2007.11.29 (第310話)ドラマティック情熱「タンゴ」ⅩⅩⅠ タンゴホールドの問題点
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和夫と真理、
ジュンコ先生から渡されたプリント(第309話参照)にそって
“タンゴの組み方”練習開始。
「・・・こんなものなのかナァ?
なんだかしっくりこないような感じがするんだけど。
カズはどう?」
「ボクも一緒さ。
組んだはいいが、
スグに動き出せそうにナイ!
ソレが大きな問題だな。
無理やり左回転をして
タンゴポジションに持っていこうとすると、
右肩が出てくるし・・・」
和夫はそう言い、少し考えてから
「それにボクさ、
真理ちゃんが気になって仕方がないんだ」
「え、気になるって・・・?」
「運ばなきゃいけない、
連れて行かなきゃいけない・・
そんな風に思ってしまうんだ。
たぶん組み方のせいなんだろうけど
(真理ちゃんが)スタートしてくれそうに感じない。
で、ボク自身もどうやったら
スムーズにスタートが切れるか、
カラダが迷っている
なんていうか、
スタートのキッカケがつかめないんだ」
「あ、ソレ、わかる。
私もだもん。
ワルツやスローだったら、
スイング運動があったから
(スタートが)わかりやすかったし・・・」
「そう、スイング・ダンスにはスタート時に
“予備足”ってモノがあるからね。
テイクバックも使えるし」(第307話参照)
「ソウね。
で、ワルツやスローでは
後退する女性がシッカリと
男性をインバイト(招き入れる)
するってことが大切
ってわかってきたから、
スタートのときも男性のムコウから(後ろから)
スイングの波を動かして・・・ってやったら、
自分も気持ちよく
スタートが切れる感じがつかめてきたじゃない?
タンゴも、
女性の後退から始まることに違いはないわけだから
“何か”はしているんだろうけど、
どうしていいのかわからないのよね。
男性が前進して来るまで組んだまま
じっと立ってるって感じで・・・」
「そうだよな。
タンゴポジションって
左回転して作るもんだから下手にやったら、
せっかくキレイに組めても、
動き出したらこわれちゃう・・・もんな。
左回転は間接的に
相手とかかわりなさいって習ったけど(第206話参照)
タンゴの場合は、
右ホールドがガシャンって感じで
真理ちゃんに
組まれちゃってるからナァ(笑)
それで、左に持ってかれたら、大変だ」
和夫のその言葉を聞いたとたん、
真理は、
「え?ガシャンって感じがするの?
私、腕にチカラが入っている?」
「ウーン、ソレもあるかもしれないけど、
ボクの右ホールドと
真理ちゃんの左ホールドの
一体感が全然ないんだ」
真理はしばらく考えていたが
「そういえば、プリントの⑥に
スイング・ダンスのときよりも
シェイプはきつく
って書いてあったんだけど(第309話参照)
よくわからなかったんだ。
ひょっとしてソコかナァ、
ソレ(女性のタンゴ・シェイプ)が分かれば、
もっとカズが私のことが変に気にならなくなって、
スタートもスムーズになるんじゃない?」
すると、和夫も言い出した。
「確かに、そうかも。
スタートでサポーティング・フットの右足を使って
・・・ってやろうとしても、
ヤッパ、右ホールドが気になって、
仕方なかったからね」
真理はもう一度プリントにジックリ目を通し、
「あ」と声を上げた。
「⑧
女性、左へのシェイプを続けながら。
左アームを男性の右アームの後ろへと
伸ばし始める
って書いてあるけど、
この“後ろへ”って表現が気になるナァ。
私、ただ脇の下に添えてるだけだモン。
(和夫と組んでみながら)ね、こうやって」
「ウーン、なんだかこうやって
腕の下に置かれた時点で、
もうダメだって感じるんだよな」
「え?何がもうダメなの?」
「違和感を感じてしまって、
踊る気持ちがなえる」
「ちょっとぉ、そんな言い方しなくても・・・。
じゃぁ、どうすればいいか教えてよ!」
真理は少し気を悪くしたみたいだ。
「ソレが分からないんだな。
これはおそらく真理ちゃんだけのことではないからね。
ボクにも何かやるべきことがあるはずなんだ。
今度のレッスンのとき、質問してみようよ」
(冷静な声で)
「分かった、そうしよう。
じゃ問題点を整理しておくね」
問題点
スタートのキッカケがつかめない
男性右ホールドと女性左ホールドの
一体感がない
女性のタンゴシェイプが分からない
続く 第311話へ
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“タンゴの組み方”練習開始。
「・・・こんなものなのかナァ?
なんだかしっくりこないような感じがするんだけど。
カズはどう?」
「ボクも一緒さ。
組んだはいいが、
スグに動き出せそうにナイ!
ソレが大きな問題だな。
無理やり左回転をして
タンゴポジションに持っていこうとすると、
右肩が出てくるし・・・」
和夫はそう言い、少し考えてから
「それにボクさ、
真理ちゃんが気になって仕方がないんだ」
「え、気になるって・・・?」
「運ばなきゃいけない、
連れて行かなきゃいけない・・
そんな風に思ってしまうんだ。
たぶん組み方のせいなんだろうけど
(真理ちゃんが)スタートしてくれそうに感じない。
で、ボク自身もどうやったら
スムーズにスタートが切れるか、
カラダが迷っている
なんていうか、
スタートのキッカケがつかめないんだ」
「あ、ソレ、わかる。
私もだもん。
ワルツやスローだったら、
スイング運動があったから
(スタートが)わかりやすかったし・・・」
「そう、スイング・ダンスにはスタート時に
“予備足”ってモノがあるからね。
テイクバックも使えるし」(第307話参照)
「ソウね。
で、ワルツやスローでは
後退する女性がシッカリと
男性をインバイト(招き入れる)
するってことが大切
ってわかってきたから、
スタートのときも男性のムコウから(後ろから)
スイングの波を動かして・・・ってやったら、
自分も気持ちよく
スタートが切れる感じがつかめてきたじゃない?
タンゴも、
女性の後退から始まることに違いはないわけだから
“何か”はしているんだろうけど、
どうしていいのかわからないのよね。
男性が前進して来るまで組んだまま
じっと立ってるって感じで・・・」
「そうだよな。
タンゴポジションって
左回転して作るもんだから下手にやったら、
せっかくキレイに組めても、
動き出したらこわれちゃう・・・もんな。
左回転は間接的に
相手とかかわりなさいって習ったけど(第206話参照)
タンゴの場合は、
右ホールドがガシャンって感じで
真理ちゃんに
組まれちゃってるからナァ(笑)
それで、左に持ってかれたら、大変だ」
和夫のその言葉を聞いたとたん、
真理は、
「え?ガシャンって感じがするの?
私、腕にチカラが入っている?」
「ウーン、ソレもあるかもしれないけど、
ボクの右ホールドと
真理ちゃんの左ホールドの
一体感が全然ないんだ」
真理はしばらく考えていたが
「そういえば、プリントの⑥に
スイング・ダンスのときよりも
シェイプはきつく
って書いてあったんだけど(第309話参照)
よくわからなかったんだ。
ひょっとしてソコかナァ、
ソレ(女性のタンゴ・シェイプ)が分かれば、
もっとカズが私のことが変に気にならなくなって、
スタートもスムーズになるんじゃない?」
すると、和夫も言い出した。
「確かに、そうかも。
スタートでサポーティング・フットの右足を使って
・・・ってやろうとしても、
ヤッパ、右ホールドが気になって、
仕方なかったからね」
真理はもう一度プリントにジックリ目を通し、
「あ」と声を上げた。
「⑧
女性、左へのシェイプを続けながら。
左アームを男性の右アームの後ろへと
伸ばし始める
って書いてあるけど、
この“後ろへ”って表現が気になるナァ。
私、ただ脇の下に添えてるだけだモン。
(和夫と組んでみながら)ね、こうやって」
「ウーン、なんだかこうやって
腕の下に置かれた時点で、
もうダメだって感じるんだよな」
「え?何がもうダメなの?」
「違和感を感じてしまって、
踊る気持ちがなえる」
「ちょっとぉ、そんな言い方しなくても・・・。
じゃぁ、どうすればいいか教えてよ!」
真理は少し気を悪くしたみたいだ。
「ソレが分からないんだな。
これはおそらく真理ちゃんだけのことではないからね。
ボクにも何かやるべきことがあるはずなんだ。
今度のレッスンのとき、質問してみようよ」
(冷静な声で)
「分かった、そうしよう。
じゃ問題点を整理しておくね」
問題点
スタートのキッカケがつかめない
男性右ホールドと女性左ホールドの
一体感がない
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