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まず誤解のないように言っておくと…

“タンゴにはスイングがあるがゆえ、
タンゴ・ウォークにおいても
ターンとともにスイング・アクションについて
お勉強しましょう”
といっても、
“タンゴはノン・スイングダンス”
であるという世の定説に、
猛反発、アレは間違っている。
反対だぁ!って話ではない。

音楽に合わせて

心地よくカラダを揺らす

=スイングすることが

ダンスの原点
(第188話参照)

という観点から見れば、
タンゴ・ミュージックを聴いたときに
ワルツやスローのように、
フワァ~ッて感じの浮遊感や、
流れるようなライズ&ロウァをしたい!ってな、
身体的欲求は起ってこないだろうし、
実際、そういう
フワフワした感じのスイングをしたらヤッパ、
タンゴには似合わないでしょ、
とは思うわけ。

でも、タンゴ・ミュージックから生まれる
何らかのカラダの揺れ=スイングは絶対にある。
なぜって、音楽自体に揺れがあるから。
(揺れがあるから音楽なんだもんね)

で、ソレ(揺れ)を感じちゃったカラダは、
ソレ(揺れ)に反応して当然なのだ。
カラダがシーンと静まり返って音を立てない
(つまり揺れがない=スイングアクションがナイ)
状態をキープし、
唯一、足腰のみが、
その音楽表現を引き受けている・・・だと、
ソリャァ不自然だろうし、
ある意味、カラダはつまんないだろう。
「俺たちだって、ダンスしたいよう。
音楽に合わせて揺れたいよう」
と、お嘆きの
マッスル&ボーン(筋肉や骨)のストレスは、
リキミを生んだり、
妙なところ(たとえばロックターン)
でのヒップ・アクションになったりと、
いわゆるアン・ナチュラルな
タンゴの世界を作り出しちゃうんだな。

だから、次のように考えている。

あの独特な

ノン・スイングダンスを表現するには

目に見えないところでの

スイングが相当必要であろう
・・・と。

ワルツやスローみたいにカラダの外に出せない分、
そのスイングって
高度で精妙、緻密・・
堂々スイングダンスとは言えない分、
かえってタンゴは手ごわい種目なんだな。

さて、タンゴ・ウォークにおける

“目に見えないスイング”

の解説に移ろう。
例えばワルツで言うなら振り子のスイングと
サイドスイングの組み合わせからできている
・・・だったね(第188話参照)
で、タンゴにはどんなスイングがあるのかというと、

まずは、

ドア・スイングなんだな。

(第101話学連物語参照)
片一方に蝶番(ちょうつがい)が付いた
ドアを想像してみて。
そして、まずは、
蝶番が男性からいえば右側、
女性からいえば左側についている場合。
ちょうど、男性に絡ませている
女性の左ホールドの部分が
蝶番ッポイもんになっているからわかりやすいよね。
で、その蝶番の付いたドアを
開けたり閉めたりしている感覚。
開けたりは、PP(プロムナード・ポジション)
閉めたりは、スクエア・ポジション
(男女が正面に向かい合っているポジション)
でもこのアクションはプログレッシブ・リンク、
クローズド・プロムナード・・では多用されるが、
タンゴ・ウォークにはない。

じゃあ、
タンゴ・ウォークのドア・スイングは、
ドンナンかって言えば
蝶番が男性からいえば左側、
女性からいえば右側についている・・・感覚だ。
しかも、ドアの開け閉め表現が、
女性だけで表現されるのではなく
(男性は表面的な開け閉め表現はない)
いわば、

二人が“一枚のドア”になっている感じ。

そして、蝶番側(男性・左側 女性・右側)も固定して
ジッとしているわけではなく、
男性は前方へ
女性は後方へとムーブ(動くこと)していく。



では、試しにやってみようか?


ドア・スイングを使った

タンゴ・ウォーク



男性
これからタンゴのスタートを切ろうって事で、
右足に体重を置く。
右手を真横に大きく広げ、
後方、ヤヤ上に持っていく。
カラダの“正面”(お腹・胸、両面)は、
そのアクションに合わせて右に向いている。
(おへそは右、ただし、顔はソレについていかない)
右手の左回転運動に合わせて、
右ひざが曲がり始める。
手が、左斜め前方に、
移動するのに合わせて左足をスタートさせる。
そのまま右手は動き続け、
(大きな円周の外回りをしている感覚だ)
それに合わせて、右足も踏み出す。

女性はその反対。
スタートを切るとき、
男性の後ろから、スイングを運んで
つまり、左手を前に振り上げ
それが下りてくるのに合わせて
左ひざが曲げ始め、右足をスタート。
続いて、左足も動く。

まぁいえば、
ワルツのときにもあったでしょ?
こういうテイクバック動作
(第175話参照)

でもね、このドア・スイングのみを使って
タンゴ・ウォークをしても、
パタンパタンの平面動作で終わってしまう。
なぜか、このスイングはいわば
“外側のモノ”だから
コレを、

アウター・スイングという。

で、あるからにして、
インナー・マッスルを使った

インナー・スイング

とともに使って初めて活きるわけ。
で、その

インナー・スイングこそが

タンゴにとって一番大切
なもの

・・・ということで次回に続く。



      続く 第355話へ



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