fc2ブログ
目次へ

エクササイズ&プラクティス集へ




ある女性たちの会話・・・


A子「昨日ね、パーティに行ったんやけど、
スゴイいやな思いをしたのよ」
 

B子「え、どないしたん?」 
 

A子「タンゴを踊っていたときやねんけど、
相手の男性からね、頭をこづかれたんよ。
『顔が近いって』」


B子「おる、オル、そういう失礼な人! 
自分は何にもせんと、
女性を直そうってする男の人って・・・腹立つよねぇ。
私も言われたことあるわ『もっと頭、左』って」


A子「でも中には、
自分のほうからトップ(頭の位置)を離してくれる、
上手い男性もいてはるんやけどナァ」


B子「そういう人って組みやすいヤロ?」


A子「うん、ココっていう位置に
女性のボディをおいてくれはるし、
シェイプがやりやすい。
そういう人ってヤッパリ“姿勢”ができてはるんかな?」


B子「“姿勢”?」 


A子「床に対してまっすぐ垂直に立っててくれハルから、
女性が左へのシェイプしやすいのん違うかな」


と、二人のやりとりを聞いていたC子が間に入ってきて


男性が床にただただ垂直に

立っているだけだと

本当の意味で女性とは組めない
わよ


A子B子「え?」


C子「ただしね、女性もただまっすぐ立って踊る、
ラフなパーティダンスって感じならそれ
(男性が床に垂直に立っている)だけで十分よ。
でも、美しく左へシェイプして、
男性とより深く感じあって踊る、
いわゆるイングリッシュ・スタイル
=競技スタイルをやりたいんだったら、
男性も“床に垂直・まっすぐ”だけ、
つまり、姿勢が良いだけではダメ
なのよ」


A子「ちょっと、意味がよくわからないんやけど。
じゃぁ、私がさっき言っていたような
上手な男性って・・・」


C子「そういう人は、

ポイズがシッカリできているのよ」


B子「ポイズができている・・・?」


C子「そう。
相手や、使うフィガーなどによって、

自由自在に対処できるポイズ

を手に入れているのね、きっと」




さて、ジュンコ先生のタンゴレクチャー、

タンゴの組み方のプリント(第309話参照)

の内容に関する質問を受け付けている。



「先生、④で“左へのシェイプ”とあるのですが、
男性も左へのシェイプをするのですか?
男性はまっすぐ立って、
左にカーブするのは女性だけかと思っていたモンで」

坂田さんの質問だ。



ジュンコ先生は静かに微笑んでうなずいた。
「では、坂田さん、実際に確かめてみましょうか」
と、隣にいたカナちゃんと
カップルになるように指示を出した。


「みんなは、
二人の頭の辺りに注目してみてあげてね」


そして坂田さんとカナちゃんに
「組む前に、いい?
二人とも、床に垂直を意識して立ってみて。
で、そのまま、組んでみましょうか。
カナちゃんも顔をまっすぐして、左を向かないでね」



「すごく、顔が近くなるモンですね」
と坂田さん。



一緒に組んでいるカナちゃんは
「コミュニケーションをとるためだったら、
良いかもね。
お話しながら踊ったり・・・」

と、それほどイヤそうではない。



見学のトシ子さんも言った。
「まっすぐってソレはそれでキレイですわ。
ヘンにカラダがゆがんでいなくて」




「ソウね。
基本はまず床にまっすぐ、
リラックスして立つことだからね。
特に初心者の頃はこのままでいっこうに構わない・・・
というより、こういう“まっすぐ”な時期を経て、
左へのシェイプを身に付けていかないと危険ね。
トシ子さんが言ったように
カラダのゆがみを誘発することになるから」
ジュンコ先生はそう言い置いてから


「さて次は、左へのシェイプ、
カナちゃんだけがやってみましょうか・・・
坂田さんはまっすぐのままで。
さぁ、どんな感じかしら?」



「視界は広くなりましたが(笑)
なんかヘンです。
一緒に組んでるって感じは、
さっきよりしなくなりました」

と坂田さん。



カナちゃんも
「なんか、
一人だけって(カラダが)きついナァ。
さっきのまっすぐ同士のほうがいい感じ」




見ていた平田さんは
「男性が、

右に寄っていっている感じ

がしますな」




ジュンコ先生はうなずきながら聞いていたが、
カナちゃんにいったん離れるように言い、
代わりに自分が坂田さんのホールドに入り、
なにやら坂田さんに
耳打ちしながらササットカラダを直した。
見た目、
左へシェイプのアクションが加わったようだが。
そして、もう一度
「カナちゃん、組んでみて」
と促す。



「わぁ、居心地がいい!!
これだと女性も
左へのシェイプをやりたくなります!」




「え?そう?
ほんの少し変えただけみたいなのに」

と坂田さんも驚いてから


「確かに、ボクもすごくいい感じです。
二人で大きなわっかを作っているみたいで・・・」




ジュンコ先生は微笑みながら、
「カナちゃん、ありがとう。
では、カナちゃんの代わりに、
ハナコさんが坂田さんのホールドに
入っていただいていいかしら?」



坂田さんのホールドの中でハナコさんは、
少し不満そうだ。
「なんだか私にはシックリこないのですが」



坂田さんは
「ソウですね。
ボクもそう感じます」




ジュンコ先生は笑いながら、
「坂田さん、
ハナコさんに何か要求したくならない?」



すると、坂田さんは言いにくそうに
「ハイ、
『もっと頭を離して欲しい』って感じがします」

と言ってから


「コレ、ひょっとして“ボク”が
変えなきゃいけないんでしょうね・・・」




「どういうことかな?」
と、ジュンコ先生は意味ありげに微笑んでいる。



「先生に直してもらって、
カナちゃんと組んでシックリきたからって、
全く変えないでいたのですが、
でもソレっておかしいですよね、考えてみれば。
違う方なのですから・・・」




「いいところに気が付いたわね。
実はその通りなのよ」
と、ジュンコ先生。
「整理するとね

① 相手とより一体感を持って組み、
高度な表現をするための
“左へのシェイプ”は男女ともに作る。

② その“左へのシェイプ”は
正しいポイズ(=床に対しての背骨の角度)より
生まれる(第313話参照)

③ ポイズおよび“左へのシェイプ”感覚は、
組む相手により、すべて調整が必要!」


女性と組む時、
誰に対してでもいつも同じポイズで変化しない・・・
という男性は多い
わね。
自分のスタイルを守るあまり、
なのかも知れないけれど、

これは絶対にNG

自分のポイズを変えるどころか、
無理やり女性をいらって自分に合わさせようとする、
これは女性からブーイングモノよ」
ジュンコ先生が言うと、



「いやぁ、そんなつもり
(変化しないつもり)はないんですが、
どう変化して良いのかワカランのですよ。
家内一人でも難しいですワナ。
『昨日の私と今日の私は違って当然。
同じようには行かないわよ』
って文句いわれますけれどもな」

と平田さんは苦笑している。



「ソウね。
女性をリードする側の男性は女性以上に、
ポイズの勉強をしなくてはダメなのよ。
この件に関してはまたオイオイレクチャーしましょうね」
ジュンコ先生はそう言い


「さて、話をタンゴに戻して・・・
(坂田さんのほうを見ながら)
プリントの④男性の左シェイプのことね。
女性のシェイプがあるってことは、
男性にもあって当然!
ソレをすることによって、
ようやく二人がピッタリと組めるようになるわ。
ではその男性の左シェイプ、作っていきましょうか」



      続く 第319話へ



いつも 応援クリック ありがとうございます。
      ↓ ↓ ↓
   
人気blogランキングへ
とても励みになっています。(ジュンコ)