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チョット中休み エッセイvol.9 

タンゴのテーマを掲げる

~タンゴでカラダのクセをとる!? ③~


今回、グループレッスンで取り上げる
タンゴのルーティンは、
ビックリするくらいに、
超ベーシック主体の構成だ。
なんたって主役フィガーがタンゴ・ウォークだもん。
準主役級フィガーも
プログレッシブ・サイド・ステップ
(通称PSS その昔、プログレッシブ・リンクが
なかった頃に多用された、タンゴ独特のフィガーだ)
や、 
ロック・ターン、リバース・ターンといった、
普段使いのジミーなもの。
夏のパーティでの発表を目指した
デモ用ルーティンだっていう割には、
いわゆる見せ場はほとんどナシだ。
まぁ、
4回ウォークしてコントラチェック~ドラッグ
・・・あたりが唯一、派手、
さしずめクライマックスってところかな。
もちろん、
狙っているリアル・ハイライト(本当の見せ場)は、

美しいタンゴ・ウォーク・アクション

なんだけどね。


さて、タンゴレッスンを受ける側である
グループレッスンの生徒さんは、
どんな様子かって言うと、
年齢は30代~70代、
レベルは、ヒデ君のようなタンゴなんて
やったことナシ初心者から、
プロ免許有資格者で、
立派に先生業をされている方まで・・・
と、ダンス暦、
またその個性(キャラクター)も
非常にバラエティに富んでいる。
その人たちが一緒くたになって、
「スロー・スロー・クイック・クイック・・」
なんて
ワザワザに超・ベーシックタンゴをやる意味を
最初の段階で自覚してもらわなきゃね、
ってことで、
グループレッスンの初日、
(いつもそうしているように)
みんなに今回のタンゴのテーマを提示したんだ。
クセのある種目、

タンゴを利用して

自分のカラダのクセをとろう!


タンゴって、
いろんな点で特殊じゃない!?
っていうより、
その特殊性ばかりがどうしても浮き彫りになるので、
さらにナチュラルから遠ざかり、
気が付いたときには、
なんだかキワモノダンスへの道、まっしぐら・・・
ヒデ君の言葉を借りれば
「腰をかがめて首を振っている、
イキったダンス」
になっちゃうコトも多いんだ。

でも、コレは、
シリーズ中のレクチャーでも伝えたんだけれど、
この種目はなんと言っても

“姿勢がキモ”

ってことは、
「スッとまっすぐ立ってね、
ハイ、タンゴの音楽に合わせてフツーに歩きましょ」
で、十分キレイに見え、
まずは引っかかりなく踊れる種目でもあるんだよね。
安定性のないスイング状態の中で、
次なる安定を探すことを余儀なくされる
他のスタンダード種目に比べ、タンゴは、
重力方向に対して“ドンとまっすぐ”を基準に、
今の動きに対する、
自らのカラダのパーツ・・・
頭、背骨、手・足といった
・・・の適材適所感覚を感じ取っていける、
希有な種目だとも思えるわけ。
それに、
カラダの内部“コアのパワー”の使用感も
習得しやすいかなってことで、


私なりのタンゴの定義

“要らん(必要でない)ことをしたら、
一発で可笑しくなっちゃう種目”


だからこそ

“何が要ることで、
何が要らんことかの
確認作業がしやすい種目”


で、今回のようなテーマになったんだ。


カラダに付いている癖は、
そのほとんどが、
リキミから生まれるものであるからして
サブテーマとしては、

カラダのリキミをとろう!

になるんだけど、
コレは分かっていてもできない
難しいシロモノであるからこそ、
一番リキミそうな種目、
タンゴを利用し、徹底リキミ排除のために
もっと具体的な目標を持ってもらうこととしたんだ。

で、みんなに掲げたタンゴにおける目標は大きく3つ。


カラダをムーブさせる

・・・ゆったり大きく動くこと。
背筋の移動がないのに、
チマチマしたテクニックにこだわりすぎることは、
かえってカラダの力みを誘発する。
さまざまなテクニックは、
カラダがスムーズに
ムーブするためのものであると自覚し直す。


カラダ内部の小さな筋肉を使う

・・・この小さな筋肉って、
いわゆるインナーマッスルのことよね。
リキむ人って、
カラダ内側の小さな筋肉が使えていない人が多いため。
それにタンゴって種目が、
“体重を利用しただフツーに歩くもん”から
“タンゴらしさを伴った、
カッコイイダンス”に格上げしていくためには、 
インナーマッスルの活性化、
および、扱い方法を知ることは、必須。
ソウでないと、アウターマッスルを振りまわすだけの、
“タンゴもどき”の成長を促進してしまう。


(最もリラックスする種目であると心得)
ユッタリ・柔らかくを肝に銘じつつ
自分がリキんでいないかどうかを
観察・見張る習慣をつける


とにかく、この自分を観察するとか
見張るっていう習慣は、すごく大事。
「首、曲がってるよ」
とか
「肩に力、入っているよ」
って気付いて注意してくれるのは、
コーチャーや踊っている相手ではなく、
自分でなきゃ。
ソウ、自分で自分のことが分かっていかなきゃ、
上達はママならないんだな。
その点、
まっすぐ立って歩くが基調のタンゴは、
自分の様子を観察しやすい種目。
筋肉がほぐれるほどに、
実感として自分のカラダの様子の情報が
集まりやすいから、
そういう意味においても、
リラックスはすごく大事なんだ。


とても半年では無理!
ってなビッグテーマばかりだけど、
もちろん、今期で仕上がるものとも
ハナから思ってはいないんだな。
言うなりゃ、
前回のチャチャチャの時のテーマと本質の部分
(例えばカラダの力を抜こうとか、
インナーマッスルを使おうとか)は同じだもんね。

種目変われど

本質のテーマは

ズーッと繰り返されている


って視点から見ると、
チャチャチャで理解できなかったところが、
タンゴでできるコトもアリ
チャチャチャで成長を遂げた部分は、
タンゴの中で活かすコトができる
は、当然!!
また、そんな“つながり”を勉強できるのも
ダンスの面白さだモンね。

かくいう、ヒデ君もタンゴは超ビギナー、
まだ生まれたての赤ん坊だけど
ルンバ&チャチャチャは、“高速ハイハイ”
(第346話参照)
できるまでに成長を遂げてるんだモノ、
そのボディ&テクニックをどうやって
タンゴという種目につないでゆけるかが、
今回の最大のポイントだろうね。

さてさて、ヒデ君、
タンゴのスタートはレクチャーの中でも紹介した
タンゴ・ウォーク・プラクティスだったんだけど
(第358話参照)
約3分間、黙々とフロアーを私と一緒に歩き
(ヒデ君はズーッと前進で)
その感想、


「フーン・・・思っていたのと全然違う」
ときたわけよ。


モチロン、彼のイメージでもある
腰を落とすコトも、
首を振るコトもなぁんにもやってないからネェ
いわゆるタンゴらしい
“装飾”は一切ナシだったのだが、


「オモロイナァ、気分ええわ」


単純な反復練習だけど、
まぁお気に召したようで良かったね。
で、意外とイケソウと思った私、
数日後、
タンゴ・ポジションのさわりの説明と
ウォーク・リンク・プロムナードの
手ほどきを少々したのだが・・・
ここからヒデ君、
大変なことになってきたんですネェ。


「スロー・スロー・・・
アレッ?なんやったっけ?」



そう、カウントがなかなか覚えられないんだ。
それに、シャドウで歩く姿をみて
私、噴出しそうになりましたよ。
ヒザを曲げて、腰をかがめ、
右の肩を異様に落としながら
両手をいっぱいに広げ、ナナメ歩き
(彼にとってはタンゴポジションで
歩いているつもりなんだろうけど)
なぜか目つきだけは、
“情熱のタンゴ”のように爛々と妖しい光を放ち、
で、リンクで、首をブルンって振った・・・


あぁ~ヒデ君、あなた、
自分の姿見たらきっとコウ思うよ。
「タンゴって、
腰かがめて首を振る、イキッタ種目」


特に(タンゴの特徴とか)
何にも教えていないのに、

どうして・・・

そうなっちゃうノン?



      続く 第374話へ



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