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特別シリーズ 
社交ダンスを教えるということ vol.3 

グループレッスン、再生

~グループレッスンの怪⑤~



お師匠サンのいない、
一人グループレッスンの2回目、
私は会場に着くとすぐに
レッスンで取り上げる
アマルガメーションを白板に書き出したんだ。
たったコレだけで、
頭の中が整理でき始める不思議、
を感じながら・・・

そして、シャドウでチェック。


さて、ソウコウするうちに、
続々と生徒さんが到着だ。
先週、サンザンなレッスンをしたのにもかかわらず、
ありがたいことに今回もほとんど休みはナシ。

ヨーシ!

静かな気合が入る。



「では、レッスンを始めまーす。
ヨロシクお願いします」

で、いよいよ、スタートだ。


「先週のおさらいからやりますよ。
女性は女性の、男性は男性のシャドウで、
フィガーを確認しましょう。
皆さん、私についてきてください」



で、自ら、大きな声で、

ワン・ツー・スリー・

ワン・ツー・スリー・・・


スイングをしっかりかけながら、
先頭を切って踊る。


「では、全員、声を出して
カウントを言ってみましょう」

と誘導。


ワン・ツー・スリー・

ワン・ツー・スリー・・・


の、大合唱が始まったんだ。


鏡を見ながらみんなの様子をチェック。
ウンウン、全員、ナンとか付いてきているよ。
先週、「ここはドコ?」状態だった初心者も、
周りの勢いに引っ張られながら
一生懸命、踊っている。

声を出すと、士気も高まるんだろう、

みんな良い表情だ。
ヨシ・・・私は手ごたえを感じていた。


「ハイ、では音楽に合わせますよ」


私はこの時のために、
厳選、用意してきた曲をかける。
ズン・チャッ・チャッのリズムが
ハッキリと聴こえるものだ。


ここでも、私が先頭に立って踊る。
自分なりにしっかりと
音楽に合わせてスイングをかけながら・・・。


「あぁ、楽しいな・・・」


フト、そんな気分になっている自分に驚きだ。
先週は、もうこの時点でオロオロ。
初心者のことが気になって仕方なかったのに、
今日は全く違う。
不思議なことに、
みんなの様子を感じながら、
「次は、アレをやってみよう」
なんていうアイデアがポンポン出てきたんだ。


「では、2名ずつで、踊ってみましょう。
他の方は、見学でーす」



会場は広いので、
一人ひとりのダンスがかなりしっかり観えるんだな。
で、観られる側、観る側にも緊張を持たせるように、
次の言葉を加えた。


「ハイ、人のフリ見て我がフリなおせ
・・・人の踊りを見て勉強ですよ!」



ちょっと冗談っぽく言ったのだが、
コレで奮起したのは、ベテラン組だった。
気持ちはモチロン、イロイロだろう。
「ここで、
私の上手いダンスを見せ付けてやるわ!」
「ガンバラナキャ、
下手だったら、かっこ悪い」
その他大勢、ゾロゾロ踊るときとは違い、
明らかに、みんなのヤル気は高まっている。


一通り終わった時点で、
ここまでで、
何か質問はないかと尋ねてみたんだ。
ただし、
“ステップが覚えられないって方は、
次からも何回もやりますので、ご遠慮ください
また、フィガー名については、
白板に書いてあるのを参照してください“
 
と、言うニュアンスを出したんだ。

なぜって、ここで初心者の人が、
あまりにもモタモタした質問、
例えば
「あのぉ、この足は前進ですか?後退ですか?
どうしても間違っちゃうんでスぅ」
みたいナ質問を長々と続けられたら、
下手に時間を取られてしまうからだ。
その代わり、こういう奨励をしたんだ。

“テクニック的なことで、

コンナ質問したら、カッコ悪いかも

(初心者の方々へ向けてと言う感じで)

いまさら恥ずかしくて聞けない

(ベテランさんの方々へ向けてと言う感じで)
な、ものがあったら、
勇気を出して言ってみてください。
あなた以外でも、
同じように思っている人がきっといるでしょうし、
そういう質問ほど、
大切な基礎に関わってくるものが多いからです。


果たして、
チョイ見識の高そうなおば様・・・
ジュンコ、ニガテ、と思っていた方から手が上がり、


「先生のシャドウを見ていたら、
すごくダイナミックで、歩幅も出ているのですが、
私が歩幅を出そうとすると、
個人レッスンを受けている先生から、
『足バッカリで踊るな』という注意を受けるのです。
どこが違うのでしょう?」



すぐに、周りのみんなも同調。
真剣なムードになってきたんだ。
私はすぐには答えず、
他の生徒さんからの意見を募った。
すると、コレマタ、どう見ても、
30年くらいやってますでしょ?
ってなベテランさんから、手が上がり、


「先生のは、歩幅というより、
大きなスイングが
かかっているんだと思うんですが・・・」



コレを機に主にベテラン組から、
色んな声が上がり始めたんだ。
私はチョイ、司会進行役・・・
活発な意見交換がなされるのを見て、私は思った。


「コレこそ、松尾先生が言っていた、
生徒さん参加型の授業・・・」



最後のまとめとして、私の意見を言った。
例の“みぞおちから足”の話だ。
その頃は“大腰筋”って名前も知らなかったから、
自分の経験を活かした説明にとどまったけれどもね。
みんな、感心しながら、静かに聞いていた。
生徒さん、特にベテランさんからの
“先生への信頼感”が生まれるのを、
すこーし感じ取ることができたシーンだった。


フト、ここまでで時計を見ると、
お、45分くらい経過している。
ほぼ、予定通り・・・(1回1時間半のレッスンだった)
少しだけ休憩を挟み、男性と組んで踊る練習だ。


さてここで、
思い切って私は例の提案をしたんだ。
ソウ、男性役志願者を募ったのだ。


「なんで、
そんなことしなければならないのよ!?」
「え~、そんなの無理・・・」
みんなの雰囲気がサッと変化した。


私は、うろたえず、
ナゼ、なのかを説明した。
本当に上手くなるためには、
相手のことを知らなければいけない
こと。
少し、
男性のステップを理解するだけで、
見方を変えることができる
こと。
そして、自分もプロになって、
そのことがようやく分かり、
フォロー意識が変わったこと・・などを、
熱っぽく話したんだ。


少し、みんなの気持ちが和らいだのを見計らって、
ホボ強制的に、
女性半分に男性役になってもらうべく、
割り振りをした。
ホンマもんの男性と、
男性役の女性合わせて、12名。
女性もなんと12名・・・ちょうどだった。
向かい合わせに立たせ、カップルになってもらう。
で、やったのは、
大学の頃、サンザンやってきた、
ナチュラルターンのボックス・・・のさらに簡易版。
右足前進、左足横へ、右足左足に閉じる
左足後退、右足横へ、左足右足に閉じる
のボックス。
つまりクローズド・チェンジのみのボックスだ。
しかもホールドはせず、男性は手のひらを上、
その上に女性が手を乗せてと言うポジションで。
目的は、先ほど話題になった、
“スイング”
“みぞおちから足”の体験をしてもらうこと。
そして、そのスイングの“元”となる
音楽を良く聴くことだ。

この方法だと、
男性と女性の違いはほとんど、ない。
言うなら、手の持ち方だけかな?なのに、
コンナ声が上がったんだ。


「男性をすると気持ちが違いますね。
責任を持たなきゃって思います」



「ホント、手の持ち方一つで
コンナに変わるんですね」



ヨシ!期待通りの方向に動き始めている・・・。


また、ボックス・アクションも実際やってみるまでは、
「こんなん、簡単すぎて、
ベテランさんはつまらないかも」
と思っていたが、
心配は杞憂であったことがすぐにわかったんだ。
簡単なステップの繰り返しだから、
音楽や相手、
自分のスイング・・に専念できるようなんだ。
コレは勉強になる・・・
ベテランさんほどソウ直感したのかもしれないね。


横ズレさせながら、次々を踊る相手を変える。
そして、コレマタ厳選してきた、
色んなワルツ音楽をかけてみたんだ。
ズン・チャッチャッと
ハッキリリズムが鳴っているもの。
メロディ重視のもの。
歌声が勝っているもの。
で、
音楽が変わるたびに、
スイングなりのアクションに何か変化があるかどうか、
みんなに試してもらったンだな。


面白いことが起った。
ある意味、踊り慣れ、
カラダにクセを持ってしまっている
ベテランさんよりも、
初心者の方が、
こういう音楽の変化に敏感!?な反応を示すんだ。
まぁ、言うなれば、

音楽にすごく影響を受けるってこと。

ってことで、ベテランさんはベテランさんなりに
初心者は初心者なりに、
楽しく勉強できたって次第・・・。


終了まで、残り15分のところで、まとめに入った。
いつもやっていたように、
カップルになっての仕上げだ。
するとうれしいことに、
4名のベテランさんが
男性役をかって出てくれたんだ。
男性と男性役を合わせて
6名と女性が踊り、残りの女性はシャドウ。
私は、女性の先頭に立ってシャドウをしながら、
全体を見渡す。
音楽に合わせ、先ほど、
ボックスで練習した大きなスイングを試しながら踊る、
を何度か繰り返し、レッスン終了。



思いがけないことが、そのとき、起った。


「終わります。
ありがとうございました」

と、一礼した私に向けて
拍手が巻き起ったんだ。


楽しかったわ・・・
ありがとう・・・の顔、顔
思わず、涙ぐみそうになった私だった。


その日を機に、
新米教師と、
グループレッスン生の絆が生まれたんだな。
2ヵ月後のお師匠サン、
復帰まで、ひとりの脱落者もナシ!!

で、このときのグループレッスン生との“縁”は、
私がお師匠サンのところを辞めるまでの6年間、
ズーッと続き、
私の “授業”の基盤を作ってくれたのだった。


今のジュンコ先生がアルのは、
この頃のオカゲ・・・ホンマありがとう!!
                              




      続く 第436話へ



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