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特別シリーズ 
社交ダンスを教えるということ vol.2 

教師試験の矛盾

~ダンスのプロって何なんだ?④~



“プロ教師資格”には、
いくつかのランクがあるんだ。
当時私が受験したのは
「これに合格したら、あなたはプロですよ」
となる一番下のランクの試験。
その名もアソシエート(Associate)
これは、“準会員”という意味なんだよね。
ん、正式会員じゃない!?
でも大丈夫。
これ(アソシエート)になれば、
れっきとしたプロには違いないよ。

そもそも

“プロ教師資格試験”って

ある“矛盾”を抱えているもの
なんだな。

って、見ようによっちゃぁ、
別に矛盾なんてしてなくて、
当然って言われることかも知んないけれど…

どういうことか説明しよう。

問題はソロ試験

ベーシックフィガーで構成された、
48個もの規定アマルガメーションを
覚えなければならない。
(第286話参照)
私が受験した当時はスターンダードのみ4種目だったが、
最近の試験ではラテンもあるため
アマルガメーションの数はその倍近くにもなる。
受験者にとってコレ
(すごくたくさんの規定アマルガメーションを
覚えなければいけないこと)が、
かなりの負担なんだ。

上のランクの試験になると、
めっきり
(覚えるべき規定アマルガメーションの)
“数”は減ってくる。
ただし、
種目や
(ウインナワルツとジャイブが加わる)
フィガーの難易度
(上位ランクの試験には難しいフィガーが入ってくる)
1つのアマルガメーションの長さ
(上位ランクのヤツがモチロン長い)
で、差がつけられているようで
つまりは、上のクラスほど
試験内容は難しいハズ・・・なんだけど

実はココに、
面白いパラドックス(矛盾)があるんですねぇ。
だって、たくさんあるフィガーの中でも、
実は、

本当の意味で手ごわいのは

“超ベーシック”
と言われるもの。

ワルツだったら、クローズドチェンジ
タンゴだったら、ウォーク
これらを“ちゃんと”踊るってコトが最も難しい
という観点に立てば、
アソシエイト試験が一番難しいかも、
いや、難し過ぎるかも・・・なんだよな。
だって、規定アマルガメーションすべてが
(モチロン)ベーシックフィガーだし、
上記の通り、覚えるべき数もウンと多いんだモン。

誤解のないように言っておくと、
プロかアマチュアかの線引きになる、
アソシエイトの試験が難しいのは、
ある意味、大切なことだろう。
むしろ、難しくあるべきだとも思うんだ。
だから問題になってくるのは
アソシエイトの試験が、
上位ランクの試験より難しいってことではなくて、
その難しさの方向なんだな。
つまり

本来、

難しくするべきところを簡単に

簡単にするべきところを

やたら難しくしている感がある


ってことなんだ。
やたら難しく・・・は、
先ほどから述べているように、
覚えるべき規定アマルガメーションの数が多いってこと。
で、フィガーは順番どおり覚えておかないと、
ちょっとでも狂ったらアウトなんだもん、
どうしてもカタチどおりの丸暗記状態になりやすい。
フィガー、一つひとつのテクニックも、
表面的な理解で、
終わってしまうナァって感を否めないんだ。

で、上記のような理由で持って

「アソシエートの試験って、
酷じゃないですか?」

なんて、試験官に問うたとしよう。

すると

「いやいや、そうだから、
合格基準は低く設定しているよ」

とくるはずだ。


ソロ試験、必勝マニュアル(?)によれば、

その1 
とにかく、途中で止まってはいけない。
ステップが分からなくなったら、
何でもイイから動いておくこと

その2 
方向とフットワーク、
まずはこれさえ間違えなければOK

その3 
自信なさそうな印象を与えてはいけない。
キリッと顔を上げて姿勢良く

(注意)当日は、3~5人くらいを横並びにさせて、
踊らされるため、
モシ隣の人が間違っていたら、
つられてしまうことアリ。
また、音楽ではなく、
カウントにあわせて踊るので、
そのつもりで練習のこと。
(カウントは予めテープに吹き込んであるもの。
非常に機械的ないい方だが・・・)


ウーン、どうなんでしょうねぇ?
と首をかしげてしまう部分もあるが、
実際こういう風潮であるらしいんよね。

ワタシ、思うに
試験って、基準の設定よね。
つまり
アソシエイトの試験といえば、
アソシエイトとして認められる基準、

これができて初めて

プロのダンス教師ですよ
って、基準。


でもソレが、

「広く浅くベーシックフィガーの“足型”を知っている人」

「規定どおりのアマルガメーションを、
間違えずに踊れる人」


って言うだけで、


いかに音楽に乗って踊るか

とか

リード&フォローの緻密さ 豊かさ

とか

リキミのないイイ体感を

相手に感じさせて踊ること


とかいった
プロのダンス教師なら絶対、コレ必要でしょ?
って言う基準ではないような。
それにね、

ヤッパ“社交”ダンスのプロになるってわけだから、

先生としての“人となり”みたいなものの基準も

入るんじゃぁないのかナァ?
ってことも、思うわけ。




「でもね、だからといって

“システム”を変えることはできないわ」

と、現ジュンコ先生。


「ということで、
受験するこちら側の意識を変えればいいのよ。
そうすれば、今の受験システムを利用して
ちゃんと自分で納得のいく勉強ができるし、
合格できた暁には、

“実学”を伴った即戦力の教師として

ダンス界に貢献できる
第1歩を踏み出すことができるでしょうね」



「実学・・・って? 
実際に役立つ学問ってこと?」




「ソウよ。
“実学”とは、難しく言えば
『空理空論の学問を排した、
現実的・合理的な学問』」



「あぁっ、その昔、
米沢藩の窮地を救った名君
“上杉鷹山(ようざん)”の師、
“細井平洲(へいしゅう)”の教えですね」




「ジュンコさん、良く知ってるじゃない!(笑)
そして、もっと近年では、
“福澤諭吉”の実学も、そうね。 
『現実の社会現象の解明または
実社会での実践のために、
合理的・実証的精神に基づいて、
既存の知識体系を再構成すること』
社交ダンスの知識は実学でなきゃ。
だから、

社交ダンスを教えていくということは

常に実学を教えていくこと・・・


でなくてはって思うわけ」 



「“福澤諭吉”って懐かしいナァ。
『学問のススメ』
『天は人の上に人をつくらず、
人の下に人をつくらず』ですね。
でもぉ、社交ダンスの知識は実学であるべきって、
分かるヨーナ、分からないヨーナ…」




「ソコのところを、
プロ教師試験の受験勉強中に
学びとっていくってわけよ」

次号、ソロ試験、受験勉強の実践だ。



      続く 第289話へ



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