2007.12.12 (第323話)ドラマティック情熱「タンゴ」ⅩⅩⅩⅣ 床からの反作用の実感が欲しい!!
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ジュンコ先生のタンゴのレクチャーが続いている。
「“タンゴの組み方”のプリント(第309話参照)
についての質問、他にあるかしら?」
手を上げたのは平田さん。
「④の“床からの反作用を受ける”
というところですわ」
ジュンコ先生は、ヤッパリ、
その部分の質問、来たわねという表情だ。
平田さんが続ける。
「以前、手で壁を押して、
その押し返される強さに比例して
お腹の中がギュって締まる感覚を体験して、
その手を足に、壁を床に置き換えたものが
“床からの反作用”感覚で、
ソレが
ダンスのパワー・エネルギー
の正体と習いましたし(第69話参照)
“床からの反作用を利用して”という言葉は、
レクチャーの中にたびたび登場するんですが、
ヤッパリ難しいんです」
「どう難しいのかしら?」
「手で壁を押したように、
足ではいかんのです(笑)
床を足ウラでいくら押しても
『よし!これが反作用のパワーだ』という
実感がないんです。
イヤ、あるのかもしれないのですが、
どれがソウ(床からの反作用のパワー)なのか
良くわからないんですわ。
特にタンゴの場合、
スタートの時点で、この『よしっ!』という
集中感覚があるのとないのでは、
大きな違いになりますでしょ?
だから、もっと
実感として味わいたいんですがね、
反作用パワーの感覚を・・・」
ジュンコ先生は納得した様子で、
「良くわかったわ、平田さん。
さぁ、みんなはどうかしら?
床からの反作用の感覚って、はっきりとこれだ!
ってカラダで感じ取れるという人はいるかしら?」
するとカナちゃん、
「お腹がギューッて締まる感じは
つかめるようになってきたんですけど…」
ソレを聞いた、紀子さん
「私も、
背筋がスーッと伸びてきた感じがありますわ」
他にも
「手の無駄な力みが抜けてきたように思うのですが」
と坂田さん。
ジュンコ先生は、
うなずきながら聞いていたが、
「それでは、実際にやってみせてもらおうかな。
みんないい?
両足を肩幅に開いてリラックスして立って。
そして
“床からの反作用”感覚を味わおうと試みてね。
で、
床をコンタクトできました、
反作用パワーをカラダに取り込んでいますという状態
でシッカリ立っていて欲しいの。
本当にソウできているかどうか、診断するからね」
ジュンコ先生は、
みんなの様子をジックリと観察し、
次に、
一人ひとりの前に行って、
そのカラダや手に触れてみている、
その触れた部位に少し圧力を加え、
押してみたり、引いてみたり・・・
「診断結果を発表するわね(笑)
床からの反作用エネルギーを上手く感じ取って、
シッカリ立てている人は、
残念ながらほとんどいないわ」
みんなは、
へぇ?という感じで聞いている。
「もちろん、
ある意味全員ちゃんと立ててはいるんだけど…
だってコケてはいないんだからね。
でも、目指す、
シッカリとした立ち方としてはできていない。
だから、そのままでタンゴらしく踊ろうとすると、
パワーではなく単なる“力み”
になっちゃうでしょうね」
「質問です。
私、お腹に力入れてたんですけど、
ちゃんと立てていませんでしたか?」
とカナちゃん。
「私もいつものように
背筋をスーっと伸ばしていたんですが」
紀子さんも不思議そうだ。
「手の力、ずいぶん抜いたのですけど、
もっと抜かないとダメなのかナァ」
と、坂田さんも。
ジュンコ先生は微笑みながら聞いていたが、
「せっかくしたのにね・・・
でも残念なことに
“順番”が違っていたのね、きっと」
順番が違う・・・!?
みんな声をそろえていうと
「そう、今みんなが言ったカラダの変化は、
“やる”ものではなくて、
“なる”ものなの。
“やる”より前に、
本当に床からの反作用パワー・エネルギーを
カラダに取り入れて、
“なる”状況を作らないとね。
そうすれば、自然と“なる”」
「???」
「床からの反作用のパワー・エネルギーが、
カラダの中に入ってきていない間に、
お腹を締めたり、背筋を伸ばしたり、
手の力を抜いたりなどの
身体操作を先にやってしまうと、
かえって、
床からの反作用のパワー・エネルギーの実感は、
得にくくなるのよ」
「じゃぁ、同じように、
お腹を締めたり、背筋を伸ばしたり、
手の力を抜いたり・・・ってやっても、
床からの反作用で、自然発生的に“なった”ものと、
わざと“やった”ものは、
違うってことなんですよね?」
紀子さんが聞くと、
「もちろん実感が全然違うわ!
ただし見た目は非常に似ているけれどもね」
「あの、チカラを抜くと言うことも・・・ですか?
わざと“やる”モノではない?」
と坂田さん。
「うーん、これは少し難しいわね。
なぜなら、カラダや手・足の力みを取らないと、
床からのパワー・エネルギーは上がってきにくいし、
カラダ中をめぐりにくい・・・
だから、先にチカラを抜こうとすることは
ある意味大切なんだけど、
問題は、
何のためにカラダ・手・足の力みを取るのかを
分かっておかないと、
ただの柔らかい人になって、
カラダからパワーやエネルギーは、
感じないダンスになっちゃう。
なぜそんな風になるかはわかるかしら?」
和夫が手を上げた。
「ソレは、
“チカラを抜くためにチカラを抜くから”です。
正しくは、
“床からのパワーやエネルギーを吸いあげ、
カラダ中に送り届けるためにチカラを抜く”
ことだと思います」
「正解!ソウなのよ。
だから、順番から言えば
床からの反作用パワー・エネルギーを
カラダに取り入れる
→結果、力みが取れる
→力みを取ることで
→床からの反作用パワー・エネルギーを
カラダに取り入れやすくなる
と循環している感覚を
感じ取れるようにならないとダメなのよね」
「ヤッパリ、難しいモンですナァ。
反作用パワーの実感って・・・」
と、平田さんがため息混じりに言うと、
ジュンコ先生は
「ウーン、できるようになれば
“これほど分かりやすい実感はない!”
ってくらいなんだけど、
できないうちはかなり難しいわね。
OK、今回は徹底して、
反作用パワー・エネルギーの実感を掘り下げてみましょう。
ソレがナイト踊った気がしないなんて風に
カラダが変化してくれたら幸いね。
キーワードは、
“グラウンディング”よ」
続く 第324話へ
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「“タンゴの組み方”のプリント(第309話参照)
についての質問、他にあるかしら?」
手を上げたのは平田さん。
「④の“床からの反作用を受ける”
というところですわ」
ジュンコ先生は、ヤッパリ、
その部分の質問、来たわねという表情だ。
平田さんが続ける。
「以前、手で壁を押して、
その押し返される強さに比例して
お腹の中がギュって締まる感覚を体験して、
その手を足に、壁を床に置き換えたものが
“床からの反作用”感覚で、
ソレが
ダンスのパワー・エネルギー
の正体と習いましたし(第69話参照)
“床からの反作用を利用して”という言葉は、
レクチャーの中にたびたび登場するんですが、
ヤッパリ難しいんです」
「どう難しいのかしら?」
「手で壁を押したように、
足ではいかんのです(笑)
床を足ウラでいくら押しても
『よし!これが反作用のパワーだ』という
実感がないんです。
イヤ、あるのかもしれないのですが、
どれがソウ(床からの反作用のパワー)なのか
良くわからないんですわ。
特にタンゴの場合、
スタートの時点で、この『よしっ!』という
集中感覚があるのとないのでは、
大きな違いになりますでしょ?
だから、もっと
実感として味わいたいんですがね、
反作用パワーの感覚を・・・」
ジュンコ先生は納得した様子で、
「良くわかったわ、平田さん。
さぁ、みんなはどうかしら?
床からの反作用の感覚って、はっきりとこれだ!
ってカラダで感じ取れるという人はいるかしら?」
するとカナちゃん、
「お腹がギューッて締まる感じは
つかめるようになってきたんですけど…」
ソレを聞いた、紀子さん
「私も、
背筋がスーッと伸びてきた感じがありますわ」
他にも
「手の無駄な力みが抜けてきたように思うのですが」
と坂田さん。
ジュンコ先生は、
うなずきながら聞いていたが、
「それでは、実際にやってみせてもらおうかな。
みんないい?
両足を肩幅に開いてリラックスして立って。
そして
“床からの反作用”感覚を味わおうと試みてね。
で、
床をコンタクトできました、
反作用パワーをカラダに取り込んでいますという状態
でシッカリ立っていて欲しいの。
本当にソウできているかどうか、診断するからね」
ジュンコ先生は、
みんなの様子をジックリと観察し、
次に、
一人ひとりの前に行って、
そのカラダや手に触れてみている、
その触れた部位に少し圧力を加え、
押してみたり、引いてみたり・・・
「診断結果を発表するわね(笑)
床からの反作用エネルギーを上手く感じ取って、
シッカリ立てている人は、
残念ながらほとんどいないわ」
みんなは、
へぇ?という感じで聞いている。
「もちろん、
ある意味全員ちゃんと立ててはいるんだけど…
だってコケてはいないんだからね。
でも、目指す、
シッカリとした立ち方としてはできていない。
だから、そのままでタンゴらしく踊ろうとすると、
パワーではなく単なる“力み”
になっちゃうでしょうね」
「質問です。
私、お腹に力入れてたんですけど、
ちゃんと立てていませんでしたか?」
とカナちゃん。
「私もいつものように
背筋をスーっと伸ばしていたんですが」
紀子さんも不思議そうだ。
「手の力、ずいぶん抜いたのですけど、
もっと抜かないとダメなのかナァ」
と、坂田さんも。
ジュンコ先生は微笑みながら聞いていたが、
「せっかくしたのにね・・・
でも残念なことに
“順番”が違っていたのね、きっと」
順番が違う・・・!?
みんな声をそろえていうと
「そう、今みんなが言ったカラダの変化は、
“やる”ものではなくて、
“なる”ものなの。
“やる”より前に、
本当に床からの反作用パワー・エネルギーを
カラダに取り入れて、
“なる”状況を作らないとね。
そうすれば、自然と“なる”」
「???」
「床からの反作用のパワー・エネルギーが、
カラダの中に入ってきていない間に、
お腹を締めたり、背筋を伸ばしたり、
手の力を抜いたりなどの
身体操作を先にやってしまうと、
かえって、
床からの反作用のパワー・エネルギーの実感は、
得にくくなるのよ」
「じゃぁ、同じように、
お腹を締めたり、背筋を伸ばしたり、
手の力を抜いたり・・・ってやっても、
床からの反作用で、自然発生的に“なった”ものと、
わざと“やった”ものは、
違うってことなんですよね?」
紀子さんが聞くと、
「もちろん実感が全然違うわ!
ただし見た目は非常に似ているけれどもね」
「あの、チカラを抜くと言うことも・・・ですか?
わざと“やる”モノではない?」
と坂田さん。
「うーん、これは少し難しいわね。
なぜなら、カラダや手・足の力みを取らないと、
床からのパワー・エネルギーは上がってきにくいし、
カラダ中をめぐりにくい・・・
だから、先にチカラを抜こうとすることは
ある意味大切なんだけど、
問題は、
何のためにカラダ・手・足の力みを取るのかを
分かっておかないと、
ただの柔らかい人になって、
カラダからパワーやエネルギーは、
感じないダンスになっちゃう。
なぜそんな風になるかはわかるかしら?」
和夫が手を上げた。
「ソレは、
“チカラを抜くためにチカラを抜くから”です。
正しくは、
“床からのパワーやエネルギーを吸いあげ、
カラダ中に送り届けるためにチカラを抜く”
ことだと思います」
「正解!ソウなのよ。
だから、順番から言えば
床からの反作用パワー・エネルギーを
カラダに取り入れる
→結果、力みが取れる
→力みを取ることで
→床からの反作用パワー・エネルギーを
カラダに取り入れやすくなる
と循環している感覚を
感じ取れるようにならないとダメなのよね」
「ヤッパリ、難しいモンですナァ。
反作用パワーの実感って・・・」
と、平田さんがため息混じりに言うと、
ジュンコ先生は
「ウーン、できるようになれば
“これほど分かりやすい実感はない!”
ってくらいなんだけど、
できないうちはかなり難しいわね。
OK、今回は徹底して、
反作用パワー・エネルギーの実感を掘り下げてみましょう。
ソレがナイト踊った気がしないなんて風に
カラダが変化してくれたら幸いね。
キーワードは、
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