2008.01.06 (第348話)チョット中休み エッセイvol.8 ~進化とは退化すること!? ⑤~
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チョット中休み エッセイvol.8
次なる課題・鎖骨についてのお話
~進化とは退化すること!? ⑤~
カッコよく踊るためには、
“イヌ” から次は“ネコ”になること、
と告げられたヒデ君。
一体なんのこっちゃ?でしょうね、そりゃあ。
なんのこっちゃの解説の前に、
私よりこんな質問・・・
「ネコはイヌと違って木に登ったり、
まりで遊んだり、
イヌに比べて複雑な動きが可能でしょ。
それはなぜかわかる?」
「え、ソレは・・・
ネコのほうが(体重が)軽いから!
でも今、ちっちゃいイヌもおるしなぁ。
あ、分かった!
イヌはドンクサいんや」
私は首を横に振りながら
「実はネコにはあってイヌにはないもの
・・・があるのよ。
ネコはソレがあるから、
前足が器用なのよね」
「ネコにはあって
イヌにはないモン?なんやろ?」
「さ・こ・つ(鎖骨)よ」
“鎖骨”って、
前足(腕)が体重を支える事を主目的とし、
さほど複雑な動きをしなくてイイ四足動物は、
非常に退化しちゃってるんだな。
犬もソウ。
骨格の中に鎖骨は見当たらない。
大型犬にほんの少し申し訳程度に
(鎖骨があるってこと)
確認できるくらいなんだとか。
でも、ネコにはある。
かなり退化はしているけど、
ちゃんと鎖骨は存在しているんだ。
(退化したオカゲで、
狭いところでも鎖骨が引っかからずに
肩をすぼめて通り抜けることができるのよね)
「“イヌ”の次に“ネコ”っていうのは、
鎖骨の存在のことを言っているわけ?」
ヒデ君は少し納得したようだ。
「“まっすぐ立つ”とき、
鎖骨を開いて横一直線にって習ったモンナ」
(第215話参照)
そう、鎖骨の存在は、
ダンサーにとって非常に大切。
ってコトで少々鎖骨について語りましょう。
骨格ってそもそも、
カラダを支えたり守るために
体表(カラダの外)の形成された
“甲冑(かっちゅう)”みたいなものなんだな。
これを
外骨格(がいこっかく)というんだけど、
化石が有名な三葉虫をはじめとする
古生代の生き物なんかイメージしやすいよね。
カメやアルマジロの甲羅(こうら)もソウ。
ソレ(外骨格)が徐々に重装化していって、
「こんな重いもの身にまとっていたら
動きが鈍くなって、
必ずしも生存競争に有利ではない!」
ってコトで、重い武装を捨て、
筋肉を支えるための骨格をカラダのなかに持ち・・・
これを
内骨格(ないこっかく)と呼ぶんだ。
脊椎(せきつい)動物の誕生ってわけ。
内骨格と外骨格は発生の仕方が違う。
外骨格は直接、
骨組織がボンって出来上がっていくんだけど、
内骨格はまず、カラダの中に軟骨が形成され、
ソレがやがて骨組織へとなっていくという
デリケートな作られ方をするって話。
哺乳類は進化する過程で、
外骨格が退化して内骨格が発達してきたんだな。
だから、人の骨のほとんどは、
内骨格で出来ているんだけど
なんと、頭蓋骨(ずがいこつ)と
鎖骨だけは外骨格からできてるんだって!
これは太古の時代の“武装の名残”なんだとか。
面白いよねぇ。
さて、話をダンサーにとっての
鎖骨の大切さに戻って。
まずはその役割から・・・
鎖骨には
「僧帽筋=そうぼうきん」
「胸鎖乳突筋=きょうさにゅうとっきん」
(ともに第342話参照)
「三角筋」
「大胸筋」の4つの筋が付着していて、
早い話、
鎖骨1本で胸鎖関節・肩鎖関節と言う
二つの大きな関節面を制御している訳で、
アバラの骨や、
肩・肩甲骨・腕・手の動きに
すごく関与しているんだな。
それに、
鎖骨がキレイだと、
肩甲骨もGOOD ってわけで、
上半身の、前面と
背面のバランスを上手くとってもいるんだ。
また、頭をしっかり前に向ける
(頭部の屈曲)ための筋肉
(胸鎖乳突筋)の付着部でもあるから、
頭の動きに関しても重要な場所。
・・・ってコトで、
ヒデ君の次なる段階への提言。
肩甲骨あたりがシッカリ動くことによる、
腕・手のパワー、スピード・・機能発揮する
四足動物構造はそのまま活かしつつ
鎖骨あたりの強化で、
より神経の行き届いた
細やかな腕・手の動きを習得しつつ、
鎖骨とくっついた筋肉
「三角筋」「大胸筋」を発達させることで
男性らしい肉体美と強さを手に入れ
さらには頭のブレをなくし、
見た目もカッコイイ、
ビジュアル系ダンサーに移行させていく。
そしてさらなる課題がコレ。
「インナーマッスル・
サポートネットワークの拠点である
“センター” “コア”を
もっともっとシッカリさせていこう!
すると、
カラダのブレや、無駄な動きがなくなり、
もっとユッタリした踊りになってくるよ。
そしてあなたの望む
“男らしい存在感”も
手に入れることもできるようになるでしょうね」
「ソウソウ!
俺、その、シャンとした存在感がほしいネン。
グニャグニャはいやや。
で、そのためには何を(種目)したらエエん?」
「“コア”の感覚が一番分かりやすいのは、
ヤッパ、アレでしょ!?
次の、
グループレッスンちょうどその種目だから、
また半年間、がんばってみたら?」
その種目ってのが、ソウ!
“タンゴ”
で、ようやく、シリーズのタンゴに、
お帰りィ~と相成りました!
ヒデ君、進化のお話に
長々のお付き合い、ありがとうございました。
では、最後に、
ヒデ君が今回やってきた
“カラダほぐしメニュー”の中から
“四つんばいポーズで
肩甲骨・骨盤を好きなだけ動かす”
エクササイズをご紹介だよ。
両膝を少し開いて床につき、
両手も肩幅で床について四つんばいになる。
なるべく全身の力を抜いて重さを床に任せるように。
で、ここから
肩・背中・腰・尻・・
グニグニ好きなように動かすんだ。
自分が生まれてから
まだ一度もしたことがないと
感じられるような形・動きをしてみる。
自由奔放に無秩序に。
気分は獲物を狙うチーターか、
ゴロニャン、
気持ちいいなぁ~のネコ・・ナァンでもOKよ。
続く 第349話へ
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~進化とは退化すること!? ⑤~
カッコよく踊るためには、
“イヌ” から次は“ネコ”になること、
と告げられたヒデ君。
一体なんのこっちゃ?でしょうね、そりゃあ。
なんのこっちゃの解説の前に、
私よりこんな質問・・・
「ネコはイヌと違って木に登ったり、
まりで遊んだり、
イヌに比べて複雑な動きが可能でしょ。
それはなぜかわかる?」
「え、ソレは・・・
ネコのほうが(体重が)軽いから!
でも今、ちっちゃいイヌもおるしなぁ。
あ、分かった!
イヌはドンクサいんや」
私は首を横に振りながら
「実はネコにはあってイヌにはないもの
・・・があるのよ。
ネコはソレがあるから、
前足が器用なのよね」
「ネコにはあって
イヌにはないモン?なんやろ?」
「さ・こ・つ(鎖骨)よ」
“鎖骨”って、
前足(腕)が体重を支える事を主目的とし、
さほど複雑な動きをしなくてイイ四足動物は、
非常に退化しちゃってるんだな。
犬もソウ。
骨格の中に鎖骨は見当たらない。
大型犬にほんの少し申し訳程度に
(鎖骨があるってこと)
確認できるくらいなんだとか。
でも、ネコにはある。
かなり退化はしているけど、
ちゃんと鎖骨は存在しているんだ。
(退化したオカゲで、
狭いところでも鎖骨が引っかからずに
肩をすぼめて通り抜けることができるのよね)
「“イヌ”の次に“ネコ”っていうのは、
鎖骨の存在のことを言っているわけ?」
ヒデ君は少し納得したようだ。
「“まっすぐ立つ”とき、
鎖骨を開いて横一直線にって習ったモンナ」
(第215話参照)
そう、鎖骨の存在は、
ダンサーにとって非常に大切。
ってコトで少々鎖骨について語りましょう。
骨格ってそもそも、
カラダを支えたり守るために
体表(カラダの外)の形成された
“甲冑(かっちゅう)”みたいなものなんだな。
これを
外骨格(がいこっかく)というんだけど、
化石が有名な三葉虫をはじめとする
古生代の生き物なんかイメージしやすいよね。
カメやアルマジロの甲羅(こうら)もソウ。
ソレ(外骨格)が徐々に重装化していって、
「こんな重いもの身にまとっていたら
動きが鈍くなって、
必ずしも生存競争に有利ではない!」
ってコトで、重い武装を捨て、
筋肉を支えるための骨格をカラダのなかに持ち・・・
これを
内骨格(ないこっかく)と呼ぶんだ。
脊椎(せきつい)動物の誕生ってわけ。
内骨格と外骨格は発生の仕方が違う。
外骨格は直接、
骨組織がボンって出来上がっていくんだけど、
内骨格はまず、カラダの中に軟骨が形成され、
ソレがやがて骨組織へとなっていくという
デリケートな作られ方をするって話。
哺乳類は進化する過程で、
外骨格が退化して内骨格が発達してきたんだな。
だから、人の骨のほとんどは、
内骨格で出来ているんだけど
なんと、頭蓋骨(ずがいこつ)と
鎖骨だけは外骨格からできてるんだって!
これは太古の時代の“武装の名残”なんだとか。
面白いよねぇ。
さて、話をダンサーにとっての
鎖骨の大切さに戻って。
まずはその役割から・・・
鎖骨には
「僧帽筋=そうぼうきん」
「胸鎖乳突筋=きょうさにゅうとっきん」
(ともに第342話参照)
「三角筋」
「大胸筋」の4つの筋が付着していて、
早い話、
鎖骨1本で胸鎖関節・肩鎖関節と言う
二つの大きな関節面を制御している訳で、
アバラの骨や、
肩・肩甲骨・腕・手の動きに
すごく関与しているんだな。
それに、
鎖骨がキレイだと、
肩甲骨もGOOD ってわけで、
上半身の、前面と
背面のバランスを上手くとってもいるんだ。
また、頭をしっかり前に向ける
(頭部の屈曲)ための筋肉
(胸鎖乳突筋)の付着部でもあるから、
頭の動きに関しても重要な場所。
・・・ってコトで、
ヒデ君の次なる段階への提言。
肩甲骨あたりがシッカリ動くことによる、
腕・手のパワー、スピード・・機能発揮する
四足動物構造はそのまま活かしつつ
鎖骨あたりの強化で、
より神経の行き届いた
細やかな腕・手の動きを習得しつつ、
鎖骨とくっついた筋肉
「三角筋」「大胸筋」を発達させることで
男性らしい肉体美と強さを手に入れ
さらには頭のブレをなくし、
見た目もカッコイイ、
ビジュアル系ダンサーに移行させていく。
そしてさらなる課題がコレ。
「インナーマッスル・
サポートネットワークの拠点である
“センター” “コア”を
もっともっとシッカリさせていこう!
すると、
カラダのブレや、無駄な動きがなくなり、
もっとユッタリした踊りになってくるよ。
そしてあなたの望む
“男らしい存在感”も
手に入れることもできるようになるでしょうね」
「ソウソウ!
俺、その、シャンとした存在感がほしいネン。
グニャグニャはいやや。
で、そのためには何を(種目)したらエエん?」
「“コア”の感覚が一番分かりやすいのは、
ヤッパ、アレでしょ!?
次の、
グループレッスンちょうどその種目だから、
また半年間、がんばってみたら?」
その種目ってのが、ソウ!
“タンゴ”
で、ようやく、シリーズのタンゴに、
お帰りィ~と相成りました!
ヒデ君、進化のお話に
長々のお付き合い、ありがとうございました。
では、最後に、
ヒデ君が今回やってきた
“カラダほぐしメニュー”の中から
“四つんばいポーズで
肩甲骨・骨盤を好きなだけ動かす”
エクササイズをご紹介だよ。
両膝を少し開いて床につき、
両手も肩幅で床について四つんばいになる。
なるべく全身の力を抜いて重さを床に任せるように。
で、ここから
肩・背中・腰・尻・・
グニグニ好きなように動かすんだ。
自分が生まれてから
まだ一度もしたことがないと
感じられるような形・動きをしてみる。
自由奔放に無秩序に。
気分は獲物を狙うチーターか、
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