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特別シリーズ 
社交ダンスを教えるということ vol.3 

女ばっかりでどうするねん!?

~グループレッスンの怪①~



ある水曜日の昼下がり、
私は某有名ホテルの重厚な玄関を
重い足取りでくぐっていた。

先週までは、“助手”という立場だった。
お師匠サンの後を
チョコチョコくっついていくだけの、
ある意味気楽なポジション。
ところが、今日からは一人だ・・・。



ソレは “入社”し
まだ3ヶ月しか過ぎていないくらいの頃。
突然、スタッフルームに呼び出された私は、
お師匠サンからこんな宣告を受けたんだ。


「来週から、グループレッスン、
お前さん、一人で頼むわ」



「え? 一人でって・・・
先生は行かないんですか?」
   

   
「行かん(行かない)ロンドンや」


「はぁ~!? ロンドン?」


「4日後出発する。
2ヶ月間はムコウや」




そぉんなん

聞いてないよぉ~


個人レッスンなら、まだしも、
グループレッスンなんて、
まだ、ひとりじゃ無理・・・
そう言いかける私を制するように、


「いつも見て知ってるヤロ? 
どんなことをしたらエエのかは」



「こないだから始めた、
ワルツの続きをすりゃぁええ」



そんな簡単に言われても・・・と、
ドンドン心細くなっていく私。
そんな私の頭のてっぺんにポンと手を置き、
お師匠サンは笑った。


「心配せんでも大丈夫、
ナンとかなる」




イヤイヤ

ナンともならんでしょ


と、マジ、ホンキで思いましたモンね。



だって、
お師匠サンと一緒に行っている時でさえ、
私、そのグループレッスンに

“アル問題”を感じていたんですもの。

ソレを私みたいなものが一人で行ったら、
きっとメチャクチャになっちゃうよ・・・



さて、その問題とやらについて説明しよう。


その1

生徒さんのダンス歴がバラバラ

確か募集は“ダンス初心者コース”
やったと思うンやけどねぇ。
(実は、私の“入社”と同時期に
このグループレッスンの募集をかけていたんで
覚えてるんだ)
だのに、フタを開けてみれば
全くの初心者から、
もう30年くらいやってますでしょ!?
ってな人までが混在。

しかしなんで、
こんなことになってしまったんだろうね。
ソレは、
集まった生徒さんの“共通点”を観れば
なぁんとなく分かってくるんだな。
すべての人が、
我がお師匠サンのブランドに惹かれて参りましたぁ!
って感じだったんだもん。
どうも彼の地で、
お師匠サンがグループレッスンをするなんて
初めてであったらしく、
ほとんど募集らしい募集を
かけなかったにもかかわらず、
口コミで思った以上に人が集まったという。
その中には
「同じダンスを始めるなら、
有名な先生についていたらまちがいはないでしょ」

的発想のビギナーさんや
「イヤイヤ一度、先生のレッスン、
受けてみたかったんですよ」

のハイレベルな方まで。
つまりはコース・レッスン内容に関係なく、
人が集まっちゃったてことなんだな。

で、コチラとしては、
人数が多いほうが、そりゃありがたいっす!!
ってことで全部、受けちゃったってわけ。


その2
ブランドの元に集まった方々だから、
ある意味上昇志向が強く、
良くも悪くも

見識の高そうな人が多いんだ。

大学出たてで、高級路線なんて
サッパリ縁がありマセーン
って感じだった私にしたら、
はぁ~なんかやりにくそう・・・なだけ。
果たして、
お師匠サン不在で、うまくまとめていけるのか!?


その3
ここが一番の問題かもね・・・が
総勢30名近くもいるのに関わらず、

男性はたったの2名!!??

後はゼーンぶ、女性なんだ。
まぁ、考えてみれば、
平日のまっ昼間でしょ!?
奥様方はまだしも、
フツーの男性にはキツイ時間帯。
こうなってしまうのは無理もないんだけれどね。

とはいえ、学連競技ダンス出身の私にしたら、
「ダブル・パートナーでも問題やったのに
こんなん、どうスンねん!?
男性と組める時間、ほとんどアラへんやん!」
って思うわけ。
しかも、その男性のうちの一人は、
今回が生まれて始めてのダンス、
つまりマルマルのビギナーさん。
その上、非常に小柄な方
(165センチあるかな?って感じ)なんだ。
もう一人の男性は、
見てすぐにソレとわかる、ベテランさん。
ただし、ちゃんとしたレッスン経験はゼロ。
すべて我流で仕込んだ、
チョイ癖のあるダンスだったんだ。

いつもは、男性の中に
お師匠サンと私が入り奮闘・・・するんだけど、
それでもたったの4名でしょ?
女性のほとんどがシャドウで、
“待ち”の体制だ。
デ、自分の順番がようやく回ってきて、
憧れのお師匠サンと踊れるのは、
ホンの数十秒。
後は、私も入れて
“ハズレ”ってなわけじゃない!?
それでも不満が出なかったのは、
ボスのお力があってこそ。
それなのに、
私一人で行くようになんてなったら、
ブーイング出まくり状態必至でしょ。
2ヶ月先のお師匠サン復帰まで、

持たすことが、

果たして

私にできるのだろうか?




次の日の水曜日は、
ロンドン出発前の最後のレッスンだった。
みんなに向かって、お師匠サンが言う。


「しばらく、ロンドンへ行く。
代わりに・・・」



私は、ポンと前へ押しやられた。


「この子が、レッスンを担当する。
みんなしっかり・・・」



注がれる視線が痛かった。
だが、その一人ひとりの視線を追うことは、
とても怖くてできなかった。
引きつる笑顔を見せるのが、やっとだった・・・。


確か、お師匠サンは、
最初に私を紹介するとき、
“学生チャンピオン”だのといった
経歴を話していたようには覚えている。
ソレも在ってか、また、
モチロン
ボスのいる手前だったからなんだろうけれど、
みんなは私にちゃんと
“先生”として敬意を持って
接してくれていたように思うんだ。
自分で言うのもナンやけど、
学生上がりの新人サンって感じで
可愛がられている雰囲気でもアッタンやけどね。


しかし!

ソンナコンナに甘えていられない。
それからまもなく、お師匠サンご夫妻は、
ホンマにロンドンへと旅立っていっちゃったんだ。

新人教師の試練だよね。

悩んでいても仕方ない。
ボスが言ってくれたように、
大丈夫、何とかなる!と言い聞かせ
準備も万端、いざ出陣、
だったのだが・・・


一人グループレッスン第1回目から

あ~ん!!!

エライコトに・・・



      続く 第432話へ



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