ」
と声をかけても、
「イヤイヤ、まだまだ、全然・・・」 
必要以上に打ち消し始め、
「違うのよ、
お世辞で言ったんじゃなくて、
ホントウよ」
と、伝えるために、より具体的に
「ナチュラル・ターンに
良いスイングがかかるようになりましたね」
と告げ、
「それでは、次に・・・」
と先の課題に進めようしても
「いやいや、先生、
私はまだナチュラル・ターンで十分です。
コンナのは、できたうちに入りません」

ってな感じで、頑として聞き入れない。
で、
「他に、何か習いたい種目はないですか?」
と方向を変えようとしても、
「ワルツの基礎もろくにできないのに、
まだまだ無理です」


ウーン、
ソウじゃないんだけどナァって、
思っちゃう。
コッチとしては、もっとイロイロ体験して欲しいし、
そうでないと、妙なこだわりを生んじゃって、
結果、ワルツも
ドンヅマリになるってことなんだけどナァ。
それに、どうも○○さんの
“本心”も伝わってこないんだ。
ホントは、
「ワルツ意外にも、
タンゴやルンバだってやりたいんだけどナァ」
じゃないの?って思っちゃうんだ。
それに、チョイ怖い話なんだけど
「自分はダンス、下手なんですわ。
あきません、
もうどうしようもありません、歳ですし」

ってなことを、
口癖にしている人は、
実際そうなっていっているしね・・・

私、思うに“謙虚”って
「さぁ、これから謙虚な人間になるぞ!」
ってな、意志でできるものではない
と言うか、
謙虚にならねばと思って、
無理やりやってもメッチャ不自然だと思うんだ。

じゃ、どんなんが
“ナチュラルでカッコイイ謙虚”かって言うと
まず、
ちゃんとした、

自尊感情を持っていて

(=自分をちゃんと
認めてあげるプライドみたいなもん)

その目で正しく自分を評価できる

次に、

“自分の目指しているものは何か”

を知っている


で、その到達点から見て

“今、自分はどの時点にいるのか?”

がわかる


その上、
宇宙の摂理のような大いなるものを感じていて、
(ダンスで言うなら
重力の元に支配されているカラダの仕組みかな)
自分ではどうしようもないモンがある、
つまりは、

自分の限界を知っている・・・

となれば、
謙虚にならざるを得ないって思うんよね。
だから、真の謙虚って、
プライドと対立はしない・・・
ゆえに、不自然ではない、
見ていてスカッとカッコイイ!謙虚に感じるんだ。


ってことで
不自然謙虚な○○さんが
“ナチュラルでカッコイイ謙虚”に変身したら
・・・の会話。
「○○さん、ずい分、上手くなりましたねぇ」

「ありがとうございます。
うれしいです」


「ナチュラル・ターンに
良いスイングがかかるようになりましたね」

「ソウですか。
自分でも大きく動けるように
なったナァとは思っていたのです。
そういえばカラダの内側が動いてきたような・・・
少し自信がついてきました。
もっと、音楽に乗って
踊れるようになりたいですねぇ」


「では、もっとスイングの勉強ができる
新しいアマルガメーションに挑戦してみましょうか」

「ハイ!がんばります」

ってな感じ。

また、自分の気持ちも素直に汲み取れるかもしれない。

「ワルツが好きで上手くなりたいのですが、
他の種目も気にはなります。
とくに、ラテンは興味がありますが、
自分にできるかどうか不安です」


「では、ルンバのベーシックをやってみましょうか。
インナーマッスルを目覚めさせることで、
ワルツにも良い影響が出ますよ」

ってな感じで、
先生のもっている

“財産”を良い意味で

共有できるようになる


んだな。
教えるものと教わるもの、
それぞれが
“出し合って、与え合って”いける世界を築くことで、
ダンスは上手くなっていくんだ。


おっと、話が長くなっちゃったけど、次は、
2. 自分のことより、相手に尽くす
タイプの人の、問題点を探るね。



      続く 第446話へ



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