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エクササイズ&プラクティス集へ




和夫と真理、いつもの練習場で、
今日は、タンゴ・ウォークの練習だ。

ジュンコ先生のレッスンで学んだ

“タンゴ・ウォーク・プラクティス
(第358話)

軽くホールドを組んで、フロアーを回っている
・・・が、
どこかやりにくさを感じたのか、
やり始めてまもなく止まってしまった。



和夫が言う。
「ねぇ、真理ちゃん、
もっと思い切って足を後ろに引いてみてよ」




「え、邪魔になる?」



「うん、ちょっとね・・・
レッスン中にやったときは
もっと吸い込むように
下がってくれていたと思うんだけど」




「分かった、やってみる」



しかし、

またすぐ立ち止まり、



「違うんだよなぁ・・・」
と和夫。



「まだ、邪魔になるの?
思い切って下がっているんだけど」




「うーん、なんていえば良いんだろう。
確かに、胸を前に置いて、
ドンドン足を引いてくれるのは分かるんだけど、
さっきとは違う感触で邪魔になっちゃうんだ」




「どんな感じで違うの?」



「さっきのは、
骨盤辺りが邪魔になって、
ボクが足を出しにくかった。
で、今のは、引っ張られてしまう・・・」




「じゃぁ、さっきのは、
足の(後ろへの)引きが足りなくて、
今のは、引き過ぎ
ってことなの?」

真理はちょっと不服そうに言い、


そしてコウ続ける。


「こうなっちゃうから難しいのよね、
後退って。

足を後ろに引くことに

抵抗を覚えちゃう
・・・」

さらに

「私、

大きな歩幅で足を後ろに引くことに

良いイメージを持っていない
のよ。

ダンスを習い始めの頃、
一緒に踊った男性から
『足ばっかり引かずに、
もっとカラダを下げるものなんだよ。
そんなに勝手に(足を)引かれたら、
引っ張られて踊りにくい』

って言われたことが、
いまだに頭に残っているし、
それにね、あるカップルの練習で
女性が後退のとき足ばっかり後ろに引いて
男性を引っ張っちゃっている姿を見て、
ヤッパ、カッコ悪いなぁって思ったし」



和夫は黙って聞いている。



「ジュンコ先生に
“みぞおちから足を引く感じで後退”
って習うようになって、
少しイメージが変わって、
そう(みぞおちから足感覚を)やっている
つもりだったんだけどなぁ」


真理はひとしきり話してから、
ようやく和夫に質問だ。


「ねぇ、引っ張られる以外には、
私のこと、どう感じるの? 」




和夫は、
「カラダが硬くなる、
すごく力んでくるんだ。
たぶん一生懸命足を引こうとして」

そう言ってから

「さっき真理ちゃんは
“みぞおちから足を引く感じで後退”
って言っていたけど、
本当にそうしているのかな?」




「え?自分では、
ちゃんとボディを前にいるカズに与えながら、
そうしている(みぞおちから足を引いている)
つもりなんだけど・・・
そうなっていないのかな?」




「うん、足ばっかり・・・
あ、そう!真理ちゃん、

太もも辺りから足を引こうと意識

していない、みぞおちではなく」



「え?
ウーン、太ももって言うより、

股関節辺りから引こう

としているかナァ?
それに、
できるだけキレイに
足を引こうとしているけど・・・。
でも、太ももや股関節から足を引くことと
みぞおちから足を引くことって、
そんなに違いがあるの?
太ももや股関節から足を引いたって、
みぞおちは動くんだろうし、
ドッチからでもいいような気がするんだけど」



「違うちがう、全然違うよ!
(足を後退させるときの)
カッコウは似ているかも知んないけど、
一緒に踊った感じは別モンさ」




「え、そんなに?どう違うの」



和夫は右手を真理の背中、
肩甲骨の辺りに触れ、ホールドをしながら


「このままで、
右足を後退しようとして足を思い切り引いてみてね。
まずは、“太ももから引く”感じで・・・」



真理は言われたとおり、やってみる。



「コレだと背中、
今ボクが触れている

肩甲骨の辺りが動かないんだ。

で、この時点でもう、
ボク、バランスを崩しそうになっちゃうんだ、
引っ張られる感じがして・・・。
次に“股関節から引く” 感じでやってみて。
アァ、やっぱり、
おんなじくらい引っ張られるし、
肩甲骨も動かないや」


「では次に、
“みぞおちから引く”感じで足を引いてみて」
真理がやってみると



「そう、いいよ!
コレだと、

肩甲骨の辺りが動く※から、

どのくらいのキョリ
また
どのくらいの速さで真理ちゃんが
足を引こうとしているか読むことができるんだ。
だから、感じあって踊れるし、
もちろん、ひっぱられる感じもナイ。
真理ちゃんはどう?
何か違いは感じる?」



「うん、
こうやってクローズアップしてやってみると、
違いが分かりやすいわね。
“太ももや股関節から引く”感じのときは、
足を引くタイミングが早くなっちゃう
それに自分でもバランスが悪くなってくるのが分かるわ。
“みぞおちから引く”感じのときは、
カラダの中から引くわけだからユックリになるし、
なんか太ももからのときとは
全然違う味わいがある。
それに、
右足を後ろに引くにつれて、
左足のヒザを使っている感じ
も良くわかるわ」



「随分違いを感じることができたんだね、
良かった!」




「私、アセって下がろうとしていたからなぁ。
でも、股関節から引くことで余計に
あせっちゃったんだろうけど」




「アセッているって言うより、
ものすごく元気に後退していたよ(笑)
ボクのことはお構いなしに」




「わぁ、ごめんね。
ね、もう一回ウォーク練習やってみよう」




※なぜ肩甲骨が動くとGOODなのか、ワカルかな?
“みぞおちから足”の筋肉、大腰筋は、
肩甲骨辺りの筋肉、菱形筋と連動して動くから。
肩甲骨が動く=菱形筋がちゃんと働いている
大腰筋をちゃんと使っている
という風に解釈できるんだね。
(詳しくは第62話参照)



      続く 第365話へ



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