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特別シリーズ 
社交ダンスが教えてくれたこと 人間美学そして哲学vol.3 

恐れ・不快感の感情を操作する

ダンスは感情体験で進化する ⑥


ダンシングの際の

感情の「取扱説明書」の続き

(通称 感情・トリ説)

恐れ・不快感の感情操作

フィルターに残った
ネガティブな感情をどう取り扱い、

“愛・快感の感情”

に変化させていくか、
これこそが本説明書のクライマックス!
熟読の上、実践につないでください。


恐れ・不快感の感情操作方法には、
いくつかのパターンがあります。
どれを選ぶかは、
恐れ・不快感の感情の濃度
・ものすごくイヤ=濃い濃度
・まぁまぁイヤ =薄い濃度
で決めるのではなく、

次の3つの要素のバランスで決まります。
① 相手との関係性
② ダンスの経験、テクニック、習熟度
③ 感情操作の経験、テクニック、習熟度

①②③のうち、核となるのは①です。
まず、①があって、
そのなかで②・③を組み入れてゆきます。

①の相手との関係性とは、
恐れ・不快感の感情を持ったダンシングの相手が、
自分の夫または妻、恋人同士
自分の固定のパートナーorリーダー
(ただし、ダンスだけの関係)
友人、
パーティなどで初めて会った人etc.
によって、
ネガティブな感情の操作方法を変化させる
ということを意味します。


ケース1 自分の夫または妻、恋人同士の場合

自分のネガティブな感情を、
できるだけ真実のまま素直に伝える努力をします。
この

“真実のまま素直に”

というのが大変重要です。
相手を傷つけたくないからとか、
自分が傷つきたくないからという理由で、
真実からそれたことを言ったり、
モチロン、言わないでやり過ごそう・・・はいけません。
問題が潜在化され、
もっとややこしいモノとなり、
だんだんと解決が難しくなってくるからです。
(プライベートにまで響いてきたら大変です)
ただ、“真実のまま素直に”
自分のネガティブな感情を伝えるには工夫が要ります。
そして、勇気と相手を思いやる“愛”も必要です。
なぜなら、あなたから
ネガティブな感情を告げられることによって、
相手も必ずや、ネガティブな感情を味わうからです。

“真実のまま素直に”
自分のネガティブな感情を伝えることの目的は、
「相手を傷つけてやろう」
「自分が優位に立ってやる」
「ハラ立つワァ、ケンカしてやろうか」
「言ってあげないと(この人が)ダメになる」
というコトではなくて、

仲良くしたい

お互いを理解しあいたい


そして、

良いダンスを踊りたい!!

であることをまず、自分に確認しましょう。

では、具体例にそって説明します。
あなたのリーダー(夫)orパートナー(妻)が、
自分にとって
違和感のある不愉快なホールドをしたとします。
その際・・・

「おい、右手、そんな突っ張るなよ」
とか、
「もう、またぁ、抱え込まないでって、
いつも言ってるでしょ!?」
というような、
“テクニック”について語るのではなく、

「なんだか、右手で“いやだッ”って
突っ張られているような気がして、
寂しいんだけど、どうかな?」
とか、
「ホールドで抱え込まれているようで、
気分がちょっと苦しいのよ、気のせいかしら?」
という風に、
“感情”について語るのです。

ダンスのテクニックが大切なのではなくて、
“あなたとワタシ”
というパートナーシップが重要なんだね、
を大前提においての発言だと、
相手はココロで分かってくれるからです。
もうひとつの重要な点は、

主語を

「アナタ」Youに置くのではなく

「ワタシ」Iに置く
と言う点です。

上記の例でも、
「アナタが手を突っ張ってくる」
「アナタが抱え込む」
と、いうふうに主語を「アナタ」にしたら、
相手は勝手に決め付けられたようで
反発したくなるモノなのです。
「ワタシが寂しい」
「ワタシの気分が苦しい」
というふうに、
主語を「ワタシ」にしたほうが、
相手は自分の気持ちを尊重されていると感じて
柔らかな物腰で応えてくれるでしょう。
それを証拠にあなただって、
「アナタ、ワタシのことが嫌いなんでしょ!?」
と言われれば、
「フンッ!」
「うっとうしいな」となってしまいそうでしょ?
でも、
「ワタシ、
アナタに嫌われているような気がする」
だと、
「エッ、そんなことないよ」
と言いたくなるでしょう?

いずれにしても、
この関係性においては、
「感情のお話」
ができる間柄になることをお奨めします。
あなたが素直になった分だけ、
相手も必ずや素直になってくれます。
あなたが自分の偽らざる
ネガティブな感情を伝えれば伝えるだけ、
相手も言いやすくなり、
自分のネガティブな感情を恐れずに
見れるようになるからです。
表面だけ取り繕ったカタチだけのダンスのような
関係性は崩壊してゆきます。
きっと、その関係性の劇的な変化に、
あなたは驚くことでしょう。
また、
ダンスが良くなるのはモチロン、
日常においても、
ベスト・パートナーとして
お互いを理解しあうまでになるでしょう。


ケース2 自分の固定のパートナーorリーダーの場合

基本的な心構えはほとんど同じです。
ただし、少し関係性は遠くなる分、
より洗練された言葉
(自分の感情を的確に話すこと)で、
また、良いタイミングで感情を伝える工夫をしないと、
中途半端に誤解を招きあって終わり…となりかねません。
またこの関係では、
ダンスの上達を願ってのパートナーシップなのですから、
ダンスにおける上達が伴わないと、
あまり意味がありません。
言い換えれば、
お互いにダンスがいっこうに上手くならないようだと、
パートナーシップを本格的に
見直したほうが良いということです。
まずは、つねづね

お互いがお互いを利用して

ダンスに磨きをかけようね


という気持ちの確認が大切です。
(上記、夫婦・恋人関係の時は、
パートナーシップが何より重要でしたが)
そのためにも、
ネガティブな感情はシッカリと伝える努力が必要ですが、
練習時間、ダンシングの時間はお互い貴重なので、
そのときに湧き上がったネガティブな感情は、
フィルターの中に“保存”し、
情報を手にするにとどめておきます。
時間のある時、またはできれば、
特別に時間を作って、
その感情を伝えるという方法をお奨めします。
「実は、ワタシ・・・なのよ。
あなたはどう思うかしら?」といった感じです。
その際、お互いが、
ダンスの中で、
ナニを一番大切にしているのかというような、
本質的な部分のズレを感じることもあるかも知れません。
練習中に沸き起こったネガティブな感情は、
その本質的ズレを見直したほうが良いよ、
というメッセージであった可能性が高いため、
話し合うときは、忍耐強く、真実の言葉で、
が、大切です。


ケース3 友人

関係性はぐっと遠くなるので、
ネガティブな感情は自分のなかでの反省点、
自分のダンステクニックの見直しに
利用したほうが良いケースです。
ただし、友人といっても関係性の近い人、
固定のパートナーではないが、
一緒にダンスを上手くなろうと感じあえる相手なら、
ケース2の方法でOKです。
ソコまでではない友人関係なら、
その方を通して別の学びがあると心得て下さい。
具体的に説明しましょう。
友人が、自分にとって違和感のある
不愉快なホールドをしたとします。
(ケース1と一緒ですね)
「お、右手を突っ張ってくるな」
「アラ、抱え込んでくる人ね」
という不快感を感じたら、そのまま受け止め、
自分で自分の身を守るスイッチをONします。
ここからはダンス・テクニックが必要です。

力を抜く

インナーマッスルを使う

相手と直接組まず

床・音楽を大事にする・・


ここで、
日頃の努力の成果を存分に試してみてください。
できなかったら、課題として持って帰る事。
また、
「あ、この人、ワタシを支配しようとしているわ」
「自分のダンスを見せびらかそうとして、イヤや」
といった、今すぐに対処できない感情については、
情報のみにとどめ、
「自分は、こんなこと、相手にはしないでおこう」
という、気持ちを育み、
“反面教師”になってくれた相手に「ありがとう」
・・・そんな感情が素直に沸いてきたなならば、
感情の取扱いに関しては上級者です。
くれぐれも、
自分のネガティブな感情を相手にぶちまけたり、
相手のダンスを直そうとしたりしないことです。
 

ケース4 パーティなどで初めて会った人

ケース3の徹底版です。
ネガティブな感情はフィルターにはいったまま、
すべて“お持ちかえり”をお奨めします。
決して、整理のつかないままの
ネガティブ感情をぶちまけないように。

“教え魔”に変身は厳禁です。

相手も自分も筋肉が硬直してしまいます。
大切に持って帰ったネガティブ感情は、
オウチでガサッとひっくり返し、
その感情が、
ドコからやってくるのか、詳しく検証します。
例えば、
「自分のテクニックの無さから? 
もっと練習しよう。
勇気の無さ? 
誘われたとき、断れば良かった、
これからはNOと言おう」
などと、自分を対話します。


どのケースにおいても
ダンステクニック、
感情操作のテクニックの経験値が高く、
習熟度の高い人ほど、対処はスムーズになります。





      続く 第416話へ



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