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アレッ? 

題名、変わってる・・・


今日から タンゴなの?


やったぁ!
タンゴ、好きだし、上手くもなりたいけど、
やってみると難しいもんねぇ。
ねぇねぇ、ゼヒとも、
カッコよーく踊れるようにご指導くださいな。
(タンゴ関連記事 第1983話参照)


それにしてもタンゴって、
他のスタンダード種目とは明らかに一線を画する
(ハッキリとした区別がある)と思わない?

ワルツやスロー・フォックストロット、
クイックステップの動きって、

流麗 (リュウレイ=よどみがなく美しいさま)

な華やかさがある。
ダンスのテーマをキャラクターでいうと、
王子
紳士淑女・・ってな感じかな。
ソコに男女の触れ合いは(モチロン)あるにしても、
あくまで、清らか、清楚、潔白・・・
「これ以上は手を出してはなんねぇ」
というバリアゾーンがお互いを取り巻き、
それが

軽く心地良い空気の層

を生み出している感じがあるんだな。


一方、タンゴの動きって、
ナァンカ、ドキドキ

あ~ドラマティック♥ じゃなーい!?

直線的時間が、いきなり、断絶
・・・かと思えば、
実はズーっとつながっていて、
また、一気にシュン!シュパッ!って変化する。
そんなアクションに似合う言葉を探してみても
情熱・葛藤・相克(ソウコク=対立・矛盾する
二つのものが互いに相手に勝とうと争うこと)・・
ウーン、決して軽い感じではないよね。

男女のかかわり方にしても、
他の種目よりダンゼン濃い、かも。
そう、タンゴにおいてのテーマ・キャラはズバリ

そのものなんだな。

聞くところによると、タンゴって
“男女の性の営みがシンボライズされている”らしい。
アラアラ、いきなり顔を赤らめ
「同じタンゴでも、アルゼンチンタンゴ・ダンスは、
そういう官能的な表現であるのは知っていますが、
社交ダンスのソレはソコまで激しいものではなく・・・」
なんて言い出す人がいるかもね。


確かにそうなんすよ。
  
社交ダンスのタンゴには、

直接的な
“愛の営み”の表現はぜーんぜん見当たらない。
お互いが半身左にズレて組み、左に向いているので
めったに視線を合わすこともないんだもんね。

カタチでいうなら、

Y字型

言うなれば、“営み”部分を極限にまで
昇華しちゃったモノともいえるのかもしんない。

とはいっても、
“カエルの子はカエル”
つまり、社交ダンスのタンゴの原型=

生みの親は、

あの頬を寄せ、足を絡ませ、
男女の情感を感じあいながらステップをする

A字型

アルゼンチンタンゴ・ダンス


この歴史は塗り替えようがないんだから、

まったくソーいう(官能的な)流れが
断ち切られているってわけでもないし、
(事実、社交ダンスのタンゴにおける
アノ独特なホールドの中に、
美しき名残が生きているではないか!?)
また、
「ソンナァ、(官能的表現なんて)
恥ずかしいから、カット!」
とあえてしてしまう必要もないだろう。 
なぜって、異性との健全なる触れ合いは、
生身の人間にとって、
とっても重要なものでありまして、
また、愛し合う二人にしても
「アァ、コレだけ愛していても、
なぜに、あなたと私は真にひとつになれない」
だからこそ、惹かれあい、求めあう。
男女の間に横たわる、
どうしても埋められない狭間は、
時に、相克を生み出して・・・
が、男女の間に横たわる

永遠のテーマでありまして、

ソレをセンチメンタルな音楽と共に表現しているのが、
タンゴでありますからに・・・


チョッと待って、
タンゴの始まりって、実は、

男同士で踊っていたんだ

ってこと知ってる!?
「え~、ボク、タンゴ、好きだけれど、
そういう趣味はありません!」
と、早合点しないでよ。

OK、誤解を解くためにも、
ココでチョックラ、

タンゴの発祥&歴史をたどってみよう。

タンゴは、今から130年ほど前に
南米アルゼンチンの首都
ブエノスアイレスで始まったんだ。
他のラテンアメリカ諸国もソウナンだけど、
アルゼンチンは“移民”が作った国。
1580年にスペイン人植民者が
ブエノスアイレスを建設して以来、
ヨーロッパを中心にいっぱいの移民たちが
夢を求めてやってきたんだけれど、
モチロン、成功者ばかりってわけにはいかない。
当然貧富の差は激しくなる、
すると、住み場所にも偏りが出てくるんだよな。
中でもとりわけ貧しい“裏町”だった港町ボカ地区に、
うだつの上がらない“落ちこぼれ移民”たちの
フラストレーションのはけ口としてでき始めたのが、
売春宿・バクチ場などの、さまざまな娯楽施設、
なんと、ソコがタンゴ発祥の地と言われているんだ。
つまりタンゴは、そんな場末の
“いかがわしい”娯楽のひとつとして、
移民たちの手によって
「発明」されたダンス音楽だったんだな。
そこで

男たちは

タンゴを教えあっては腕を磨き


娼婦兼ダンサーの女性と踊って、
日頃の憂さ晴らしをする・・・。

で、当初のタンゴって、
すさんだ世界の連中のダンス音楽であって、
ブエノスアイレス市民には
縁遠いものだったって言うんだな。
アララ、タンゴの運命は、
ココで尽きてしまうのかと思いきや、
1890年代に、
ドイツからバンドネオン
(アコーディオンのような楽器・鍵盤がボタン式)
が持ち込まれ、一変。
「タンゴの“音楽”って、いいヤン
ってことで、楽譜が出版されたり、
レコードができたり・・
で、プロのタンゴ楽団も生まれ
一般市民に広く親しまれるようになったんだ。

その後、ヨーロッパに伝わったタンゴは、
フランス・パリで大流行。
1910年代にはイギリスにも伝わり、
ボールルーム組織によって
ステップの標準化が行われ、
競技スタイルという
新たなジャンルを開拓することとなったんだよ。

日本では、アルゼンチンから
ヨーロッパに渡って発展したタンゴを
「コンティネンタル・タンゴ」と呼び
(コンチネンタル=大陸の)
ないし
「ヨーロッパ・タンゴ」と呼び、
本場の
「アルゼンチン・タンゴ」と区別しているよ。
両者は音楽としての演奏形態が全く違えば、
ダンスも違うのは、ご存知の通りだ。

「アルゼンチンタンゴ」はバンドネオンを主体とした
「オルケスタ・ティピカ」と呼ばれる
典型的な楽団による演奏が特徴的。
ダンスには基本ステップはあるが、
後は男性のリードによるほとんどが即興。
つまり
「1・2・3・4」といったカウントではなく、
想いや 感性で踊るものなのだ。
男女の情感を表現する
頬をくっつけ合うようなスタイル、
華麗な足技も特徴的な官能的なダンス。

一方の
「コンチネンタル・タンゴ」は弦楽器を主体とした
シンフォニック・オーケストラで演奏、
バンドネオンは部分的な使用にとどまっている。
ダンスとしては、足型がキッチリと定められ
その組み合わせで踊るもので、
男性からのリードはあるものの
「アルゼンチンタンゴ」に比べると感情表現は希薄だ。

また、もう一つハリウッドのメディアで見受けられるのが
「アメリカン・タンゴ」だ。
アルゼンチンタンゴと
コンチネンタル・タンゴ両方の
難しさを軽減しているものでもある。
(つまり感情表現し過ぎず、
あまり型にもはめられ過ぎず、といった感じ)


オッと、ほんの少しの紹介のはずが、
えらく長くなってしまいました・・・。
と、ここで
「あのぉ、ところで、
私らが今現在やってるタンゴは、
何て言いますのん?」
という質問。

ハイ、実はねぇ~、
最近のは特に、
フィガーにも色々混じってきちゃって、
もうわかんなくなってきてるんだな。
でも、しいて言うなら、

イングリッシュスタイル・タンゴかな。

ラテンの国、アルゼンチン発、
スタンダード種目という、
スペシャル待遇だ。

「本来のタンゴに戻ろう」なる
回帰現象的動きもあるという今日、
さぁさぁ、
ジュンコ先生ワールドのタンゴってドンナンかなぁ??

次号からをお楽しみに!



      続く 第291話へ



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