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特別シリーズ 
社交ダンスを教えるということ vol.3 

教育実習簿が指南書に

~グループレッスンの怪④~



良い授業をするキーは、

教師がキチンと

教材を自分のものにすること


教育実習簿を改めて読み直すと、
松尾先生からの助言に中に、
この言葉が何度も出てきているのを
みてとることができるんだな。
ソノ点、私はある意味しょっぱなから

“失格”だったんだ。

なぜって、教育実習の教材は、
「カブトムシのいるところ」
という説明文だったんだけど、
実は私、
カブトムシを見たことがなかったから。
モチロン、
カブトムシの住処(すみか)なぁんて知らない。
素直にソウ告げると、先生は、

「都会の子やネェ」
とアキレながら、
絵に描いて説明してくれたんだ。

で、こう言った。
「国語の教師というものは、
雑学的なものも含めて、
イロイロな分野に詳しくなくてはならないよ」



説明文っていうのは非文学的教材であるため、
簡単なようで授業としては難しいんだな。
コチラの説明がどうしても長くなり、
生徒に、教師が
理解したことを押し付けてしまいがちなんだ。
生徒にとっては、
たいくつな「おもしろくなーい」
教材になっちゃうことが多いんだ。
松尾先生は言った。

「教材研究をしっかりとして、
難しいところは、簡単にし、
簡単なものに、深みを持たせ、
深いものを面白くする工夫をしつつ、
授業を進めていくこと」



そして、目指す最高の授業とは
クラス全体、

一人ひとりの生徒と教師が

一体となって

展開していく授業・・・



そういえば、
ソノような最高の授業をチョイ垣間見ることができたな、
っていう感動のエピソードがあるんだ。 
教育実習の総仕上げとして、
教頭先生や国語科の主任、他の実習生が参観する中、
“研究授業”というのが行われるんだけど、
私は松尾先生指導の下、
徹底的に教材研究をして臨み、大成功。
後の反省会で、
先生方からお褒めの言葉をいただいたんだ。

「国語科の“研究授業”で
褒めてもらえることなんてめったにないのよ」

と松尾先生も大喜び。

それだけでもまぁ良かったヨカッタなんだろうけど、
でもその授業で一番うれしかったことは、
日頃の授業中、
騒いでばかりいた問題児のアル男の子が、
ものすごく大切な場面で、
サッと手を上げて、
すごく良い意見を発表してくれたことなんだ。
意を決しての行動だったんだろうね、
顔を紅潮させ、一生懸命、発言する彼・・・。
うれしくて、思わず、
わたしは涙が出そうになっちゃいましたよ。


「生徒が発表してくれたことに
目をうるませたその純粋さを失うことなく、
生徒から学ぶことのできる
教師になって欲しいと思います。
生徒に厳しい以上に自分に厳しい、
常に学ぶ姿勢を持った教師、
人間でありたいですね」



松尾先生からの
“連絡事項”に書かれたラスト・メッセージだ。


デ、最後に少し大きめの文字で、


「ぜひ 教師になってください」



ハイ、私、なりましたよ、教師に。
ただし、中学の国語科ではなく、
社交ダンスの先生・・・ですけどね。


しかも、特別、社交ダンスの教師になろう!
志したわけでもなく、
自然にスーッとその道が付いていたから
不思議なんだな、これが。

中学の教師を目指し大学の国文科を専攻、
教育実習にまで行きながら、
なぜ、教職を目指さなかったのかについて、
触れておこう。
実は私、教育実習がキッカケで

「私には、先生職は無理だ。
あの子たちに
先生と呼んでもらう資格はまだナイわ」


という思いに至ってしまっていたからなんだな。
実際の授業を体験し、
コレはすごく色んな意味で
大変なお仕事だって感じたわけ。
そして、
生徒たちのあのつぶらな瞳の期待に応えてゆく、
勇気が・・・ない。
だから、
採用試験を受ける気持ちにもなれなかったんだ。


でも、松尾先生のことは忘れられなかったし、
ホンマ、貴重な体験をさせてもらったと
ズーッと思っていたんだな。
だから今回、
ダンスのグループレッスンに行き詰った時の

“指南書”として

この“教育実習簿”が復活してきたとき、
なんだか感動したんだ。
あの頃の体験が、コンナふうに活きるなんてね。
私は“松尾先生、
ホンマ、ありがとう”の気持ちでもって、
「教師がキチンと教材を自分のものにすること」
を、現グループレッスンに置き換えて考えてみたんだ。


教材は、ワルツ・ベーシック
自分のものにできていたか?っていうと、
明らかにバツ×・・・だろう。
いや、
“教材研究”いう言い方はしていないけれど、
本人、コノくらいのアマルガメーションは
“やりこんでいる”つもりだったんだけどね。
自分がただ踊れるのと“教材研究”とは、
違うってことを思い知らされたわけなんだ。

「授業に際してのあらゆる失敗の元凶は、
教材研究不足から来るものである」

という松尾先生の言葉をたよりに、
レッスンを建て直すとして、
まずは、
第1回目の授業の失敗の状況をあげてみよう。


① 初心者が授業について来れていないのを発見し、
あせり、レッスン内容を不用意に
初心者レベルに引き下げた。

② すると今度はベテラン組が面白くなくなり、
付いてこなくなった。
レッスン全体の士気が落ちてしまった。

② ソレを感じて、またまたあせった私は
また不用意に男性と組ませて踊らせた。
結果、男性と組んで踊れるものと、
シャドウして順番を待つものとのあいだに
ミゾができてしまった。


で、次なるレッスンまでに
改善すべき問題点を絞っていくと、
次のようなことが見えてくるんだ。


その1 

レッスンのレベル・内容を初級の者に合わせるのか?
ベテランさんに合わせるのか?
また、ソノ格差を埋めるのはどうした良いか?


その2 

男性と女性の人数の差をどう乗り越えるか?
どうすれば、
カップルで踊れる者とそうでない者の持つ、
温度差をなくし
常に全員に、
授業に参加していく意欲を持たせていうことができるか?


その1について
ベテランさんといってもブッチャけて言えば、
決して“上手い”わけではない。
初心者と比べての違いは、フィガーを知っている、
踊った経験が多い・・ぐらいかナァ。
動き自体はかえってオカシナ人も多い。
ってことは、初心者との差は大差のようで、
実は僅差(きんさ)かも??ってこと。
で、次回、試みようと思ったアクション
→→→→→→
使用している
ワルツの教材研究をやり直し、
つまり、
もっと自分の知っている
ワルツテクニックに関する知識を加えながら、
私が先頭を立ってシャドウを見せながら、
引っ張っていく。
しかも、何度もソレを繰り返す。
男女交互にすること。 
自分のシャドウ(男性・女性とも)に
自信をつけるためにも、
もっと練習をしてからレッスンに臨もう。
フィガー名はあらかじめ、白板にでも書いておこう。
ただし、
ソレよりも踊る実践に重点を置くこと。

その2について
ダンスは、実際上手くなっていくためには、
常に男女両面から見ていくほうが
良いということを実感として感じるようになってきた。
私自身、プロになって男性役をするようになって、
フィガーに対する理解も格段に増えた。
で、次回、試みようと思ったアクション
→→→→→→ 
思い切ってベテランさんに
男性役志願者を募ってみよう。
ベテランさんの中には、
勉強熱心なタイプもいるようだ。
上記の話をすれば、
乗ってきてくれるかもしれない。
そして、ソレをきっかけに
一つひとつのフィガーを男女両面から見直していく、
立体的なレッスンにしていこう。
ベテランさんにとっても、コレは新鮮なはずだ。


整理すれば、

その1 初心者、ベテラン、
ドッチかの世界観に合わせるのではなく
そのどちらでもない、

新たな世界観・価値観でもって

ワルツを見てもらうようにする



その2 全員が参加できるよう、

協力を呼びかけつつ

ソレに対するメリットも提示する




さぁ、果敢に臨んだ 
第2回目レッスンはいかに??



      続く 第435話へ



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